「How Google Works」を読んだ
Googleでの働き方をまとめた一冊。2014年に書かれた本なので少し古いがGoogleの戦略、企業文化、人材、意思決定、イノベーションが書かれている。IT系で仕事をしていれば誰もが一度は憧れるGoogleの内部に迫りたくてこの本をチョイスした。
スマートクリエイティブ
この本では「スマートクリエイティブ」という名前が度々登場する。スマートクリエイティブとは
自分の"商売道具"を使いこなすための高度な専門知識を持っており、経験値も高い。私たちの業界ではコンピュータ科学者か、少なくとも日々コンピュータの画面上で起きている魔法の背後にあるシステムの理論や構造を理解している人物
と定義されている。その他、実行力、分析力、ビジネス感覚に優れ、競争心旺盛で努力家でユーザのことも知っているというスーパー地球人のような人のことを指す。スマートクリエイティブからは斬新なアイデアがほとばしり出てリスクをいとわず失敗を恐れないし、自発的であらゆる可能性にオープンでコミュニケーションは得意。しかし今あげた特徴を全部揃えているわけではない。(流石に全てを兼ね備えてる人材なんて数えるほどしかいないと信じたい)基本要件としては
ビジネスセンス、専門知識、クリエイティブなエネルギー、自分で手を動かして業務を遂行しようとする姿勢
を持っていることだ。グーグルはスマートクリエイティブを採用し、彼らが偉業を成し遂げられるような環境を作り出している。
誰しもそうだと思うがスマートクリエイティブの一部の要件は満たしていると思う。しかしこれらを広範囲でカバーしている人材は限られているのは明らかだし、多くの特徴を持っていた人間だって年齢や環境によって失っていった特徴もあるだろう。僕自信に照らし合わせても競争心は働くにつれて薄れていった。本書にも書かれているがスマートクリエイティブを管理にするには従来の経営モデルではなく彼らが毎日喜んで出社したくなるような環境をつくる必要がある。
一流のスポーツ選手にはコーチが必要なのに、あなたは要らない?
個人的に刺さった内容なこの一文だ。僕は管理職になって、上司とうまが合わず孤独を味わった。人を頼る、巻き込むのが苦手なので一人で管理職を遂行しようとして精神的に潰れてしまった。コーチとは言わないけど働くにはコーチのような同僚、上司、部下、外部のコンサルなど頼れてアドバイスを惜しみなくくれる人を作るべきだ。
一番嫌な質問をする
仕事中にふとこんなことを思ったことがある。「僕らの事業が丸潰れになるイノベーションが他者から起きたらどうしよう」これは僕にとって嫌な質問だった。なぜなら今やっていること全てが水の泡と化し使い回しも効かないゴミと化してしまうからだ。しかし僕はこの質問に明確な答えを出すこともなく誰かに相談することもなく答えを出さないままそっと心のうちにしまっておいた。このことについて考えること自体がストレスとなってしまったからだ。本書ではこの「一番嫌な質問」をほっておくことに釘を刺している。確かに僕もこの質問に真剣に取り組んでいれば未来について社員と議論を交わし、新しいイノベーションについて取り組み始めたかもしれない。
まとめ
2021年に読むには少し古い内容かもしれないがGoogleの成功の秘訣に迫れる良い本だと思う。僕自身、反省させられるよう内容を含んでいたし、少なからずみんなにもあると思う。もし、何も得られなかった読者がいたとすればそれはGoogleに匹敵する企業に勤めているかGoogle社員かのどちらかだろう。Kindleで買うと安いのでおすすめ。
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