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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

【ネタバレ有り】OMORI感想

今日やっとOMORIをクリアしたので感想をまとめました。

・プレイした経緯

2022年12月28日に購入してプレイしたが、だだっ広くて誘導の少ないマップや、感情やたたき込みなどの複雑なバトルシステムが理解出来ず取り残されてしまったこと、
夢世界のノリが冗長に感じたこと、
夢世界の病みかわメルヘン→最初に現実世界で目が覚めたところのホラー描写への落差から「メルヘンなゲームかと思った?w」「ほらこんなに病んでるよ?凄くない?」みたいな「構ってちゃん感」を感じてドン引きしてしまったことなどがあり、そこからほとんど進んでなかった。

きくおさんがOMORIの楽曲『My Time』をアレンジしていたので、そちらは良く聴いていた。
聴きながら、近所なのによく知らない夕暮れの道を、帰れるかどうか不安に思いながら歩き、「終わったあとの世界を歩き回って思い出を集めるゲーム」を作る空想をしていた。
同時に、「OMORIではどんなシーンでこの楽曲が使われているのだろう?」と不思議に思っていた。

先週くらいに、OMORIのコンサート開催に合わせて公開された企画者のインタビュー記事を読んだ。
https://spice.eplus.jp/articles/323159
「主人公はヴァイオリンを弾いていて、物語にも大事な要素として登場する」という点に
「最後の方の重要なシーンで、劇中で主人公の演奏している曲がBGMとして流れるのか!?
すっげぇ良い演出じゃん!!!」
と強く惹かれた。

それから数日前にきくおさんのアレンジした『My Time』をまた聴いてハマり、原曲も聴き、それも良かったので、改めてOMORIをプレイすることにした。

おおよそ25時間でクリア出来ることを調べ、一度挫折してしまったこともあり、
「一日2時間プレイしたら2週間で終わるな……」
と思っていたのが、翌日には
「一日5時間プレイしたら5日で終わるな……」になり、さらに翌日、
「10時間プレイしたら今日終わるな……」
と言ってクリアした。

・作風について

『ゆめにっき』から着想を受けて創られたことは、以前からどこかのインタビュー記事か何かで知っていた。
しかし、いざ進めてみると、序盤はどちらかというと『タオルケットをもう一度』シリーズのような、ストーリーメインのコミカルなノリ。
その点で言えば、早く次に進みたいのにマップが広すぎるし、以前のプレイから時間が経ちすぎて全然覚えてなかった(というか初プレイ時点で全くマップが飲み込めてなかった)ので、『タオルケット』シリーズのような懇切丁寧な誘導が無いのが不満で、寝不足だったこともあり、少しイライラした。

(『タオルケット』シリーズは、ストーリーを進めるのに必要な最低限のマップしか進めず、進路も矢印で誘導されている。
調べると会話が発生するアイテムも分かりやすく表示されている。
但し、第三作目である『タオルケットをもう一度1』はかなり無駄な会話が多い。)

夢世界を探索出来る最後の機会で、ブラックキーを集めさせられていると悟ったとき、「あ、これ『ゆめにっき』じゃん……!」と気付いた。

『タオルケット』→『ゆめにっき』への方向転換が急に来た。

「要らないブラックキーは捨てられる」
「ブラックキーが捨てられると一本線が増え、どうやらそれは首吊りを表していそう」
というのも恐らく『ゆめにっき』のオマージュだと思い、
その時点では、
「進めるには文章を完成させるブラックキーが必要だが、全部集めて要らないものが全部『捨てられる』とバジルくんが自殺してしまう」
と思っていた。

エンディングの分岐はここで行われると思っていたので、「『ゆめにっき』をオマージュしつつ、グッドエンドも作る塩梅が最高」と20分くらい感慨に耽っていた。

良く考えずにその時点のセーブデータを上書きしてしまっていたのに気付いたときは少し後悔した。

個人的に『ゆめにっき』はかなり好きなので、似た演出があるとテンションが上がった。
『タオルケット』シリーズも大好きだが、作者が『タオルケット』に言及しているのを見たことが無かったので、「これ、大丈夫なのか……?」とヒヤヒヤした。
(個人的に、スイートハートと苗モグラの関係が、『タオルケットをもう一度3』のコンチェルちゃんとポンの関係に似てるな〜、と思った。ツインテールだし。)

・プレイ中の推測

マリ

最初にプレイし始めた時点で、マリが「私はピクニックから出れないけど……」と言っていたので、「現実世界のマリは多分もう死んでるんだろうな」と推測出来た。

「何が原因で死んだのか」はエンディングまでずっと謎だったが、バジルが気に病んでいるので、マリの首吊りシーンが出るまで「バジルが原因(だと思い込んでいる)の事故」説を推してた。

バジルくん

バジルくんの二次創作イラストをよくTwitterで見ていたし、ネタバレにならない程度の、エンディングを見た人のバジルくんに関する感想のツイートも見ていたので、プレイする前から「主人公にとって特別なヒロインなんだ」とは思っていた。

現実世界でバジルくんに会うまでは、
「バジルくんはもう亡くなっている説」
「OMORIを全肯定してくれるイマジナリーフレンドである説」
があり、特に後者を推してた。
理由は、他のみんなが黒髪なのに対してバジルくんだけ金髪だし、お花も差してて、非現実的で特別な感じがするから。
もし仮に「親友」だったら、「じゃあ他のみんなは……?」となってしまうから。

その後、現実世界であっさりバジルくんに会って呆気に取られ、「じゃあなんだ……?恋人になるのか……?」と本気で思った。
(アルバムのバジルくんが照れくさそうだったから。
頬線赤いのえっちじゃない?みんなそうだけど。)
バジルくんは主人公と同じ「恐怖症」を抱えていたので、同じ悩みを抱える仲間として、この「恋人」或いはそれに近い「親友」ポジは割とありかなぁ、と思った。

