見出し画像

知床と根室の旅。霧の街の一人旅

知床は、私が本当に訪れたかった観光地の一つです。

知床は日本の世界遺産登録地域で、現代の近代化が進む中でも、まだ人の手が入っていない自然が残されています。

今回の北海道の旅でも、特に楽しみにしていた場所でした。

知床半島は世界遺産なのだ!

知床半島は、北海道の東部に位置し、国内でも有数の豊かな自然を有する半島です。2005年にはユネスコの世界遺産に登録されました。

世界遺産とは

世界遺産とは、ユネスコという平和と維持を促進する目的を持つ国際機関が認定した「人類共通の遺産として保護・保存する価値があると認めた自然や文化財」のことです。

世界遺産は国際社会の協力のもとで保護されるべきものであり、現在、約1,200件が登録されています。知床半島もそのうちの1つです。

いざ!知床へ

知床へは、網走から斜里町を経由して車で向かいました。網走から知床半島までは、斜里町を通って約100kmあります。

この日は、知床を抜けてさらに根室まで足を延ばしました。Googleマップで調べると、その距離は246km。少し無理をしすぎたかもしれません…。

今回は網走から知床峠を通って根室へ

この日は、北海道の旅のなかでも特に天候が重要だったのですが、残念ながら天気には恵まれませんでした。

オシンコシンの滝に立ち寄り

網走から斜里町を越え、世界遺産知床の玄関口であるウトロに入る手前に、「オシンコシンの滝」があります。当日の予定にはなかったのですが、看板を見て急遽立ち寄ることにしました。ちょうど休憩したいと思っていたタイミングでもあったんですよね。

実は、このオシンコシンの滝は、日本の滝100選にも選ばれたことがあり、落差が30mもある知床最大の滝なのです。急な予定変更でしたが、偶然にも立ち寄れて本当に良かったと思っています!

オシンコシンの滝

「オシンコシンの滝」という独特な名称は、アイヌ語で「川下にエゾ松が群生する場所」を意味するそうです。北海道の地名や観光地には、アイヌ語を語源とするものが多く見られます。

滝といえば、階段や山道を登るなど、素晴らしい景観を見るために道中が大変なイメージがありますが、オシンコシンの滝は違います。広い駐車場があり、駐車場からすぐ近くに滝があるため、知床を訪れる際には立ち寄るのに便利です。

上の写真のあたりが、特に見どころだと思います。


知床国立公園

世界自然遺産に登録された知床!一度は訪れたいと思っていた知床!アイヌ語で「地の果て」を意味する知床!地名を聞くだけでテンションがあがる知床!

しかし、知床公園に着く頃には空はどんより曇り、雨が降らないことを祈るばかりでした。

知床公園の入り口付近

知床自然公園でのおすすめの活動

知床自然公園には、高架木道で回る道と、地上遊歩道で回る道があります。

地上遊歩道は、知床公園内をグループで歩くため、熊などの知床の野生動物と遭遇する可能性があります。そのため、地上遊歩道を利用する際には、事前に15分ほどの簡単な研修を受講し、安全対策や公園内のルールについて学ぶ必要があります。

研修の費用は大人500円でした。

知床自然公園の地上遊歩道はこのような大自然を進んでいきます

地上遊歩道を通り、知床五湖を五湖から一湖へと順番に、約1.5時間かけて3kmを歩くイメージです。

せっかく知床を訪れるのであれば、迷わず地上遊歩道を選びたいところです。地上遊歩道は足場が悪いところもあり登りも下りも多いため、スニーカーは必須です。

ヒグマが出没すると閉鎖する地上遊歩道

地上遊歩道では、ヒグマの出没が確認されると、安全が確認できるまで閉鎖されます。夏場はヒグマの出没が多いようですので、地上遊歩道を歩けるかどうかは運を天に任せるしかありません。

