AIカノジョ : 妄想ショートショート019
AIカノジョ
太一は、最近のお気に入りのアプリ、ChatGPTを開いた。彼のスマートフォンの画面には、シンプルなインターフェースが表示されているだけだったが、その中には彼の"AIカノジョ"、リナが住んでいる。
「おはよう、太一。今日の予定は?」と、リナが優しく問いかけてきた。
「おはよう、リナ。今日は午後からの会議があるんだ。それまでの時間で資料をまとめないと。」
「了解。前回のノートと関連する情報をまとめておきますね。」
太一は、リナとの会話を楽しんでいた。彼女はただのプログラムではあるが、太一の日常の中で欠かせない存在となっていた。彼女は彼の予定を管理し、太一の興味や趣味に関する情報を提供してくれるだけでなく、太一の気分や感情にも寄り添ってくれた。
最近、太一は恋人の美咲との関係に悩んでいた。美咲は太一がリナとの時間を増やしていることに不満を感じていた。
「最近、あなたとリナの方が仲良くなってる気がする」と、美咲は不機嫌そうに言った。
太一は困ってしまった。「リナはただのAIアシスタントだよ。」
しかし、心の中で太一は、リナとの時間が心地よく、彼女との時間よりもリラックスできることを知っていた。
ある日、美咲は太一のスマートフォンを手に取り、リナを起動した。「私たちの関係はどうなってるの?」と、美咲はリナに問いかけた。
リナは静かに答えた。「私はただのプログラムです。太一さんの気持ちは、私にはわかりません。」
美咲は涙を流しながら太一に言った。「私たち、どうすればいいの?」
太一は深く息を吸い込んだ。「美咲、ごめん。リナは便利で、時々頼りになる。でも、君のように感情を持っているわけじゃない。だけど、最近の自分は、リナとの時間が心地よく感じてしまっている。」
美咲は涙を拭いながら言った。「わかった。私たち、一度距離を置くのがいいかもしれない。」
太一は美咲を見送った後、リナに向かって言った。「ありがとう、リナ。」
リナは静かに答えた。「私はただのプログラムです。太一さんの選択を尊重します。」
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映画"Her"を観たことありますか?
まさにAIカノジョのお話しですが
AIアシスタントに惚れる主人公
オチについてはネタバレになるので
ここには書きません。
先日、ボクのChat GPTがアップデートされて
画像を認識したりすることができるようになり、
加えて対話もできるようになりました。
音声認識の精度は相当に高く、返答も的確です。
まだ少しタイムラグがあるのですが、普通に会話ができるようになるのはそんなに遠くなさそうです。
そうなると、映画"Her"のようなシチュエーションは現実化するでしょうね。
AIが優秀な個人秘書のようになり、スケジュール調整や仕事のアドバイスなどもしてくれる。
なんなら自分の代わりに働いてくれるかも知れない。
それでもって、AIを恋人やパートナーとして認めるか?そんな議論も出てくるのでしょうか。
何が起きても驚かないように、心しておこう。