![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161629824/rectangle_large_type_2_b89a9d771bab1c9ac7d1557b4b6be493.jpg?width=1200)
生成AIの創造力を引き出すコツ
生成AIの仕組みを生かす
"むかしむかしあるところに"の次は"お爺さん、お婆さん"が来る確率が高い。生成AIというのは統計的に言葉を予測して並べているだけ。こんな説明は多いですよね。
確かにそうですが、これは基本的な仕組みの話であって、とは言え"常識的"で"当たり前"なものしか出せない。というわけではありません。
例えば…
桃太郎の物語を生成するとして、桃から生まれるのは確率的には桃太郎だけど、「桃から鬼が生まれるストーリーをつくって」とお願いしたら、あなたの望む単純な統計から離れた回答はいくらでも生成できます。
新・桃太郎伝説〜鬼の子桃太郎〜
昔々、あるところに、仲の良いおじいさんとおばあさんが住んでいました。二人はとても親切で、村のみんなからも愛されていました。しかし、おじいさんとおばあさんには子供がいませんでしたので、いつも「いつか子供が欲しい」と願っていました。
ある日、おじいさんは川へ洗濯に行き、おばあさんは山へ薪拾いに行きました。川では、大きな桃が流れてきたのを見つけたおじいさんが家に持ち帰りました。そしておばあさんと一緒に桃を割ってみると、なんと中から青鬼の赤ちゃんが現れたのです!
おじいさんとおばあさんは驚きましたが、赤ちゃんが泣く姿があまりにも可愛かったので、恐れることなく育てることにしました。二人はその赤ちゃんに「桃太郎」と名付け、大切に育てました。しかし、普通の子供とは少し違っていて、桃太郎は青鬼の力を持っていたのです。
鬼の力を持つ桃太郎
桃太郎は成長するにつれ、驚くべき力を発揮するようになりました。人の言葉を話せる動物たちと仲良くなり、山の中の生き物たちと遊んでいました。しかし、彼の体からは時々青い炎が出たり、目が赤く光ったりしました。それを見た村の人々は最初こそ怖がりましたが、桃太郎の優しさと正直な性格に触れ、次第に彼を受け入れるようになりました。
鬼ヶ島の真実
ある日、桃太郎は不思議な夢を見ました。夢の中で、自分と同じような青鬼たちが苦しんでいる姿が映っていたのです。目が覚めた桃太郎は、これは自分の出生に関わる何かだと感じました。おじいさんとおばあさんに話すと、二人は初めて真実を告げました。
「桃太郎、お前は実は鬼の一族から来たのかもしれない。川に流れてきた桃の中には、お前の運命が隠されていたのだろう。」
桃太郎は自分の出生の謎を解き明かすため、鬼ヶ島へ向かうことを決意しました。友達である犬、猿、キジも一緒に行くことになりました。彼らは仲間たちを信じて、船に乗って鬼ヶ島へ向かいました。
鬼ヶ島の運命と桃太郎の選択
鬼ヶ島に到着すると、そこには予想外の光景が広がっていました。鬼たちは村人たちから憎まれており、食べ物も乏しく、苦しんでいたのです。桃太郎は、ここで初めて鬼たちが悪者ではなく、誤解されていた存在だと気付きました。
鬼の長老は桃太郎にこう語りました。
「お前は桃の中に封じられた鬼の末裔だ。かつて我々は人間と共に平和に暮らしていたが、誤解と争いの末に追放されたのだ。」
桃太郎は考えました。「自分は人間の愛情で育てられたが、鬼の力も持っている。この二つの世界を繋げるために、自分にできることは何だろうか?」
新たな伝説の始まり
桃太郎は鬼たちに提案しました。「もう一度、人間と和解しよう。僕がその橋渡しをする。鬼たちは決して悪ではなく、同じように生きたいと願っている存在だと、村のみんなに伝える。」
犬、猿、キジも協力して、村人たちに鬼たちの真実を伝えました。最初は疑いの目で見ていた村人たちも、桃太郎の熱い思いと誠実な言葉に次第に心を動かされました。鬼たちと村人たちは、少しずつ歩み寄り、共に新しい生活を築き始めました。
エピローグ
桃太郎は、人間と鬼の両方の心を持つ存在として、二つの世界を繋ぐ架け橋となりました。おじいさんとおばあさんは、「鬼の子でも、育て方次第でこんなに素晴らしい子になるんだ」と感慨深く思いました。
