5年後も10年後もずっと一緒に ときのそら 5th Anniversary Live「宇宙と時空のミルキーウェイ」レポート
2022年11月19日かつしかシンフォニーヒルズにて、ときのそら 5th Anniversary Live「宇宙と時空のミルキーウェイ」が開催されました。
本記事ではその夜公演の様子を振り返っていきます。
そらちゃんソロライブ、しかもリアルライブは1stソロライブ「Dream!」以来ということで、私もライブが始まる前から多少の緊張がありました。ちゃんとペンライトを振れるか、ちゃんと曲にノれるか、何よりちゃんと現地でライブを楽しめるか、そんな不安と、それ以上の期待がないまぜになった面持ちで、ホールでライブが始まるのを待ちます。
ライブの始まりは、不思議な絵本から。少女が色んな世界が見える星を覗いているお話です。少女が宇宙の暗い長い道のりを歩いていきました。暗転。少女の歩みを引き継ぐように、真っ暗なステージの中央にそらちゃんが歩いて来ます。
「Dream!」衣装に身を包んだそらちゃんがまず披露したのは「Dream☆Story」「Chu-Chu-Lu」。最新のそらちゃんの4thアルバム「Sign」の曲から始まると思っていたので、怒涛の過去曲セトリは正直意外でした。久しぶりに懐かしい曲を、そして盛り上がる曲を生歌生バンドで聴けてテンションが強制的にMAXに。「Dream☆Story」のサビでは心の中で「ときのそらだよ!」と叫びペンライトを振り上げます。
MCではそらちゃんは自己紹介をした後「右のひとー!左のひとー!真ん中ー!」と会場とのコールアンドレスポンスを堪能。生バンドであることや、豪華ゲストに広瀬香美さんが出演してくれることで、今日のライブが5周年のスペシャルなライブであることをアピールするそらちゃんでした。
可愛さの中に格好良さを感じる「リア/リモシンパサイザー」に盛り上がり、しっとりした曲「黄昏ミッドナイト」では黄色いペンライトをユラユラ揺らし、「エレクトリカル・サーフィン」では「サーフィンサーフィン」の歌詞に合わせて左右の手を前に出してから手を上に上げて手拍子パンパン。ライブ直前の配信でそらちゃんと一緒に決めたペンライトの色やコールやクラップの練習のおかげで、会場のそらともさんたちの動きは見事にシンクロしてすごい一体感。リアルライブでしか味わえない体験の心地よさに背筋がゾクゾクしました。
「エレクトリカル・サーフィン」の動きを「クロール」とコメントされたことを笑いながら、ここからはテンションが上がる曲が続くとのこと。
「デジタリックリリック」ではそらちゃんの「でゅん」の鳴き声に合わせて黄色いペンライトを天高くつき上げます。「メトロナイト」の格好いいギターアレンジの音の余韻を残しながら、そらちゃんはお色直しへ。
絵本の少女は星たちに歌を歌って聞かせることに。そして純白のドレスに着替えたそらちゃんの歌が始まります。
「Happy Meowthday!!」を歌う、そらちゃんの猫のような可愛さは反則級。続く「Wonderland」の間奏では「愉快なそらバンドたち」のメンバー紹介。今回のライブを彩ってくれたバンドメンバーはギターやドラムだけでなく管楽器や弦楽器のオーケストラとの混合メンバーという豪華仕様。皆さんプロの演奏もさることながら、演奏していない間はステージの上でペンライトを振ってライブを盛り上げてくれました。ライブ前に投稿されたリハーサル動画を見ても、「愉快なそらバンドたち」は練習も笑顔があふれる楽しい雰囲気の現場だったことが伝わってきます。
カバーアルバム「Re:Play」から「赤いスイートピー」を披露した時には、会場のペンライトが示し合わせたわけでもないのに真っ赤に染まり、そらちゃんが一瞬戸惑うという一幕がありました。今回昼夜公演でセットリストをかなり変えると、そらちゃんは言っていましたが、数多あるそらちゃんの楽曲から今日の昼夜公演の選曲を予想することは、至難の業だったでしょう。これはそれだけ、そらちゃんが5年間でたくさんの歌を歌ってきたことの裏返しです。盛り上がる曲多めの昼と対照的に、夜公演では聞き入ってしまうバラードやアイドルらしい可愛い曲が続きます。
