ベビーオイル洗顔を成功に導く方法を化粧品開発者が詳しく解説してみた
「ベビーオイル洗顔やってみたけど全然肌に合わなかった。」「オイルが残る感じが苦手」「人にはおすすめできない」といった声をよく耳にします。
でも、ちょっと待ってください。その不満、この記事に目を通していただければ解決できるかもしれません。
こんにちは。化粧品の現役開発者のみついだいすけです。
(Twitterアカウント→https://twitter.com/gni_dream)
前回のベビーオイル洗顔の記事が思っていたより反響が大きくてうれしく思っています。前編ではベビーオイル洗顔について①界面活性剤が配合されていないことのメリット・デメリット②角栓ポロリのメカニズム、③他のオイル洗顔との比較について私が考えている理論を説明させていただきました。
(前編はこちらです↓)
今回の中編では少し違う角度から深堀りしていこうと思います。
今回のテーマはこちらです。
「ベビーオイル洗顔の後、泡洗顔する本当の意味について」
さて、本題に入る前に前編でも述べましたが、私はベビーオイル洗顔を実際に3ヶ月実施してきました。結果的にすごく肌に合っていたのでこれは良いと思って記事にしましたが、実は始めてから1週間後くらいには、額や小鼻の横辺りにプツプツと吹き出物が出きるようになってしまいました。いったい原因はなんだと思いますか?そしてどんな方法で解決したと思いますか?
私は皮脂が多いタイプの肌なので、ティッシュオフが不十分で肌に残ったベビーオイルの量が多すぎ肌の油分バランスを崩してしまったことが原因と考えました。
ベビーオイル洗顔は肌に馴染ませた後、ペーパーでできる限り吸い取ることが重要ですが、肌には毛穴や皮溝・皮丘による凸凹もあるので、どうしてもある程度の量のオイルは肌に残ってしまいます。前編でも述べたようにベビーオイル自体は界面活性剤を含まないオイルなので多少残る分には問題ない成分ではありますが、それが過剰かどうかは非常に重要で、肌質によっても適正量が違ったりすると思います。
私の場合、ティッシュで吸い取る行為が甘かったようで、丁寧に吸い取るよう心がけたところ、症状が徐々に改善していきました。しかし、毎回丁寧にティッシュオフできているわけではないので、稀にプツプツと吹き出物ができてしまうことがありました。
この問題を解決する方法がmimiさんのブログに書かれていました。以下の記述です。
ということで洗顔フォームの泡を載せる方法をやってみました。
実際にやってみると私の大きい顔では3秒で泡を塗り拡げるのは無理でしたが(笑)、なるべく短い時間で洗い流すようにしました。
この方法に変えてから適度にオイルが洗い流され、吹き出物も出なくなりました。泡洗顔をプラスしてもほんのりベビーオイルの油膜は肌に残っている感触はあります。皮脂の分泌が多い方やベビーオイル洗顔が肌に合わなかった方はこの方法を一度お試しいただくことをおすすめします。
さて、ここで一つの疑問が湧いてくると思います。
ベビーオイル洗顔の良さって界面活性剤を使わないことじゃなかったの??
