【ライブレポート】ときのそらの魅力よくばりセット『ときのそら6th Anniversary Party「Keep Shinin'」』
2024年4月6日、山野ホールにて、ときのそら6th Anniversary Party「Keep Shinin'」が開催されました。本公演は、そらちゃんのワンマンライブの中では2019年10月6日に開催された1stライブ「Dream!」以来、実に5年ぶりの声の出せるライブになります。2022年11月19日に開催された前回のワンマンライブ「宇宙と時空のミルキーウェイ」から1年以上ぶりということもあり、全国のそらともの期待も否が応にも高まっていました。私自身、そらちゃんの歌やパフォーマンスは、今年に入ってからもSorAZのライブやホロライブのフェスで見てはいましたが、やはりワンマンライブは特別な感じがしていました。そらちゃんのワンマンライブが私達にどんな景色を見せてくれたのか、本記事では夜公演を中心に振り返っていきます。
開演時間になり、アタック映像が流れライブタイトルと共に表示される「ORIGINAL MUSIC ONLY DANCE PARTY」という文字。カウントダウンの後、ステージに立ったのは動きやすそうなパーカーに身を包んだそらちゃん。「せーの、ケ・セラ・ソラ!」の開幕の掛け声に、会場全体が歓声に湧きました。ダンスパーティと宣言の通り、「ケ・セラ・ソラ」のドタバタな歌詞を、そらちゃんはコミカルな振り付けで表現します。続けて「空ノ空」「エゴナデ・ラビリンス」とテンポの速い曲を披露。そのパフォーマンスには、アイドルの可愛さの中に大人びた蠱惑的な一面も覗かせます。
MCが始まるかと思いきや、トラブルでステージが真っ暗になってしまいました。しばらくの間、そらちゃんは声だけで、そらとものみんなとコールアンドレスポンスで交流します。夜公演のテーマが昼の「キュート」に対して「大人っぽい」であることを話したり、昼と夜のセットリストは全然違う事、夜公演でみんなの喉を枯らすつもりで盛り上がる意気込みを語っていると、ステージにそらちゃんが戻って来ました。
そして昼公演では終盤に披露した「スタースタースタート」を夜公演では序盤に歌いました。この日の時点でMVが70万回視聴されて、事前にそらちゃんの配信でコール練習をしていただけあり、そらちゃんの歌とダンスに華を添える、そらとものコールや合いの手は一糸乱れぬ一体感の高いものでした。「ブルーディスコ」「IMAGE source」では夜公演のテーマ「大人っぽい」を実践するように、凛とした歌声とキレのあるダンスで惚れ惚れするような格好良さでした。
水休憩を取った後はあん肝も登場してダンスパート。そらちゃんの美麗なダンスに酔いしれた後はダンスナンバーっぽい「ナイトキューブパラドクス」、ミニアルバム特典に折り畳み傘が付く元になった「傘讃歌」と、そらちゃんは歌いながらずっとステージ上を所狭しと動き続けます。
MCでは5年ぶりに声出しライブができた事を喜び、今日ライブに参加したみんなが「最高だった」たら思える事が一番の幸せと、そらちゃんは語りました。
「Step and Go!!」は「時代のせいにしたってつまらないよ」という歌詞が印象的な曲で、特にこの曲が発表されたのは流行病で現地ライブそのものができなかった時代でした。現地に集まらないフラストレーションで時代を恨めしく思う気持ちを、この曲を聴いた時に諭された気がしたのを思い出します。その曲をこの日こうして現地でみんなで聴くことができて「やっとここまで来た」という実感が沸々と湧いて来ました。
「夢色アスタリク」で自慢の高音を響かせ、間奏で「この曲から早6年くらいですかね、みんなずっと応援してくれてありがとう」とみんなに感謝を伝えるそらちゃんを見ながら、私は5年前の1stライブ「Dream!」に想いを馳せていました。その時の「夢色アスタリク」を歌う前に言った「わたしの目の前に広がる世界は、初めて配信をした時から夢色です」という言葉を思い出し、心の中で「今もそらちゃんの世界は夢色ですか?そうでありますように」と思っていました。
ここでこれまでの活動の軌跡を振り返る映像と共に、そらちゃんから、そらとものみんなへ手紙が送られます。
