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With AI / By AI : 生成AI時代のクリエイティビティを再考する

私たちは変革の渦中にいる

チャット形式の生成AIが誰でも使えるようになって、そろそろ2年が経ちます。早いものですね。世の中はもっと大きく変わるかと思っていましたが、実際にはそれほどでもありません。今年7月に総務省が発表した2024年版情報通信白書によれば、日本の個人における生成AI利用率はわずか9.1%。他国と比べてかなり低い数字でした。

更に私自身が気になっているのは、クリエイターの中に、生成AIに対して否定的な意見が思った以上に多いことです。生成AIを敵視するほどの強い拒否感を持つ人もいれば、「そんなものに頼りたくない」「自分には必要ない」と感じている人もいます。中には「AIに人間のような創造性は無理だ」と断言する人もいますが、いずれにせよ、彼らは"人間"対"AI "という構図で考えているようです。

これには過去に新しいテクノロジーが現れたときの、人々の反応を思い出します。「カメラや写真は認めない」と言っていた画家や、「デジタルでは魂が入らない」と論争もあったデザインの現場。それに、「自分は全ての道を覚えているから、カーナビなど要らない」というタクシードライバーもいたでしょう。しかし、今でも「道を覚えていることが一流のタクシードライバーの条件だ」と考える人はどれほどいるでしょうか?

生成AIの本質は生成すること。つまり、それ自体がクリエイティブな存在です。2022年の春にDALL-Eが登場し、その後すぐにMidjourneyやStable Diffusionが現れました。クリエイティブの世界に、AIがこんなに早く入ってくるとは思いもよらなかったので、正直言ってショックでした。私も、AIが発展しても創造することは人間にしかできないと思っていたからです。

その後、ChatGPTが登場しました。この生成AIの波が画像生成から始まったことは、私にとって幸運でした。ChatGPTの登場ですぐに気付けたことは、このAIがクリエイティビティを加速させるということ。もし最初にChatGPTが出ていたら、触れることもなかったかもしれませんし、その本質が「創造」であることにも気づけなかったと思います。

Human vs. AI? それとも Human with AI?

"人間"対AIという構図は、明らかに誤解です。この誤解は、チェスや囲碁のチャンピオンとコンピュータの対戦ニュースの影響が大きそうです。知性や思考力は、私たち人間にとって非常に重要な能力です。それが機械に取って代わられるとなれば、心穏やかではいられません。しかし、2015年に人間に勝ったAlphaGo以降、人間もAIとともに進化しているという研究結果があります。100年以上変わらなかった囲碁の定石に、新しい手が次々と発明されており、そのうち60%は人間によるもの、40%はAIによるものだそうです。つまり、人間もAIとともに成長しているのです。

With AIか?By AIか?

「AIを使うのはズルい」「楽をしてけしからん」という感覚もあるでしょう。確かに、記憶力や既に答えが分かっている問題に関してはAIが正解を出せるようになります。これを学校の試験などで使うのは違反です。でも、私たちが実社会で取り組んでいる課題は、正解があるかどうかすら分からないことがほとんどです。課題を解決するためには、試行錯誤が必要で、創造性が求められます。
ここで、生成AIをWithの関係で使えば、今まで自分だけでは届かなかったレベルに達することができそうです。

比較すべきは「"人間" 対 AI」ではなく、
"あなた" 対 "あなたWith AI"」です。
もしあなたが、「私はクリエイティブではない」と思い込んでいるなら、With AIでそれが間違いだったと気づくでしょう。
もしあなたが、既に高いクリエイティビティを持っているのなら、AIはあなたの創造性を更に引き上げます。

今現在の自分の考えを図にしました
今のところ、自分とAIが50:50 の共創関係を Collaborative AIと名付け、一番クリエイティビティを高めるWith AIと定義
今のところ100%AIは無く、AI比率が高まると人の創造性は上がらないと想定しましたが、AIの進化と人間の行動次第で、どうなるかは未確定。2024/9/30



創造の限界はどこまで高められるのか。答えは、試してみなければわからないのです。

では、また。。

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