マンガ大好きエンジニアが紹介する『青年マンガの最前線』!
はじめに
ほとんどの皆さん、はじめまして。
マンガ好きが高じてマンガの会社を起業した、コミチ代表のマンディです。
今回は大のマンガ好きの僕が、いまめちゃくちゃアツい「青年マンガ」についてご紹介したいと思います。
皆さん、青年マンガは読んでいるでしょうか?もちろん、ジャンプ・マガジン・サンデーなどの王道少年誌やいま話題のウェブトゥーンもおもしろいのですが、青年マンガもめちゃくちゃおもしろいので、各青年誌の特徴を交えながらお話しします!
まずは僕が毎週読んでいる青年誌です。
僕は社会人歴20年超、ずっとデジタルの世界でしか働いてきていない人間ではありますが、めちゃくちゃ雑誌が好きなんです。紙の世界には、制約が多い分、人間の知恵がたくさん詰まっています。そのため、あえて紙の雑誌で読んで、デジタル=Webの世界に活かせないかと考えています。
各青年誌の特徴
それでは、僕が読んでいる青年誌の特徴をご紹介したいと思います。
下表が一般的な情報です。
しかし、それだけではおもしろくないので、僕が一言ずつ各青年誌の特徴をご紹介したいと思います!
週刊ヤングマガジン(通称:ヤンマガ)
田舎の中高生が読む青年マンガといえばヤンマガではないでしょうか。
『ザ・ファブル』や『彼岸島』、『カイジ』などが有名ですが、最近はデジタルにも力を入れていて、「ヤンマガWeb」というWebマンガ誌を運営したり、『パリピ孔明』や『満州アヘンスクワッド』といった「コミックDAYS」での人気作品を本誌に移籍する取り組みを行っています。
僕の中でいま一番アツい作品は、本誌から『満州アヘンスクワッド』、「ヤンマガWeb」から『人妻の唇は缶チューハイの味がして』です! ちなみに『人妻缶チューハイ』の原作者・チンジャオ娘先生は、知る人ぞ知る成年向け同人マンガのヒットメーカーです。
週刊ヤングジャンプ(通称:ヤンジャン)
ヤンジャンは青年誌の王道ですね。有名な作品といえば、『キングダム』や『ゴールデンカムイ』ではないでしょうか。歴史ものが大好きな僕は『キングダム』の大ファンです。
「ヤンジャン」アプリや、「となりのヤングジャンプ」(Web)といったデジタル施策もいち早く実施されていて、さすが集英社さん。抜け目ないです。
僕の中でいま一番アツいマンガは、『少年のアビス』です。田舎出身の僕には、あの世界観が刺さりまくります。
週刊ビッグコミックスピリッツ(通称:スピリッツ)
「ビッグコミックオリジナル」の兄弟誌であるスピリッツは、より大人に差しかかった青年が読み始める青年誌だと思います。
有名な作品といえば、『アオアシ』や『あさドラ!』でしょうか。スピリッツさんも「マンガワン」と連携したり、「やわらかスピリッツ」というWebマンガ誌を運営されています。
僕の中でいま一番アツいマンガは、やっぱり『アオアシ』です! 葦人、頑張れ!
