
AI時代の思考力を高める方法
思考フレームを使いこなすと、思考力が劇的に変わる
思考フレームは、考えを整理し、意思決定をスムーズにする強力なツールです。
「漠然とした悩みが、フレームに当てはめるとクリアになる」――そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
世の中には、時間管理、戦略思考、アイデア発想など、さまざまなフレームがあります。
しかし、生成AIの登場によって、思考フレームの役割が変わりつつある ことに気づいていますか?
今や生成AIを使えば、瞬時に情報を整理し、それらしい答えを出せる時代です。しかし、それは本当にあなたにとって最適な答えでしょうか? AIが生み出すのは、あくまでデータに基づいた最適解なので、良い問いこそが大切になります。
良い問いをするには、”新しい視点” がキーになります。新しい視点を見つける、思考フレームについて書きます。
AIの提案をうまく活かしながら、自分の視点を磨き、より本質的な問いを立てられるようになる。
これこそが、「生成AI時代に活きる思考力」 ではないかと考えています。
このnoteでは、私が日々活用している 「四象限マトリクス」 を使いながら、思考を整理し、価値を見出すプロセスを3ステップで解説します。
✔ 「時間管理マトリクス」で、やるべきことを見極める
✔ 「成長マトリクス」で、自分の成長プロセスを理解する
✔ 「クリエイティブ成長マトリクス」で、創造力を高める
生成AI時代において、本当に必要な思考力とは何か?
一緒に考えてみましょう。
ステップ1 : 既存の四象限マトリクス活用
自分は四象限マトリクスが大好きです。物事を理解、分析もできますし、行動計画にも応用できます。
アイデアを出す時、イノベーティブなアイデアも四象限マトリクスで考えることもできる、シンプルでありながらパワフルなツールです。
超有名な"時間管理マトリクス"(アイゼンハワー・マトリクス)
時間管理マトリクスは、緊急度と重要度の軸で物事の優先順位を整理するフレームです。例えば、”緊急ではないが重要なこと” に時間を割くべき、という考え方は、自己成長にも応用できます。
縦軸に重要度: 高いー低い
横軸に緊急度: 低いー高い

この四象限に、日々抱えている業務やその他、やること、やりたいことを分類していきます。
ここで、大事なことは
やらなくて良い事に気がつく事!
緊急度も重要度も低いもの!
最近は増えてますよね、何となく流されてしまう
SNS…いくらでも時間が溶けていく…
そして、最も大事なのが
緊急度が低くても、重要度が高い第一象限
誰にも催促されず、もしやらなくてもお咎めもなく
しかしながら時間が経つと、明らかに差が出ること。
長期視点のビジョン構想などです。
10年後の姿を思い浮かべていますか?
少なくとも、3年プランや今年一年の過ごし方など
有るか無いかで自分の行動は変わります。
今無くても大丈夫です。このフレームで「無い!」に気づく事ができればオーケーです。
緊急度が高く、重要度の低い数々の雑用は、どんどん自動処理できるようにして、第一象限の活動に時間を割くようにしたいです。
ステップ2: 価値を顕在化するフレーム
先程の"無い"に気づくことにも似ていますが、
今度は、自分がやっている事から"軸"を考え、その価値を顕在化する方法です。例を示します。
自分は一年半前に、生成AIを活用した未来創造ワークショップを構築し実践していますが、そのフィードバックから、生成AIをクリエイティブに使う一日講座も提供できるようになりました。
この講座は評判も良く、学生さんから社会人、ベテランクリエイターでもエンジニアでも、人事担当者でも管理部門の方でも、幅広く受け入れてもらえることがわかりました。
そして即効性があることが一つの売りです。講座受講で開眼する人が多いのです。
その価値を顕在化するために、軸を設定し考察を試みました。
縦軸に成長の方向 : プラス(成長)ーマイナス(衰え)
横軸に成長の速度 : 瞬間的ーゆっくり
そうすると、各象限の特徴が明らかになります。

