五行易・断易専門用語集
圧住(あつじゅう)
飛神が強くて、その下に隠れている伏神が圧迫されて出れない状態を表す。しかし、いくら飛神が強いからって、伏神が飛神を剋したり、飛神が伏神を生じたり、日と同じ十二支だったり、冲されたりすれば伏神が出やすくなるので、一概には言えない。
安静(あんせい)
読んで字のごとく、動爻や暗動にならない静かな爻、または静爻とも言う。
暗動(あんどう)
暗中に動く意。静爻が月から助けられて、日の十二支に冲されれば、その爻は動爻と同じような働きをする。また、月破や月から剋されてなければ、暗動が成立する場合も多い。
引抜(いんばつ)
用神が卦に現れていない場合に、伏神から引き抜いて用神にすること。また堤抜(ていばつ・伏神が表に出てくること)と同じ意味に使われることも多い。
泄気(えいき)
ある爻が他の爻を生じて、気が泄(漏・洩)らされて消耗すること。生じる側が強ければあまり問題ないが、弱ければ衰弱してしまい、用神の場合には凶になりやすい。
駅馬(えきば)
もともとは古代中国の駅制において各駅に備えておく馬のこと。図を見て貰えばわかるが、各三合局の帝旺の十二支が相冲関係になっている。以上のことから、外出・旅行・移動・交通・分離・遠方・動き回る・落ち着きがない意味になる。
遠隔化爻(えんかくけこう)
動爻は原因で変爻は結果を表す。もし、動爻が二つ以上発動して変爻が他の動爻と同じ六親であれば、動爻自体が繋がることを示し、これを遠隔化爻という。つまり、一つ目の動爻(原因)→変爻(途中経過)→二つ目の動爻(途中経過)→変爻(最終結果)となる。もちろん三つ以上の動爻が繋がることもある。
応期(おうき)
占った物事が発生する時期のこと。五行易は五行や十二支で吉凶を見るため、過去や未来の五行の盛衰時期や年・月・日・刻の十二支に当てはめて各事象の発生期を判断できる。しかし、ぴったり当てるのは至難の技。
旺相(おうそう)
旺相休囚死の旺相のこと。四季(月)の五行で各爻の勢いが強くなることを表す。つまり春の季節(2月の寅月、3月の卯月)は木の五行なので、卦に木と火の五行があれば、木は旺(同じ五行)で、火は相(生じられる五行)になる。基本的には旺と相は爻を強める五行で、休と囚と死は爻を弱くする五行になる。実際には休と囚はそこまで弱くなるわけではなく、少し消耗する程度か月からの影響が無い状態と捉えても構わない。一番弱まるのは死(月から剋される)である。
外応(がいおう)
六爻占術の王虎応氏が提唱する占った時、占いたい時に周りに起こる現象を使って吉凶や事象を判断する方法。中国で昔から梅花心易や測字占など色々な方法が使われてきたが、それをまとめて『外応』と表現している。五行易に組み合わせて使えば効果的である。
火局(かきょく)
いわゆる火の三合局(三合会局)。午火が中心(帝旺)となり、寅木(火の長生)と戌土(火の墓)がサポートして強力な火の五行のグループを作ること。五行易の判断では良く使う。
化出(かしつ)
卦に動爻があれば、その爻は他の十二支に変化すること(化して出る)、つまり動爻が変爻に変わることをいう。五行易では動爻と変爻は非常に重要で、変爻がどの十二支・六親に変わるかで吉凶が変わってくる。動爻が原因で変爻が結果を表すことも多い。
化爻(かこう)
動爻が変化した後の爻のこと。変爻ともいう。基本的には、化爻(変爻)は本卦(主卦)の他の爻には直接作用することはできない。ただし、三合局や三刑を形成する一部になったり、本卦の爻との関係性で象意を見たりすることはできる。
卦身(かしん・けしん)
占事の本体と言われる爻の名前。隠れた事情・象徴的な意味・最終的な結果・心情などを表すと言われているが、六十四卦には卦身の無い卦が結構あるので注意が必要。卦身の出し方は、世爻が陽爻なら初爻から順に子丑寅卯辰巳と世爻まで数え、世爻が陰爻なら初爻から午未申酉戌亥と世爻まで数える。世爻に当てはまった十二支が卦中にあれば、それを卦身とする。卦身は静爻で本卦に出現してなおかつ旺盛なら吉とされ、弱くて傷があったり動爻となれば凶とされる。また、占う内容がわからない場合や隠していることを探る場合に参考にすることがある。ちなみに六爻占術では卦身自体から吉凶を判断することはほとんど無いが、卦身が剋する十二支を「女部屋」、生じる十二支を「男ベッド」として、婚姻歴や肉体関係の有無を見る際に参考にする方法がある。
回頭の生(かいとうのせい)
回頭生ともいう。動爻の十二支が変爻の十二支から生じられること。動爻が自ら強くなるということで、用神や原神が回頭生になれば一般的には吉である。
回頭の剋(かいとうのこく)
回頭剋ともいう。動爻の十二支が変爻の十二支から剋されること。動爻が自ら弱くなるということで、用神や原神が回頭剋になれば一般的には凶である。また、回頭生・回頭剋は他の動爻からの生剋よりも影響力が強いとの説もある。
間爻(かんこう)
世爻と応爻の間にある二つの爻のこと。世爻は自分、応爻は相手を表すので、世爻と応爻の間にいる人などを指す。その為、第三者・紹介者・仲介人・仲人・邪魔者などの意味がある。
官鬼(かんき)
六親五類の一つ。我(本宮の八卦)を剋する五行になるので、我にとってはもともと嫌な五行を表す。管理・拘束・規定・名前・官職・政府・夫・災い・忌む・病気・怪我・死者・霊などの意味を持つ。
冠帯(かんたい)
