しーちゃん大恋愛記~後編~
やってきたぜパート2という名の後編
まあ、クソ恋愛記ってことで許してクレメンス。
例のヤツは多分自覚ありだけど自覚以上の天然人タラシって奴で本当にかっこよかった(結論)
非の打ち所なんて思わせ振りな態度を取りすぎるくらいであとはなんも無いよ。
ちょっと取りすぎるくらいさ。(まんまと落ちた人)
そんな私も何回か告白を試みたことがあった。
しかしとある日のこと
彼「おれ天然タラシじゃないよ!」
ワイ「え?(何言ってんだこいつ)」
彼「だって俺はそういうつもりで行動してないのに、勝手に気があるのかもって期待されて、それで好意寄せられても、俺無理!
仮に友達だった人からだとしても友達に戻れない!」
最後の一言が私の心をノックアウト、一発KOでゴング鳴り響いた。
それがあって中々告白まで踏ん切りつかず、そのまま少し疎遠になる。
とある日普通に仲良くして、例のヤツのことも相談してたバカ仲良いと思ってた男友達が居た。
ほらよくあるさ、傷心っぽい所にそんな奴がいたらよォ!惚れっぽいアタイは!好きって思ってまうんよ!
仮に友情の好きでも!
酔っ払ってたら、好きって言いたくなってまうんよ!友情の好きでもなぁ!!
結構真面目に振られて、そこから気まずくて話せてないけどな、トホホ。
彼に関しては本当に申し訳なかったと思う。マジで。ごめん。
でも好きだった気持ちに嘘は無いからな。これはホントだよ。
そんで二年経ち、告白しようと決心した私。
酒の力を借りて告白してしまえ!とまで思ってしまった私。
決心した次の日にまさかの、例のヤツに彼女が出来たらしいという噂。
しかも面食いの彼からは想像つかないくらい普通の子。
黒髪で、清楚系な小動物っぽい感じの。
泣いた。
普通に泣いた。でもまだ噂だしと思ってた。
ある日会ってしまった。
ペアルックで、お揃いのネックレスつけて、恋人繋ぎして歩いてる彼等に。
向こうはもちろん私に気付いて話しかけてくるし、私もあくまでも"友人"だから普通に対応してる。
幸せそうでいいねって言ったら、俺の彼女可愛いしょっ!って私が世界で一番好きだった顔で言われた。
そのセリフ、私が、その場所で言われる筈だったのに。
面食いだって知ってたから、綺麗になるために頑張ってたのに。
派手髪似合うのいいよねって言ってたから、髪も明るくしてたのに。
一瞬にして全部無駄だったのかな、なんてらしくもなく卑屈になった。
でも綺麗になるために努力した期間は無駄じゃないと思いたくて。
自分でもなんで傷を抉るような事をしたのか分からないけど馴れ初めを聞いた。
そしたら、驚いた。
四年前から好きだったんだって恥ずかしそうにはにかんで。
花火大会一緒に行ってその時告白したんだって。
返事が来たのはお盆前だったかな?って。
嬉しそうに、でもどこか照れくさそうに話されるけど私の心は真っ黒だよ。
私が彼を好きだった二、三年間は既にもう、彼には好きな人がいたって事で。
好きな人いたの?って聞いても居ないって言ってたから、沢山遊びに行ったのに。
お祭りだって行ったじゃん。誕生日に手料理くれたじゃん。冗談で言っただけをもう材料買っちゃったよなんて言われたら、断れなくて、食べさせてくれたじゃん。
自分の顔嫌いなんだよね、目が小さいしって言った時、目大きいからな!?普通に!って慰めて褒めてくれたじゃん。
全部、その場しのぎの言葉だったのかななんて思うとちゃんと笑えてるかすら不安だった。
それからの私はもう、荒れた。
タバコも始めたし守り抜いてた処女だって捨てた。
相席バーに行っては知り合った男の人とホテルに行ったり、デリヘル始めたり。
ご飯食べない時もあった。
ODだってしたし、何度死んでやろうかとも思った。
楽しかった化粧になんの魅力も感じなくなっていたし
綺麗になる努力をしてる人が好きって笑った彼が好きだったから、出来るとこからって始めた化粧も今では呪いの道具に見えてたまらない。
自分の仮面を作る為の道具にしか見えなくて。
それでもまだ、心の中で少しだけ淡い期待を抱いている自分が嫌になる。
ファーストキスは酔っ払った先輩に取られたし、処女はテキトーに捨てた。
ラブホに行ったことないなんて嘘で、むしろ職場だった。
誕生日をろくに祝ってくれる友人も居ない。
まだ全然クソガキな私でも、その小さな恋愛で私自身に残ったのは一抹の期待と、荒んだ心だけ。
未だに連絡たまに来るし、誕生日にあげたお皿は勿体なくて使えてなかったなんて言われたら。
そりゃ期待はするじゃないか。
もう、セフレでも何でもいいからそばに居させてくれよ
なんて叶わない願いをタバコの煙に込めて吐き出して
私は一つ年を取った。