#007 DAISプロジェクト×はるちゃん メンバーが一つになる瞬間
2022年後期のDAISプロジェクトに参加した、はるちゃん(石原晴子さん)にお話を伺います。
今の仕事は、イベントの主催やワークショップのファシリテーターを務めるなど、どちらかといえば事務局として一人で動くことが多いはるちゃんが、「チームメンバーの一人」としてプロジェクトに参加して感じたことは何だったのでしょうか?後日談にはほっこりしました♪
メンバーとの関係性の変化を感じる
【Q:プロジェクトが終わって1か月半くらいたつのですが、印象的だった出来事はありますか?】
メンバーとの関係性の変化が印象的でした。
最初は「みんなやさしくて、それいいよねって肯定し合うほんわかした関係」。でも、その中で色々とストレートに言うメンバーがいて、「こういう人もいるんだなぁ、付き合いにくいなぁ(笑)」と思っていました。
しかし、session2でボロボロの評価とフィードバックを受けたあと、今後のチーム運営について話し合うミーティングで、そのメンバーから「今の人間関係(みんなやさしくて、やわらかく、まるっと進めるメンバー)ではだめだとずっと思っていて、意図的に強く出ていたんだけど。」という話を聞きました。
「そうか。そういうことを考えてくれる人だったんだな。すごい!」と気付くことが出来ました。これをきっかけに一気に関係性が深まり、みんなが一つになったなぁ。と感じています。
そういう瞬間って仕事でも友達関係でも、なかなかなくて、少なくとも私は初めての経験でした。バラバラで様子見だったメンバーが、ふっと一つになった。その瞬間が心地よく色々なことが腑に落ち、私自身、真剣にやらないといけないなって引き締まりました。関係性の変化のきっかけだったと思います。
そして、その後のチームの変化もすごく印象的でした。
それまではチーム内の役割も決まらないまま、なんとなくミーティングをしていたのですが、私が密かにこの人リーダーに向いているなと思っていた人が、「リーダーやらせてください。ミーティングのファシリテーターをやせてください」って言ってくれたんです。結果的にその役割がすごくハマっていて、チームの雰囲気が変わり、それぞれのメンバーの良さが引き出されるいい“場”に変化していきました。
【Q:リーダーに向いているなって思ったのはなぜ?】
じっくり考えて発言するところとか、目の配り方とか、行動とか、自然に中心になっているところとか。
控えめな姿勢だったのですが、自分から手を挙げて前に立ってくれたのは、本当にすごいなと思いました。人の成長を見た瞬間だったと、とても印象に残っています。
もしかしたら私たちメンバーからの期待を一身に感じて、仕方がないな。と、手を挙げてくれたのかもしれませんが(笑)
自分たちの提案が答申先に「伝わる」経験
【Q:そのあとのsession3の提案が答申先の課長さんにハマってましたね。課長の嬉しそうなフィードバック聞いてどうでした?】
※プレゼン内容は、「能津地区の元気な高齢者」にスポットを当てていたのですが、その中でも特に男性“じぃじ”たちの特技を生かすという内容でした。
課長さんのフィードバックを聞きながら私たちも「そうそう!伝わった。よかった。」って。
ボロボロだったsession2のあと、「誰のための提案なのだろうね」と何度も投げかけ、最初に立ち戻って考えた結果のプレゼンだったので、とても嬉しかったですね。
最初にチームで掲げたのは「能津地区の人の笑顔」で、チーム名「ARUDE(あるで)」の由来は、なんでも”あるで”!から。
何もないの?どうしたらいいの?から始まったのですが、でも色々お話を聞いていたら、自然も、人も、おいしいものもなんでもあって、高知市内からのアクセスも悪くなく、能津地区の人たちもすごく素敵で、エネルギーもある。そう考えたら、ないものって意外とないから「なんでもあるで!」って。そんな能津地区の人たちに笑顔になってほしいとみんなで思っていました。
答申の方針が決まったきっかけは、「能津地区のばぁばたち女性は、ミライエ(地域の観光施設)のキッチンでイキイキ働いているけど、じぃじたち男性は、普段はなんかさびしそうで、、、やる時はすごく頼りになって元気に動いてくれるんだけどね。」というお話を何人かからお聞きしたことでした。
じぃじが元気になるとばぁばも笑顔になるよね。人生やりがいは大事ですよね。じぃじたちも、自分がもっている技術や知識が役にたてば、やりがいや生きがいになるのかな。そんな気持ちが繋がっていって、session3の提案にたどり着きました。
私が大切にしていることは「前提を忘れない。最初に立ち戻る」
【Q:はるちゃんが「だれのために」と投げかけ続けたのはなぜ?】
私自身に言い聞かせていたところもあるし、みんなにもそこに立ち戻ってほしい。という気持ちがあったからです。
私が普段やっている哲学対話の活動やこれまでの経験から、前提を忘れず、最初に立ち戻ることを大切にしているからかもしれません。「誰のため?=能津の人のため!」というのは、忘れてはいけないことだと思っていたからです。
【Q:はるちゃんと答申先の地域の距離感の変化を教えてください。】
私自身、能津地区とかかわって、人とつながりができて、そこに行って”話せる人”ができたのはすごくうれしい変化でした。実は夏の家族旅行はみんなで能津地区に行ってきました。「今年の家族旅行は日高村!」って(笑)。ミライエも開いていて、ばぁばにもご挨拶できて、念願の田舎寿司も購入することができました。屋形船に乗って、鮎の塩焼きも食べましたよ。
これまではきっと素通りだったかもしれない場所が、大切な場所になりました。
違う価値観と向かい合う
【Q:プロジェクトを通して、仕事に活かせそうなことはありましたか?】
違う価値観の人の話も門前払いせず聞いて、考えてみる。ということでしょうか。違う価値観には違和感を持ち拒絶しがちですが、そこに向き合うことで自分一人では気づかない素敵なものに出会うことが出来ました。そんな経験ができたことは貴重で、今後に活きると思います。これからもこの経験を活かしていきたいと思います。
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