こうして、桃太郎はただの英雄ではなく、和解と共存の象徴として、新たな伝説を作り上げたのです。そしてその物語は、今でも村人たちによって語り継がれています。
めでたし、めでたし。
一発目としては、面白いストーリーが出たかと思います。この後、やり取りしてもっと良いものにしていくことも可能です。
新結合
生成AIは、あるものとあるものを"合成"するのがもの凄く得意です。新しい創造の6割〜8割は、このような新結合から生まれます。例えば、赤塚不二夫さんの生んだ"ウナギイヌ"。普通の人は、ウナギとイヌをくっつけてキャラクターを作ってみようと思いませんし、上手に組み合わせることはさらに困難です。ドラえもんの道具なども、"どこでもドア”"ほんやくコンニャク""あんきパン""タイムふろしき"…当たり前なコトとモノの組み合わせです。
一見離れ離れの概念を、いかに組み合わせるか。
社会学者のヨーゼフ・シュンペンターのイノベーション論でも"新結合"がコアの考え方です。
それは、わかっていても混ぜるのは難しいのです。しかし、生成AIは文章でも概念でも、ビジュアルでも、あるモノゴトとモノゴトを混ぜて表現するのが得意です。その能力は、トップクリエイターを超えていると感じます。
役割プロンプトを工夫する
回答精度を高めるために、役割プロンプトを使いますよね。しかし、ここも考えようです。役割プロンプトのせいでつまらない回答になる事もあります。
あなたは小説家です。日本昔話の桃太郎をベースに新しい桃太郎の物語を書いてください
これは、イマイチの例ですね、。役割を与える効果はほとんど意味をなさないでしょう。最近では役割プロンプトを入れなくても、かなり的確な回答が出るようになっていますし、逆に役割プロンプトを入れたことにより、つまらない回答になるケースも増えています。
イノベーティブなアイデアを得たいのであれば、以下のような役割プロンプトはどうでしょうか。
あなたは経験豊富な医師です。その知識を元にして医療サスペンス要素のある新しい桃太郎のストーリーを書いてください。桃から子供が生まれる謎を解き明かしてください。
タイトル:「桃太郎診療録」
プロローグ
日本の小さな村に、医師の蒼井健次が赴任してきた。彼は都市部の大病院でのキャリアを捨て、静かな田舎での医療を望んでいた。しかし、村に着いて間もなく、ある奇妙な噂を耳にする。「桃から赤ん坊が生まれた」という話だ。村人たちはそれを「奇跡の子」と呼び、神の恵みとして歓迎しているが、蒼井医師は違和感を覚える。医学的に説明がつかない事態に対して、彼の医師としての探求心が燃え上がる。
第一章:桃太郎の誕生
蒼井医師は、噂の真相を探るため、赤ん坊を拾ったという老夫婦の家を訪れる。赤ん坊は「桃太郎」と名付けられ、元気な様子を見せている。しかし、蒼井は一目見ただけで違和感を覚える。この赤ん坊には、通常の新生児には見られない特徴があった。肌は異様に白く、筋肉の発達が異常に早い。また、脈拍が非常に安定しており、まるで何年も鍛え上げられたアスリートのようだった。
蒼井は赤ん坊の血液検査を行うが、結果は驚愕のものだった。通常の人間の遺伝子構造と異なる部分が見つかり、特に免疫系が異常に発達していることが判明する。まるで未知のウイルスに対抗するために設計されたかのような免疫系だった。
第二章:桃の謎
赤ん坊が生まれたとされる桃の存在について、蒼井はさらに調査を進める。老夫婦の話では、桃は川上から流れてきたものだという。しかし、蒼井はその川上にある研究施設の存在を知る。この施設は、遺伝子操作やウイルス研究を行っている秘密のラボだ。村の人々はその存在を知っているが、ほとんどが気にも留めていない。
蒼井は施設に潜入し、そこで奇妙な研究記録を発見する。研究者たちは「プロジェクト・モモ」と名付けられた極秘プロジェクトを進行中であり、遺伝子改良型のウイルスを用いた「免疫強化型ヒト胎児の生成」が目的だった。施設内では、実験体として育てられていた胎児が何らかの理由で逃げ出し、その胎児を包んでいた人工羊水のカプセルが川に流されてしまったと記録されていた。このカプセルが、村人たちが見た「桃」だったのだ。
