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エンジニアリングと私
今日は「エンジニアリングと私」というテーマで話したいと思う。
僕がエンジニアリングに興味を持ったのは「闘うプログラマー」という本がきっかけだ。
いまのマイクロソフトの礎となるWindows NTというOSを作るプロジェクトをテーマにした本である。
登場人物はデビット・カトラー。プロジェクトのゴールに向かってプログラミングを行う伝説のエンジニアである。簡単なあらすじとしては、ITプロジェクトでよくあるデスマーチを乗り切るために、プログラミングをしまくり、チームメンバーを鼓舞・叱咤し、ユーザーのために最高の品質を提供する情熱をもって挑んだ話しである。
この話に出ているエンジニアのプロセス、つまり、世の中にないものを作るために、心身削りながらもコーディングし、叱咤激励による葛藤もありながら、ユーザーのために魂を込める行為に、僕は深く感動した。
これが、僕のエンジニアへのリスペクトのきっかけである。
エンジニアリングとは
その後、エンジニアとしてキャリアを始めた僕は、本当に沢山のコードを書いた。ただ今でも思うのは、エンジニアリングとしてやることは一つしかない。
コンピューターに効率的に処理してもらうこと
である。
僕が最初に書いたハードウェアは、エプソンのロカティオという情報端末(いまでいうスマホの原型)で、メモリが4MBしかないかなりハード的に貧弱な端末だった。プログラミングで利用できるメモリは1MBで、
・どうやって出発地と目的地の経路を検索するエンジンを動かすか
・地図を表現するエンジンを動かすか
が最初のテーマだったが、これはアルゴリズムとデータ構造というソフトウェア工学を使って、「コンピューターに効率的に処理してもらうこと」でしかない。
そしてサーバサイド全盛になってくると、
・どうやって処理を分散させ、大量のデータを高速に処理するか
という話になるが、これもアーキテクチャの問題で、「複数のコンピューターに効率的に処理してもらうこと」である。
つまり、ハードウェアが貧弱な時代も、リソースが豊富な現在のクラウド時代も同じなのである。
クリエイティブとエンジニアリング
いま、コルクに入って考えていることは、クリエイティブとエンジニアリングをどうやって両立するのかである。
普通に考えると、クリエイティブは右脳的思考=感性思考で、エンジニアリングは左脳的思考=論理的思考であるだろう。
しかし、コルクの編集業務をみて感じることは、編集業務はもっと論理的思考で型化できるのではないか?という仮説である。
エンジニアリングという仕事には、「型」がある。例えば、エンジニアであれば誰でも知っているオブジェクト思考の概念やデザインパターンである。
編集という仕事においても、ストーリー・キャラ・テーマなどアリストテレスの詩学に出てくる抽象化の概念や、「家の中のモンスター」・「金の羊毛」・「魔法のランプ」などのSAVE THE CATの脚本術に出てくるストーリーのパターンなど、型化されているものがいくつか存在する。
ただ編集業務は上記のような型をそれぞれの編集者が個人の暗黙知としてもっており、情報共有される組織の形式知として扱われないことが、編集業務が型化されない原因ではないかと感じている。
僕はこの「編集業務の型化という仕事」にチャレンジしたい。
まだまだ道半ばであり、結果も出ていない自分自身ではあるが、これが、僕がコルクに入ってやらなければいけない一番重要なこと=エンジニアリングであると考えている。
最後に
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