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大山の鳥たち・ジョウビタキの話。

宿の前でベンチに座ってのんびりしてると、聞こえてくる鳥のさえずり。とても軽やかな美しい声で鳴いているのはジョウビタキのオスです。春以降、必ずと言っていいほど、宿前の電線の上で見かける。オレンジのお腹に黒い羽、そしてグレーの頭。朝から日が暮れるまで、鳴いている。

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特徴的なのは、黒い羽の真ん中にある白い三角。

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とりクラブの面々も、ジョビオ(雄)とジョビコ(雌)と呼び、出会えたことを報告しあっています。ジョウビタキは決して大山だけにいるのではなく、冬になると、ふもとの町の庭先でも見ることができます。そして暖かくなると大山にもやって来て、パートナーを探してさえずりをはじめます。ジョウビタキの名前からひも解くと、地鳴きのヒッヒッ、キッキッ、カッカッカと鳴くのですが、それが、火をたくときの火打石の音に似てるから「火焚き(ヒタキ)」の名が付いたとされています。そして、ジョウ(尉)は銀髪を意味するようです。漢字で書くと「尉鶲」。う~ん!読めない!

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こちらは、雌。愛くるし~。もちろん、雌にも羽根に白い三角がありますね。

数年前、大山のジョウビタキが有名になりました。ジョウビタキは、冬に渡ってくる冬鳥。そしてロシアあたりで繁殖をしているのですが、ここ近年、国内でも繁殖をするようになったとのこと。北海道や八ヶ岳周辺などで繁殖例があり、大山にも繁殖地が拡大しているとのことでニュースになったのを見かけました。つまり、ロシアにいかずに、今は日本で年間過ごす個体が出てきた・・ということです。宿周辺で調査をされている、野鳥の会の方をよく見かけます。

そして、美しいさえずりは繁殖期の鳴き声。これらの鳴き声は本来日本では聞けなかった・・・ということですよね。以前、九州のお客さんが宿泊された時のこと、朝早くに綺麗にさえずるジョウビタキの声を聞いて、驚かれました。九州でも姿を見るけど、地鳴きの「ヒッヒッヒ・・」の声しか知らなかったようです。

朝早く、客室の窓の向こうから聞こえる美しい声。それはきっと、ジョウビタキの雄が、雌の気を引くためにさえずっている声に違いありませんね・・・。(写真提供:Yさん)

時々、大山で見られる鳥についてのエッセーをかきたいと思います。私が書くとエッセー風に、ガイドさんが書くと、もっとためになるお話が聞けるかもしれません。時々不定期更新で、寿庵オリジナル企画のコーナーに綴りたいと思います。とりクラブの面々でも大山の鳥とのエピソードなどあれば、写真付きで文章を送ってください。こちらのページでご紹介します。#大山の鳥たち#で記事を検索できるようにしますね~。

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