有松絞りも知多藍も! 愛知県ならではの「染め」の文化を体感しよう
日本の伝統文化のひとつである「染物」。糸や生地に染料を染み込ませる染色の文化は、古くは縄文時代には存在したといわれているそう。私たちの身近な暮らしの中にも、多種多様な「染め」の技術によって作られた衣類や日用品がたくさんあります。
そして大ナゴヤツアーズでも、染物に触れて・楽しめる体験を豊富にご用意しています。特に9月は、愛知県内の染物にまつわるツアーがいっぱい! 知っているようで知らない染物文化や染色技法と併せてご紹介します。
有松絞りの括りの技法は「○種類以上」あった!?
名古屋周辺に住んでいる人にとって、聞き馴染みのある染物といえば「有松絞り」。緑区の有松・鳴海地域で作られる絞り染めの総称で、昭和50年には「有松・鳴海絞」の名前で国の伝統的工芸品に指定されています。
布を括って染めることで、さまざまな柄を描き出すのが特徴。手蜘蛛絞、嵐絞、雪花絞などの「絞り(括り)」の技法は、昭和初期には100種類以上もあったのだそう。凹凸のある軽やかな感触のため、夏の浴衣によく使われています。
有松の老舗商家で日傘づくり! あなたはどんな柄にする?
江戸時代の初め、名古屋城築城のために来ていた人々の絞り染めの衣装からヒントを得て、竹田庄九郎が豆絞りの手ぬぐいを売り出したのが「有松絞り」の始まりとされています。
そんな有松絞りの開祖・竹田庄九郎の流れを汲むのが、慶長13年(1608年)創業の伝統ある老舗「竹田嘉兵衛商店」。市指定有形文化財の商家の建物内で伝統技法を体験できる、なんとも贅沢なツアーを開催します!
ツアーで作るのは、自分だけのデザインをあしらった日傘。まずは、参考資料を見ながら図柄を考えます。巻き上げや菊花絞りなどの工程を体験後、染色工程を見学。染め上がるまでは、庄九郎カフェのランチコースを楽しんで。
抜糸をして傘を開き、完成した図柄と対面する瞬間は感動的な体験です! そのまま当日持ち帰ることができるので、残暑の残る有松を日傘をさして散歩してみてください。
今までにない! カラフルでポップな有松絞りって?
有松絞りの中でも、自由な発想で注目を浴びているのが、てぬぐい専門店の「まり木綿」。ツアーでは、伝統技法とカラフルな色彩を組み合わせたオリジナルの手ぬぐい&あずま袋を作ります!
ハンカチの代用品としてもファッションのアクセントとしても活用できる手ぬぐいと、和装に合わせる鞄としてもエコバッグとしても便利なあずま袋。日常使いしやすい2つのアイテムから、名古屋の伝統を暮らしに取り入れてみませんか?
染め工場までの行き帰りは、ガイドさん目線でぶらり有松散歩。旧東海道の風情漂う町並みを楽しみましょう。
知多半島で染物文化を復活させる! 「知多藍」とは?
「藍染め」も、古くから日本人に愛されてきた染物のひとつ。日本を象徴する色「ジャパン・ブルー」として海外でも知られています。
そんな藍染めに魅了され、知多半島で「知多藍」という新しい産業を作ろうとしている人がいるのを知っていますか?
アパレル企業に7年務めたのちに、デニムや有松絞りを通して染色に興味を持ち、岐阜県郡上市の染色工房にて藍染め修業入り。3年後、地元である知多半島に戻り、2022年春に常滑市で工房「紺屋のナミホ」を立ち上げた桑山奈美帆さん。
「紺屋のナミホ」では、畑から染料つくり、染めまでを一貫して行い、「天然藍灰汁発酵建て」という昔ながらの伝統的な技法にこだわった染色をしています。地元に根を張ったものづくりをしようと、常滑焼の甕(かめ)で藍を仕込み、染料用の酒や灰も常滑で調達しているそう。
かつては染物屋が多くあったという知多半島で、消えてしまった染物文化を「知多藍」として復活させる挑戦に注目です!
藍染めの魅力って? あずま袋を作りながら体感しよう
「紺屋のナミホ」ツアーでは、ナミホさんと一緒に藍の魅力を、そして“知多”を体感しましょう。
「そもそも藍とは?」というお話から、工房に併設した小さな畑の見学、季節に合わせた藍の作業の見学まで。そして、布に糊で模様を描いて染める「筒描き」の技法を体験し、あずま袋を藍染めします。
染料に浸すごとに色の濃度が変わるので、お好みの濃さに染められるのも魅力。世界にひとつだけの、オリジナルあずま袋をつくってみませんか?
このほか、名古屋友禅の手ぬぐい染めツアーも10月に開催予定。大ナゴヤツアーズ公式サイトで近日情報公開予定ですので、ぜひチェックしてください。
さらに11月には、名古屋黒紋付染の「山勝染工」で服や小物を黒に染め替える体験ツアーも開催します。毎回人気のこのツアー。8月開催時も満席だったので、気になる方はお早めにお申し込みを!