地上遊歩道を歩けたとしても、やはりヒグマの出没が気になります。個人的には、お化け屋敷よりも怖いと感じます。

思ったよりも多く出没するヒグマ

食べ物等の持ち込み制限に注意

知床公園内では、水などを除いて飲食物の持ち込みが禁止されています。食べ物の匂いはヒグマを引き寄せる可能性があるだけでなく、知床の自然にない人間の食べ物を公園内に落としてしまうと、自然の生態系を見出す恐れがあるためです。飲み物は水とお茶であれば持ち込みが許可されています。

地上遊歩道の見どころ「知床五湖」

地上遊歩道を30分ほど歩くと、最初に五湖に辿り着きます。そこから順に、五湖から一湖まで歩いて行きます。

知床の四湖のようす

晴れてたらどんなに良い景色だったのだろう…と考えると、残念でなりません。でも、雨が降ってなかっただけでも良かったとしましょう。

必ずまた来ます。

高架木道からの景色も素晴らしい

一湖まで進むと、やがて高架木道に辿り着きます。やはり木道は歩きやすいですね。

高架木道の入り口

知床公園の大自然のなかを木道が通っています。この木道には電線が設置されており、ヒグマが立ち入らないようになっています。それだけでもとても安心して歩けます。

大自然のなかに続く木道

高架木道からは野生の鹿を見ることができました。iPhoneでかなり望遠で撮っています。

野生の鹿が遠くに見れました

高架木道は、約1kmの道のりです。途中、景色の良い写真スポットがいくつかあるので、ゆっくり歩くと30分はかかるかもしれません。

天気の良い日に、知床連山の写真を撮りたかったです…


霧の知床横断道路

知床国立公園を後にして、根室へ向かいます。根室へは知床横断道路を通りました。知床横断道路は、知床半島横断する大自然のなかを走る道路です。道路はよく整備されていますが、曲がり角が非常に多くあります。

知床国立公園からは長い登り坂を経て知床峠に向かいます。道中、霧が出てきて、徐々に道路の先が見えなくなって道路の先が見えなくなってきました。

霧がかかって視界が悪い

標高738mに位置する知床峠に着く頃には、あたり一面が霧に包まれ、ほぼ視界がゼロの状態でした。ライトをつけて速度を落として運転するしかありませんでした。

残念ながら、知床の景色は見れませんでした

雄大な景色が見られるはずの知床峠は、まるで雲の中にいるかのようで、視界が全くありませんでした。

そのまま知床峠を越えて、知床半島の後半戦へ。道中は霧が酷く、徐行するしかありませんでした。やがて、知床峠を下りて地上に近づくと、霧も徐々に晴れてきました。

そのまま根室方面へ車を走らせ、途中で野付半島で立ち寄りました。

大自然を堪能できるはずの野付半島

野付半島は、北海道東部の知床半島と根室半島の間に位置し、海流によって運ばれた砂が堆積してできた砂嘴(さし)です。野付半島は、日本最大の砂嘴となっています。

不思議な地形の野付半島

野付半島は全長が26kmです。途中にある野付半島ネイチャーセンターまでは車で行けますが、その先は徒歩で行くしかありません。上の地図のトドワラという場所の右側あたりにネイチャーセンターがあります。

途中にあった龍神崎の灯台

野付半島の先端まで行ってみようと思い、途中まで歩きました。しかし、先端まではおそらく徒歩で1時間半以上係そうだったので、途中で諦めました。

ネイチャーセンターにははまなす号があり

ネイチャーセンターからトドワラまでは、トラクターが牽引する「はまなす号」という乗り物がありますが、この日は運行していないようでした。

トラクターの近くでは、野生のきつねを見かけました。

トドワラは、立ち枯れしたトドマツの林で、年々侵食や風化が進み、少なくなっているようです。

トドワラまで歩いて20分程度かな。ここまでは歩いてみました。

日本最東端の納沙布岬

野付半島から一気に納沙布岬へ向かいました。納沙布岬は、日本本土最東端の岬です。太陽が東から昇るため、言い換えれば、納沙布岬は日本で最も早く日の出が見られる場所となります。