週刊マンガゴラク(通称:ゴラク)
歴史も古いゴラクは、ディープなマンガ好きが読む青年誌でしょうか。
有名な作品は、『ミナミの帝王』や『銀河伝説ノア』。ゴラクはコラムがすごく充実していて、二宮清純さんの『スポーツの嵐』、映画評論家・北川れい子さんの『極楽シアター』、カレー沢薫さんの『エロ知識』などめちゃくちゃおもしろいです。
僕の中でいま一番アツいマンガは、『高嶺のハナさん』。キュンキュンするんです。
ヤングチャンピオン(通称:ヤンチャン)
チャンピオンといえば、「少年チャンピオン」の『刃牙』シリーズが有名ですが、ヤンチャンもすごくおもしろいです。『本気!』や『湘南暴走族』が有名でしょうか。
デジタル施策も、「マンガクロス」というWebサイトを運営されていて、『僕の心のヤバイやつ』はやばいくらい売れているようですね。僕も大好きです。
本誌の中で僕が一番アツいと思っているマンガは、『日本を創った男~渋沢栄一 青き日々~』です。渋沢栄一が大好きなのです。
グランドジャンプ(通称:グラジャン)
グラジャンは、「ビジネスジャンプ」と「スーパージャンプ」の後継誌としてつくられた青年誌で、2011年創刊と比較的新しい雑誌です。
『キャプテン2』などが有名でしょうか。
増刊号の「グランドジャンプめちゃ」はセクシーマンガの雑誌、「グランドジャンプむちゃ」は王道青年マンガの雑誌です。
セクシーマンガといえば、青年マンガの特徴的なジャンルの一つかと思いますが、「めちゃ」はセクシーマンガしか載ってない雑誌で、セクシーマンガが好きならこれを読んでおけばよいのでは?と思わせるラインナップです。
僕の中でアツいのは、「めちゃ」から『金魚妻』です! もうすぐNetflixで実写ドラマが全世界配信される話題作でもあります。
青年誌のジャンル分析
ここからは少し踏み込んで、青年マンガ誌の作品ジャンル傾向をご紹介したいと思います。
全体的には、ヒューマンドラマ・お仕事(26作品)、ミステリー・サスペンス(12作品)、ギャグ・コメディー(12作品)、ヤクザ・アウトロー(10作品)が青年誌に多いジャンルとなります。
ヤンマガとヤンジャンは作品数が多いのですが、ヤンジャンのほうがジャンルの幅が広く、ヤンマガのほうが偏りがある傾向(お色気、サバイバルなど)にあるようです。
電子マンガでいま一番の人気ジャンルである異世界ものの作品をヤンジャンが始めたときには衝撃を受けました。
ジャンルはネット書店を参考に分類しています。
青年誌の台割分析
皆さんは、「台割」というものをご存知でしょうか? 紙の本・雑誌を作るときは、台割という各ページの内容を割り振るための設計書が作られます。
台割には、各雑誌の強い”思い”が込められていますので、すごく勉強になります。
王道青年誌であるヤンマガ・ヤンジャン・スピリッツは構成が似ています。
一つ、スピリッツの特徴としてご紹介したいのは、単行本紹介ページの作り方です。目次に各作品の単行本紹介ページのページ番号がひとつひとつ載っています(例えば、「『新九郎、奔る!』単行本のお知らせ」、「『ダンス・ダンス・ダンスール』単行本のお知らせ」など)。また、ページ自体も2ページ・カラーで載っているため、単行本の発売情報がすごくわかりやすいです。
ゴラクは、巻末に連載コラムが4本連続で載っていて、コラムを読みたい方にはすごく読みやすい構成です。
注)台割は過去2〜3週分で分析しています。週によって変わりますの了承ください。
まとめ
今回は僕が大好きな青年マンガ誌の特徴を、ジャンル傾向・台割傾向を交えてご紹介しました。
デジタル全盛の時代に、あえて、紙の雑誌を分析しています。アナログの制約は、デジタルサービスを提供する者にとってすごく参考になることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もともと、コミチを創業した私は、マンガが大好きな普通のエンジニアでした。過去にやってきた仕事は、プロ野球選手の分析システムや、高校生向け通信講座のデジタル化です。そこでデータを可視化し、分析することの大切さを実感してきました。
2015年に、クリエイターエージェンシーの株式会社コルクと出会い、CTO(最高技術責任者)を務めました。そして、「エンジニアリングの力で、マンガを支えたい」という思いで、2018年に「コミチ」を創業しました。
大事にしているのは、"エンジニアリング"という考え方です。
そんな私が代表をつとめるコミチは、「ヤンマガWeb」に立上げから関わり、現在も開発・運営をさせていただいておりまして、こんな記事も出ています。
その「ヤンマガWeb」は1年運営を続けた結果、1週間に100万人もの方が訪れてくれるWeb雑誌になるところまで、編集部の皆さまとご一緒させていただきました。
こうした雑誌の研究を続け、雑誌文化の中で長く続く良いものを、今ある環境の中で最適な形で実現していこうと考えています。そこでコミチは「100年愛されるマンガづくり」に貢献したいという思いから、「マンガSaaS」を提供しています。
もし話を聞いてみたいという出版社の方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください!
ここまでお読みくださいましてありがとうございました。よろしければスキ&シェアをお願いいたします!