Vision Pro は日本の製品が全体の4割を占める、でもそれではダメだ
以下2月26日の日経新聞を参考に記述する。
Appleが2月に発売したゴーグル型端末Vision Proは、価格ベースで全体の42%の部品が、日本企業が供給した部品で作られていることが、調査会社フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズとの協力で分かった。
Vision Proの価格は3499ドル(約50万円)、その中でも部品コストは約1200ドル(約18万円)かかっており、ソニーセミコンダクタソリューションズ(ソニーグループ傘下)が提供した有機ELディスプレイは約7万円と、部品コストの約4割を占める。他にもキオクシア製のフラッシュメモリ、冷却ファンにはニデック製のモーターが使われている。日本の製品が全体の部品価格の4割を占めると言っても、有機ELディスプレイを提供したソニーがそのほとんどを占める。
日本に次ぐ2位の部品のシェアを占めたのが韓国(13%)SKハイニックス製のDRAM等、3位が台湾(9%)、4位が中国(7%)、5位がアメリカ(6%)となった。自国の部品をほとんど採用していないことから、Appleは性能重視で部品を選んだと考えられる。
今回の調査で、日本の技術力の高さを再認識することができた。しかし、顧客にはAppleの製品として売られ、日本の技術を活かしたのは米国のAppleであるため、日本発のイノベーション製品とはならない。
ここ30年、日本企業が衰退した原因は、このイノベーションがなかったからではないか。日本の素材を活かしてそれを料理できる、産業界に横串を刺せる、そんな人材が日本には必要だ。
今回のVision Proの発売は今までの構造と何も変わらない。このままではダメだと思う。政府の役人、民間企業の経営層の方々には、是非イノベーションを創出できる人材が産まれる環境作りに注力して欲しい。
参考文献
日本経済新聞(2月26日)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2023/06/introducing-apple-vision-pro/(サムネ引用)
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