見出し画像

「神秘的な自然」と「食」を楽しむ。帯広・釧路・厚岸へひとり旅

根室を出発し、釧路湿原を経て、帯広や厚岸を訪れました。北海道東部には神秘的な大自然が広がっており、以前からとても楽しみにしていた場所です。

このエリアは公共交通機関で移動が不便なため、効率を考えてレンタカーで巡りました。

やはり青かった!神の子池

根室を早朝6時台に車で出発し、神の子池に向かいました。神の子池は摩周湖の北側に位置し、摩周湖の伏流水によってできた池です。

伏流水とは、地表の川などからではなく、地下に染み込んで流れる水のことで、地下水の一種です。神の子池は、摩周湖からの伏流水が地下を流れ込むことで形成されています。

神の子池は本当に青かった

なぜ「神の子池」と呼ばれ、青いのか?

「神の子池」という名前の由来は、摩周湖が「神の湖」と呼ばれていることから、その伏流水が集まるこの池が「神の子池」と名付けられたと言われています。

「青い池」と聞くと、白金の青い池を連想する人も多いかもしれませんが、神の子池にはその名にふさわしい由来があります。

伏流水からできた池だけあって透明度が非常に高く、池の底に横たわる倒木や石までもはっきりと見えます。池の青さは、水中の微粒子が太陽光を反射することで生じる現象だそうです。

この日は雨が降っていましたが、それでも「神の子池」は青く輝いていました。

雨が降っていなければ、水面から池の底がもっと綺麗に写真撮れたかな


神の子池までの道のり

神の子池までの道のりは、細い道をしばらく車で登る必要があります。途中、車同士のすれ違いが難しい場所もあるため、十分に速度を落として慎重に走行してください。

池の周囲には何もありません

神の子池には駐車場がありますが、観光地化はほとんどされておらず、近くに売店などはありません。駐車場から歩いてすぐの場所に「神の子池」があるだけの、シンプルなスポットです。

この日は比較的早朝だったためか、ほとんど人がおらず、自分以外にはたった1人しかいませんでした。

釧路周辺は天気予報を十分に確認しよう

神の子池を含むこの辺りの観光地である阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖にも立ち寄りましたが、どれも霧がかかっていて見通しが悪く、撮れたのは霧の写真ばかりでした。

この地域を訪れる際には、天気予報の確認がとても重要だと学びました。


厚岸で季節外の生牡蠣を食す

厚岸(あっけし)は、北海道東部にある町で、釧路市の近くに位置し、一年中生牡蠣を楽しめる場所です。

全国的には夏は牡蠣のシーズンではありませんが、厚岸では生牡蠣を味わうことができるため、長い間「行きたいところリスト」に入れていた、ぜひ訪れたい町でした。

厚岸で牡蠣が美味しい理由

厚岸は日本有数の牡蠣の産地で、その理由は独特な地形にあります。

厚岸には「厚岸湖」という湖があり、周囲の森林から流れ込む豊かな植物プランクトンを含む淡水が特徴です。この淡水が厚岸湾に流れ込むことで、栄養豊富な淡水と海水が混ざり合い、牡蠣の育成に最適な汽水域が生まれています。

クリーミーな味わいの厚岸産の牡蠣

厚岸の汽水域という特徴により風味豊かなクリーミーは味わいの牡蠣が育つ一方で、年間を通じて気温の低さが牡蠣の成長速度を抑えるため、年間を通じて牡蠣を美味しく食べることができるのです。

厚岸の牡蠣養殖業者は、品質基準を厳格に守り、牡蠣の安全性と品質を徹底的に管理しています。

以前、ある時期に厚岸へ牡蠣を食べに行こうとしましたが、その際、衛生的な理由で厚岸産の牡蠣が組合の判断により提供禁止となっていました。それほどまでに厳格な管理が行われており、安全性がしっかりと保たれています。

道の駅厚岸のコンキリエ

厚岸では、厚岸駅のすぐ近くにある道の駅内のレストラン「エスカル」で、カキテキ御膳(2,800円)をいただきました。写真の通り、まさに牡蠣づくしの定食でした。

エスカルのカキテキ御膳

さらに、先ほどの写真の生ガキ食べ比べもいただきました。生牡蠣は私の大好物です!

