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反射してください|演技の原理 4

舞台の演技にもリアリティはある

一般的には映画の演技の方がリアリティがあると言われますが。
ボソボソしゃべればリアルになるのでしょうか。?舞台の芝居にはリアリティはないのか?紐解いていきましょう。

リアリティとは

現実味。芝居的にはナチュラルさのこと。
でも日常で大げさな人はいるし、声のデカイ人もいます。やたら身振り手振り使って説明してくる人もいます。

いずれにせよ表現の形は演出に委ねられるわけで、ボリュームにリアリティの秘密があるわけではないのです。

今、リアリティを作ります

リアリティを生み出す魔法をかけます。次にあげる文字を逆からゆっくりと声に出して読んでみてください。

ラブラブニノイナモゼカ、ハマタンキノキヌタンタンタ

ありがとうございます。
今あなたの周囲にここに書いてある文字のリアリティが生まれました。
ここに書かれている文字のリアリティはあなたによって生まれたのです。

あなたが読んでくれなければ、この文字は存在したことにはなりません。
あなたの目の動き、あなたの声、あなたの読み終えた時の表情にこの文字の存在があるのです。

あなたのこの文字のやりとりが映画だったとしたらどうでしょう。

反射すること

リアリティを生み出すのは自分ではないのです。周囲です。
あなたが石につまづいたとします。そこに石が存在するリアリティが生まれます。
車の急ブレーキの音がして振り向きます。
急ブレーキはあなたの反応によって存在したことになるのです。

それがセリフのやり取りだったとしても同じです。

高校生のA君とB美ちゃん。
二人はよく一緒に登校している

A君「おはよう!」
B美「……おはよ」
A君「あれ」
B美「……」
A君「なんか機嫌悪い?」
B美「どうぞお先に」
A君「なんだよ」
B美「一緒に歩く必要ないよね」
A君「俺なんかしたかよ」
B美「……」

B美ちゃんはちょっと不機嫌なのがわかると思います。
ではその不機嫌な芝居のリアリティはどうやってつくられるでしょう。
B美ちゃんのたたずまいですか?セリフの読み方ですか?

B美ちゃんが不機嫌さを表現しようとしたら、B美ちゃんは、「ああ、そういう演技をしてるな」と思われ、リアリティから外れていきます。

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