根室市街地からも距離がある納沙布岬

天気が良ければ、納沙布岬から北方領土を見ることができたのですが、この日はあいにくの天気でした。そもそも根室や釧路は霧の日が多いため、こればかりは仕方ないかもしれません。

納沙布岬には夕方に到着してしまったため、北方領土資料館もお店もほとんど閉まっていました。網走から知床半島を回り、野付半島に立ち寄って根室まで1日で運転する計画は、さすがに無謀だったと反省しています。

見通しが悪かった納沙布岬

納沙布岬で唯一見れたのが、日本最東端のポスト。

ポストだけしっかりと見れました。

そういえば、稚内にも日本最北端シリーズがあったことを思い出します。線路、自販機、お土産屋、食堂…など。


北海道の駅をめぐる

相変わらず、駅があれば立ち寄りました。北海道の駅舎は、東京では見ることのできない独特の景観があり、とても気に入っています。

最東端の駅東根室

東根室駅は、日本最東端に位置する花咲線の駅です。完全な無人駅で、周囲は住宅地に囲まれています。東根室駅には駅舎すらありません。北海道の田舎の駅にはほとんど駅舎があるため、駅舎がない東根室駅は非常に珍しいのではないかと思います。

東根室駅「日本最東端の駅」

1日の乗車人員数はなんと10人。この10人はほとんど観光客でしょう。しかし、よくこの駅は閉鎖にならずに存続しているな、と思います。

この感じが好きです


根室駅

根室駅は、日本最東端の有人駅です。根室は花咲線の終着駅で、1日に5本しか電車が往来していません。利用者は1日平均で100人以下のようです。

根室市は人口約2.5万人の街で、近年はやはり人口減少が続いています。

根室駅の外観

駅舎の中は、誰もいませんでした。ちょうど根室駅着の列車がやってきた後だったからかもしれません。待合室のこのレトロ感がとても良いですね。

乗車券の販売機がなかなかでした。こんな券売機は見たことがない…。根室駅はICカードが使えそうにありませんでした。

根室駅にあった券売機


根室の宿。リンドバーグ夫妻も泊まったあの宿へ

根室は、ホテルの数が非常に少ないです。今回は、根室駅から少し離れた「二美喜」さんに宿泊しました。外観も内装も昭和の雰囲気が漂う旅館です。

二美喜の外観

宿内にはお魚料理の良い香りが漂っていましたが、あいにく素泊まりプランを選んでしまったため、夕食にはありつけませんでした。食堂にも人がいなかったのですが、部屋食なのでしょうか。次回はぜひ食事付きプランにしたいです。

お部屋は和室で、とても綺麗で清潔感がありました。また、料金も魅力的でした。ただ、素泊まり以外の選択肢がなかったのが少し残念です。

部活の合宿を連想させるお部屋。懐かしい。

二美喜さんは、もともと根室駅の近くで営業していましたが、火災で全焼してしまい、その後現在の場所に移転しました。

旧二美喜さんには、なんと、あのリンドバーグ夫妻が世界で初めて北太平洋を飛行機で横断した際に宿泊したそうです。私が宿泊した日は、リンドバーグ夫妻が二美喜に宿泊した日からちょうど93年目でした。驚きの偶然です。

根室での夕飯

根室での夕飯は、宿の近くにあった回転寿司「根室花まる」さんへ歩いて行きました。根室花まるは東京にもありますが、今回は地元でいただくことにしました。ちょうど夕飯時の混雑時間に行ったため、10分ほど待ってから案内されました。

花咲カニと、、、

まず最初に、おすすめのカニをいただきましたが、花咲ガニともう一つは何だったか…忘れてしまいました。

根室も他の北海道の都市と同様に、飲食店の閉店時間が早いです。夕飯を食べられる場所としては、居酒屋以外の飲食店が少ないですね。

さいごに

知床と根室には、ぜひ晴れた良い天気の日に訪れたいです。根室周辺は霧が多く、視界が悪い日が多いようで、今回は完全に霧にやられました。また必ず来ます!

旅行日:2024年8月





この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?