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第3回:「データを活かしてマンガを売る」コミチとは

はじめに

 こんにちは、コミチ代表・マンディです。
 おかげさまで好評をいただいている、この短期連載もいよいよ一旦最終回となります!
 第一回では、「なぜ、あえてウェブなの?」というお話を中心に、

 第二回では、「NFT」や「WEB3」といったトレンドと近未来予測を交えつつお話ししました。

 最終回となる今回は、これまでのお話を踏まえつつ、「コミチと共創するメリット」について、具体的にお話ししていきたいと思います。
 出版社のみなさん、クリエイターのみなさん、そして読者のみなさんにとっても「知りたいこと」をたくさんお話しします。
 コミチと同業の方々には、「そこまで出しちゃっていいの!?」というようなデータもお見せしますので、ぜひ最後まで読んでいっていただけましたら幸いです!


「商業マンガ×コミチ」でなにができるか

 それではまず、既存の商業マンガ編集部がコミチとタッグを組むことで、どういったことができるでしょうか。
 コミチは、マンガ編集部に「コミチ+」というWeb雑誌の形を提供しています。どんなものなのか、順番に見ていきましょう。
 
 ①雑誌をまるごとWeb化する
  これまでお話してきたように、Webはアプリに比べて制約が少ないので、「この作品は描写的にNG」というケースは減ります。掲載されている全作品を、Webで公開──雑誌のWeb化が可能です。
  これはもちろん、「Web雑誌」という形で販売することも可能なのですが、むしろ、Webにすることで販売の方法を増やすことができます。

 ②Webならではの「売り方」ができる
  Web(あるいはアプリ)における売り方はとても自由度が高いです。
  一話ごとの「話売り」や、そこに「一定時間後無料」や「1ヶ月無料」を組み合わせることもできます。
  ただし、コミチは、売上だけ取れればいいとは考えていません。(もちろん売上は大事なのですが)
  というのも、雑誌には雑誌のカラーがあり、ブランドがあります。
  ですから、新しい読者にアピールしたり、Webの力で拡散したりという風に使っていただけるのであれば、とても嬉しく思います。
  たとえば、「これまで新人賞では紙面の都合で大賞作品しか掲載できなかった」というのを、「コミチではもう少し範囲を広げて、優秀賞まで掲載しよう」なんていうのはどうでしょうか? 投稿先を探しているクリエイターへのアピールにもなるのではないかと思います。
  そして、これらの新人賞作品も「話売り」ができるようにしてもいいわけです。
  前回、コミチの考える「共創型パートナーシップモデル」は「雑誌」に近い、というお話をさせていただきました。雑誌のカラー、スタイル、ブランド……そういったものを活かした使い方ができる。それもコミチの強みです。

出版社がコミチを使うメリットは雑誌の部数増と同じ効果

 前項ですでにメリットを感じていただいたかもしれませんが、まだまだあります。
 まず、コミチは安いです。さすがに具体的な価格はここには書けませんが、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
 そして、コミチそのもののWebにおける資産を、初期からトラフィック(アクセス数)としてある程度ご提供できます。イチからWebを立ち上げたことのある方は経験があるかもしれませんが、とにかく最初は大変です。
 その点、コミチは既にそれなりのPVがありますし、SNSで話題にすることも得意です。ベースの上に、更に積んでいくためにどうしていくか、というお話ができると思っていただければ幸いです。
 そして、一番の目玉はなんといってもデータ共有です。出版社さんにコミチをご利用いただく場合、ダッシュボードから実に色々なデータを見ることができます。これは、コミチがお手伝いするデータ分析を経れば、紙の雑誌のアンケート以上に物言わぬ読者の情報となります。

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 こちらは、特定作品のアクセスデータが見られる画面ですが、大きく跳ねている日があれば、そこから流入元を参照することもできます(Twitterでバズった、など理由の特定が可能です)。
 逆に言えば、積極的にプロモーションを仕掛け、それが成功したかどうかがすぐに判定できる、ということになります。

 また、こちらの円グラフは、読者の属性データになります。

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 男女比や年齢層がわかるようになっていますが、こちらもさまざまな使い方ができると思います。
 たとえば、「連載作品の単行本第1巻が出る」となったときに、PVだけでなく、読者属性があらかじめわかっていることで、表紙のデザインや配本に活かすこともできると思います。
 同業他社さんでここまでお見せしているところはなかなかないと思います。これが出版社さんに対するコミチの大きなウリになります。