そして本日の豪華ゲスト広瀬香美さんと一緒に歌う「そらのとき」。広瀬さんがステージに上がった瞬間、ステージから花のような良い匂いが風のように流れていきました。広瀬さんが少し歌詞を忘れてしまうハプニングがありつつも、それをものともせずに堂々と笑顔で歌いきる姿は流石の貫禄。そんな広瀬さんが、そらちゃんとのデュエットが終わった後に、そらちゃんをべた褒めしてくれたことが、自分のように誇らしかったです。褒められて恐縮しっぱなしのそらちゃんも可愛かった。また広瀬さんとそらちゃんが一緒に歌えたり、曲を作ってもらえる日が来ますように。
「最後まで盛り上がれますか!」と会場を煽って披露する「ピッとして!マーマレード」では、最後のセリフを今回のライブ特別バージョンに変えて、今のそらちゃんの気持ちをストレートに伝えてくれました。
歌い終わった後、あらためて5年間の活動に関わってくださった、そらともさんやスタッフさんにお礼を述べるそらちゃん。「私一人ではここまでこれなかった」と語るそらちゃんを見て、私はそらちゃんのお友達のアメノセイくんちゃんさんの言葉を思い出していました。
そらちゃんは、これからもたくさんの人を巻き込んで、大きなブランドキャラバンを作っていく。そらちゃんのライブを見るたびに、私はそう思います。
「これからもあなたのそばで輝いていたい、そんな私でいられるように歌っていきます」という言葉から始まった「ポラリスソラリス」には、そらちゃんのみんなへの感謝の気持ちがこれでもかと詰まっていて、ライブの最後を飾るにふさわしい曲でした。ステージで星を背負って歌うそらちゃんは、そらともさんのポラリスのよう。そして客席を満たすたくさんの白と青の星型のペンライト達は、そらちゃんにとってのポラリスに見えていたかもしれません。
「ありがとうございました!」の言葉とともにそらちゃんがステージから消え、余韻に浸る間もなくアンコールの拍手とペンライトの光がホールを包みます。アンコールは「好き、泣いちゃいそうだ」から始まり、バンドアレンジのいつもと違う曲調は、まだまだ楽しい時間は終わらないと鼓舞してくれるかのようでした。
最後の曲の前に2022年11月20日「ケ・ソラ・ソラ」の配信スタート、2023年2月22日にNew EPのリリース決定、EPの初回限定版には今日の昼夜公演の映像が収録されるという告知が発表されました。
本当に今日のライブ最後の曲「ユメゾラ☆ファンファーレ」は、そらちゃんとそらともさんのこれまでを象徴するような、そしてそらちゃんとのこれからを約束する曲。これからも歌い続けると約束してくれる曲にどれだけ救われることか。「ユメゾラ☆ファンファーレ」を聴きながら、私は不思議と涙を流していました。自分でもなぜ泣いているのか、正直わかりませんでした。悲しいわけではないけれど、嬉しいだけの涙ではなかったです。そらちゃんと歩んだ5年間の楽しかったことや悲しかったことが、一気に脳裏に蘇ってきて、とても複雑で名状しがたい感情の涙でした。しかし決して嫌な気分ではなく、ライブが終わった後には「これからもそらちゃんを応援したい」「またそらちゃんのライブを見たい」と素直に思えました。
今回のライブはそらちゃんの歌と生バンドの音を聴かせることに重点を置いていた気がします。VJ等の映像演出やダンスや振り付けよりも、純粋に音楽を聴くという、ライブの根源的な楽しさを感じました。例えばそらちゃんの活動初期の映像や昔の衣装を使った演出を織り交ぜれば、エモい空気や流れを作ることもできたでしょう。それをあえてせずに絵本になぞらえた理解しやすいストーリーと、そらちゃんの歌と生バンドの音で魅せるライブは、最近そらちゃんを知った人や、今回ライブ初参加の人にもなじみやすかったと思います。
今日そらちゃんは最初から最後までアイドルでした。そらちゃんの1stソロライブ「Dream!」が終わった後、とあるそらともさんが「そらちゃんはもう『アイドルっぽい』じゃなくて『アイドル』だね」と言っていました。みんなの応援を糧にしてアイドルとして成長を続けるそらちゃんのこれからが楽しみで仕方ありません。だって、きっとこれからもたくさんの見たことのない世界と、最高のハッピーエンドを見せてくれるはずだから。