第三章:真実の対峙
蒼井は老夫婦の家に戻り、桃太郎に異変がないか確認する。赤ん坊は急激に成長しており、わずか数週間で言葉を話し始めるほどの知能を見せる。蒼井は老夫婦に真実を伝えるべきか悩むが、村のためにもこのまま放置するわけにはいかないと判断する。
その頃、研究施設から追跡チームが村にやってくる。彼らは桃太郎を回収し、研究を続行しようと画策する。しかし、蒼井は自らが医師としての信念に基づき、桃太郎を守る決意をする。彼は、老夫婦と協力して、村の人々に研究施設の実態と桃太郎の正体を告げる。村人たちは混乱するが、老夫婦の必死の訴えにより、桃太郎を「村の子供」として守ることを決意する。
クライマックス:衝突と選択
研究施設の追跡チームは武装しており、村に迫る。蒼井は、医師としての最後の手段に出る。彼は、研究施設から盗み出したウイルスワクチンを使用し、桃太郎の体内にあるウイルスを無効化する手術を試みる。もし成功すれば、桃太郎は普通の人間として生きることができるが、失敗すれば命を落とす危険もある。
老夫婦と村人たちは手を取り合い、桃太郎の手術が成功するよう祈る。蒼井は手術を行い、緊迫した数時間が過ぎた。結果、桃太郎は無事に生還し、研究施設の追跡チームも村人たちの団結により退散する。
エピローグ
手術から数年後、桃太郎は村の子供たちと遊ぶ姿が見られるようになっていた。彼は、特別な能力を失った代わりに、普通の子供として成長している。蒼井医師は、その様子を見ながら心の中で呟く。
「医学では解明できない奇跡が、この村にはあるのかもしれない。そしてそれは、科学ではなく、人々の愛と信念なのだ。」
物語は、蒼井が夕焼けの中、村を見渡しながら立ち去るシーンで幕を閉じる。彼は再び新たな村へと向かい、そこでまた新たな謎と向き合うのだろう。
終わり
ちょっと想像力を刺激する面白いストーリーになりました。
医師が書く物語り。役割プロンプトで“新結合”する方法も、アイデアの出しどころですね。あくまでも現在地点ですが。。今は自分の直感と、飛躍思考を使っていますが、これも自動化できるようにはなるでしょうね。
イノベーティブ役割プロンプト サンプル
もし、良かったら参考にしてください
あなたはハリウッド映画の脚本家です。日本昔話の桃太郎をハリウッドでヒットする物語として書き換えてください
あなたは桃太郎になって、新桃太郎の物語を自叙伝として書いてください。
あなたは鬼ヶ島の鬼の生き残りです。日本昔話の桃太郎の真実を、アナザーストーリーとして書いてください
おまけ
桃から生まれた青鬼の桃太郎。
またラップにしてみました。
注意書き
本noteでは、生成AIの活用例や新しい物語の生成方法について紹介していますが、以下の点にご留意ください:
1. フィクションの物語について
コラム内で紹介されているストーリーは、すべてAIが生成したフィクションです。歴史的事実や科学的事実とは異なる可能性がありますので、エンターテインメントとしてお楽しみください。
2. AIの出力は参考情報です
生成AIは確率論に基づいて回答を生成するため、必ずしも正確な情報や客観的な事実を提供するとは限りません。特に医療や科学に関する内容については、あくまでも創作の一環であり、実際の判断には専門家の助言を仰ぐことを推奨します。
3. 役割プロンプトの効果について
コラムでは、役割プロンプトを活用したアイデア生成方法を提案していますが、プロンプトの効果は一様ではありません。場合によっては、役割プロンプトを使用しない方が良い結果が得られることもあります。AIとの対話は試行錯誤を重ねて行うことが重要です。
4. 著作権と倫理の配慮
生成AIを活用したコンテンツは、著作権やプライバシーに関する法的・倫理的な問題に配慮する必要があります。特に商業利用や公開の場で使用する場合、適切な確認と許可を得ることが重要です。
5. イノベーション論の簡略化について
本コラムで紹介しているシュンペーターのイノベーション論は、わかりやすさを重視して簡略化しています。より詳細に学びたい方は、経済学の専門書や資料を参照してください。
以上の点をご理解のうえ、このnoteを楽しんでいただければ幸いです。