レストランからは、花咲線の厚岸駅が見えます。一日に数本しか運行されていませんが、ちょうど牡蠣を食べている時に電車が通過しました。晴れていれば、厚岸湾も綺麗に見えるのではないかと思います。

眺望の良いレストランです

平日の午後2時くらいにエスカルに到着したため、待ち時間はゼロでした。

豚丼で有名な帯広で豚丼三昧

この日は帯広に宿泊しました。夕方に帯広に到着し、夕飯に豚丼を食べようと帯広駅に向かいました。

帯広の有名な豚丼店は閉店時間が早く、午後6時過ぎには品切れになっていることが多いです。夕方に到着したものの、駅近くの豚丼屋はすでに品切れ。最後にたどり着いた帯広駅構内の「ぶたはげ」さんに、なんとか滑り込みました。

帯広の豚丼が有名な理由は?

少し並んで席に着き、豚丼を注文しました。私の2人後で品切れになったので、本当にギリギリ滑り込んだという感じでした。

帯広駅にある「ぶたはげ」さん。アクセスがとても良い!

豚丼を食べて感じたのは、甘辛い特製タレと炭火で香ばしく焼き上げられた豚肉の調和が素晴らしく、白米との相性が抜群だということです。

値段も手頃で、豚丼が1,080円。まさに手軽に楽しめる帯広の名産だと思いました。

以前うかがった豚丼の「とん田」

以前、帯広で豚丼で有名な「とん田」さんでも食べたことがあります。店ごとに豚の焼き方やタレが違うのだと感じました。「ぶたはげ」さんは焼き具合がとても香ばしく美味しかったですが、「とん田」さんは豚肉がもっと柔らかく、焼き加減もマイルドで、こちらもとても美味しかったです。

ホテルの朝食に期待しすぎてしまった…

宿泊したホテルの朝食でも豚丼をいただきましたが、こちらは少し帯広らしさに欠けていました。豚丼について理解が深まったと感じた瞬間でした。

昭和時代のシンボル。幸福駅と愛国駅


帯広には、市街地からアクセスの良い観光地がいくつかあります。幸福駅と愛国駅もその一つですが、訪れるのは昭和世代の人たちが多いかもしれません。

現在の愛国駅跡地

私もその世代ギリギリのひとりです。小学生の頃、おもちゃ屋で愛国駅の切符が売られていましたが、当時はなぜそれが人気のおもちゃになっているのか、全くわかりませんでした。

かつての広尾線の駅が有名な理由

愛国駅も幸福駅も、かつて広尾線の駅でした。広尾線は帯広から広尾までを結ぶ国鉄の路線でしたが、1987年に廃止されました。

現在の幸福駅跡地

広尾線が廃線になった理由は、利用者の減少でした。

廃線になる前の1970年代、「愛国から幸福へ」というキャッチフレーズが愛や幸せの象徴として有名になり、愛国駅から幸福駅までの記念切符が爆発的に売れました。結婚式の引き出物として使われたこともあったそうです。

切符が引き出物なんて、今では信じられないですよね。

当時爆発的に売れた切符が石像になっていた

ある年には、乗客の運賃よりも切符の売り上げが多かったこともあったそうです。ICカードが主流の現代では、とても信じられない話ですね。

広尾線が廃止された後も、観光地として訪れる人がいるようです。幸福駅にはお土産屋があり、そこで切符のようなお土産が売られていました。

訪れた人たちは、幸福のメッセージを書いて幸福駅の待合室に貼るようです。待合室はこんな感じでした。

ピンク色の切符が至る所に貼られています

テレビで有名なハルニレの木@帯広

帯広市郊外の音更(おとふけ)町には、テレビや映画のロケ地として有名なハルニレの木があります。ここも観光スポットのひとつです。

ハルニレとは?

ハルニレは、アイヌ語が語源ではありません。北海道の観光地でカタカナ名を見ると、ついアイヌ語を連想してしまいますが、ハルニレは日本各地に生息する落葉広葉樹です。

これがテレビや映画で見るあのハルニレの木

ハルニレは、湿地や河川周辺など湿度の高い土地によく見られます。根が深く広がるため、土壌を安定させ、河川沿いの土砂流出を防ぐ役割も果たします。

音更町のハルニレの木

音更町のハルニレの木は、十勝川の河川沿いにあります。実は、このハルニレの木は2本の木が寄り添い絡み合って成長しているものです。

写真を見る限り、2本の木には見えませんよね。その姿から「夫婦の木」とも呼ばれ、縁結びや夫婦円満の象徴として親しまれています。

2本の木にはとても見えない

残念ながら、この日は天候に恵まれず、綺麗な写真は撮れませんでした。冬の早朝にもう一度訪れたいと思っています。

ハルニレの木へのアクセス

ハルニレの木は十勝川沿いにあります。近隣に駐車場がないため、路上駐車になりがちなので注意が必要です。

河川からは歩いて向かいます。遠くから見ると、下の写真のように、観光地らしい雰囲気は全くありません。

道中は草がとても深い…

この日は足元が悪く、ぬかるんだ河川敷を雑草をかき分けながら歩きました。スニーカーは必須の場所です。


これぞ北海道!「白樺並木」

帯広の白樺並木は観光地のひとつで、撮影スポットとしても人気があります。この白樺並木は、かつて畜産試験場として整備された場所で、現在は帯広畜産大学の敷地内にあります。