官帯ともいう。五行の盛衰を表す十二運の一つ。五行易では吉凶を判断する際にはあまり使わないが、象意を表すことがある。意味は服を着る・衣類・お洒落・包装・装飾など。
坎宮八卦(かんきゅうはっか・はっけ)
坎卦を本宮とする一連の八卦のグループのこと。本卦に用神が現れていない場合には、坎為水の中から六親を探し出して当てはめる。
帰魂卦(きこんか)
各八卦グループの最後にあたる八番目の卦のこと。火天大有・水地比・沢雷随・山風蠱・地水師・天火同人・風山漸・雷沢帰妹の全部で八つ。魂が帰ってくるという意味なので、帰る、安心、家庭、家、故郷、蘇生 などの意味がある。
忌神(きじん・きしん)
用神を剋する十二支の爻のこと。強くて発動すれば用神を剋して弱くするので基本的には凶。忌神は弱いほうが良い。もし、原神が強くて発動すれば忌神→原神→用神の連続相生となり結果的に用神が強くなり吉となる。
危中救を得る
用神が忌神の剋を受けても、月建・日辰が原神となって用神を生じる時はその剋を逃れることができ、その事で逆に吉の度合いが増すことをいう。
拱扶(きょうふ)
拱はこまねく・かかえるの意味で、扶は助ける・世話をするの意味がある。例えば日辰が午火で用神が巳火の場合には「拱」であり、日辰が巳火で用神が午火の場合には「扶」となる。一般的には月建・日辰・動爻から拱扶されれば吉とされる。
休囚(きゅうしゅう)
旺・相・休・囚・死の中の休・囚・死の事をまとめて休囚という。四季(月)の五行で各爻の勢いが弱くなることを表す。つまり夏の季節(5月の巳月、6月の午月)は火の五行なので、卦に金・水の五行があれば、金は死(月に剋される五行)、水は囚(月を剋する五行)になる。基本的には旺と相は爻を強める五行で、休と囚と死は爻を弱くする五行になる。実際には休と囚はそこまで弱くなるわけではなく、少し消耗する程度か月からの影響が無い状態と捉えても構わない。一番弱まるのは死(月から剋される)である。
仇神(きゅうじん)
原神を剋して忌神を生じる爻のこと。忌神の味方である。直接的には用神に作用しないが、仇神が動爻になれば原神を剋して忌神を生じ強くするため、間接的に用神を弱め不利になる。
久病(きゅうびょう)
長患い、慢性的な病気のこと。基本的には一ヶ月以上罹っている説と長く罹りやすい病気の説がある。五行易には「久病逢合即癒」「久病逢冲即死」というルールがあるが、一概には当てはまらない。六爻占術的には三ヶ月以上が久病。
近病(きんびょう)
新しく患った病気、急性の病気のこと。基本的には一ヶ月以内に罹った説と早く治りやすい種類の病気の説がある。五行易には「近病逢冲即癒」「近病逢合即死」のルールがあるが、一概には当てはまらない。六爻占術的には三ヶ月以内が近病。
去殺留恩(きょさつりゅうおん)
殺が去って恩が留まること。殺は用神に害を与えるもの、恩は助けになるもの。忌神が冲や剋を受け殺が去り、用神は生や合を受け恩が留まる。基本的に吉。
虚一待用(きょいつたいよう)
三合局の一つが欠けて半局(静爻だったり卦中に無い)の場合、その十二支を待って応期とすること。
虚一補用(きょいつほよう)
虚一待用と似ているが、三合局の一つが静爻・卦中にない場合(半局)に、その十二支が月か日にあれば補完されて三合局を形成すること。
金局(きんきょく)
いわゆる金の三合局(三合会局)。酉金が中心(帝旺)となり、巳火(金の長生)と丑土(金の墓)がサポートして強力な金の五行のグループを作ること。五行易の判断では良く使う。
空亡(くうぼう)
十干と十二支を組み合わせれば、二つの十二支が余ること。旬空ともいう。日(辰)から空亡を導き出す。例えば、甲子旬なら最後の癸に当たる十二支が酉になる為、戌亥は空亡となる。基本的には空亡になった十二支が卦中に現れれば、活動を休止していると見る。空亡の期間中は他爻に対して生剋したり、他爻からの生剋も受けないが、空亡が明ければ実体化する。空亡になった爻が旺盛なら有用の空亡、衰弱しているなら無用の空亡と見る。空亡は吉凶・応期・象意などを表したりするので、五行易にとっては超重要な概念である。ちなみに意味は、無い・見えない・居ない・失う・透明・空洞・虚しいなどになる。
空下の伏神は堤抜しやすし
飛神が空亡であれば伏神を抑える力が弱いので、飛神に隠れている伏神を堤抜(引き抜く・外に出す)するのは容易であること。
空伏墓中避凶(くうふくぼちゅうひきょう)
用神や世爻が空亡・伏神・墓の中にあれば、他の動爻の剋を一時的に避けることが出来る。でも、あくまで一時的なので実・冲などでその状態が解かれれば剋を受ける。旺盛なら吉になりやすく衰弱していれば凶になりやすい。
兄弟(けいてい・きょうだい)
六親五類の一つ。我(本宮の八卦)と同じ五行なので自分と同じ立場を表す。そこから兄弟・友人・同僚・同級生・自我・ライバル・邪魔・競争などの意味になり、妻財を剋することから損・出費・盗難などの意味になる。
競発(けいはつ)
卦中で複数の爻が動いて、お互いに冲したり剋したりすること。外卦・内卦の動爻が複数冲剋しあえば、内部外部で動爻同士が競い合って入り乱れてしまう為、物事が荒れたり、予想外の出来事があったりして不安定な現象が起きやすい。
月建(げっけん)
月の十二支のこと。五行易で判断する時はまず月日からの一方的な影響で強さを判別するので、各爻にとっては絶対的な存在。古来から絶大な権力を振るうのはその月内だけという説があるが、問いの内容や様々な状況で変わったりするので、一概には言えない。
