This is startup「SLAM DANK(魚住純)」
はじめに
Blogでも紹介したが、僕は、約1年間、知財責任者と人事責任者を兼務していた。
経営者からの人事責任者の打診を引き受けるときのマインドセット。
そして、人事責任者在任中の心を支えてくれた男「ビッグジュン」。
今日は、彼が主役だ。
前提知識(SLAM DUNK)
登場人物
陵南高校
魚住純一(ポジション=C)…陵南のキャプテン(3年)。赤木とは1年生の頃からのライバル。
![](https://assets.st-note.com/img/1681631846528-gkrfAq6CAo.png?width=1200)
(出典)INOUE TAKEHIKO ON THE WEB
仙道彰(ポジション=PG):陵南のエース(2年)。
![](https://assets.st-note.com/img/1681632125042-EpWllgebq1.png?width=1200)
(出典)INOUE TAKEHIKO ON THE WEB
湘北高校
赤木剛憲(ポジション=C):湘北のキャプテン(3年)。少年の頃からインターハイ出場を夢見て、陵南戦に挑む。
![](https://assets.st-note.com/img/1681632170101-1nC9gEFgAA.png?width=1200)
(出典)INOUE TAKEHIKO ON THE WEB
桜木花道(ポジション=PF):湘北のリバウンド王(1年)。本作の主人公。
![](https://assets.st-note.com/img/1681632244864-Z5yVuVsgFl.png?width=1200)
(出典)INOUE TAKEHIKO ON THE WEB
湘北戦(インターハイ予選決勝リーグ)
陵南と湘北は、共に、1勝1敗でインターハイ予選決勝リーグの最終戦を迎えた。
勝った方が初のインターハイ出場を決める戦いである。
一進一退の攻防で迎えた4Qに、陵南のキャプテン魚住が4ファウルを取られたためにベンチに退いている間、湘北の怒涛の攻撃によりビハインドが広がり、エース仙道は疲弊していく。
そんな中、5ファウル(退場=GAME OVER)の危険を冒して、魚住がコートに戻る。
魚住は、湘北戦の前に行われた海南戦でも4ファウルを取られていた。
さらに、審判にクレームを言うという愚行により、5ファウルを取られて退場してしまう。
魚住は精神的にムラがあるキャラクタである。
湘北戦でもこの悪夢が再現しかかる。
そんな中、4ファウルのままコートに戻った魚住は、逆転の主役ではなく、エース仙道をもり立てるための汚れ役を選ぶ。
その象徴的なシーンが、ディフェンスリバウンドの描写である。
湘北のツインタワー(赤木と桜木)vs魚住という数的不利な状況で、空中で自らの身体にアザができるほどに赤木と桜木にぶつかりながらも、魚住はディフェンスリバウンドを見事に確保する。
そして、駆け寄った仙道にこの言葉をかけた。
「こういう仕事はオレに任せろ」
![](https://assets.st-note.com/img/1681632830746-RibFQv1bsi.png)
スタートアップにおける知財家が魚住から学ぶべきこと
スタートアップは、本当に信じられないことが起こる。
ポジティブなことも、ネガティブなことも何もかもが信じられないことの連続だ。
大黒柱の退場、エースの疲弊、まさの失点。
奇跡(ミラクル)の積み重ねが成長プロセスだ(もちろん、実際には、PDCAによる再現性も必要である)。
上り調子のときにはその流れに身を任せるだけでもよいが、下り調子のときには、「ゲームを終わらせない」プレイヤがチームを支える必要がある。
知財責任者に専念していれば、知財力はより高みに積み上がっただろう。
しかし、全体を俯瞰して見て、「こういう仕事はオレに任せろ」と思った。
今思えばバカだったなと思い返すときもなくはないが(w)、あの時は全く迷わなかった。
我が社には、経営陣にも事業部門にも知財部門にも仙道(エース)になれる人材がいた。
だからこそ、自身が魚住になることが、チームを勝たせる(会社を成長させる)一番の近道だと確信したからだ。
むすび
スタートアップは、本当にいろんなことが起こる。
ジョインした時のスキルセットだけでは通用しない局面が必ずやってくる。
この局面は、常に存在していて、普段は見えにくい状態になっていることの方が多い。
しかし、会社全体に目を向けていると、そういう局面がだんだんと見えるようになってくる。
僕はこれを「嗅覚」又は「視座」と呼ぶことにしている。
人事責任者を兼務し、知財責任者の専任に戻ってみると、嗅覚の感度が高くなった(視座が上がった)ことを実感した(当初は、乗り物酔いのような感覚だったが、最近ようやく酔いに慣れてきた)。
知財部門は、会社の全体が見えるポジションである。
This is startup - スタートアップで知財家がハマるポジション -|木本大介|note
会社が大きくなれば、組織も人も整ってくる。
知財家が人事をやるような動きを要する局面は減っていく(そういう局面を減らすための仕組み化がスタートアップでの仕事の最優先事項である)。
しかし、しかしだ。
それでも信じられないことが起こるのがスタートアップ。
信じられない局面では、平常時のスキルセットでは通用しない。
でも、ここで勘違いしてはいけない。
そんな局面に必要なのは、スキルとは別のものだ。
いつまでも魚住の心を持っていたい。
もしまた僕に魚住の役回りが回ってきたら、Slackのサムネイルを魚住に戻そう。
人事責任者をやっていたときのように。
This is startup.
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(湘北vs山王戦でコートに降りてかつらむきを披露する魚住)