【15歳からの社会保障】今を生きるすべての皆さんにおすすめの本です
この著者である横山北斗さんにはオンラインプラットホームSWallowやSocail Cange Agencyで大変お世話になり、学ばさせていただいています。そんな横山さんが本を執筆、出版されたということで、購入させていただきました。涙なしでは読むことができませんでした。この本は15歳からだけではなく、今を生きるすべての人におすすめしたい本です。
「社会保障を知っていることは、あなたや周りの人を助けることにつながる」
社会保障と言われても聞き慣れない、馴染みがない、とっつきにくいと思う人もいるかもしれません。実際に15歳くらいの年齢で社会保障に興味関心を持っている人はおそらく少数派かなと思います。何しろ学校でほとんど学ばないのですから。ただ、数学や国語が社会に出て何の役に立つと聞かれて返答に困ることはあっても、社会保障を学んで社会に出て何の役に立つか聞かれたら、この本を読めば即答できるでしょう。
「あなたや周りの人を守るために必要」だと。
「社会保障制度を利用する人は特別ではない」
この本では日常生活でピンチに見舞われた10人のストーリーから社会保障制度をわかりやすく学ぶことができます。これらの内容は決して本の中だけのお話ではありません。今の日本社会で実際に起こっているリアルです。
困難が生じたとき、必要な社会保障保障制度を利用しないのは、そもそも制度自体を知らないからという理由ももちろんありますが、活用できそうな社会保障制度を知っていたとしても、「自分が悪いから」「恥ずかしい」「相談できる人などいない」という理由で利用に至らないこともあります。社会保障制度は申請主義であり、窓口にいって書類の申請を提出しなければそもそもスタートしないのです。
どこに相談すれば良いかわからない事も、社会保障制度を利用するハードルの高さを助長しているかもしれません。この本の親切な所は、インターネットでの窓口の探し方を載せていることです。スマートフォンでまずは気軽に調べてみてほしいと思います。
「ソーシャルワーカーを活用する。」
ソーシャルワーカーという存在をご存知でしょうか?様々な機関に配属されており、あなたの困難を解決する手段としての社会保障について、詳しく説明してくれるでしょう。相談することはとても勇気がいります。こんな話を話してもいいのだろうか迷っていたり、恥ずかしかったり、何を相談すれば良いのか整理できていないこともあると思います。ソーシャルワーカーはあなたの困りごとに対する解決策を提案してくれ、時に必要な機関に繋いでくれるでしょう。何よりあなたと一緒に伴走しながら考えてくれます。ぜひ活用してみてほしいと思います。
「社会は残酷だけどあなたを気にかけている人は必ずいる」
生活する中で困った時、一人ひとりにあった制度を誰かがすぐに紹介してくれて、困りごとを解決してくれる、そんな社会になれば良いなと個人的には強く感じています。でも、まだまだそんな事はありません。申請をしなければ利用できない、「知らなければ利用できない」のが今の現実の社会です。そして、あなたの困難をよく知らないがゆえに、その人の判断で「それはあなたの自己責任だ。努力が足りなかったんだ」と批判してくるかもしれません。それは自分自身の今までの経験からも感じています。
学生時代吃音があり、人とうまく話せなかったとき「もっと大きな声で自信を持って話しなさい」と言われたこと
仕事が辛く夜眠れず出勤出来なかったとき「怠けている」と言われたこと
コロナに感染したとき「気が緩んでいたんだ」と言われたこと
社会保障制度とは少しそれているかもしれませんが、自分なりに努力していたけれど、もしかしたら自分の努力不足だったかもしれない、自分が悪かったのかもしれないと自分を否定したことが、これまでの人生で何度も何度もあります。
でも、そんな中でも、自分を見てくれていた人がいました。それは家族だったり、友人だったり、ソーシャルワーカーだったり、オンライン上で知り合った人でした。この人たちがいたから自分は自分にとっての困難を乗り越えられました。人との関わりで傷ついたこともありますが、人との関わりで救われました。社会保障制度は制度ではありますが、制度の前にあなたを何とかしたい「人」が必ずいます。気にかけている人が必ずいます。
とはいえ当事者の方から助けてと発信し、つながることも困難を早く解決するためには大切です。そのために制度を「知る」ことも大切です。この本を読むことで「知る」ことができます。ぜひこの本を読んで、あなたや周りの人を守るために知ってほしい。そしてあなたを気にかける人は必ずいることも心に留めてほしいです。