月破(げっぱ)
月建の十二支から冲されて、爻の十二支の気が破られること。例えば、土の十二支同士なら同じ五行になるので影響は少し軽くなるが、月が申で爻が寅だった場合には、冲と剋が同時に発生するため二重に弱くなる。原神も同時に弱ければ、逆に弱くなりすぎて強くなる場合もある。
乾宮八卦(けんきゅうはっか・はっけ)
乾卦を本宮とする一連の八卦のグループのこと。本卦に用神が現れていない場合には、乾為天の中から六親を探し出して当てはめる。
原神(元神・げんしん)
用神を生じる十二支の爻のこと。強くて発動すれば用神を生じ強めるので基本的には吉。ただし、老齢での寿命占では発動すれば凶になりやすいとされる。なぜなら原神は霊魂の意味があり、動けば肉体から霊魂が離れると解釈できるため。
玄武(げんぶ)
六獣(六神)の一つ。玄武は日干が壬癸の時に初爻に配置されるので、水の五行の象がある。こっそり、隠れた、盗難、騙す、ずるい、賢い、汚い、湿気、邪気、危険、セクシー、鬱、悩みなどの意味を持つ。
交(こう)
老陰(×印)のこと。擲銭法において表(字面・年号)が3枚出ることを表す。反対に裏(背面・無地or絵柄)が3枚出れば、老陽(○印)となる。諸説あるが、私の場合は卜筮正宗(増刪卜易・六爻占術も同じ)の説で行う。日本の硬貨で占う場合には、数字が大きく書いてある方を「表」、絵柄が「裏」と解釈する(5円玉は五円と稲穂が書いてある方が表)。中国の古銭で占う場合には、漢字が書いてある方が表である。
爻(こう)
易の卦を組み立てている横棒のこと。陽爻(–)と陰爻(– –)の二種があり、卦はこれを組み合わせて構成され、八卦は三爻、六十四卦は六爻の組合せからなる。六爻は下から上に数えて、初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・六爻(上爻)という名称になる。
爻位(こうい)
爻の順番のこと。易をコインで立卦(擲銭法)するときは、一回目は初爻、二回目は二爻、三回目は三爻・・と陰陽を記録していく。実はこの順番自体が物事の発展過程を表している。位(くらい)の意味もあるので低級から高級などの階級も表す。基本的には、①時間経過(初爻が始まり、六爻が終わり)②上下(初爻が下、六爻が上)③遠近(初爻が近い、六爻が遠い)④内外(初爻~三爻は内、四爻~六爻は外)の意味がある。爻位が表す象意は爻位象(こういしょう)、または爻象(こうしょう)という。特に六爻占術で重要視される。
爻冲(こうちゅう)
卦中の爻同士が相冲すること。月日の冲より影響力が弱いとされる。発動・暗動・静爻の爻冲があるが、発動して他爻を冲する場合が一番強い。場合によっては吉凶を左右したり、重要な象意を表したりするので見逃せない。特に独発の場合には要注意。
勾陳(こうちん)
六獣(六神)の一つ。勾陳は日干が戊の時に初爻に配置されるので、土の五行の象(陽・艮宮)がある。意味は不動産・土地・建築・事務室・役所・警察関係・素直・こぶ・転ぶ・動かない・鈍い・古い・サボるなど。
合(ごう)
二つ以上の天干・地支同士が力を合わせること。和合・協力・融合・重複・接着・引き合うなどの意味を持つが、場合によっては、ありがた迷惑・邪魔・足を引っ張り合うなどの意味にもなる。干合・支合・三合(局)の種類があるが、五行易で使うのは支合と三合。
合化(ごうか)
動爻が合に化す、すなわち発動して変爻と相合すること。自らの力を増大させるという意味にもなるが、自ら相合するので制限をかけるという意味にもなる。月日・他爻からの影響によって意味合いや働きが変わって来るので、一概に良いか悪いかは言えない。
合起(ごうき)
静爻に日辰・月建・動爻が合して強めること。または静爻が合されることによって動爻と同じ働きをすること。諸説あるが、十二支(地支)同士の相生・相剋によっても解釈が変わって来るので一概には言えない。諸口流では良く使う。
合住(ごうじゅう)
合絆、絆住ともいう。発動した爻に日辰・月建・他の動爻が合して動きを止めてしまうこと。合住されると動爻としての働きを忘れ合に夢中になってしまう。合している間は他の爻に作用出来ない。
合は冲を待つ
応期を判断する上での重要なルールのこと。冲は刺激・離別・衝突などの意味があり、用神や他の爻が合していれば冲する十二支が巡って来ることで合を解消することができる。合が解消されれば、爻本来の働きを取り戻すことになるので、それが応期になる。
合破(ごうは)
月破の爻が日辰や他の動爻から合されること。月破中に合されれば傷が癒え回復する意味になるので、その爻は有用と捉えられる。でも、弱すぎれば無用となることもある。象や応期も表す。
合扶(ごうふ)
静爻が他の静爻と相合して助(扶)けあうこと。相合すれば無条件に助けあうと思いがちだが、そうではない場合もある。卦に静爻しかないならば有用なことが多いが、他に動爻があればそちらを優先する。
合処逢冲(ごうしょほうちゅう)
合の場所(処)が冲に逢うこと。①六合卦から六冲卦に変わる②卦中の合爻が月建・日辰・動爻に冲される③合を帯びている動爻が冲に化する動き(反吟)の3パターン。基本的には最初は良くて後が悪いという意味になるが、一概には言えない。
合中帯剋(ごうちゅうたいこく)
相合+相剋関係の十二支のこと。子水と丑土・卯木と戌土・巳火と申金の3種類ある。剋される側の十二支が強ければ合の意味をとって吉、弱ければ剋の意味をとって凶とすることが多い。
