若い仲間が育ち続ける仕組みをつくりたい。
みなさん、こんにちは。
カイロスマーケティングで代表をしております、佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。
カイロスマーケティングを創業してから、もう10年。年末になると、創業時のことを思い出します。
創業最初の12月は、自分でHTMLをコーディングして自社ホームページを立ち上げたことを覚えています。ホームページの後は、経理(簿記)。数字が合わず、除夜の鐘を聞きました。いまは素敵なSaaSがいっぱいあるので、起業してもこんなことならないんでしょうけど(笑)。
あれから10年。いまでは60名の仲間と一緒に素敵なオフィスで働けています。とても幸せです。
2022年のカイロスマーケティングは、3分の2の仲間が20代。気づいたらとても若い仲間が集まる会社になっていました。若いカイロスマーケティングの仲間が、育ち続ける組織にしたい。こんな思いがあって、これまでに人に関する仕組みをつくってきました。
個と組織が成長する仕組みをつくりたいと思ったワケ
そもそも会社や組織は個の集合体。会社が成長するためには、組織が成長すると同時に、個人が成長する必要がある。だから、組織と個が同時に成長するための仕組みをつくらないといけないと思っていました。個の成長の方向性こそが「ものさし」となる人事評価制度。カイロスマーケティングに合った人事評価制度が必要だと。
ただ、人事評価制度はあくまでも仕事の指針。指針だけにとどまらず、成長を加速するための研修のような個を成長させるための仕組みや、組織を超えてコミュニケーションを生み出す仕組みもあったらいいな、と考えていました。
組織を意識しはじめたのは、カイロスマーケティングの仲間が30人を超えそうだな、と感じ始めた頃。まだとても小さなオフィスでカイロスマーケティングを運営していた頃かな。その頃から、組織が成長することを前提として、ガバナンスを考えていかなきゃ、と思っていました。
組織の成長もうながす個の人事評価制度がほしかった
当時のカイロスマーケティングも、20代の仲間が毎月増えていました。成長著しい若い仲間が数多く働くカイロスマーケティング。人事評価制度も、よくある昔ながらの人事評価制度がハマることはないだろう、という想定がありました。
半年近く人事評価制度について専門家にも相談しながら、人事評価制度の勉強と研究を繰り返しました。最終的に、オリジナルの人事評価制度をつくっていこうという結論になりました。
ひとりで始めた人事評価制度の設計。途中で、岡田さんに入社していただいて、一緒に考え始めました。進んでは戻り、混乱して、頭をなんとか整理する。こんなことを繰り返して、カイロスマーケティングの人事評価制度のβ版の運用に漕ぎ着けました。
当初の人事評価制度は、岡田さんがnoteにまとめております。こちらをご参照いただければ幸いです。
評価期間の個人の成果だけでなく、自分の仕事以外の他人の仕事への貢献、評価期間後の個人の成長への寄与、評価期間後の他人の仕事の成果を加速させるための貢献、の4つの側面からカイロスマーケティングでは人事評価をします。
過去の実績や働き方に対する評価だけにおわらずに、将来にも続く成長に対する評価として人事評価制度を機能させたいという思いを、人事評価制度に込めさせていただきました。
会社の成長は、個人の成長の総和。カイロスマーケティングのみんなが成長することによって、カイロスマーケティングが成長する。そして、お客さまの「マーケティングを、もっと身近に。」することにつながると考えています。
後に、当初の人事評価制度は、カイロスマーケティングの仲間の早い成長を支えられなくなって、幾度か改訂をしました。現在は、年に2回の人事評価。昇給や昇格の機会を年2回に増やして運用しています。
ものさしだけでは何かが足らない。
人事評価制度が個の成長の「ものさし」。仕事をすることで個が成長するけど、若い仲間が多いカイロスマーケティングでは、それだけでは個の早い成長をカバーできないかもしれない、という、不安がありました。人材開発も同時に考えなきゃ、と。
人材開発の典型例は研修。研修には違和感を持っています。過去に何度も研修を受けたことがありますが、研修は、受ける人の需要やニーズと研修の内容がピッタリあってないと思ったよりも効果がない。受けた研修の内容を仕事にきっちりと活かせないのです。
