2020年卯月（4月）の料理試作会
温泉山荘だいこんの花の「嬉し、里山料理」は地元の旬の食材をお召し上がりいただくために月替わりの献立としております。
2～3か月先の献立をつくるために幾度となく繰り返される料理の試作会。
2020年2月10日に行われた4月料理試作会の様子をお届けします。
春のお造り三種
温泉山荘だいこんの花で「ザ・刺身」が登場するのは珍しいかもしれません。でも、料理長が本当に美味しいと思い、お客様にぜひ食していただきたい春の魚介を吟味しました。写真右から「鰆の炙り」、飾り人参の下に「北寄貝」、大葉の上に「春鯛松皮造り」です。
それぞれのお魚の名前の漢字に「春」が付くくらいですから、まさに旬のお魚ですね。特製の割醤油でご用意する予定です。
さくら温麺 椎茸真丈 三つ葉
「温麺」は、「うーめん」と読みます。
温泉山荘だいこんの花がある宮城県蔵王町のお隣 白石市の特産品で、素麺の一種です。一般的な素麺と大きく違うところは「油」を一切使用せずに作るため胃にやさしく消化に良いことでしょうか。あと、麺の長さも短い。
その「温麺」に桜を練りこんで作ったのが「さくら温麺」。
淡いピンクの桜色もさることながら、食すと桜の香りがフワッと広がる春ならではの温麺を使ったお吸い物です。
写真に写っている白くて丸いものが「椎茸真丈」ですね。ひっくり返すと椎茸だってわかると思います。
春大根スープ煮 仙台牛ロースト コンソメ仕立
最初に料理の名前を聞いたときは見た目の想像ができませんでした。
スープ煮って言うくらいだからスープなのかなって思っていたのですが違いますね。まぁ、この料理の前がお吸い物だったわけですから汁物が続くことはない訳で・・・。
さて、宮城県のブランド牛といえば最も有名なのが「仙台牛」ではないでしょうか。
この「仙台牛」、肉質等級がA5に格付けされないと名乗ることができない決まりがあります。良質な脂は常温でもみるみる溶け出してしまうほどです。ただ、こちらの料理の主役は「仙台牛」ではなくて「春大根」。
一年中収穫ができる大根にも品種ごとに旬があり、春に収穫される大根は、そのみずみずしさが何よりもの特徴です。つまり水分量が多いのですね。
水分量が多いということはいわゆる煮物には適さないはずですが、そこは料理人の腕の見せ所どころ。
味を染み込ませながらも、春大根のみずみずしさを損なわない絶妙な塩梅に仕上げます。
地場産早堀りたけのこ 木の芽味噌焼き 磯辺揚げ 穴子八幡巻
でました！
春の食材の王様「たけのこ」です。
こちらのたけのこは、その時期になったら若く、柔らかいうちに掘ってきていただけるようタケノコ農家の方にすでに交渉済み。
その「早堀り」のたけのこを、木の芽を加えた特製みそダレと、磯辺揚げの二種類の味でご用意いたします。
鮮度も抜群なので、えぐみもまったくありませんよ。
新玉葱のシャーベット（お口直し）
このあとのメイン料理に進む前に必ずお口直しの一品をご用意しております。4月は新野菜の季節ですので、その中から新玉葱をチョイスしてシャーベットにしました。玉葱の味と香りがしっかりと残っています。
試作会中に、料理長が、このシャーベットに「白コショウ」をかけたら玉葱の味がさらに際立つなとひらめき、「おーい、白コショウかけてみて」って指示を出したのに、かかってきたのは「塩コショウ」。
・・・・。
まぁ、それはそれでマッチしたのですが、やっぱり「白コショウ」をかけてご用意することとなりました。
クレソンのハリハリ鍋 蔵王本鴨 鴨団子
メイン料理はこちら。
ほんのりとした苦味と辛味が春を感じる「クレソン」をたっぷり食していただける、この季節ならではの鍋料理です。
鴨は、蔵王の大自然のなかで育てられた「本鴨」。アヒルと鴨のかけ合わせである合鴨とは異なる、バルバリー種の本当の鴨です。
おすすめの食し方は、はじめに鴨団子を鍋に投入していただき、鴨から出るダシをスープに移してから鴨肉をしゃぶしゃぶするようにしていただきます。この時、あんまり火を通しすぎると鴨肉が固くなってしまうので、レアの状態で召し上がっていただきたいですね。もちろんお好みですが・・・。
そして、最後は主役のクレソン。サッとスープにくぐらせると、苦味と辛味が少しマイルドになりながらも、シャキシャキ食感でお召し上がりいただけます。
でね、試作会ではここまででしたが、試食をしているうちに、最後にこのスープでお蕎麦を食べたら美味しいよねってことになったので、お蕎麦もご用意することにいたしました！
地元、蔵王の「蔵王源流そば」をご用意いたしますのでぜひお召し上がりください。
ここまでご紹介しました料理の数々は、2020年4月のご夕食で登場する予定です！ぜひご賞味ください。
（毎日のように料理のブラッシュアップが行われますので、ご紹介した内容から進化していたり、場合によってはまったく違う料理に変更する場合がありますことをご了承ください。）