ここからが今回の本題です。ベビーオイル洗顔は界面活性剤不使用だからNMFやセラミドの流出を抑えられることがメリットの一つ、と前編で力説していたにも関わらず矛盾してるじゃないか!!と憤慨される方もいるかもしれません。
この意見に対する見解は以前、Twitterでもつぶやいていますが、もう一度しっかり説明したいと思います。(下記はその時のツイートです。)
矛盾を解くには2つのポイントがあると考えています。
(1)肌表面のオイルの膜が皮膚を保護している。
ベビーオイル洗顔後の肌に残った油は、ティッシュオフした後もすべて取り除かれるわけではありませんので、薄い油膜で覆われた状態になっています。そのため水溶性成分で構成されている洗顔フォームの泡は、油膜に守られた肌に直接触れにくくなります。泡を載せた後も油膜は完全に取り除かれるわけではないので、界面活性剤が直接肌に触れることなく刺激から守られます。
(2)オイルと混ざることで界面活性能が低下する。
ヘアワックスやヘアオイルが付いた髪をシャンプーした時に、泡立ちが悪くなったという経験はないでしょうか?これはシャンプーがヘアワックスやヘアオイルの油分を乳化することにより界面活性剤が消費され、泡立ちが悪くなるため起こる現象です。泡立ちが悪くなるのと同時に洗浄力も低下しています。
ベビーオイル洗顔で油分が残った肌ではこれと同じことが起こります。洗顔フォームはベビーオイルと混ざると、界面活性剤としての能力をベビーオイルの乳化に消費されてしまうため、結果的に洗浄力が低下します。洗浄力が低下するということは、肌への刺激も半減することになります。
これら(1)と(2)によりベビーオイル洗顔のメリットである界面活性剤の刺激を避けるという効果は洗顔フォームを使用してもある程度維持することができると思います。
ベビーオイル洗顔が肌に合わなくてやめていった方たちへ
ベビーオイル洗顔が肌に合わなくてやめていった方はたくさんいると思います。ホホバオイルやライスブランオイルなど他のオイルに移るというのも一つの方法だと思いますが、それでも肌に合わなかった方たちに対して、私はまだ諦めてはいけませんと言いたいです。
ベビーオイル洗顔のティッシュオフによる吸い取りの方法でうまくいかなかった方は、オイル洗顔後に洗顔フォームの泡を載せる方法を試し、それでもうまくいかなかった方はさらに踏み込んでいつも通りの洗顔フォームでの洗顔のしかたを試してみても良いのではないでしょうか。つまり泡を載せるだけではなくくるくると肌に馴染ませる方法です。(もちろん極力摩擦がないように優しい力で泡を馴染ませる必要はあると思いますが。)
通常のクレンジングを使用し、界面活性剤が直接肌に触れて刺激になってしまうくらいであれば、オイル洗顔の油膜で保護された状態で洗顔フォームによる洗顔を強化した方がよほど刺激を受けにくいのではないでしょうか。
また、オイルクレンジングを使用しさらにダブル洗顔をしている方はダブルで界面活性剤に触れてしまうことになるので、ダブル洗顔で洗顔フォームを使用するのであれば界面活性剤を含まないオイル洗顔の方が刺激になりにくいのでは?というのが私の仮説です。
これを踏まえてオイル洗顔の方法を洗浄強度が低い順に並べてみました。
①オイル洗顔(ティッシュオフ)
②オイル洗顔(ティッシュオフ+洗顔フォーム泡載せるだけ)
③オイル洗顔(ティッシュオフ+洗顔フォームの泡をくるくる馴染ませる)
肌に残す油分量を調整することはオイル洗顔において極めて重要だと私は思います。①から始めてみてオイルが残りすぎてしまいどうしても肌に合わなかったという方は②、③の順で洗浄強度を上げていっても良いのではないでしょうか。刺激の少ないとても合理的な洗顔方法なので簡単に諦めてしまうのはもったいないです。
(余談ですがティッシュオフなしで洗顔フォームで洗うパターンもありでは?と思い最近自分の肌で試して実験しています。)
以上、ここまで熱を入れて力説してきましたが、そもそもクレンジングが刺激にならない方や、メイクをしっかり落とした方が刺激にならず肌に合うという方も多いと思うので、この洗顔方法はすべての方におすすめしているわけではありません。クレンジングの界面活性剤が肌に合わず刺激になってしまうという方に向けたお話でした。
今回のnoteで書いた内容もあくまでも私の仮説ですので間違っているぞということがあればご指摘いただきたいと思います。
あと今回の内容を踏まえて「ベビーオイル洗顔は男性にこそ向いている洗顔方法」という記事もかいたので下記、興味がありましたら読んでみてください。
次回はラストの後編です。ベビーオイル洗顔についてさらに深掘っていきたいと思います。この記事が参考になったという方はいいねやフォローをしていただけると励みになります。
最後に現役の化粧品開発者という立場上、具体的な製品はおすすめできないのでamazonで売っているオイル洗顔に使えるオイルを添付しておきます。オイルの種類によって効果が微妙に変わります。肌への相性もあるので色々と試してみてください↓
ベビーオイル→ https://amzn.to/3TlDPU0
ホホバオイル→ https://amzn.to/3S5krd5
ライスブランオイル→ https://amzn.to/3rXYzWh
スイートアーモンドオイル→ https://amzn.to/3D0TCCw
それでは。
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