やはり真正面のアングルが一番良い

白樺並木には、海外からの観光客がバスで訪れ、多くの人が記念撮影を楽しんでいます。人通りが少なくなるまで、しばらく待つことになりました。

と言いながら、斜めのアングルも奥行きが出て良い

白樺並木は、実は車で通ることもできます。この道の先には展望台があり、北海道らしい広大な自然風景を楽しめます。

あいにくこの日は、雨混じりの曇り空でした。晴れていれば、雄大な北海道の自然を眺められたのではないかと思い、とても残念でした。


写真スポットで有名な湖底を走る線路

然別湖には、湖の中を走るように見える線路があります。その風景は、まるで『ワンピース』のウォーターセブンに登場する海列車を連想させます。撮影スポットとしても有名です。

なぜ湖底線路なのか?

湖底に線路があると聞いて、なぜ湖底に線路があるのだろう?と疑問に思っていましたが、現地に着いてその理由がわかりました。以下の写真を見れば、すぐに理解できるでしょう。

実際には、ボートを引き上げるための仕組みの一部が線路のように見えていただけでした。。

湖底線路は実はボートの引き上げ用レールだった!

湖底線路へのアクセス

然別湖の南西部にある湖底線路は、このような船着場です。駐車場は十分に整備されていません。

また、道中は然別湖沿いの道路を走りますが、見通しが悪く、道幅が非常に狭い場所があります。車のすれ違いには十分注意してください。


北海道で最も高い三国峠

三国峠は北海道川上郡にある峠で、標高1,139mと、北海道で最も高い場所にある国道の峠です。

周囲は大雪山系の山々に囲まれ、壮大な自然が広がるはずでしたが、当日はあいにくの天気でした。

三国峠より大雪山が見えたら良かったのですが…

晴れていれば、壮大な自然の中を走る素晴らしい体験ができたと思います。北海道をドライブするなら、ぜひ三国峠を通ってみてください。


途中にも景観の良い場所がある

当日は三国峠に車が少なかったので、景観の良い場所で車を停めて景色を楽しみました。下の写真は三国峠を越えたあたりの景色です。北海道の大自然を十分に堪能できました。

途中で大函にも立ち寄りました。ここが見えたら、層雲峡はもうすぐです。岩壁と断崖絶壁が、自然の力強さを感じさせてくれます。

力強い自然が良い大函


観光地というよりも山登り「双爆の滝」

双爆の滝は、大雪山国立公園の層雲峡にある滝です。層雲峡には多くの滝がありますが、双爆の滝はその中でも観光名所となっています。

名前の由来は、2つの滝が並んでいることからきています。また、その滝の高さが100メートルもあることも理由の一つでしょう。

展望台から見た双爆の滝

上の写真は、双爆の滝がよく見えるスポットまで、山道をかなり歩いて登ったときのものです。

双爆の滝までの道のり

この道のりは本当に厳しかったです。車に荷物を置いて手ぶらで来てしまい、途中で給水すらできませんでした。

駐車場近くの入り口から山頂までは、急で細い山道を登っていきます。

ずっと階段か登り坂

15~20分ほど山道を登り続けると、双爆台に辿り着きます。ここが双爆の滝の撮影スポットです。

脚力にはかなり自信がある私でも、さすがにこの道のりはきつく、双爆台に着いたときには全身汗びっしょりでした。下山したときには、軽い脱水症状で少し頭痛がするほどでした。

ここが双爆の滝の撮影スポット「双爆台」

双爆台は木々の間から、こんな感じで壮観な双爆の滝のようすを写真に収めることができます。

ちなみに、双爆台までの道のりも、ヒグマが出没することがあるようです。立ち止まって手を叩いて音を出すなどの工夫をしてください。

苦労して撮れた双爆の滝でした


またやって来たい観光地

釧路は天候が不安定で霧が多く、訪れたものの霧のために観光を断念した場所がいくつかありました。釧路湿原もそのひとつです。

視界がほとんどない釧路湿原公園前

また北海道の東部に来る理由ができました!


旅行日:2024年8月


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?