不要不急。
4月27日、エンゲル係数が上がりすぎ(あちこちで支援のつもりでテイクアウトを利用する)で、財布の中身が心配!休業17日目に突入の寿庵オーナーです。今日、仕事関係(今は金融と事業立て直しの相談)でふもとへ。山陰道を走ってると「不要不急の外出は控えましょう!」と電光掲示板に出ていました。金策なんで重要至急の業務!!(明日も仕事の重要至急の用事で遠出します)。
今年の流行語大賞は「不要不急」それとも「濃厚接触」・・な~んて今年の暮れには冗談が言えるくらいに落ち着いてるといいのですが、なんともわからなくなってきましたね。
そういや「不要不急」って今まであんまり活用していた言葉ではありませんね。調べてみると「重要ではなく、急ぎでもないこと」。特にひねりもなく、読んで字のごとくそのまんまです。
昨日、大山の旅館組合からホテル・旅館はこの大型連休中は営業自粛を要請します・・と通達がありました。それ以外、ほぼすべての施設が休業、閉館措置をすでにとっております。で、寿庵(私は組合には加盟しておりません)はいち早く、休業宣言。すでに、17日間も遊んで・・ではなくまじめに休業しております。
それにしても、なぜ、私たち観光業に携わる者は、他の業種より先に、打撃を受け、早めに自粛に追い込まれたのか???
それは「不要不急」とみなされたからです。重要でもなく、急ぎでもないもの・・なんです。なんか世の中から、いらん子って言われたような感じ(涙)。政府からの要請で、ホテル営業の自粛というのは盛り込まれてはいませんが、やはり不特定多数の人が来るのと、当然、飲食店以上に、県外からのお客様が多い。そして、衛生管理に限界があります。テーブルを拭く、ドアノブを拭くだけではなく、布団、お風呂、洗面、トイレなどなど、すべてを除菌するには限界があります。私も、ペーパータオルを設置したり、ハンドソープの設置場所を増やしたり、除菌シートなどを購入・・しては見たんですけど、そんな努力もむなしく、予約は次々にキャンセル、新規予約は全く入ってこない。入ってくるメールはほぼジャンクメールしかも「マスク、イリマセンカ~」って海外から。
もうこうなってしまうと残された選択肢は「休業」の二文字!正直、早めに休業してよかったです。来ないお客を日々待っても、結局、GWに休業自粛が出てしまえば、もういつ休んでても同じ結果(収入)だったことでしょう。早めに休業宣言した分、早めにストレスフリー(お金以外)になりました。
さてその言葉「不要不急」。今まで必死に寿庵を作り上げ、みんなにとって大山の必要な場所になってほしくって努力したのに、あっという間に「不要」になりました(自虐的)。先日、そんな嘆きをお客さんにしたんです。
私:こういう商売してて思うのは、いかに、われわれサービス業が不要不急(いらんもん)と言われてるかってこと。もちろん、すごく理解してるんだけど、そんな中でネットなんかのゲームなんか私にとっては不要不急、テレビもそう。なんだか、人との触れ合いやつながりを持つようなこと、ができないなんで悲しすぎますわ。自然とのふれあいまで奪われる。もちろん、それが理由ではなく、移動する行為をやめるってことなんで、もちろんとても理解してますけど。かなしい~。
Yさん「サービス業はいらんものではないのですよ。実は生きる糧なんです。我々にとっては寿庵は目的なんですよ。何者にも変えられない。寿庵が大山を自然を山を愛して毎朝情報発信してくれてる事の素晴らしさを皆知っています。それだけに同じくもどかしい。応援掛け声しか今思いつかないけど、今だからこそリアルの素晴らしさを感じてます。当たり前を目にできるリアルの凄さ、コロナが治れば更に実感できると思う」
そう、私たちはリアルを提供してるんです。この場に来てもらって、自然の素晴らしさ、5感をフルに使って、感じてもらってるんです。画像の中の世界はリアルではなく、体験でもない。だから、何の経験も積んでないことになるんじゃないかな??見てるけど、した気になってるけど、何にもしてない、ただのマヤカシです。
だから、こんな世の中だからこそ、癒されに大山に来てほしかった。
来てほしかったんだけど・・・・
あ”ぁ~!!!!大山の駐車場がぁ~!!!!!!!
もう、詰まれました、ここまで来たら「投了~」負けました!ハイっ!もう観念します。登山口の駐車場を閉鎖されたとなれば、地元のお客さんももう来れなくなります。
山は逃げません。また来年も同じ姿です。季節は巡りまた春はやってきます。人間が自粛している分、鳥たちはのびやかに囀り、子育てをするでしょう。大山は登山者がたいへん多く、オーバーユースと言われてきました。なので、大山は、自分自身を治癒する時間にあてるかもしれません。そして、より美しくなり、私たちを受け入れてくれるのかもしれません。その時は、私たちも山に感謝し、慈しみ、今まで以上に大切にしたいですね。
寿庵としては、またリアルの素晴らしさをみんなに経験してもらえるよう、そして、いつでもみなさんが来ていただけるように宿を維持することを最優先に考えます。今はそれぞれの時間を大事に、感染しない努力を怠らないように、ステイホームですね!