観後感想「杉原千畝-スギハラチウネ」
先ず最初にこの映画を観た時、何故映画タイトルを「SEMPO」にしなかったのかとずっと思っていた。 タイトルが「杉原千畝」となった瞬間に、一番観て欲しい日本の若者へのハードルが高くなった様な気がする。
縁あってカウナスの旧日本領事館は何度も行ったことがあり、初めは全く知らなかった杉原千畝さんをすごく良く知り、バルト三国を含め第二次世界大戦中のリトアニアを含めたバルト海沿岸地域がどの様に戦争に関わり、その歴史を歩むことになったかを知ることとなった。
そんな中でこの映画は史実に基づいたスパイ映画だと思った。
杉原千畝さんを単なる英雄東洋のシンドラーと褒めるだけでなく、彼の語学力と頭脳を用いた、本来の目的諜報活動も多く描かれていることにも、共感したし、面白かった。実際そうだったのだろう。
またヴィザを発給するまでの葛藤や確執、大日本政府との問題が分かりやすかった。
カウナスを離れてからの彼の歴史も、上手く受け止めて淡々と生活をしていく様をサラッと表現したのも良かった。
何が正義で何が悪か? 戦争においてそんなことは分からない。
ドイツはソ連を裏切った。 そのソ連は日本を裏切った。 何故なら日本はドイツと同盟国だったから⁈ そんな理屈も見えてくる。
結局強い国が中小の国々の歴史を翻弄する。
戦後の世界を見た時に、ソ連が如何に力をもって、東側諸国を併合し、権力下に置いたかも見えてくる。
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