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最後の特別拝観

3年にわたり屋根の葺き替え工事中の大神山神社奥宮の特別拝観が昨日から3日間の予定で行われています。一昨年から毎年、工事中の屋根の見学できる期間を設けてくださっているのですが、いつも関係者が丁寧に説明。これは、日本の伝統工芸と技術、そして文化財保護に対する、私たちの理解を深めるために大事なことだと感じています。

神社の向こうに見える大山

今回、毎年説明を聞く屋根のこけら材以外にも、天井画の説明、そして荘厳な幣殿にある柱の漆塗りに関する話も聞くことが出来ました。

ウルシの木と、道具の説明

漆塗りって言葉では聞くのですが、あのかぶれるウルシの木の樹液を使って塗っている‥ということはあまり理解していませんでした。職人さんも免疫ができずに、いまだにかぶれます‥とおっしゃってました。

普段何気なく見ていた神社内の柱ですが、ペンキでサクッと塗ってるのかな?くらいにしか考えてませんでしたが、何度も何度もウルシを塗り重ね、そして銀箔で下地を作り、また上塗りしていく。その工程を詳しく説明していただきましたが、あまりにも細かい作業の繰り返しで、私みたいな集中力のない人間は、塗料をぶちかましそう!

天井画の修繕後の様子

神社幣殿には234枚の天井画がありますが、そちらも一点一点、細かい作業を繰り返し、修復中。修復‥と言っても、欠けた部分を想像で書き加えるのではなく、わかっている範囲で原画を忠実に再現。わからない部分は書き足さずに、現状維持をする作業をされていました。

こちらもペンキでささっと書き足すのではなく、細かい作業を経て色を調合。日本画の顔料と同じような物らしいですが、自然石や貝、カイガラムシなどから色を作っていると聞くと、それもびっくりです。

顔料の説明を聞く

特別拝観で聞いたことすべてをNoteに書くことはできないのですが、ただ「神社を修復中で工事中」と言葉で言えば簡単ですが、神社建立当時、つまり奥宮で言えば1805年に使われた材料と、当時の技術で修復。完全に天然素材と手作業で行っていることがやはり驚きです。杉は180年育てたもの、それを手作業で3㎜に裂く、塗料はウルシの樹液を集めたもので、天井画は石を砕いた絵の具。

登山をしていると谷に響き渡るくぎを打つ音が聞こえるのですが、決して、一般住宅建設で見かけるピストルみたいな道具で、パンパンパンとくぎを瞬時に打っているのではなく、竹釘を口にくわえ、一個一個手で打ち込んでいる‥その音が山に響き渡っていると思うだけで、1800年にタイムスリップですね。

昨日は若い職人さん2人が作業中でした

大神山神社奥宮ってどんなところ‥と思った人は下記のHPを見てください。

特別拝観に関することは過去のNoteにも記載をしてますので、細かいことは過去のものをご覧ください。

2023年

2022年

明日が最後、まだ空きもあるようですので、ぜひぜひご覧いただければ‥と思います。

寿庵も天然素材で直せないかなぁ??起業時に素人がDIYしてペンキ塗ったんだけど、壁が呼吸しなくなって、結露がひどいんだよなぁ~(涙)

寿庵のHPはこちらをクリック!


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