出版社は「web3」「NFT」でどう変わるか?
はじめに
こんにちは、マンガサービス・コミチ代表のマンディです。
最近web3・NFT・メタバースといった新しいワードを聞く機会が増え、毎日のように新聞・ニュースサイトを賑わしています。
それらのワードは、マンガ業界とどのように関係し、それを取り仕切る出版社さんはどのようなことをなすべきなのか?ということを今回話したいと思います。
web3って?
まず、僕はweb1・web2・web3の違いを下記のように考えています。
web1時代 → WEBサイトがつながった『ポータル時代』
web2時代 → ユーザーの双方向・参加型になった『SNS時代』
web3時代 → デジタル上で分散・共創する『D2C時代』
下表はGrayscale Research社という調査会社の資料です。
ポイントは、web3時代はプラットフォーム型→ネットワーク型に変わるということと、それにより、中央集権型→分散型に戻るということです。
web3時代においては、D2C(Direct to Consumer)、つまりクリエーターが直接消費者に届ける時代であることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
ただし、web2全盛時代に、ヤフーのようなweb1企業が共存しているように、web3時代もweb1/web2企業が共存する可能性が高いということにも注意が必要です。
引用:GrayscaleResearch
NFTって?
最近、毎日ニュースサイトを賑わし、2021年流行語大賞候補にノミネートされた「NFT」。
東洋経済によると、NFT市場は2020年300億円→2021年1.5兆円に急成長したそうです。
きっかけは、Twitter創業者のジャック・ドーシー氏の初ツイートがNFT化され、3.2億円で落札されたり、NFTアートが75億円で落札され、存命アーティストのオークション記録で3位になったりしたことです。
NFTのユースケースとしては、アート・コレクション・アイデンティティ・ゲームアイテムなどです。
引用:https://note.com/strive/n/n2933a1b97629
僕が注目したのは、ゲーム「AXIE Infinity」の登場により、ゲームをしているだけで稼ぐことができる『Play to Earn(ゲームして稼ぐ)』という言葉が出てきたことです。
実際にフィリピンでは、国の平均月収より稼ぐことができる人が多数生まれたそうです。
ただ、現在は「AXIE Infitity」自体のユーザー数が伸び悩んだり、仮想通貨がハッキング被害をうけたりと課題も出てきているようです。
web3時代の出版社・クリエーターの歩き方
では、web3時代に、出版社・クリエーターはどのように活動すべきなのか?
web3 Researcherのコムギさんの図解が非常にわかりやすいです。
引用:https://twitter.com/ro_mi/status/1468823180743970817
この図を出版業界で解釈すると、
①クリエーターや出版社は、創作物(キャラクターやストーリー)をNFTへ
②DeFiやMarketplaceによって、NFTや仮想通貨が交換可能に
③仮想通貨は、デジタル上で流通する通貨インフラとなる
と考えています。
つまり、web3によって、創作物を直接ファンに届けることができる(D2C)時代になるということです。
暗号通貨のリスク
ただし、暗号通貨にはリスクがあります。
大きな課題は、DeFi(分散型金融)を取り締まる法律がまだ日本では整備されてないことです。
OpenseaのようなNFTマーケットプレイスでは、デジタルコンテンツを誰でもNFT化できるため詐欺が起こったり、日本では暗号通貨の発行を資産とみなされ税金がかかるなどの課題があります。その結果、シンガポールで法人化する流れができているようです。
米証券取引委員会(SEC)が分散取引所のUniswapの開発者を調査しているという報道もでましたが、Uniswapはただの技術なので取り締まることができない状況のようです。
現在の暗号通貨関連業界に必要なことは、このあたりの整備かと思います。
web3時代の出版社の役割
いま正に、メタバース・暗号通貨・NFTといった新技術に、社会全体が試行錯誤している状況です。
しかし、web3は絶対に”来る”技術です。実際に、Facebookは社名をMetaに変更しましたし、世界有数のVCアンドリーセン・ホロウィッツが全力投資しています。
では、出版社さんはどのように振る舞うべきなのか?
出版社さんには、2010年代からデジタル化を推進し、電子書籍市場を最大化しているという現実があります。これはクリエーターとの契約や電子書籍フォーマット、取次・書店など既存プレイヤーとの調整など様々なことが整備された結果だと思います。
web3時代も権利や技術を整備するために、”出版社”の力が必要不可欠です。
例えば、クリエーターが創作資金を得るための場を作ることは一つあると考えています。
ゲームの世界では、AXIE Infinityが「Play to Earn(ゲームして稼ぐ)」という場を作りました。
ヘルスケアの世界では、STEPNが「Move to Earn(歩いて稼ぐ)」という場を作りました。
マンガの世界では、出版社が「Draw to Earn(マンガ描いて稼ぐ)」という場を作ることができるかもしれません。
もちろん、web3の世界は、その領域でトークノミクス、つまりトークン内での経済活動を安定的に行うためのマネジメントが必要ですので簡単ではありません。
実体経済では、インフレなどが起きないようにするために、お金の発行を調整したり、経済を活性化させるための政策がありますが、トークノミクスの世界でも同様のことが必要です。
スクウェア・エニックス社は、2022年の代表年頭所感で、NFTを取り入れていくことを発表しました。一方で、同社の大ヒット作品『ファイナル・ファンタジーXIV』のプロデューサー吉田直樹氏は、現在のゲームの世界観を破壊しかねないNFTへのユーザーの懸念を受けて、今あるFF14の中ではNFTを導入しないことを約束しました。
今ある作品、作家、読者は大事にしつつ、今まで通りの作品の中でNFTを目指すより、全く新しいマンガやコンテンツの形として、作家と二人三脚でNFT導入を目指していくことが一つのスタンスとなっていくのではないかと考えられます。
少しずつ成功事例ができつつあるweb3時代に向けて、
各社と共創して、クリエーターのための経済圏を作り上げることこそ、
出版社の役割ではないでしょうか。
おわりに
web3とは?NFTとは?ということをマンガ業界にいる者からお話しさせていただきました。
10年に1度の大変革期が来ている今だからこそ、
出版社さんと協業し、
新しい時代に打って出るべきであると考えています。
そして、コミチでは「100年愛されるマンガづくり」に貢献したいという思いから、マンガのD2Cツール「マンガSaaS」を提供しています。
もし協業にご興味のある出版社さんがいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。
「マンガSaaS」について、詳しくはこちらをご覧ください。
ここまでお読みくださいましてありがとうございました。よろしければスキ&シェアをお願いいたします!
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