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価値創造ファースト 2 : 生成AIでここまでできる!価値創造の具体例と実践法

生成AIによって私たちの価値創造の可能性は飛躍的に広がりました。前回のnoteでは、生成AIを単なる効率化ツールではなく、「価値を生み出すツール」として活用する視点を提案しました。このnoteでは、生成AIを使った実践例を通じて、価値創造を推進するためのアイデアや方法を紹介します。

生成AI出現後の変化

私自身のこの二年を振り返ると、生成AIの導入によってアウトプットが格段に増えたと感じています。生成AIは「生み出す」ためのツールであり、想定していなかった創発的なアイデアや結果が次々と現れるのが魅力です。既存の業務を効率的にこなすだけでなく、生成AIのポテンシャルを引き出すには、「今までできなかったこと」にチャレンジすることが鍵である。が、一つの結論です。

生成AIでできる価値創造

先日の経済新聞社のアンケートでは、生成AIを活用した業務タスク52のうち「価値創造」に分類されるものが5つしかなかったことを紹介しましたが、その範囲は想像以上に限定的でした。
しかし、生成AIが可能にする価値創造の領域は、はるかに多岐にわたります。ここからは、私が未来創造ワークショップやプロジェクトで取り組んでいる、生成AIのクリエイティブ活用の具体例をリストアップします。

【導入 : 生成AIクリエイティブ活用一日講座】

•商品のイノベーティブアイデア創出:生成AIによって、従来にない発想(量と質の両面で)が生まれ、イノベーションが加速。

•商品のビジュアル生成:アイデアを視覚化することで、具体的な最終イメージを共有可能に。

商品企画立案:アイデアをすばやく具体化し、詳細な検討をスムーズに進める。

•ペルソナ策定とビジュアル生成:ユーザー像を生成し、共有可能な形で構築。

•ペルソナのジャーニーシナリオ生成:ユーザーの具体的な行動ストーリーを構築し、ニーズや課題を把握。

•ペルソナインタビュー:生成AIが嗜好性を反映したインタビューシミュレーションを実現。

•商品プレスリリースとQA作成:定型フォーマットでまとまったドキュメントを迅速に生成。

•マーケティング戦略策定:生成AIでビジネスモデルなどのアイデアを展開し、戦略立案を効率化。

•商品PRマテリアルプロトタイピング(ポスター、CM):プロジェクト初期段階で完成形をイメージし、戦略の方向性を確認。

•企業のビジョン、ミッション、バリューズ策定:上位の企業の価値観や長期的な方向性を生成AIとともに考察、具現化。

【本編: 未来創造ワークショップ】

•自分の欲望の紐解き:生成AIがパーソナルコーチとして自己の欲求を内省するサポート。

•パーソナルビジョン策定:生成AIがメンターとして、欲求をビジョンに昇華させるプロセスを支援。

•スペキュラティブストーリー創出:未来のシナリオをリアルに描くことで、可能性や新たなアイデアを発見。

•未来シナリオ策定:まだ起きていない出来事を生成AIが視覚化し、アイデアを具現化。

•フューチャーペルソナ生成:未来のユーザー像を生成し、ニーズをシミュレーション。

•哲学対話、ソクラティック問答:生成AIの持つ人類の知識をもとにした深い対話。本質的な価値探求が可能。

•盲点思考とバイアスブレーク:見落としていた視点やバイアスを生成AIとブレークスルー。

•逆説シナリオ生成:自分が考え難い、考えたくない逆説を生成AIで試し、リスク対応や思考の幅を拡げる。

•妄想テクノロジーアイデア創出:実現していない技術の可能性を探索し、イマジネーションを拡張。

•テクノロジーロードマップ作成:技術の発展過程を可視化し、実現に向けたステップを構想。

•プレゼンテーションシナリオ策定:伝えたい内容の骨組みを生成AIが作成し、効果的な発信を支援。

•ストーリータイトル作成:生成AIが凝縮されたメッセージ性のあるタイトルを生み出す。
など

そして、このワークショップ自体の設計も生成AIと共に行ってきました。たとえば、以下のような要素を生成AIがサポートしています:

•ワークショップの企画構想:目的や内容を具現化。
•マテリアル準備:ビジュアル生成、翻訳、事前リスク検証など。
•アンケート集計とアップデート草案:参加者の声を反映し、次回の改善に繋げる。

生成AIがなければ、こうしたワークショップの構築ももっと時間がかかり、スケールも小さかったでしょう。
実際に私自身が、ほとんど経験のないファシリテーションを半年の間で構築し、アメリカでもワークショップを既に3回実施しています。生成AIとの共創によって、実現できることが飛躍的に増え、私自身の人生にも大きな変化をもたらしています。

