大山の鳥たち・ミソサザイの話。
鳥の名前を言ってください・・。と言えば、一般的に、スズメ、カラス、ハト、ツバメなど、それなりに名前を思い浮かべますね。それらは日常で触れ合う鳥たち。子供のころから誰もが覚える鳥たちです。
私が山で初めて覚えた鳥の名前は「ミソサザイ」。正直、姿も鳴き声も覚えてないけど、なぜか名前はいっぱつで覚え、25年たっても絶対忘れなかった・・だって、当時の山仲間が、「味噌のサザエ焼」といったから・・。なもんで、当分の間、「ミソサザエ」だと思っていた私です。
ミソサザイは留鳥です。季節による移動をせず、一年中ほぼ一定の地域に住む鳥です。大山でもよく声を聞くことができますね。それにしても冬はどの辺にいるのかな??そして、鳴き声は小さい体から想像がつかないくらい大きな響き渡る声。
それにしても、かわいい顔なのに、なんでこんな??名前なんだろうか。漢字で書くと「鷦鷯(さざき)」。読めない!!なんだか魚シリーズみたいね。ミソサザイの学名はtroglodytesらしいけど、意味は「岩の割れ目に住むもの」なんだとか、日本語で言えば、ミソは「溝」がなまった言葉らしいし、サザイはもともと「小さい」を示す言葉らしく、溝にいる小さい鳥って意味になるようです。ミソサザイは日本でも最小のとりサイズですね。
ミソサザイについて調べるとなかなか興味深い記述にぶち当たる。第二次世界大戦になぜかミソサザイの名前。どうもドイツ軍の魚雷の名前らしい。え?可愛い小鳥ちゃんなのに??記事を読むとこんな記述が・・・「G7e ファルケ(Falke 鷹)」という魚雷の新型が「G7es ツァーンケーニッヒ(Zaunkönig )」つまりミソサザイという名前らしいです。西洋では昔から、ミソサザイは「鳥の王」といわれているようで、各国で、君主や王の意を含んだ単語が用いて、ミソサザイを表現するようですね。小さいけど強い・・・みたいなことで、魚雷なんかの言葉になったのかもなぁ~。日本でも古くは、古事記・日本書紀にも登場。そして小林一茶も、一句、ミソサザイについて詠んだ歌があるようです。
ふ~ん、しらなかった。ミソサザイ、きっと私は、一生忘れない鳥だろうなぁ。声は聞こえども姿はなかなか見れない。今年はまだ一度ちらりと見ただけ・・。今日も雨の中どこかでさえずってるのかな?岩の上で小さな体をゆざぶりながら・・。(写真提供:Mさん)
時々、大山で見られる鳥についてのエッセーをかきたいと思います。私が書くとエッセー風に、ガイドさんが書くと、もっとためになるお話が聞けるかもしれません。時々不定期更新で、寿庵オリジナル企画のコーナーに綴りたいと思います。とりクラブの面々でも大山の鳥とのエピソードなどあれば、写真付きで文章を送ってください。こちらのページでご紹介します。#大山の鳥たち#で記事を検索できるようにしますね~。