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【リップティントの蛍光ピンクを避ける方法】現役の化粧品開発者がわかりやすく解説
<動画の目次>
1:12 今日のメニュー
2:23 蛍光ピンクに染まらない見分け方
3:23 処方の構成について
6:07蛍光ピンクってどんな色?
7:12 見分け方の注意点
9:40 ウォーターベースとの違い
「一度塗ると色が落ちにくいリップティントを使いたいけれど、しばらくすると絶対蛍光ピンクになってしまう…」
「蛍光ピンクになるティントと、そうでないティントの違いは?」
そんな皆さんのために、今回はリップティントの染料について詳しく解説していきます!
リップティントのメカニズム
そもそもリップティントはどういう仕組みかご存知ですか?
通常、唇の表面や肌の表面に乗って色を出しているというのが口紅や他のメイクアップ化粧料の発色のメカニズムです。ただ肌に乗っているだけです。
ここに染料を配合することで、角層に浸透して表面が染まるため、肌に乗っている色が取れた後も色が残るというわけです。
つまり、付けたての色と染まった後の色は全く関係がないことがお分かりでしょう。
そのため、染料の成分は何が入っているか?を見分けることができれば、蛍光ピンク色に染まらないリップティントを選ぶことができます。
ではどうすれば見分けられるでしょうか?
実は、蛍光ピンクになるかどうか1発で分かる選び方があるんです!
蛍光ピンクに染まらない見分け方
商品のパッケージには、全成分表示というものが必ず記載されています。
これには、その製品に配合されている成分の全てが、配合量順に記載されていますが、着色剤の成分だけ全成分表示の一番下の欄に記載することができるというルールが存在します。
なので、全成分表示の一番最後の欄をまず見てください。
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この着色剤の欄に、赤227と書いてあるものを選べば大丈夫です。
逆に、赤218と記載されている商品を選んでしまうと、蛍光ピンク色に染まってしまいます。
よく覚えてくださいね。
赤227 は蛍光ピンクにはならない。
赤218 は蛍光ピンクになる。
なのでリップティントを探すときは「赤227」と入力して検索すれば
蛍光ピンクにならないリップティントを購入することができます。
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処方構成について
パウダー製品以外のメイクアップ化粧料は、基本的にはオイルベースの処方とウォーターベースの処方に分類されます。
油性成分をベースにしたものがオイルベース処方、
水がベースとなっているものがウォーターベース処方ですね。
蛍光ピンクに染まるリップティントは、オイルベースの処方です。
簡単に言えば、オイルベースの処方に配合されている染料が蛍光ピンク色しかないというのが答えです。
逆に、ウォーターベースだと、いろいろな色の成分を配合できます。
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「?」ってなりますよね。もう少し詳しく説明します。
実は、オイルベース処方に配合される染料の成分の種類はそんなに多くないんです。
大きく分けて、赤色だと先ほどの赤218や赤223の2種類です。
もちろん染料自体はたくさん存在しますが、化粧品に配合できるような安全性の高い成分かつオイルに溶けるのがこの2種類しかないんです。また、橙203という染料もオイルに配合できるので、実際によく見るのは以上の3種類になります。
ただ残念なことに、2種類の赤色染料はどちらも蛍光ピンク色なので、オイルベース処方は、どんな色を作ったとしても最終的に唇に残る色は蛍光ピンク色になってしまうのです。
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一方、ウォーターベース処方だと、配合できる染料の種類が変わります。
代表的なものだと、赤227、黄4、青1 の3種類がよく使われています。
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お気づきかもしれませんが、これらは色の三原色になっています。
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つまりいろんなカラーバリエーションをこの3色で作り出せるというわけです。色相や明度まで自由自在です。
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つまり、配合できる染料の違いによって作れる色が変わってくるのです。
もう一度言っておきますね。
赤227 は蛍光ピンクにはならない。
赤218 は蛍光ピンクになる。
蛍光ピンクってどんな色?
そもそも、蛍光ピンクは実際どんな色でしょうか?
実際に私がオイルベースのティントを塗ってみますね。
塗りたてはこんな色↓
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だんだん染まってきました↓
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今回使用したのはスティックタイプのリップですが、赤218が配合されています。
見分け方の注意点
これまで「赤227に注目!」と言ってきましたが、
「赤227に限定する必要ないのでは?」
「黄4や青1などの水に溶ける染料で見極めてもいいんじゃない?」
という疑問をもつ方もいるでしょう。
しかし、これには理由があります。
実は、黄4と青1はウォーターベースにも処方されることがあるんです。
水に溶けるのに、オイルにも溶かす?どういうこと?ですよね。
メイクアップ化粧品には、黄4や青1は結構頻繁に使われます。
これは染料として配合されているように感じるかもしれませんが、実は違います。
アルミニウムと結合したアルミニウムレーキ品というものを使っています。
もし黄4や青1をオイルベース処方にそのまま配合してしまうと、肌に塗ったり唇につけたりした際に肌の水分や口紅の水分を拾ってその染料が溶け出し、染まってしまうんです。
クレンジングで落とした後も、その色が残ってしまうということも起こりうるのです。
こういうわけでそのままでは配合できません。
だから、アルミニウムレーキ品といってアルミニウムと結合させることによって水に溶けない着色剤を作っているのです。
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アイシャドウやチークなどに配合されている黄4や青1はほとんどがアルミニウムレーキ品であり、染めることなく肌の上に乗っかるだけの顔料として使われています。
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一方、赤227はアルミニウムレーキ品になることはほぼありません。
黄4や青1は製品内でアルミニウムレーキ品として使用されているかは全成分表示では見分けることができないため、赤227を見るべきだというわけです。
水溶性のティントならいいんだ!と思いたいですが、残念ながらこれは大きな間違いとなるので、赤227を見てくださいね。
ウォーターベースとの違い
かなり蛍光ピンクに染まってしまいましたが、ここでウォーターベースのティントを上から塗ってみます。
この蛍光ピンク色をキャンセルできるでしょうか?
今回はボトルタイプのティントを使ってみますね。
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表面の色をティッシュで落とします↓
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どうでしょうか、蛍光ピンク味は消えたんじゃないでしょうか。
これがウォーターベースのリップティントのパワーです。
いろいろな色に染められる良さがあるのがウォーターベースのリップティントです。
パッケージ形状としては、ウォーターベースのものはボトルタイプが多いですが、まれにオイルベースのボトルタイプのものもあります。
ボトルタイプのオイルベースは、グロスタイプの物が多いです。
グロスっぽく透明のように塗れるけども、唇がほんのり赤く染まりますよというものは、赤218とか赤223のような蛍光ピンク染料が入ったものが多いので注意です。
逆に、スティックタイプのリップティントはほとんどがオイルベース処方なので、蛍光ピンクになる可能性が高いです。
塗りたての色はさまざまあるけれども、染まり色は一緒だということを覚えておいてください。
蛍光ピンク色になりたくない!という方は、ぜひ今回の知識を活用してくださいね。
繰り返しになりますがリップティントを探すときは「赤227」と入力して検索すれば蛍光ピンクにならないリップティントを購入することができます。
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今回は染料の話をしましたが、これに限らずリップティントは奥が深いです。
今後は、
・唇の皮が向けやすい方向け 商品の選び方
・皮が剥けないティントの塗り方
などの動画や記事を掲載していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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