合中帯刑(ごうちゅうたいけい)
相合+相刑の十二支のこと。巳火と申金の一種類しかない。
五気(ごき)
旺・相・休・囚・死の五つの気の状態のこと。月(季節)の五行から各爻の五行に対する影響を表す。旺は月と同じ五行の爻、相は月から生じられる五行の爻、休は月を生じる五行の爻、囚は月を剋する五行の爻、死は月から剋される五行の爻である。例えば、月が金(季節は秋)であれば旺は金、相は水、休は土、囚は火、死は木になる。基本的には旺と相は爻を強める五行で、休と囚と死は爻を弱くする五行になる。実際には休と囚はそこまで弱くなるわけではなく、少し消耗する程度か月からの影響が無い状態と捉えても構わない。一番弱まるのは死(月から剋される)である。
剋処逢生(こくしょほうせい)
用神が月建・日辰から剋されている所(剋処)を動爻・変爻が用神を生じて助けてくれること(逢生)。先には凶だが、後には吉と判断することが多い。
剋破(こくは)
月建から剋されながら月破になること。亥→巳・子→午・申→寅・酉→卯の4種類。相剋と月破を二重に受けるため、かなり弱くなる。日辰・動爻からの助けがなければ使い物にならない。
坤宮八卦(こんきゅうはっか・はっけ)
坤卦を本宮とする一連の八卦のグループのこと。本卦に用神が現れていない場合には、坤為地の中から六親を探し出して当てはめる。
艮宮八卦(ごんきゅうはっか・はっけ)
艮卦を本宮とする一連の八卦のグループのこと。本卦に用神が現れていない場合には、艮為山の中から六親を探し出して当てはめる。
妻財(さいざい)
六親五類の一つ。我(本宮の八卦)が剋する五行なので自分が管理・使用するものを表す。金、財産、妻、彼女、女性、使用人、経済、価格、流通、日用品、器、道具、飲食物、台所などの意味がある。
歳星(さいせい)
歳君、太歳ともいう。年の十二支のこと。五行易では主に長期のことや年運を占う際に使用する。立春の日から一年が始まる説と冬至の日から一年が始まる説がある。私の場合は立春説を採用している。
歳破(さいは)
爻の十二支が歳星から冲されることをいう。同時に剋される場合には、その害甚だしいと言われている。五行易は月日からの影響を見て吉凶を判断するのが基本であるため、歳星が影響することはあまり無いが、長期占や年運の場合に卦中に現れていたら重要視する。
三刑(さんけい)
月日や卦中に同時に現れたら不利な組み合わせになる十二支のこと。恃勢(じせい)の刑・寅巳申、無礼(むれい)の刑・子卯、無恩(むおん)の刑・丑戌未の三種類。それとは別に自刑(じけい)・辰午酉亥の組み合わせもある。恃勢の刑は物事が間違った方向に進みやすく、実際の刑罰なども表す。無礼の刑の子と卯は帝旺で、互いの自己主張が強すぎる関係。相生関係の為、主に家族間のトラブル(過保護)を表しやすい。無恩の刑は文字通り互いに恩を感じないこと。土の五行同士の組み合わせから主に仲違いや裏切りを表しやすい。
三合会局(さんごうかいきょく)
三合局ともいう。月日と卦中に長生・帝旺・墓の十二支が揃い、帝旺を中心に強力なグループを形成すること。帝旺の十二支が卦中で発動していることが三合会局の最低条件となる。また変爻に帝旺が現れる場合には、変則的な三合会局になる。
三伝(さんでん)
占った時の年・月・日の三つを指す。この太歳・月建・日辰によって占時の大象(吉凶)が八割方決まると言われる。この三伝が用神に及ぼす力は非常に強力なものだが、長期の占・年運以外には太歳(年)はあまり使わない。
三墓(さんぼ)
三つの墓(十二運)のこと。①自ら墓爻を帯ぶ②日辰の墓に入る③変じて墓に化すの三種類。用神は墓中にあれば、他の動爻などの剋を避けることができると言われる。ただし、墓は冲開(墓自体の地支か入墓した地支が冲されること)されると墓ではなくなる。
支(し)
地支・十二支のこと。五行易・断易・六爻占術の根幹をなす。陽支の子寅辰午申戌は陽の卦(乾震坎艮)に配置され、陰支の丑卯巳未酉亥は陰卦(坤巽離兌)に配置される。支への深い理解が上達への早道。
支合(しごう)
十二支同士の相合のこと。互いに協力し合うことから吉象と言われるが、占う内容によっては違う。合には二合(相合)・三合(三合局)・六合(六合卦)の種類があるが、三合は長生・帝旺・墓なので支の相合関係ではない。
支破(しは)
十二支間の冲破のこと。対角線上にいる十二支同士が相対することを『冲』というが、太歳(年)や月建から爻を冲する時には『破』という語を用いる。なぜなら日辰に冲されるのとは違い、太歳や月建に冲された場合には一方的に爻のエネルギーが破壊されるので。
死(し)
十二運の一つ。普段はあまり使わないが、寿命占や独発した場合には使う場合がある。終わる、ダメになる、さびしい、危機、生気がない、廃品、死亡などの意味がある。
子孫(しそん)
六親五類の一つ。我(本宮の八卦)が生じる五行なので自分が生み出すもの・好きなものを表す。子供、赤子、胎児、後輩、医師、治療者、生徒、軍人、動物、ペット、薬、治療、喜び、娯楽、市場、道路、晴れ、太陽、月、星などの意味がある。
自刑(じけい)
辰ー辰・午ー午・酉ー酉・亥ー亥の組み合わせの十二支が、月日・卦中・動爻・化爻にあれば自刑という。辰午酉亥が一支ずつ全部揃っても自刑とする場合もある。自らを刑するということで、自らの行為が自分自身に不利な結果をもたらすことを表す。
四処(ししょ)