成長マトリクス 解説
象限① 瞬間的 × 成長(ブレイクスルー / 覚醒)
概要
・ 短期間で劇的に成長する瞬間。環境や経験、強い刺激を受けることで急激な変化が起こる。
・ ひらめきや成功体験がきっかけになることが多い。
具体例
・ 突然のひらめきでアイデアが形になる
・ 新しい環境への飛び込みで価値観が大きく変わる
・ 新たな経験や視点を得て、一気にレベルアップ
※自分の提供したいワークショップの価値はココ!
ポイント
・ 意識的に変化を生むために、新しい挑戦や刺激を取り入れることが重要。
・ ただし、一時的な変化にならないよう、継続的な努力と組み合わせることが必要。
象限② 徐々に × 成長(持続的成長 / 積み重ね)
概要
・ コツコツと努力を積み重ねることで、徐々に成長していくプロセス。
・ 突然の変化はなくても、長期的に見て大きな成果につながる。
具体例
・ 毎日のトレーニングや学習の積み重ねでスキルが向上
・ 小さな成功体験を重ねて自信をつける
・ 習慣化により、以前は難しかったことが自然にできるようになる
ポイント
・ 短期的な成果が見えにくいため、途中で挫折しないようモチベーション管理が重要。
・ 定期的な振り返りと目標設定を行い、進捗を確認することが大切。
象限③ 瞬間的 × 衰え(急激な衰退 / ダメージ)
概要
・ 突発的なショックやアクシデントによって、一気に衰えが進むケース。
・ 身体的・精神的なダメージを受け、回復が必要になる状況。
具体例
・ 事故や病気で突然のパフォーマンス低下
・ 精神的ショック(大きな失敗や挫折)で意欲を失う
・ キャリアや信頼を一瞬で失うようなミス
ポイント
・ リスク管理が重要。事前に予防策を考えておく。
・ メンタルケアやフィジカルケアを怠らず、回復に向けた行動を早めに取ることが大切。
象限④ 徐々に × 衰え(緩やかな衰退 / 老化・適応失敗)
概要
・ 目に見える変化が少なくても、長期間にわたって衰退が進むケース。
・ 老化や時代の変化に適応できないことが原因。
具体例
・ 技術や知識のアップデートを怠り、時代遅れになる
・ 体力や気力の低下に気づかず、気がついたらできないことが増える
・ 変化を避けることで、社会の流れに取り残される
ポイント
・ 定期的に自分のスキルや健康状態を見直し、適応する努力を続ける。
・ 「今のままでいい」と思わず、成長を意識した行動を取る。
このマトリクスを使うと、価値を顕在化し第三者に伝えることもできます。
そして、逆側のリスク管理の大切さにも気づき
本当は、受講者に伝えたいのは「ゆっくり成長」の大切さです。日々の小さな積み重ねについても、コンテンツを用意すべきことに気がつくことができました。
ステップ3: 自分の尺度でフレーム化
これは、新たに価値を生み出すときに行います。
一言で表現するなら、「自分の尺度でフレームをつくる」= 新たな視点を見つける。
実にシンプルです。縦軸と横軸を好きなように設定します。
試しに、先程の成長マトリクスを、応用して
クリエイティブ成長戦略マトリクスにしてみます。

クリエイティブ成長戦略マトリクスを 解説します
横軸:変化期間 / 瞬間的 ⇄ 徐々に
縦軸:変化方向 / 創造性成長 ⇄ 創造性衰え
象限①
瞬間的 × 成長(創造的ブレイクスルー / 覚醒)
概要
・ 短期間で劇的に創造力が開花する瞬間。
・ 強いインスピレーションを得たり、環境の変化によって大きくクリエイティブが飛躍する。
具体例
・ ひらめきによって、一気に画期的なアイデアが生まれる
・ 予期しない偶然から新しい表現方法を発見する
・ 制約や困難が刺激になり、新しい発想を生み出す
ポイント
・ ブレイクスルーを意図的に作るために、多様な刺激を取り入れる。
・ 新しい視点を得るために、異分野の学びや人との交流を増やす。
象限②
徐々に × 成長(持続的な創造性向上 / 積み重ね)
概要
・ 日々の試行錯誤や学習によって、創造力が徐々に向上していく。
・ 突然の変化はないが、長期的には大きな成果につながる。
具体例
・ 毎日スケッチやライティングを続けて、創造力を鍛える
・ アイデアノートをつけ、徐々に発想の幅を広げる
・ フィードバックを受けながら、クリエイティブの精度を上げていく
ポイント
・ 短期的な成果を求めすぎず、長期視点で創作に取り組む。
・ ルーチンワークの中で新しい工夫を取り入れる習慣をつける。
象限③
瞬間的 × 衰え(創造性の崩壊 / スランプ)
概要
・ 突然クリエイティブな能力が発揮できなくなる状態。
・ 外部環境や心理的要因による影響が大きい。
具体例
・ プレッシャーやストレスでアイデアが出なくなる
・ 一度の大きな失敗で自信を喪失し、表現を続けられなくなる
・ 批判やネガティブなフィードバックに影響され、創作が止まる
ポイント
・ スランプに陥ったら、一度環境を変える。
・「完璧を求めない」マインドセットを持ち、試行回数を増やす。
象限④
徐々に × 衰え(創造的衰退 / マンネリ化)
概要
・気づかないうちに創造力が低下し、マンネリ化する。
・変化を避けることで、新しい発想が生まれなくなる。
具体例
・ いつも同じ作風や手法で創作している
・ 新しい学びを怠り、過去の成功体験に縛られる
・ ルーチンワークに埋もれ、新しいアイデアが出なくなる
ポイント
・ 定期的に新しい技法やツールを試してみる。
・ 他分野のアートや文化からインスピレーションを得る。
・ 過去の作品を振り返り、変化の傾向を確認する。
これは、成長マトリクスに"クリエイティブ"を足しただけですが、考えが深まりテーマが見えて来ました。
もちろんゼロから軸を設定しても構いません。
コツは、事象そのものに捉われず、"軸"をみつけること。そして様々な軸を組み合わせてみることです。
誰かが作ったフレームから抜け出して、自分でフレームを作ることで新しい視点を得る。これを押さえておけば、生成AIを思考の加速装置として活用できるようになります。