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白川郷と名もなき池。岐阜ひとり旅
岐阜県に行ってきました。地理的に日本の中心に位置するこの県で、ぜひ訪れたかったのが「白川郷」と「名もなき池」です。一日でこの二つを巡る旅に挑戦してみました。
岐阜までの道のり
岐阜へ行くには、新幹線の最寄り駅である岐阜羽島が少し不便です。「のぞみ」が停車しないうえ、岐阜羽島から岐阜駅までの移動には乗り換えが必要だからです。東京から向かう場合は、名古屋で「のぞみ」を降りて、JRか名鉄で岐阜駅を目指す方がスムーズです。
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名古屋で新幹線「のぞみ」を降り、荷物をホテルに預けた後、東海道線の快速で岐阜へ向かいました。名古屋から岐阜までは、乗車時間は約20分です。
岐阜駅に到着後、近くのレンタカーを借りて、国道156号線を北へ進みました。
岐阜駅から「名もなき池」へ直行!
最初に訪れたのは、「名もなき池」です。
約10年前、インターネットで紹介され、その美しい景観がSNSで話題となり有名になりました。名もなき池の正式名称は「板取川の湧水池」です。
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SNSで話題になったのは、その景色がクロード・モネの名作「睡蓮」を彷彿とさせるからです。
池の透明度が高く、浮かぶ睡蓮と泳ぐ錦鯉の姿が、まるで絵画のように美しかったためです。
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池の透明度は驚くほど高く、底がはっきりと見えるほどです。写真には、睡蓮の葉が少し少なかったかな…。
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こちらの写真では睡蓮の葉は十分にありますが、鯉の数が少なめです。バランスの良い写真を撮りたかったのですが、鯉を調教するわけにもいかず、しばらく待ってみたものの諦めることにしました。
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こちらがクロード・モネの「睡蓮」です。似ていると思いますか?なんとなく連想できるかもしれませんね。
モネの「睡蓮」は、東京の国立西洋美術館に展示されています。
名もなき池はこんな感じの場所です。本当に何もありません。
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駐車場は無料でしたが、観光客の増加に伴い、整備などの費用が必要なのか、募金を募っていました。駐車場代の代わりとして、募金させていただきました。
美瑛の「青い池」のように駐車場を有料化しても良いと思います!
道の駅「白川郷」
白川郷へ向かう途中、道の駅「白川郷」を見つけました。道の駅は国土交通省が認定し、地域の特色や観光情報を発信する役割を持っています。白川郷のように知名度の高い観光地の道の駅はどんなものか気になり、立ち寄ってみることにしました。
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道の駅の収入源といえば、売店や直売所、レストラン、イベント、レンタルスペースなどを思い浮かべていましたが、白川郷の道の駅には「合掌ミュージアム」という施設もありました。ただ、道の駅に併設する無料のミュージアムというよりも、地域の文化紹介という意味あいが強い感じでした。
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この「合掌ミュージアム」では、手塚家の建物が移築・展示されています。
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合掌造りの古民家をしっかりと見学できるのは良いのですが、「すぐ近くに白川郷があるのに、なぜここで?」と思ってしまいました。白川郷でも同じようなものが見られるのでは…と感じてしまい、売店やトイレなどの公共施設が併設された「ミニ白川郷」のような印象を受けました。
他の道の駅と比べると、白川郷ならではの特色を出していると言えます。ただ、白川郷を訪れる観光客の立場で考えると、この「合掌ミュージアム」の位置づけについては少し考えさせられます。これで良いのかな、と少し疑問も残りました。
ユネスコ世界文化遺産「白川郷」
白川郷は、世界的に有名な合掌造りの集落です。1995年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。
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独特な合掌造りの家屋は、自然と共存する暮らしが評価され、世界遺産登録の対象となったようです。写真を見ると、自然に溶け込んだ合掌造りの家々がとても魅力的です。
ちなみに「合掌造り」とは、屋根の形が手を合わせて祈る姿(合掌)に似ていることから、その名が付けられたそうです。
白川郷の民家園
白川郷の駐車場のすぐ横には「民俗館」があります。これは、白川郷周辺にあった合掌造りの家屋を移設したものだそうです。
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ここは有料エリアです。白川郷には観光バスで多くの観光客が押し寄せますが、このエリアはほとんど人がいませんでした。
せっかくなので、民家園を見学しました。そこには、移設された合掌造りの家々が整然と並んでいます。