価値創造の源流 : コンセプト構築

ズバリ、価値創造の鍵は、すべての活動の源流である「コンセプト構築」にあります。生成AIは、単なるアシスタントとしてではなく、創造のパートナーとして、あらゆるアイデアを広げ、磨き上げる役割を果たします。特に、デザイナー、エンジニア、営業担当、マネジメントの役割にいる方々にとっても、生成AIと共にコンセプトを構築することが価値創造の出発点です。

例えば、生成AIがなければ困難だった創造的なプロジェクトも、今なら多くの価値を生み出せるはずです。

新時代のコンセプトと生成AIの役割

生成AIを用いた「コンセプト構築」では、全体の基盤として他の要素に強い影響を与えます。アイデアを広げる際、コンセプトは手がかりとなり、選ぶ際には判断の基準となります。
逆の言い方をすれば、コンセプトが無ければやる事は永遠に増え続けます。あなたが、これはどうしても必要だと考えたものだとしても、第三者、特に上長などの「よく分からない。気に入らない。」の一言でお蔵入りになることもあります。コンセプトに沿って判断しなければ、苦労した割に結果はブレたものになり、大した価値に繋がらない事態はよく起きることです。

ここでは生成AIに投げかける質問例を紹介します:

•「この製品の本当の価値は何か?」
•「顧客が未来に感じるであろうニーズは?」
•「価値創造にどう貢献できるか?」

もちろん、この問いだけでは足りません。
ここからスタートし、対話を通じて深掘りしていきます。

「コンセプト」は時に研ぎ澄まされた一言キーワードに集約されることがあります。チームでプロジェクトを推進しているときなどは、その一言がチームの合言葉となり、生み出すモノゴトの価値が匂いとして纏い始めることもあります。
今は、あらゆるモノゴトが繋がりながら価値が生まれるようになっていますので、「コンセプト」というのもシンプルなキーワードでは無くなってきたという変化も感じています。
ユーザーがどのような体験をするのか?つまり、体験ストーリーが「コンセプト」の位置付けになりつつあります。
生成AIはストーリーを紡ぎ出すのは得意です。しかも、"ハルシネーション"をポジティブな能力として捉えれば、まだ起きていないことでもイキイキとしたストーリーとして生み出すことができます。
以下に、生成AIと取り組める「新時代のコンセプト」に紐付く価値創造の例を3つ挙げます。
以下のような具体的な例を通じて、新時代の価値創造に生成AIがどう役立つかを見ていきましょう:

 • 製品のビジョンやストーリーの作成
 • 未来のトレンドや背景の構築
 • 抽象的なテーマの具現化


•製品のビジョンやストーリーの作成
:生成AIでプロダクトやサービスに込めるべきストーリーやビジョンを生成し、クライアントやエンド顧客に共感されるアイデアに磨きをかける。

•未来のトレンドや背景の構築:市場や社会の変化を考察し、コンセプトを基にした未来像を構築。これにより、従来の発想を超える次世代のアイデアが得られる。

•抽象的なテーマの具現化:生成AIで漠然とした抽象的な言葉を視覚化したり、ストーリー化することで、具体的なアウトプットに落とし込む。

誰でも始められる価値創造ファースト

最後に、生成AIを通じた価値創造を実行するための、簡単な実践ガイドを紹介します。コンセプトを考えたことがない方にとっても取り組みやすい、価値創造への第一歩です。

•シンプルなプロンプトでスタート:「〇〇の未来をどう描けるか?」や「新しい価値観をどう表現するか?」といった質問から生成AIとの対話を始め、アイデアの芽を探りましょう。最初は簡単な質問でも、生成AIとのやりとりを通じて次第に深い洞察が生まれます。

•インスピレーションを得るプロセス:生成AIで生成したイメージや文章をもとに、まずはインスピレーションを広げることからスタートします。AIが出力する内容は、私たちが考えたこともなかった視点を提供することがあり、ここから新しい発想の種を見つけることができます。

•定期的なフィードバックループの作成:生成AIで得られたアイデアを同僚やチームと共有し、フィードバックを受けることで、アイデアをさらに発展させ、より価値のあるものにしていきます。この対話とフィードバックのサイクルが、生成AIのアイデアを現実のプロジェクトに落とし込むための重要なステップです。

「価値創造ファースト」を実践するために

生成AIを活用し、コンセプトの源流から新たな価値を生み出すことが、AI時代の価値創造の第一歩です。重要なのは、これまで取り組んでこなかった領域や自分の想像を超えた分野に手を伸ばし、生成AIをパートナーとして共創する姿勢です。

生成AIを「ただの効率化ツール」としてではなく、「価値創造のパートナー」として捉えることで、私たちはこれまで想像できなかった新しいアイデアやビジョンを見つけ出すことができるでしょう。ぜひ、自身のプロジェクトや日常の中で生成AIを活用し、価値創造の旅を始めてみてください。

2024年10月27日

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