 そしてコミチは、このデータを更にわかり易くまとめ、データから導き出された対策を立案し、編集部の皆様と一緒に実行する体制(分析と運営の人員も提供)を整えています。
 世の中に、Webやアプリのデータを見ることができる人は沢山いますが、編集部にとって必要な形でデータを整理し、それを作品の販売や認知拡大に有効活用までできる人材はなかなかいません。
 そうした、データ取得、分析、対策立案、実施という流れをコツコツ積み重ねることで、ヤンマガWebは1年間でWAU100万人(1週間に100万人がサイトに訪れる)ところまで成長しました。参考記事はこちら
 これは、現代で雑誌の部数を増やすことと同じと言えるでしょう。

漫画家・クリエイターさんのメリット

 さて、それでは漫画家・クリエイターのみなさんにとってのメリットはどんな点になるでしょうか?
 以下は、個人の漫画家・クリエイターが、Web「コミチ」を使用した際のお話です。これも実は複数のメリットがあります。

 ①収入のチャンネルが増える
  コミチに出すことで、収入のチャンネルが増えることになります。
  「原稿料が上がる」ような感じで捉えていただけるといいかもしれません。

 ②収入の予測ができる
  これは出版社さんのメリットとも繋がってくるのですが、一話あたりの売上が安定してくれば、収支予測に使えます。
  「コミチの売上がこのくらいあるから、もう少しアシスタントさんに入ってもらって作画クオリティを上げよう」なんていう風に、前向きな投資ができるようになるのが理想ですね。
  逆に、PVなどから「このままだとあと2冊くらいで畳むことになりそうだ」というような予測が出ることもあるでしょう。
  しかし、それが「早くわかる」ことは決してマイナスではないと僕は考えます。  

 ③「次の一手」をいち早く考えられる
  というのも、時間的猶予は、次に何をするかを決断するための時間に余裕をもたらしてくれます。
  そして、その際もコミチで得たデータを活かすことができます。
  たとえば、「今回は思ったより30代男性読者が多かったから、次は思い切りそこにぶつけよう」といった形で、次の一手をいち早く打てれば、収入が途切れてしまうことを防ぐことができます。
  正確な情報を持っていることで、担当編集さんからの提案もより具体的になってくるのではないでしょうか。

 現在は、サブスクで毎月読者からお金をいただき作品を見せる方法もありますが、コミチなら好きな時に作品を載せ、好きなタイミングでSNSなどでPRすることができます。いくらかは気持ちを楽に作品を販売することができます。勿論、サブスクと併用も問題ありません。

 ④ウェブトゥーンの練習やポートフォリオも作れる
 実は、コミチは横読みの通常の漫画の他に、ウェブトゥーンも載せることができます。ウェブトゥーンを描いてみたいけども、自分のペースで好きなように実験してみたい漫画家さんにとって、とても便利な練習の場であり、読者に直接販売できる場にもなります。勿論、著作権は全て漫画家さんのものです。

読者のみなさんのメリット

 読者の皆さんにとっては、「よりおもしろいマンガが読めるようになる」がもちろん最大のメリットになるはずです。
 ただ、それ以外にもコミチならではのメリットがあります。
 たとえば、現状では推しの作家さんや作品にお金を落とす方法は限られています。そして、それらはほとんどが単行本発売後になってしまいます。
 コミチでは、単行本が出る前から、特定の作家・作品・キャラクターに投げ銭をすることができます。
 いち早く見つけたあなたの「推し」を、単行本が出る前から推して推して推しまくることも可能なのがコミチなのです。

コミチが目指すもの

 今回も、すいぶん長い記事になってしまいましたが、ここまでお読みくださってありがとうございました。
 全3回を通してお伝えしてきたように、コミチは出版社さん、クリエイターさん、読者のみなさんそれぞれにメリットのあるサービスを目指しています。
 まだまだ成長の途上ではありますが、個別の編集部さんからのご相談にも柔軟に対応していますし、できることはもっと増えていくはずです。
 
 コミチは「100年愛されるマンガづくり」に貢献したい!

 これをモットーに、みなさんとマンガの未来を共創していければと思っています。
 どうか、今後ともコミチをどうぞよろしくお願いいたします!


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萬田大作 / 技術の力でマンガ家を支えたい!コミチ代表
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