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しっかり管理されているだけあって、建物の状態はとても良好です。当時の住人たちの暮らしぶりが目に浮かぶようでした。
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とはいえ、移設された場所だからか、どこか当時の生活感が薄れているように感じました。
ただ、この水車はとても気に入りました。
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白川郷へ向かう道
駐車場から白川郷の集落へは、川を渡って向こう岸へ向かいます。写真の奥に見えるのが、その橋です。
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この橋を見ればわかる通り、人がとても多いです。駐車場に観光バスが何台も停まっていたので混雑は予想していましたが、ここまで多いとは思いませんでした。
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想像以上に観光客が多い「白川郷」
橋を越えると、白川郷の街並みが目の前に広がります。道路にも多くの人がいて、ひょっとすると都心の住宅地よりもはるかに賑わっているかもしれません。
このエリアは観光地として整備されており、数多くのお店が立ち並んでいます。
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道路を少し進むと、徐々に合掌造りの家並みが姿を現します。ここ白川郷の合掌造りの家々は、実際に人が住んでいるものも多く、生活感が感じられる家もあります。
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白川郷の集落は本当に素晴らしい場所です。特に、人が少ないエリアを探して写真を撮るのがおすすめです。
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白川郷の奥には展望台がありますが、車で行くことはできません。ただし、午後4時以降は車の利用が許可されるようです。残念ながら、スケジュールが合わず、この日は展望台を訪れるのを断念しました。
また、内部を公開している合掌造りの家もあります。入場料はおよそ500円ほどです。
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一軒だけ入ってみました。
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白川郷の合掌造りは農家が多く、内部を見学しても角館の武家屋敷ほど興味深いものは正直ありませんでした。とはいえ、農家の家ですから仕方ありません。当時の農家の暮らしぶりを垣間見ることができた気がします。
萱沼集落。穴場の白川郷合掌造り集落
白川郷を後にし、東海北陸道を北上して萱沼集落まで向かいました。車でかなり走ったように感じましたが、実は萱沼集落も白川郷と同じく岐阜県白川村にあります。
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萱沼集落も世界遺産に含まれています。つまり、白川郷全体が世界遺産ということですね。
萱沼集落へは、駐車場からエレベーターで降りた後、トンネルを通ってたどり着きます。人が少なく、とても静かで少し不気味な印象を受けました。
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トンネルを抜けると、大自然の中に合掌造りの家々が現れます。白川郷ほど大規模な集落ではありませんが、観光客が少なく、大自然に溶け込んだ農村らしい雰囲気を感じられます。この静かで素朴な景色がとても魅力的です。
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萱沼集落の隣にある「五箇山合掌の里」
実は、先ほどのトンネルを反対側に抜けると、「五箇山合掌の里」という合掌造りの家々が並ぶ集落にたどり着けます。
五箇山合掌の里は、驚くほど観光客がいませんでした。それどころか、自分以外には誰もいませんでした。
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五箇山合掌の里には、住人がいないのではないでしょうか。どの家にも生活感がまったく感じられません。
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合掌造りの家が10軒ほどあり、ほぼ放置された状態で見ることができます。ここにはお店もなく、観光客の姿もまったくありませんでした。
駐車場に絶景がある
駐車場から萱沼集落とは反対方向に歩くと、集落を上から見渡せる場所があります。この眺めがとても良いです。
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集落全体を一望することができます。それにしても、ここまで景観をよく守り続けていることに感心しました。中には、一軒くらい近代的な建物に建て替えようと思った人もいたのではないか…と思いつつ、村全体で厳しい建築規制があるのではないかと感じました。
白川郷にまた来たい
以前、冬に白川郷の宿を予約していたのですが、感染症の影響でキャンセルせざるを得ませんでした。それ以来、いつか白川郷に行きたいと思っており、今回ようやく足を運ぶことができました。
やはり桜や紅葉の時期が良かったかもしれませんし、雪が積もる冬の方がさらに魅力的だったかもしれません。
とはいえ、この季節でも多くの観光客が訪れていたことを考えると、冬場はさらに多くの観光客で賑わうのだろうな、と想像しました。
旅行日:2024年9月