用神の強さを決定する四つの要素のこと。①月建からの生剋冲合②日辰からの生剋冲合③卦中の動爻の生剋冲合④化爻から本爻への生剋冲合。五行易を上達する為には、正しく用神を選定する事と四処(ししょ)を理解することが重要。
持世(じせい)
世を持つ、つまり六親が世爻についていること。基本的に用神が世爻にあったり、用神が生じる六親が世爻にあったりすれば有利と見る。しかし、忌神や仇神が世爻にある場合には不利と見る。なぜなら、世爻は占った本人を表すので。
重(じゅう)
『○』で老陽の爻を表す。動いて少陰『、、』に変わる。交は『×』で老陰、重は『○』で老陽、単は『、』で少陽、折は『、、』で少陰。
十二運(じゅうにうん)
五行のエネルギーの盛衰を十二支で表した名称。基本的には『長生・帝旺・墓・絶』が重要視される。主として日辰についてのみ用いられることが多いが、それは吉凶面の話である。具体的な事象を見る場合には月建も重要な情報源になる。
出空(しゅっくう)
空亡の爻がその旬を過ぎて、空亡ではなくなること。即ち次の甲の日が巡ってくれば、空亡の状態を脱することができる。空亡時には天干がないので、十二支としての機能を停止していたものが、活動力が回復して吉凶に応ずる様になる。
出透(しゅつとう)
伏神出透ともいう。伏神が日辰・月建などの堤抜を受けて飛神に出ることである。例えば伏神が寅木で日辰or月建が寅木なら、十二支が一致して堤抜され飛神となる。しかし、堤抜されたとしても、なぜ伏神として現れたのかを考える必要がある。
実(じつ)
傷や欠陥のある十二支(月破や空亡)が、再び同じ十二支に逢えばエネルギーが満ちて回復すること。応期などに使う。
実破(じっぱ)
月破に逢った爻が、その爻と同じ十二支が巡って来た時にその傷が回復すること。が、月破の爻がもともと弱ければ(無気)実破にはなりにくい。また占日の日辰がすでに同じ十二支であれば即実破となる場合がある。
旬空(じゅんくう・しゅんくう)
空亡のこと。
旬内(じゅんない・しゅんない)
甲の日から癸の日までの十日間のこと。
主象(しゅしょう)
用神のこと。五行易においては、占時の吉凶は卦象・卦意によるものではなく、主象(用神)の状態によって判断するものである。
主象徒存(しゅしょうとぞん)
用神が卦に現れても、月日からの助けがなく、原神が伏神だったり月破や空亡で用神を助けられないこと。いわゆる孤立無縁の状態を表す。基本的には凶。
少陰(しょういん)
安静の陰爻『、、』のこと。また折ともいう。
少陽(しょうよう)
安静の陽爻『、』のこと。また単ともいう。
生合(しょうごう・せいごう)
相合と相生が同時にあるもの。亥と寅・辰と酉・午と未の三つ。もちろん、生じられる側である寅・酉・未が基本的に有利になる。
助鬼傷神(じょきしょうじん)
鬼は官鬼のこと。鬼を助け神を傷つける意。つまり官鬼が月日の助けを得たり、卦中の妻財が発動し生じられた旺盛な官鬼が用神や世爻を剋すこと。基本的には凶。
進神(しんじん)
卦中の動爻が同じ五行に変わり、十二支の運行順に変じること。動爻が勢いを増して行き発展する象。亥→子・寅→卯・巳→午・申→酉・丑→辰・辰→未・未→戌・戌→丑の八種類あるが、実際に卦中に出てくるのは寅→卯・申→酉・丑→辰・未→戌の四種類。
真空(しんくう)
真の空亡のこと。月破で他の生合のない場合、静爻や伏神で月建・日辰・他の動爻に剋される場合、休囚して回頭剋になる場合などは真空となる。要するに弱くて回復する見込みのない空亡。
真破(しんは)
真の月破のこと。休囚している空亡の爻や日辰・動爻の剋や冲を受け、なおかつ月破になった場合には、その爻のエネルギーが徹底的に破壊されるので、その月を超えても月破が回復しない。
神殺(しんさつ)
吉作用を神で表し、凶作用を殺で表す意で、吉神と凶神のこと。天乙貴人・十干禄・駅馬・天喜・劫殺・往亡・咸池(桃花殺)などがあるが、良く使うのは駅馬と咸池。そもそも五行易では神殺で吉凶は判断しないので重要視しない。
震宮八卦(しんきゅうはっか・はっけ)
震卦を本宮とする一連の八卦のグループのこと。本卦に用神が現れていない場合には、震為雷の中から六親を探し出して当てはめる。
人爻(じんこう)
住宅の風水を五行易で占う際、五爻を住人として見るので、これを人爻という。二爻は宅爻になる。基本的に五爻が二爻に生じられたり、五爻が二爻を剋すのは吉で、二爻が五爻を剋するのが凶とされる。
尽静(じんせい)
六爻全て静爻の場合をいう。動爻がないので、日辰の動きには特に注意せなばならない。暗動・日破・合起・入墓があるためである。また、月建・日辰の十二支が卦に現れれば、動爻と同じ働きをすると見る場合もある。
尽発(じんはつ)
六爻全部動くこと。実占ではほぼ出ない。仮に出てしまっても判断できないことはないが、慣れない内は再占した方が良い。基本的には全部の爻が動くので、激しく物事が動くと解釈することが多い。
水局(すいきょく)
いわゆる水の三合局(三合会局)。子水が中心(帝旺)となり、申金(水の長生)と辰土(水の墓)がサポートして強力な水の五行のグループを作ること。五行易の判断では良く使う。
随官入墓(ずいかんにゅうぼ)
世爻に官鬼が臨み、日辰の墓に入るor発動して自ら墓に変化することをいう。官鬼には死者の意味があるため、墓に入ることによってその意味を強める。病占の場合には大凶とされているが、一概にはいえない。
世爻(せこう)
