AZKi 1st ALBUM「without U」レビュー(MV編)
「誰か一人が欠けても今AZKiはここに存在していなかった」
2019年9月22日のAZKi 3rd/last ENTAS LiVE「レペゼンエンタス」のMCでAZKiちゃんが口にした言葉です。「Virtual Diva AZKi」が活動するには、AZKiちゃんひとりの力ではできなくて、ツラニミズさんをはじめ裏方の人たちの力を合わせて初めて実現できています。全員合わせて「AZKiチーム」です。
私はAZKiちゃんを推していますが、最近よく自分はAZKiチームが好きなんだな、と思います。AZKiちゃんを中心にして、たくさんの人が輪を作っている暖かい空気が好きです。
そんなAZKiチームが製作した1st ALBUM「without U」の発売から早1ヶ月が経とうとしています。発売日に私が書いたレビューはこちら。
今回はAZKiチームの中でも欠かすことのできない動画担当のノノルさんが作成した「without U」のMVについて感想を述べていきたいと思います。ノノルさんのTwitterはこちら。
嘘嘘嘘嘘
このMVの中で歌詞に寄り添ったり縋り付いているAZKiちゃんが、愛憎溢れる歌詞の雰囲気とすごく合っていたと思います。空から弾や嘘や無が落ちてくる演出が好きです。あと「何処かとりのこされた甘い蜜のよう」の部分の上からドロリとしたものが垂れてくる演出もGOOD。
歌詞の解釈ですが、私は最初男性に嘘をつかれている女性の心境を歌っているのだと思っていました。ただこのMVを何度も見直していると、その逆で、女性に嘘をつかれている男性の心境かもしれないと思うようになりました。
MVでAZKiちゃんが舌を出すシーンで、赤い液体とともに嘘や無が零れ落ちています。これはAZKiちゃんの口から嘘が紡がれているようにも見えるんですね。とすると嘘を吐いている君とは果たして誰?と考えると、歌詞の解釈も変わってきます。
どちらが正解ということはないと思うのですが、解釈次第で全然歌の印象が変わるのが面白かったです。そんな気付きを与えてくれたノノルさんに感謝。
世界は巡り、やがて君のものになる
さめのぽきさんがプロデュースしたこの曲は、以前の配信でぽきさん自身が「この曲はAZKiちゃんになる前のAZKiちゃんから、今のAZKiちゃんへの祝福の歌」と語っていました。
MVでは深海のような美しく静かな場所で何かを待ち続けるようなAZKiちゃんが、音楽のピアノの雰囲気と非常にあっています。おそらく、この色がついていないAZKiちゃんが「AZKiちゃんになる前のAZKiちゃん」なのだと私は解釈しました。このAZKiちゃんと、今のAZKiちゃんが出会って色が付くんだと思います。
このMVを見るたびにぽきさんの考察.PDFが読みたくなります。早く有料noteで公開してください。
フロンティアローカス
これまでリリースしてきた曲のキービジュアルを背景にAZKiちゃんが歩いていくという、AZKiちゃんと一緒に歩んできた開拓者にとっては最高に刺さるMVだと思います。それぞれのキービジュアルに曲の発売日が書いてあるのも流石ノノルさん芸が細かい。
そしてフロンティアローカスのキービジュアルの下半分にある手、この手は誰の手なのか?という疑問があります。私はAZKiちゃんを支えたり背中を押している開拓者の手だったら良いなと思います。
MVの後半で1st衣装と2nd衣装の二人のAZKiちゃんが出あい指切りを交わす演出が、未来の自分から過去の自分へのメッセージという、この歌の歌詞にもリンクしていて私の解釈とも完全に一致していて拍手喝采です。
ちいさな心が決めたこと
キービジュアルで涙を流すAZKiちゃんを見た瞬間に優勝した!と思った曲です。当然MVも優勝です。この涙を流しているけれど表情は少し微笑んでいる泣き笑いの顔が本当に絶妙。この表情と涙の意味を考えるだけで、これまでのAZKiちゃんの歩みを回想できて胸が熱くなります。
AZKiちゃんの瞳が極彩色でそれ以外がモノクロで表現されているのも、視線が瞳に誘導されるので、シンプルながらとても有効な手法だと思いました。にも関わらず、イヤリングは赤いままにしているのもノノルさんのセンスを感じます。
あと歌詞が手書きっぽいフォントにしてあるのも、作詞作曲AZKiというのが伝わりやすい気がして良いと思います。
without U
ラスサビのところでライブステージに走っていくのが最高にしびれるMVです。それまで精神世界っぽいところで一人踊り歌っているところから、開拓者たちのいる場所に走ってくるのが盛り上がらないはずがない。
このMVに限った話ではないのですが、1st衣装と2nd衣装の2人のAZKiちゃんをとても効果的に使っていると思います。膝をついて葛藤するAZKiちゃんや手を差し伸べるAZKiちゃんなど、1人の自問自答をあたかも2人の人間のやり取りのように見せるのは演出としてとても分かりやすいです。VTuberらしい表現方法だと思います。
ライブステージに2nd衣装のAZKiちゃんが走って行ったあと、精神世界で1st衣装のAZKiちゃんが一人で踊るのも、曲の冒頭で2nd衣装のAZKiちゃんが踊っていたのと対になっていてバランスがとても綺麗な構成だと思いました。
少しメタい話になりますが、このMVのダンスはモーションキャプチャーで撮影した本人の動きっぽいのも良いと思いました。MMDのダンスも良いのですが、人間のダンスもまた違った良さがあります。
まとめ
私は音楽MVを見るのが大好きです。曲の良さをMVがより高めてくれると思っています。MVなど不要!音楽は音のみで評価する!という方もいるので、そこは趣味嗜好の違いですね。
ノノルさんが作るMVはAZKiちゃんの世界を綺麗にそして深く表現していて、月並みですがノノルさんのAZKiちゃんへの愛を感じます。これからもAZKiチームの一員としてAZKiちゃんと一緒に世界を開拓していって欲しいです。
2020年中にはAZKi channelにミリオン再生の動画が欲しい!と来年の野望を書いて、このレビューを締めたいと思います。ここまで読んでくださりありがとうございました。