研修を通じて知識を蓄積できるのですが、知識が仕事に結びつきにくい。覚えていても、どうやって使うか実践できるようにならないということかもしれません。カイロスマーケティングでも過去に全員に研修を受けてもらったことがあります。
その後、オンデマンドで学べるオンライン講座のようなサービスを1年ほど利用しました。オンライン講座の活用は全社員の1割程度。ほとんど活用しない、ということがわかりました。
何が良いか今でもわかっていません。とにかく試行錯誤の繰り返しをしています。いまでも運用を続けている仕組みが、読書支援制度です。
カイロスマーケティングの読書支援制度
カイロスマーケティングの仲間には、本をたくさん読む人が多い。以前は、「会社に本棚をつくりたい」という要望もあったくらいです。
いまでは電子書籍で読書をする仲間も多くいます。電子書籍にも対応できて、会社の本棚をつくる制度をつくったらどうか、と、試験的に読書支援制度を始めました。
業務に関係のある本を読んで、かんたんなまとめか感想文を、社内Wikiに投稿したら、その本の費用を会社が負担する。電子書籍でもOK。何冊読んでも、他の仲間と同じ本を読んでもOK。という仕組みが、カイロスマーケティングの読書支援制度です。
インプットとして書籍を読んで、社内Wikiに投稿することでアウトプットできる。読書以外の、まとめる力、ライティングスキル、表現力など、副次的な学びもあります。
さらに社内Wikiの投稿で、ある書籍のテーマについて、みんなが概要だけでも学べる。サーバーインフラ、ソフトウエア開発、プログラミング、マーケティング、ビジネススキル、リーダーシップなど、多くの本のまとめや感想が社内に蓄積しています。
2022年11月の1ヶ月で24冊の読書支援制度の利用がありました。開発エンジニアがちょっと高価な技術書を読んで、そのまとめをみんなに共有。とか、ビジネス部門で同じ本を輪読会に使うなどの利用もあります。
本の単価を一冊2,000円に換算しても、読書支援制度の費用は、月額5万円程度。外部講師にお願いして、社員研修をする費用と比較したら、思ってのほか安上がりで、学びたい人を後押しできる制度に仕上がったのではないか、と感じています。
創造性や構想力を養えたらいいな。部活動制度。
組織が大きくなると、どうしても縦割りになって、社内コミュニケーションが分断されてしまう。だから横串のコミュニケーションの仕組みが必要だから部活動制度を、といってしまうと、建前すぎるかな、と思っています。
会社が大きくなって生産効率を求めて、分業させるために組織を増やせば、ある程度のコミュニケーションが分断される。分断されるからこそ、生産効率が高まるという側面があるはず。
組織を超えて、みんなで楽しく交流ができれば良い。交流のなかで学べる仕組みがあれば、会社として投資する意味がある。というあたりが、部活動制度を立ち上げてみようと思った本音です。
部活動制度は、2部署以上。消費だけを活動内容とした部活はNG。何か創作もしくは健康増進を目的としているなら原則OKです。
ワインをみんなで飲みに行くワイン部はNGだけど、おすすめのワインリストを作ったり、ワインマップ(?)などの創作が目的として、その活動が報告できるなら部活として認められます。
活動の目的、部費の管理と会計、などの部活動の管理業務は部長に義務付けられています。
部員1人あたりの会社負担は毎月500円。ただし、部長が20代の場合は、毎月2,000円の負担をもらえます。部活動制度を通じて、多くの20代部長が誕生し、部活をリードしてくれています。
単に部活として部費を消費するのではなく、創作テーマを考え、みんなをまとめ、会計までやる。という感じで、組織のリーダーをしている感覚が養えたらいいな、と思っています。
カイロスマーケティング最大の部活は、「ボードゲーム部」。半数以上のカイロスマーケティングの仲間が参加しています。これでも月間の部費は6万円程度。研修以外のこういうやり方もありかな。と思っています。
前例にとらわれない創造性や、解決策を提示する構想力などのリーダーシップには必要な能力を、人事評価制度の対象となる「仕事」以外の場で育める機会を作れていることが、とても気に入っています。
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