回顧
泣きそうな顔で溜息を吐く闘次郎ちゃん。
「……どうしたの?」
「……昔のことを、思い出して……」
今は亡きひろみくんとの生活を回顧していたのだ。零くんは何も言わずに闘次郎ちゃんを抱き締め、優しく頭を撫でる。彼の腕の中に蹲り、声を殺しながらも嗚咽し、震えながら涙を流す。
目覚めると零くんは支度をしている。
「……大学に行ってくる。……君は?」
何も言わずに布団に蹲る。
「……終わったらすぐに帰ってくるね。」
零くんは家を出る。独り身体を小さく丸めながら布団に包まる。孤独と悪寒に身を震わせ、溜息を吐く。
「……寒い……」