・「えっ?」ってなった点

サニー、意外とあっさり外に出て草。

現実世界明るいし、優しすぎだろ……

サニー、お前……
罪重すぎだろ……

バジルくん完全に被害者で草

ヴァイオリン壊れちゃったのは事故?だよな……?
みんなと一緒に過ごしたいからと言って、みんながくれたヴァイオリンを自分で壊したりはしないよな……?
な?サニー……

・感動した点

外に出れたと思ったら、数年ぶりに再会したオーブリーがめっちゃグレてたの、びっくりしたけど、「そういうこともあるよな……」ってなった。
オーブリーの家見る前から、何となく
「家庭環境とかが原因なのかな……。そりゃ、小さい頃はあんなに明るくても、何かしらの問題抱えてる子、いるよなぁ……」
と思ってたら、マリの死とバジル(が犯人だと思い込んでるが、実はサニー)の奇行がめちゃくちゃ影響してた。
可哀想。

「隅々まで探索しなさい」
と言われたときは、
「これが夢世界を探索出来る最後の機会だから、クエストとかやり残しのないように、ってことかぁ〜〜〜」
と思っていたが、オレンジオアシスに行くあたりで、
「あ、あれ、『探索すれば道が拓ける』って進路を誘導してたのね。
ミニゲームかと思ってしまいそうな発掘ゲームも、デカデカとど真ん中に看板を掲げて『これをやれば道が拓ける』って誘導してる。
ハッキリとは言わないのに、誘導上手いな〜〜〜!!」
と感動してた。

てっきり発掘5Fまで行けばストーリーが進むのかと思っていたら、1Fであっさり意味ありげなアイテム見つけた。
流石にストーリーに関わる部分だと思えなくて、回復ついでに改めて探索したら例の配置のパン見つけた……。
(結局、発掘ゲームのブラックキーやその場所を指し示す宝の地図は、パン屋の双子倒したあとじゃないと出てこないのか?
というかそもそもあのブラックキー必要だっけ?
流石に必要だよな?
じゃないとオレンジオアシス見ずにエンディング行けちゃうもんな?)

なんてところでやっと辿り着いたモグラの魔法陣、右側から順に生贄に捧げていったら、初っ端から不穏で、
「やっとストーリーが本題へ……!?」
と思ったら、全然そんなこと無かった。

「ツリーハウス、突然現実世界で存在が示唆されたな?
なんやそれ?」
と思っていたら、入った瞬間「あそこか〜〜〜……」ってなって10分くらい感慨に耽っていた。

ラスボスとして、今まで自分として旅をしてきたOMORIが登場して、「屈しない」のが最高だった。

・エンディング回収
最初にバジルを助けず、眠りもせず家を出て帰宅し、「いやこれ正規ルートじゃないだろ……」と戻ろうとしたが外に出てくれず、バジルくんの自殺も見れない引越しエンドに行ってしまったので、あまりにもあっけなくて、
「え!?ヴァイオリンは!?My Timeは!?」
と、びっくりしてしまった。
次に「とりあえず王道のエンドを見るぞ!」と思ったら、グッドエンドに辿り着き、ちゃんとボリュームや演出がしっかりあって安心した。
その後攻略サイトを見てその他のエンドを回収した。
My Time流れるの、劇中じゃなくてバッドエンドのエンドロールだった。好き。
バジルくん死ぬエンドもちゃんと作ってくれてるの好き。
(ブラックキー全部集めないと見れないと思っていたので、助かった……。)

・やり残したこと
残りのブラックキー集めや、芸術家やガスターっぽい人にも再会も気になるし、最初からやり直さないと見れないエンディングの追加要素もあるっぽいから、余裕があったら最初からやり直そう。

ーーー
20231106追記

やっぱりサニーが自分でバイオリン壊した気がしてきた。

じゃなかったら、「バイオリン辞めたい」描写要らないし、あんなにボロボロにならないもんな。
発表会でナーバスになっているとはいえ、普段は温厚で気が利くマリもあんなにキレること無いだろうし、問い詰められてるサニーももっと慌てふためいて、泣いて謝るはず。

発表会のプレッシャーと完璧主義な姉との練習に耐え兼ねて、癇癪を起こしてバイオリンを階下に叩き付けた?

あんなに夢にまで見て、最終的には彼らによって救われることになる友達からもらったバイオリンを壊してしまった。
問い詰める姉を突き飛ばしてしまった。

そこまでなら「子供だから仕方ない」と思えるが、蘇生を試みるもやはり駄目だった
→たまたま見られてしまったバジルを説得して、自殺に見せかけよう!

っていう思考回路が既にサイコパスすぎてヤバい。

結局サニーは引きこもりになってしまうんだけど、「当時の友達の見た目をしたイマジナリーフレンド」達(言ってしまえば、サニーのエゴ)に慰められて、罪悪感を克服してしまう。

(物語は大団円なんだけど、犯した罪の重さを考えると呆気ないというか、サニーに都合の良いハッピーエンドすぎる気がする。)

という点で、何となくサニーは自分を被害者のように思ってる節があるように感じていて、サニーを問い詰める罪悪感の擬人化みたいなオモリも消えてしまった。

だから、「コイツ、本当に将来大丈夫か……?」という疑念が拭えない。


やばい。コイツ将来絶対DV男になる。
普段はオーブリーの尻に敷かれてるけど、たまにキレて包丁取り出す男……。

そして、オーブリーに泣きつかれたヒロがケルやバジルを引き連れてサニーを説得しにいく。
最終的にはバジルが昔の過ちを思い出させて、包丁を仕舞う。

っていうのがずっと繰り返されていきそう……。

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