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月刊こしら Vol.98 (2023年7月号) 「タイミングを間違えるな!」
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「タイミングを間違えるな!」 文・立川こしら
今、私の周辺では昇進ブームが来ている。
立川流の限定された付き合いしかないので、全体ではどうなのか不明だが、とにかく昇進ブームだ。
一番の原因はコロナ禍だろう。全ての活動を鈍らせて、時間をかけて対応していく日本のやり方は、ある意味正解だった。
今から振り返ればそう思える。
その活動を鈍らせている期間に、リスクを承知で昇進する落語家が少なかいのは当然だろう。
コロナ明けで、停滞していた昇進が動き出したのだ。あちこちで昇進の声が上がっている。
これは業界的な仕組みも後押ししている。今はどの団体も年功序列で昇進していくのだ。一定のタイミングで上げておかないと、落語界や一門における人口構成が大きく歪んでしまう。
そもそも、新人を勧誘して入門させるルールがないので、落語界は常に「待ち」の状態だ。入門希望者が多い場合は、一時的にストップさせる事は出来ても、希望が少ない場合、極端な話、一人も居なかった場合、何の手も打てないというシステム的な欠陥がある。
一定の周期で訪れる落語ブーム後は入門希望者が爆発的に増える。多い時がいいとも一概に言えないのが落語界の面白い所だ。
人が増えれば前座働きが分散するので、現場の作業的には楽なのだが、楽をする為に入門した訳では無い。携わる現場数も頭割りとなり、出会える人や経験が圧倒的に少なくなる。そもそも同期が多い=ライバルが多いのだ。同期が少ない方が、先の人生では有利になる仕組みなのだ。この辺りが、前座修行とバイトを同じ様に考えると大きく見誤る原因となる。今ではなく、未来への投資をどこまで出来るかで二ツ目以降の人生に差がつくのだ。
同期や同年代が少ない方が、現場を独占できるので、仕事量として辛くとも、その先の落語家人生は豊かなものになる。
落語ブームの谷底こそ、落語家になる大チャンスなのだ。
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