スコットランド、2度目の独立投票なるか
英国での総選挙。
与党・保守党が過半数議席を獲得して大勝を果たしましたね。この日の各紙紙面はこれが1面に。
街中を歩いていると、選挙の盛り上がりはあまり感じられませんでしたが、いたるところに投票所が設置されていたほか、メディアではこの話で持ちきりでした。
各党が様々な公約を掲げ、票を稼ごうとしていましたが、保守党が歴史的な地滑り大勝を果たした背景には、国民が長引くブレグジットに辟易としていたからでしょう。
私の友達も、ブルーカラー階級の人が多く住む地域出身で、両親なども今までずっと労働党に票を投じていましたが、今回ばかりは初めて保守党に投票したそうです。
聞くと、もうしんどい、ということでした。イギリス人でもない私ですらもう嫌やわ〜て思っていたくらいです。国民にとっては一刻も早く終わらせたかったのでしょう。
ジョンソン首相に対する批判が聞かれる中、実際は案外人気があることもわかり、今回の総選挙は民意が分かりやすく反映されていて、とても面白い結果でしたね。
私が住んでいたスコットランドはというと、
独立を掲げるスコットランド民族党(SNP)が48議席を獲得しました。同党率いるはスタージョン氏。スコットランド自治政府の首相でもあります。
大きく議席数を減らした2017年の前回選挙時から13議席増やして躍進。
この好結果を受け、スタージョン党首は、独立の是非を問う2度目の住民投票を実施する考えを改めて示しました。
下院選挙は650の選挙区で行われ、スコットランドには59区が割り当てられています。
スコットランドでは、保守党が6議席、最大野党の労働党は1議席を確保。
しかし、いずれも議席を減らしました。自由民主党は前回から変わらず4議席。SNPの得票率は45%と、前回から大きく8.1ポイント上昇しています。
スタージョン党首はかねて、クリスマス前にジョンソン首相に対してスコットランド独立の是非を巡る2度目の住民投票実施を許可するよう求める方針を掲げています。
同党首は今回の結果について、「予想を上回るもの」と喜びを示すとともに、「スコットランドは、ジョンソン政権を支持しない、そしてEUを離脱する意思はない、とはっきりとしたメッセージを送った」とコメント。
「SNPに票を投じた全ての有権者が独立を支持しているわけではない」とした上で、スコットランドが自分たちで未来を決めるべきという明確な保証だと主張しました。(強い母ちゃんです。)
スコットランドが住民投票を実施するには、英政府の合意が必要。同政府は、スコットランドは2014年に既に住民投票を行い、英国に残ることを決めたとして、かねて住民投票の再実施を容認しない方針を示しています。
スコットランドの大学院にいた時、ブレグジットの話を友達としたことがあります。彼らはそもそもイングランドがあまり好きではないようで、私がロンドンでの就職を決めた時にも
「なぜわざわざそんなところに行くんだ!」「ここにいれば良い」と散々言われました(同時に嬉しかったですが)
日本と違って?若者の「上ロンドン」の意欲は低いみたいです。
そんな彼ら、独立を問う1回目の住民投票は、残留派が多数を占めました。理由は、EUに残りたいから。
そんな今、ブレグジットがなされようとして、EUから出る英国に、スコットランドが止まる理由がなくなるわけです。
彼らの独立機運は高まり、独自にEU残留路線を模索しようと動いています。これが2度目の住民投票の流れになっているわけです。
英国、どんどんカオスになるな・・・。笑
今年の1月に行ったエジンバラ。雪がすごいけど青空が綺麗なのも珍しい!