無重力ねこ1 : 妄想ショートショート053
無重力ねこ 「ネコひねり問題」
1969年、物理学者のT.R. KaneとM.P. Scherは「ネコひねり問題」と呼ばれる物理学の難問を解決した。この問題は、ネコが自由落下中にどのようにして身体を捻って着地するかを物理学的に説明するものである。彼らの研究は、ネコが空中で体をひねる際、角運動量の保存則に従って行動することを示した。
宇宙時代になり、再びこの興味深い発見にスポットライトが当たることとなった。地球の国立宇宙研究機関は、宇宙での長期滞在が生物に与える影響を研究するため、Mikoというネコを宇宙ステーションに送るプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトの一環として、彼らは「ネコひねり問題」の研究を無重力環境で再び検証することにした。
宇宙ステーションで実験が始まると、Mikoは無重力環境にあっという間に適応し、まるで空中を泳ぐように動き回り始めた。宇宙飛行士たちは、彼女がどのようにして自由に体勢をコントロールするのか、その素早さと優雅さに驚嘆した。そして、その動きに誘発され宇宙飛行士たちも無重力環境での身のこなし方をMikoから学んだ。
ある日、Mikoは宇宙ステーションの中央で不思議な現象を引き起こした。彼女が空中で回転するたびに、周囲の物体もゆっくりと回転し始めたのだ。まるでMikoが周囲の空間に影響を与えているかのように。
「あり得ない…」この現象を目の当たりにした宇宙飛行士たちは驚愕した。物理学の法則を超えたこの「新たなネコひねり問題」は、Mikoがただ回転するだけでなく、周囲の環境にも影響を及ぼす能力を持っていることを示唆していた。
そしてこの「新たなネコひねり問題」は再び人類を悩まし、"空間量子コンピューティング"の発見につながっていったのだ。
おわり
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面白そうな本を見つけました。
ネコひねり問題を超一流の科学者たちが全力で考えてみた
グレゴリー・J・グバー著
水谷淳 訳
ダイアモンド社
※アフィリエイトとかでは無いのですが紹介
可愛い表紙に惹かれつつ、内容は知的好奇心をくすぐる科学本です。
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