映画「魔女見習いをさがして」を見てきたら邦画を感じた
映画「魔女見習いをさがして」は2020年11月13日公開の日本のオリジナル長編アニメーション映画です。製作は題材にもなっているおジャ魔女どれみと同じ東映アニメーション。
スタッフ、キャストなどは列挙すると長くなるので恐縮ですが公式サイトなどでチェック願います
https://www.lookingfor-magical-doremi.com/
長編アニメーション映画で邦画を感じる?となると意味がわからないかもしれませんが、随所の作り方がいわゆる邦画的だったのでお知らせしておきたいという趣旨の記事です。
1.芸能人キャスト
この映画は主に年齢差のある3人の独身女性が共通の趣味を通じて知り合い、交流の中でそれぞれの悩みと向き合い、解決策を見つけていくというあらすじからして微妙に邦画っぽい映画です。主観視点やアップの表情、エフェクトなどはアニメ的な演出も多いですが背景美術や会話劇の部分などはそのまま実写にしても違和感がないのではと思えるくらい写実的なレイアウトが使われています。
何より主役の3人が本業の声優さんではなく女優やタレント、歌手といった属性に分類される方々というところがメタ作品であるこの作品の真の姿を象徴しているように思います。
アニメ映画に芸能人を起用することについては現代では様々な意見がありますが、この作品ではメインが芸能人キャストでありながら見ていて全然違和感がなくかなり自然に受け入れることが出来ました。
ただ厚切りジェイソンは喋った瞬間にめちゃめちゃ厚切りジェイソン感がありましたがゲスト枠程度の出番なので気になる程ではないでしょう。
2.ロケ地とタイアップが明確
見に行くまでは全然知らなかったのですがこの作品はけっこう観光地的というか
具体的には鎌倉、飛騨高山、京都、奈良、尾道など実際にロケしましたよー!的な場面が多数出てきます。
近鉄電車はタイアップでPRしてますし食べ物や店名も恐らく実在のものがモデルになっていると思われます。
清水寺や渡月橋なんかは自分も修学旅行で行ったので見覚えがありリアル感があって感動しました。
3.難病要素
ネタバレになるので詳細は伏せますがある登場人物にゆかりのキャラクターが病院に入院している場面で病名こそ明かさないものの容姿や顔色で闘病の様子が表現されます。
全体からすると短いシークエンスなのですが強烈に印象に残るパートでした
4.恋愛要素
邦画となればやはり恋愛要素は不可欠です(紋切り型の偏見)。
魔女見習いをさがしては実質邦画なのでメインの3人に3人とも恋愛要素があります。
アニメ映画で明確にカップリングをやるのは地雷感があるので個人的には控えめなほうが好みなんですがこの映画は邦画ですからかなり踏み込みます。
女性陣ほどではないですが生い立ちや背景を想像できる程度には男性陣も描写が濃い目です。
作品名のサジェストで出てくる彼もあの世界で強く生きていくことでしょう。
5.現実ベースの控えめなスペクタクル
この映画ではリアリティラインがかなり現実側に寄せてあり、使われている乗り物の時刻表なども想像できるくらい真面目に作られています。
かといってアニメーション的な盛り上がりが無いかというとそうでもなく、終盤に向けて3人のドラマが収束していくところは気持ちがいいですし
随所で○○○が本当に力を貸してくれたのかもしれないというファンタジー要素も散りばめてあってアニメ映画的な配慮も欠かしていません。
原作的なポジションであるおジャ魔女どれみがいわゆるキッズアニメ的な夢と魔法の物語でありつつ
魔女見習いをさがしては現実ベースという一見交わりそうにない2つの世界が実は強い結び付きを持っていて不可分なものだったという映像体験は幼少期に何らかの物語や作品やキャラクターに強く心を動かされた経験のある自分には胸に迫るものがありました。
おまけ.飲酒表現について
この作品では登場人物が交流する場面でかなりの頻度でアルコールが出てきます。
しかしここまでキャラに酒飲ませまくるのは倫理観的にどうなのかと思わないでもなかったり😃
現代のマホウがビールなのかと伺うことも出来なくもない辺り、制作陣が密かに込めたブラック要素なのかもしれません。
「どれみ」と同じ関弘美プロデューサーの手掛けたデジモンアドベンチャーも続編に当たる「デジモンアドベンチャーLAST EVOLUTION絆」が今年(2020年)公開されましたが
あちらは本編のキャラクターがそのまま年齢を重ねたという設定のお話で
同じくバッチリ飲酒表現があるという…
お時間のある方は今作と見比べていただくのも良いかもしれません。
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