ドレス衣装に着替えたそらちゃんが歌うのは「サヨナラブロッサム」。「夢色アスタリク」と手紙で涙腺を刺激されていた所にこの曲はまさに追い討ちでした。「これから先も10年20年とみんなと一緒に歩いていきたいです。だからこれからも一緒に歩いていこうね」という、そらちゃんの言葉も温かい涙を誘います。そんなそらともたちの涙で溺れそうになっている会場に、そらちゃんは「泣いてないで笑ってよ。私はみんなの笑顔が見たくてライブをしてるんだからさ」と言葉をかけ、会場の空気を盛り上げてライブも後半戦へ突入します。
ドレスからパーカーに着替えて「エレクトリカル・サーフィン」のノリノリのダンスと力強い歌声で会場に火を付けた後、もはやライブでこの曲を歌う度に間奏の言葉で泣く確定演出と化した「ゆっくり走れば風は吹く」で再びそらともを感動の渦に巻き込みます。間奏の「6年間色んなことがあったけど、みんなと一緒に歩いてこれたから今の私はここにいるよ。本当に本当にずっと応援してくれてありがとう」の「ありがとう」は今日一番の声量で万感の思いがこもっていました。
激しいダンスの後MCで小休止して、発売したばかりのミニアルバムの中から今日まだ歌っていない曲を、そらちゃんは感謝の気持ちを込めて歌います。「はじまりは一直線」のゆっくり歩いて来た今までを丸ごと肯定する歌詞に目頭が熱くなります。曲のアウトロに添えられた「ここまでの道、長かったけど、私は長くて良かったなと思ってます。これからもみんなと一緒に歩いていきたいよ」という、そらちゃんの言葉には彼女らしさが詰まっていました。早く結果を求めず「長くて良かった」と言える所が、そらちゃんの大きな魅力です。
そして、そらちゃんが「ありがとうございました」と言い、曲が終わると同時に銀テープが宙を舞いました。
ステージが暗転し「いかないで!」から「ぬーんぬん」に変わるアンコールの後、そらちゃんが再び登場しました。昼と夜のセットリストはミニアルバムと同じく「Rolling,Loading!!」から始まり「はじまりは一直線」で終わる構成だったことが明かされます。そして本公演のタイトル「Keep Shinin'」には「7周年に向けて輝いていきたい」という思いの他に「みんなの毎日も輝いてくれますように」という意味が込められていることも語られました。
そらとものみんなへの感謝を述べた後「みんなのおかげで私の全ては今でも夢色なんだよ」という言葉が、そらちゃんの口から出た時、今日の「夢色アスタリク」を聴いて考えた事の答えをもらった気がして、また涙が溢れて来ました。
「私は絶対に10周年を迎えたい。これからも1年2年と言わず、ずっとずっと一緒に歩いてくれますか?これからも私について来てくれますか?」という問いに、会場からの割れんばかりの歓声が答えました。
「私にユメゾラの世界を見せてください」と「ユメゾラ⭐︎ファンファーレ」を最後に歌います。「私ここで歌い続けると約束するから」の歌詞の後の間奏で「みんなとの約束叶えられてますよ。これからも一緒に歩いて来てよ」と言うのは反則です。今日何回泣かせるんですか。
最後は「綺麗な青色の海を私に見せてくれてありがとう」という言葉でライブは締め括られました。
このライブは、そらちゃんの集大成のようなライブでした。歌やダンスのパフォーマンスも目を見張るものがあり、可愛い姿だけでなく格好良い姿や大人びた姿も見ることができました。今回のライブをダンスパーティと銘打ち、いつものアイドル衣装ではなくパーカー衣装をメインに据えていたのも、新しい挑戦のように感じます。
そらちゃんは新しさだけでなく、過去の思い出も大切にしてくれていました。今までのそらちゃんの活動の節目を飾って来た名曲達で構成されたセットリストは、彼女をずっと応援して来た人ほど心に刺さったことでしょう。5年ぶりに声出しのできるワンマンライブができて、1stライブで止まっていた自分の中の何かが、やっと動き始めた気がします。
このライブの中で何度も語られたそらちゃんからの感謝の言葉と、活動10周年を迎えたいという願い。横アリだけでなく、活動10周年の夢も叶えられるように、これからもアイドルときのそらを応援していきたい、その気持ちを新たにしたライブでした。そらちゃんと、そらとものみんなと、これからも一緒に夢色の世界をゆっくり歩いていきたい、そう願っています。