子宮内膜症とバセドウ病と私

2022年、ふたつの病気の診断を受けた。1月に子宮内膜症、12月にバセドウ病。どちらも若い女性がかかりやすい病気で、自分が30歳になろうとしていることをありありと実感した。

働きはじめて5年目、がむしゃらに働くだけが能ではないと気づきはじめた頃だった。私は地方の高校で、国語を教えている。土日は部活動がある。休憩時間は自分なりに確保しているが、それでも、回転を止めると死んでしまう動物のように、休むことなく働き続けた。

卵巣チョコレート嚢胞。そういえばずっとお腹が痛いと思っていた…
エコーを取ると、左の卵巣が5センチほどに腫れていた。シンプルな、影。エコーの画像を見るのも初めてだったから、まず、見方がわからなかった。どこが卵巣で、何が正常な画像なのか。ただ、説明を聞いて、血液検査を受けた。がんではないことを確認するための腫瘍マーカー。「がん」という言葉を聞いて驚き、怖くなった。パートナーにそのことを、半ば混乱しながら伝えた気がする。そんなに心配してくれなかった。自分の体は自分ごと、他人の体はひとごとなんだなと思った。「大丈夫だと思うんだけど」というような言い方をしたせいかもしれなかった。

1週間か2週間後に結果を聞いた。内膜症で上がる数値が上がっており、がんで上がる数値が上がっていないので、ほぼ間違いなく内膜症ということだった。

ジエノゲストというホルモン製剤を飲む。2月の生理の2日目から飲み始める。みるみる生理が軽くなり、終わった。それから1年以上飲み続けた。不正出血で何ヶ月も困らされた。それ以外は、快適だった。

バセドウ病。こちらは、自分で病院に行って検査してわかったことだ。夏休みの健康診断の時、血糖値が少し高かった。ヘモグロビンa1cとかいう値。過去3ヶ月くらいの血糖値が高いという。私はかなり痩せている方で、糖分を過剰に摂取しているつもりもない。

夏に、友人が糖尿病で倒れた。大学の同期で大切な人だ。原因不明の1型。みるみる痩せていき、ある日マンションの一階で倒れたそうだ。その話が怖くて、自分も糖尿病なのではないかと思った。私は、健康診断の結果を見た9月くらいから、徒歩通勤を始め、食事にも気を遣った。五穀米を炊き、必ずサラダをつけ、野菜から食べた。そうすると、体重はさらに減り、43キロになった。(身長は162センチだ)。これはまずいと思い、血糖値を上げずに、脂肪と筋肉をつける方法はないかと思い、プロテインを飲みはじめた。それでも、体重は増えない。久しぶりに会う人には、「また痩せた?食べているの?」と言われる日々。私は、糖尿病なのでは、という不安を抱えながら病院を受診した。

北海道の地方に住んでいるので、適切な病院に行こうとすると、車で1時間半かけて、都市まで行かなければならない。これが受診のハードルを高くしていたものだ。しかし、内膜症の件で、病院を受診することの大切さを痛感していた私は、仕事を休むことをためらわなかった。検査。最初の血液検査は、血糖値や貧血など、幅広く見てもらった。先生が、甲状腺の項目も入れてくれた。それが、ビンゴで、郵送で送られてきた結果は、まさにバセドウ病というような数値の示し方(その時は意外すぎて驚いたが)。甲状腺刺激ホルモンが出ていないのに、甲状腺ホルモンがたくさん出ている。確定診断は、まだでない。再度の受診と検査が必要だった。甲状腺の炎症が原因ではないことを確かめる検査をして、最終的に結果が出たのが、12月27日だったかな。ちょうど、札幌までの飛行機を予約していた時だ。17時台の飛行機に間に合うように、仕事を休んで、病院まで行った。運よく、正月休みになる前に薬をもらい、治療を開始することができた。

そう考えると少しずつ、病気との向き合い方がうまくなっているかもしれない。異常を感じたら躊躇わずに病院に行く。検査を受ける。これが大事。(しかし。病院まで1時間半というこの環境が受診のハードルを上げている。なんとかならんのか)