自分自身や自分が居る場所を表す爻のこと。反対に応爻(おうこう)は他人や他所を表す。世爻は六親五類が入るための入れ物と考えればわかりやすい。例えば、妻財が世爻にあれば財運に有利で、兄弟があれば妻財を剋するため不利となる。
青竜(せいりゅう)
六獣(六神)の一つ。青竜は日干が甲乙の時に初爻に配置されるので、木の五行の象がある。意味は吉祥・喜び・身分が高い・めでたい・優しい・痛い・痒い・お洒落・快楽・モテる・依存・宴会・酒など。
生起(せいき)
静爻が日辰から生を受けること。
生扶(せいふ)
生は爻が生じられること(相生)。扶は爻と同じ五行に助けられること(比和)。爻を生じ扶(たす)けて強力にすることを表す。
朱雀(すざく)
六獣(六神)の一つ。朱雀は日干が丙丁の時に初爻に配置されるので、火の五行の象がある。意味は書類・文書・手紙・情報・話す・口げんか・怒る・火事・訴訟・キッチン・食事など。
接続の相生
六爻占術では連続相生ともいう。原神と忌神が同時に発動し、忌神は原神を生じ原神は用神を生じること。忌神は原神を生じることを貪り、用神を剋することを忘れてしまう(貪生忘剋)。基本的には吉だが、忌神より原神が弱いと成立しない時があるので注意。
絶(ぜつ)
十二運の一つ。吉凶や象意でも結構使う。絶の地に逢えば、五行のエネルギーが絶えることを表すので、基本的には良くない。絶える・落胆・通らない・止まる・無情・危険・終わり・別れる・消えるなどの意味がある。土の五行だけは一概には言えない。
絶処逢生(ぜっしょほうせい)
絶の運に入っている所を、生に逢って吉に向かうこと。用神が日の絶の地に逢うのは良くないが、動爻の生を受けたり、自ら発動して回頭生に変われば、始めは凶(絶)で後では吉(生)になる。
全動(ぜんどう)
発動した空亡の爻が、日辰に冲され空亡が明けることをいう。従って、空亡の動爻では無くなるのだが、なぜわざわざ空亡が日辰に冲されて明けるのか?を考えて判断する必要がある。
相生(そうじょう・そうしょう)
生は生まれ出る意味と助ける意味を兼ねている。五行間での相手の力を増やす関係のこと。木生火・火生土・土生金・金生水・水生木の種類がある。生じられた五行は力を増すが、生じるは五行は消耗する。
相剋(そうこく)
剋には克(か)つ・制する・利用するなどの意味がある。五行間での相手の力を弱める関係のこと。木剋土・土剋水・水剋火・火剋金・金剋木の種類がある。もちろん、剋された側の五行は衰弱するが、剋す側の五行も消耗する。
相冲(そうちゅう)
相衝(そうしょう)ともいう。十二支同士がに反対側に立って突き飛ばす意。衝突、攻撃、反発、闘争、解放などの意味がある。月建からの冲は爻にとって不利なことだけだが、日辰からの冲は有利なこともあるので注意が必要。
相穿(そうせん)
六害(りくがい)の別名。害は自分に合する支を冲するもので、邪魔するという意味。五行易ではほぼ使わない。
巽宮八卦(そんきゅうはっか・はっけ)
巽卦を本宮とする一連の八卦のグループのこと。本卦に用神が現れていない場合には、巽為風の中から六親を探し出して当てはめる。
胎(たい)
十二運の一つ。妊娠の占いで使うことがある。妊娠・生まれつき・先天性・形成・始まり・保護・若い・付属・計画などの意味ある。
太過(たいか)・大旺(たいおう)
用神が月日に助けられて、動爻に生じられたりして非常に旺盛な状態のこと。古法では用神が旺盛すぎる場合には、入墓する時が応期になるとある。これは用神が入墓で弱まるためと思われるが、一概には言えない。これは限定的な見方であり、用神が強すぎる場合には陰に転じやすくなるため凶となることが多い。逆に用神が弱すぎて忌神が強すぎる場合には、陽に転じやすくなるため吉となることもあるので注意が必要である。また原神が強すぎる場合にも太過になる場合がある。
退神(たいじん)
卦中の動爻が同じ五行に変わり、十二支の逆行順に変じること。動爻の勢いが減り衰退する象。子→亥・卯→寅・午→巳・酉→申・辰→丑・未→辰・戌→未・丑→戌の八種類あるが、実際に卦中に出てくるのは卯→寅・酉→申・辰→丑・戌→未の四種類。
宅爻(たくこう)
住宅の風水を五行易で占う際、二爻を家として見るので、これを宅爻という。五爻は人爻になる。基本的に二爻が五爻を生じたり、二爻が五爻に剋されるのが吉で、二爻が五爻を剋するのが凶で、二爻が五爻から生じられるのは凶ではない。
兌宮八卦(だきゅうはっか・はっけ)
兌卦を本宮とする一連の八卦のグループのこと。本卦に用神が現れていない場合には、兌為沢の中から六親を探し出して当てはめる。
値日(ちじつ)
用神の十二支と同じ十二支の日のこと。その日は用神が日辰を帯びているので力が旺盛になる。応期に良く使われる。
地を得る
占う内容に対して、有利な組み合わせの卦を得ること。例えば、ある男性が結婚を占い雷風恒の卦を得たとする。雷風恒は世爻に官鬼があり、応爻(妻の爻位)の妻財から生じられ、しかも世爻は陽爻で応爻は陰爻で、性別と陰陽が一致し、すなわち「地を得る」という。
長生(ちょうせい)
十二運の一つ。長生は生まれる・みなもと・助ける・育つ・援助・発生・食べる・スタートの意味があるので、基本的には吉。しかし、土の長生は申で金の長生は巳で、五行的には弱める関係になるので注意。
冲開(ちゅうかい)
日辰と合している爻、入墓している爻などの外部から制限された爻を冲して、本来の力を解放(開)すること。冲される爻が強ければ大丈夫だが、弱くて冲に逢えば壊れて使い物にならない。応期に使うことが多い。
