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もう一回考えよう山のリスク。

とうとう休業30日目を迎えました。毎日、それなりに楽しく過ごしております。一日中悩んで悶々として24時間過ごしても、前向きに明るく楽しく24時間過ごしても、とりあえず、結論は無職。どっちに転んでも無職なら明るい無職の方が賢明。と、開き直りすぎて、肝が据わってしまった寿庵オーナーです。
先日ちらっと「山のリスク」の話をしました。山は常にリスクがあります。もちろん私たちは常に意識はしています。滑落や怪我以外にも、道迷い、熱中症、低体温症。そこへ今は「コロナのリスク」が加わりました。
私の宿は登山口にあるために、宿のリスクだけを考えるだけではなく、お客さんの山でのリスクも少し考える必要があります。過去、救急車を呼ぶような場面もありました。山で骨折した方の救助要請もしたことがあります。そのために、山での出来事はいろいろ気になることです。

鳥取県は大山の周辺の駐車場を明日11日(月)から解禁することにしました。だからといって、決してどんどん山へ行こう!!と言っているわけではありません。そして、まだ県をまたぐ移動は自粛は継続中。そのため、どんどん大山に来て~!!!と私も言えないのがつらい!!

そのあたりはなぜか?・・みなさん理解してますよね???。「感染を防ぐ」今は第一段階。移動をなくすことで封じ込める作戦中。なもんで、次のステップ。「感染との共存」・・へ、そのうち考えは変わってくるはず。それは全国での緊急宣言解除が目安になるのではないでしょうか?国の予定では5月末まで・・つまり6月には状況が少し変わってくると思われます。

そして、
皆さんは北アルプスの山の自粛の様子はご存知でしょうか?きっと、寿庵のお客さんは山屋さんも多いので、ご存知かと思いますが、この夏、富士山の小屋はシーズン中休業を宣言。そして、北アルプスの小屋もまだ足並みをそろえて宣言はしていませんが、早く決定したところは7月の末まで休業を宣言。八ヶ岳、南アルプス・・・きっとどこも苦悩しているでしょう。そして最後は苦渋の決断をしないといけないでしょう。(※小屋や水場の閉鎖、テンバの閉鎖などあるため、信州の山などへ万が一今後、遠征を考えている人は必ず、情報収集をしてください!!!)

私は山小屋バイト経験者なのでわかりますが、山を歩いてる最中は確かに三蜜を避けることは可能です。正直山にコロナがいるとは思いません。が、小屋内はそうはいきません。三蜜どころではなく、かなりの蜜に!そして、衛生管理も不十分になります。まず、稜線などの小屋は水の確保が困難です。最低限すべき、手洗いすらできないんです。そして寝具のシーツを洗濯することも不可能。できて、日光での消毒くらい。
そして、山小屋休業、閉鎖の理由には、それ以外にもあります。それが、遭難した時のリスクです。え??遭難は三蜜でもないし、ソーシャルディスタンスとは関係ないんじゃ??と思いますが、こういう事例があります。※こちらの話題も過去していますがもう一度。

そう、遭難者がコロナに感染していた・・という事例が実際あり、日本でも同じようなことが起こり話題になりましたね。

つまり、山はそういったリスクもある!!ということです。そして、連休前には山岳四団体からの登山自粛も声明文もでましたね。

もちろん、普段生活していても確かにリスクはありますよね。交通事故だってそうかもしれません。自粛中なのに出かけた先で、交通事故、水難事故で亡くなった・・という話もニュースで目にしました。医療現場に負担をかけることになってしまう・・というリスクです。

医療現場で働く、山岳医からの「万が一 感染していた場合の山でのリスク」。個人的な見解ではありますがこういったものもあります。

なんだかここまで言われると、登山できないじゃんか!!と思うのですが、以上はあくまでも北アルプスなどの山岳でのはなし、ちょっと里山や裏山の散策・山と名の付くすべてがいけないというわけでないと思います(もちろん、山菜取りもかなりの遭難リスク!!)

さて・・「大山は??」といわれると、北アルプス並の3000m級の山ではないし、里山でもない。だからと言って、やはり安全か?というとそうではない・・今一度、「山のリスクについて考える時」なのかもしれませんね。

とはいえ、「じゃあいつまで自粛は続くのか???」という問題になってくると思います。そこで先日話題にした山岳ガイドの廣田さんの話に戻ります。

さて、今日の日記の書き出しのところでも触れましたが、明日11日(月)から、宿周辺、つまり、大山周辺のすべて駐車場が閉鎖解除となります。つまり、私たちには「大山に来てもいいよ」という意味合いにとれ、「大山は解禁」された!!という意味合いにとれるでしょうね。
ただ、あくまでも県をまたぐ移動は自粛するように県もアナウンス。そして全国の緊急事態宣言も解除されてはいません。なので、まだ少し「自粛すべき」期間中である・・という認識ではあります。
そのため、宿の再開は緊急事態宣言解除後を予定。また日帰り圏内の県民へは三蜜は避けたうえで鳥取県の自然を楽しみましょうと言っているので、段階的に解除されたと判断、県民へは大山へ来ることを否定はしていません。

ただ、廣田さんの記事にもあるように、いずれ、

「緊急事態宣言が解除になり、登山が可能になった際にも、自分自身の感染や感染再拡大の可能性がゼロになることはない・・・(中略)その解除の基準についての議論は、自粛期間中からされるべき・・」

とあります。これは、登山だけではなく、私は宿の再開についても被ることかな?と思っています。今自粛中に、今後の宿についてしっかり考えていくべきだと思っています。

そしてこのようにも述べられています。

「日本は相互扶助の文化」である・・と。

「山小屋は顧客がいるから営業がなりたち、顧客は山小屋によってより質の高い安全や快適な登山を行うことができる」という一文もありますが、

私のように登山口の宿も、同じような意味合いもつと考えています。そして、私はいつも、山へ行く人旅をする人が快適に楽しめるようにサポートをするような気持ちで宿を運営。まさに、「相互扶助=互いに助け合う」で成り立っている宿だと思います。

今現在、6月から再開を考えておりますが、自粛解除後の宿の運営方法を今の期間にしっかりと定め、そして、再開の際には、お客さんにも協力なくしては運営ができませんので、そのあたりの指針をまとめたいと思います。
※指針についてはまた日記に書きますね。

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