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コンサルタント仲間8人との旅行記

 先週土日はコンサルタント仲間8人(うち一人はSIerなのでコンサルタントというとやや語弊があるかもしれないが、まあITコンサルということで)と某所に旅行に行ってきた。計7ファームから集った同質的かつ多様性(笑)ある集団で旅行して色々と感じ入るところが多かったので、忘れないうちにまとめておこうと思う。

コンサルタントという生き物は議論好きである

 コンサルタントが8人も集まって旅行すると、まあうるさい。大なり小なり皆議論好きである上に頭もよく回るので、下手なことを言うとすぐ(おふざけもありで)突っ込まれる。行き/帰りの特急の中や、旅行先での会話は大方誰かの発言に対し誰かが新しいビューを付け加えて議論を盛り上げる/反駁する/同調しつつロジックを補強する主張を織り交ぜるetcという時間で構成されていたように記憶している。そして、(これはコンサルタントという生き物について知るうえで特に興味深いことだが)そんな時間を皆非常に楽しんでいるように見えた。プライベートな時間すら業務時のテンションでふざけて「コンサルごっこ」をやるぐらいには皆それなりに議論好きであり、何かを論理立ててうまく解説する、ウィットのある/ユーモラスな表現で物事を説明することに意欲的な集団である。外から見ればやたら早口且つ説明的で、見る人が見れば「きもちわる…」という評価を下すかもしれない。が、この文章を読んでちょっとでも似た性質に思い当たる節がある人や「面白いかもしれない」とニヤッとしてしまった人は、もしかするとコンサルタントという人種と馬が合う、もっといえば、経営コンサルティングという仕事と馬が合うかもしれない。

美術館における千鳥ノブ的ツッコミは「コンサル的な営み」である

 今回の旅行先であった某所には有名な美術館があり、我々は昼ご飯を食べた後にそちらを訪れた。その美術館では広大な敷地に様々な現代美術の造形物が配置されているのだが、例によって現代美術の素養および学問的バックグラウンドが著しく欠けた我々は、各作品の意味するところについて殆ど解することは無かった(ではそもそも何故そんな場所を訪れたのだと尋ねないでほしい。だって他にろくな観光地が無かっt)ry)。あと200年生きても、山口周氏のようにはなれそうもない。一方で、作品の意味するとこを解さずとも、見たものに対して千鳥ノブのように純粋な気持ちでツッコみ、対象を相対化することはできる。「(身体を大きくひねった女性が表現されている彫刻に対し)人生で一番使わん姿勢」、「(特に面白みのない遊具的な作品に対し)これの何がおもろい?」、「(抽象画に対し)示唆がでん!」、「(「十六本の垂直な金属の棒」という作品タイトルに対し)それはただのファクトなんよ」etc…。ふざけて悪態をついているだけに見えるかもしれないが、「眼前の現象を咀嚼し、自分なりの感想/疑問が聞き手に一番ユーモラスかつ説得的に伝わるようにワーディングを工夫する」という営みは非常に「コンサル的」である(※コンサルティングの現場では、ユーモラスであることはあくまで手段であって目的でないので、そこははき違えてはいけないが)。自分たちなりの仕方で美術館を楽しみながら、ぼんやりとそんなことを思った。

コンサルタントはボードゲームがお好き(?)

 個人的な今回の旅行のハイライトは宿の部屋に置いてあった立体四目並べというボードゲームだった(自分が運よく最多勝利を収めることができたからそう感じているだけかもしれないが)。あらかた観光を楽しんだ後、宿に到着した我々は部屋に置かれていたそいつにドはまりした。全員初体験であったものの、徐々にプレイングのコツをつかむと、オーディエンス含めて議論は加速度的に白熱していった。総時間で言えば、恐らく2時間以上はこの小さな盤面を前にプレイしていたと思われる。こういった頭を使うボードゲームは多くの場合参加メンバーの興味の有無が如実に出る(あるいはなかなか勝てない人はすぐに匙を投げたりする)ものだが、8人全員が勝ち負けに関係無くプレイに意欲的であったところにこの集団の特質が一番よく表れていると思った。なにせ、自分がプレイしていない時間も盤の傍で延々どの手が良いと議論しているのである。対戦者らが指す一手一手に対し「うん、そうだよな」、「え、それどういう意図?」、「いや、それは死路だろ」と皆がツッコミを入れる様は、誤解を恐れずに言えば、自分にとってとても心地が良かった。

終わりに(一応のdisclaimer)

 ここまで、コンサルタント仲間8人と訪れた旅行について、コンサルタントという生き物の性質と絡めて所感をだらだら述べてきた。特に各見出しや文中について断定的な物言いが散見されるかもしれないが、今や国内だけでも数万人(数十万人?)存在する「コンサルタント」の中には私の主張に対する反例が少なくない数存在することは重々承知している。読者諸氏においては、重箱の隅をつつくような指摘は遠慮いただければ幸いである。また、この文章を読んで、「経営コンサルティング」そして「経営コンサルタント」に興味を持ってくれる学生が増えるなら筆者にとって望外の喜びである(いや、マジで)。

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