冲起(ちゅうき)
日辰が空亡の静爻を冲して起こすこと。出旬(空亡の旬が明けること)逢合(相合)の日を待って、物事の発生期とすることが多い。強ければ吉の応期になるが、弱ければ凶の応期になる。
冲剋(ちゅうこく)
冲の中に剋を含む関係。亥水→巳火・子水→午火・申金→寅木・酉金→卯木の四種類。もちろん、剋された側の方弱くなって基本的には不利になる。
冲実(ちゅうじつ)
日辰が空亡の爻を冲し、空亡が明けて実体化すること。動爻ならば他爻への影響力があると見る。静爻で弱くないなら暗動すると見る。しかし、完全には空亡が明けていないと見る時もある。その場合には、空亡爻の十二支が巡ってくるまで待つ。
冲散(ちゅうさん)
日破ともいう。弱くて力が無い爻が日辰に冲されて、完全に無気になること。もちろん、その爻が強ければ暗動となる。
冲破(ちゅうは)
冲を受けた爻のエネルギーが破壊されること。歳星(年)の冲を歳破、月建の冲を月破、日辰の冲を日破という。しかし、歳破は基本的に年運や長期の占でしか見ないので注意すること。
冲中逢合(ちゅうちゅうほうごう)
日辰が旺盛な動爻を冲すれば、一時活動力を失うも、合の日が来れば有用の働きをする。これを冲中合に逢うという。が、逆に冲されれば刺激されて動きが激しくなり、作用が早くなるという説もある。
冲は合を待つ
応期のルールの一つ。用神が冲に逢っていた場合は、合に逢った時に事の吉凶に応ずるといわれる。合は動きを止める・傷を癒す作用がある為である。
帝旺(ていおう)
十二運の一つ。三合局の中心の十二支でもあり、非常に旺盛な状態を表す。頂点・繁栄・権力者・王・極限・得意・自慢・発展・興奮・強いなどの意味がある。しかし、土の五行にとっては比和の関係にならないので、あまり有利にはならない。
堤抜(ていばつ)
伏神が助けを得て出現すること。伏神が堤抜される基本的な条件として、・伏神が飛神を剋する・飛神が伏神を生じる・飛神が空亡や月破になり弱いこと・伏神が強くて日に冲されたり、動爻に冲されることである。反対に不利な組み合わせは・伏神が飛神に剋される・伏神が飛神を生じる・伏神が空亡や月破になり弱い・伏神が日や動爻に冲されたりすれば、隠れたところから出やすいが、出てしまえば月日他の不利な影響を受ける為、凶になりやすい。基本的な考え方としては、伏神と飛神の力比べと思えばわかりやすい。伏神の状態の時は隠れている為、基本的には他の影響を受けづらい。伏神が強ければ出現しても活躍でき、弱い伏神が出現してしまえば、ますます活躍出来ない。
擲銭法(てきせんほう)
筮法の一つ。コインを用いて卦を得る方法。卜筮正宗・増刪卜易などに掲載されている。コイン3枚を6回振って卦を出す。コインの裏表で諸説あるが、私の場合には字面・年号の方を表とし、無地・絵柄の方を裏(背)と解釈し、裏の面を数えている。
填実(てんじつ)
合中に破になった爻が、値日(爻の十二支の日)に到れば填実となると言われる。月破で日に剋されている・月破で他の動爻に剋されている・月に剋されて日破になる、などは爻自体が無気と捉える為、填実しても無用のものと見る。
填合(てんごう)
月破の爻が日辰または動爻の合に逢い、月破で傷ついた気が充填されること。
桃花(殺)
咸池(殺)ともいう。桃花の意味は・美しい・性的魅力・風流・セクシー・エロティック・好色・淫乱などであり、要するに、異性を引きつける魅力の例え。五行易では恋愛・結婚運で良く使う。
螣蛇(とうじゃ)
六獣(六神)の一つ。螣蛇は日干が己の時に初爻に配置されるので、土の五行の陰の象がある。意味は珍しい・驚く・変な・意外・面倒くさい・不思議・曲がる・ねじれる・不安・芸術・技術など。
動は合を待つ
応期のルールの一つ。用神が動爻の時は合に逢う日に応じやすい。近くであれば刻、遠くであれば月や年になる。
独発(どくはつ)
一つの爻のみ動爻になること。独発は重要な働きであり、用神に関係ない爻が独発したとしても無視できない。特に独発になった爻のエネルギーがどの爻に向かって行くかに注目する。相生相剋も見るが、冲と合・十二運(長生・病・墓・死・絶)も重要になる。また、占った事柄より別に重要なことが起きるのであれば、そちらを優先して表す働きもあるので油断できない。吉凶・応期・原因・性質・象意などを良く表す。五行易は独発や太過を上手く判断できないと、的中率は落ちてしまう。
独静(どくせい)
独発とは逆で、五つの爻が動爻で一つだけ静爻になること。独発と同じ様な働きがあると言われる。しかし私の経験上、独発よりは作用が弱い気がする。特に初心者は動爻が多すぎて判断しにくいので、無理せず再占しても良い。
貪合忘剋(どんごうぼうこく)
用神を他の動爻が剋す時、剋してくる動爻に合するものがあれば、合を貪り剋を忘れてしまうこと。しかし、その爻が旺盛なら冲される時に合が解けて、用神を剋する力が回復することがあるので注意すること。
貪生忘剋(どんせいぼうこく)
原神と忌神が同時に発動する時に起きる。忌神が発動して原神を生じることを貪り、用神への剋を忘れてしまうこと。そうなれば接続の生(連続相生)となり、用神をかえって強めてしまうので吉。
納甲・納支(なっこう・のうし)
卦の各爻に十干十二支を配置することをいう。陽卦には必ず陽の十干十二支、陰卦には陰の十干十二支を配置するが、十干はほぼ使わないため省略することが多い。
日辰(にっしん)
占った日の十二支のこと。日辰は卦の各爻に対しての主宰と言われる。主宰なのだから絶大な力を持つので、合起・合住・堤抜・暗動・日破・冲実・冲起・冲開・填実などの様々な作用を引き起こすことが出来る。
日冲(にっちゅう)
日辰が爻を冲すること。歳破や月破は爻のエネルギーを破壊するだけだが、日に冲されれば暗動や冲起や填実などの有用な働きになることが多い。また用神に不利な動爻や墓を爻を冲して無効化することが出来たりもする。
日破(にっぱ)
月に剋されたり月破になった弱い爻が、日に冲されて壊されること(冲散)。ただし日破になる条件は微妙で、月日だけではなく、卦中の動きも見ないといけない。暗動や太過の可能性があるからである。
日併(にっぺい)
卦中の爻に日辰の十二支が臨むこと。用神や原神なら基本的に吉になる。伏神で日併ならば堤抜されて、即座に他爻に影響を与える。
日辰変壊(にっしんへんかい)
日辰を帯びている爻が、動爻で墓に化したり、絶に化したり、回頭剋に化した場合のこと。日併してせっかく強い爻なのに、それが発動することによって壊れてしまい凶の度合いが増すこと。当日に凶を見ると言われているが、絶対では無い。
日辰化壊(にっしんかかい)
日辰から用神が冲された場合に、日辰と同じ十二支の爻があり、発動して変壊(墓・絶・回頭剋)するならば、その日に吉があると言われる。爻が日併するなら、それは日辰の代理であり、変壊すれば日辰の力も消えてしまうことを表すからである。
入墓(にゅうぼ)
爻が墓に入ること。丑土は金を墓に入れ、辰土は水と土を墓に入れ、未土は木を墓に入れ、戌土は火を墓に入れる。入墓の爻は他爻を剋することが出来ず、また他爻からも剋され辛い。入墓した爻か墓自体の爻が冲されれば、開放(冲開)されて有用になる。
反吟(はんぎん)
動爻と変爻の地支(十二支)同士が冲の関係になること。反は裏返る・元に戻る・かえる、吟はうめく・口ずさむ・歌う などの意味があり、唸ることを繰り返す→苦しい→物事が順調に進まない意味になる。内卦の反吟と外卦の反吟は若干意味が違ってくる。内卦は内側や内面で、主に内部の不順や精神的な苦痛を表し、外卦は外側や他所で、主に外部の不順や表面的な苦痛を表す。
白虎(びゃっこ)
六獣(六神)の一つ。白虎は日干が庚辛の時に初爻に配置されるので、金の五行の象がある。意味は激しい・怒り・猛烈・残酷・武器・血液・病気・医療関係・暴力・死亡・悲しいなど。
飛神(ひじん)
得卦の上の出現している六親(父母・兄弟・子孫・妻財・官鬼)の総称。出現していないのが伏神。
飛来生伏(ひらいしょうふく)
伏神を生じる飛神が伏神の上に来ること。もちろん伏神には有利。
飛来生伏、得長生
飛来生伏した上に、その飛神が伏神の長生になること。伏神には一層有利になる。
飛来剋伏(ひらいこくふく)
伏神を剋する飛神が伏神の上に来ること。もちろん伏神には不利。
病(やまい)
十二運の一つ。病気・嫌なもの・怖い・怪我・気にかかる・不景気・繊細・誤りなどの意味がある。病気占いで良く使う。動爻になれば、病気に関係がある爻位になりやすいので注意すること。
反徳扶人(はんとくふじん)
直訳すると「徳に反きて人を助ける」。発動した爻が世爻を助けずに、応爻や他爻を助けてしまう動きである。
賓主相投(ひんしゅそうとう)
世爻(主)と応爻(賓)が相生、相合すること。応爻は相手・他人の爻位のため、協力・円満・仲良しの意味を持つ。もちろん、同時に相生と相合になった方が一番いい。ちなみに主は主人で、賓は客の意味。
伏吟(ふくぎん)
動爻と変爻が同じ地支(十二支)になること。伏して吟ずるということですから、伏せったままで唸る状況。なので、同じ状況を繰り返す・だらだら・病気で伏せる・言い出せない・気持ちが悪い・さみしい・くどくど・独り言・はしゃぐなどの意味になる。反吟と同じで、内卦で発動するか、外卦で発動するかで意味が違ってくる。内卦は内側で内部的な動き、外卦は外側で外部的な動きを表す。用神に有利な爻が伏吟になれば、悪い意味にはならない。
伏神(ふくじん)
卦に現れていない伏している爻のこと。卦に用神が無ければ、本宮(八純卦)から探し出さなければならない。原神・忌神・仇神も無い場合があるので、念のため全ての伏神を書き出したほうが良い。意外と吉凶に絡むことが多いためである。
伏蔵(ふくぞう)
用神が伏して収蔵されている状態。いわゆる伏神のこと。どの飛神に隠れているかどうかで、吉凶が変わってくる。飛神から生じられたり、飛神が空亡だったり、飛神を剋したりするのが吉。反対に飛神に剋されたり、漏らされたり、絶・入墓したりするのは凶。
父母(ふぼ)
六親五類の一つ。我を生じ、我を守り、我を育ててくれるもの。父母・祖父母・おじ・おば・年長者・教師・天・地・土地・墓・建物全般・工事・乗り物全般・本・書類・手紙・情報・学校・会社・病院・布団・衣類・雨・雪・雨具・成績 などの意味がある。
墓(ぼ・はか)
十二運の一つ。包む・収納・管理・コントロール・夢中・依存・動けない・拘束・確保などの意味がある。墓の地支はぜんぶ土の十二支(丑・辰・未・戌)になる。五行易では使うことの多い十二運の一つ。墓に入る六親や五行で墓の意味が変わってくるので面白い。
墓庫冲開(ぼこちゅうかい)
入墓中の爻や入墓させた側の爻を日辰や他の動爻が冲して墓を開けること。入墓している爻が強ければ墓から出られるため吉となるが、弱い爻は墓から出てしまえば凶となりやすい。
本宮(ほんぐう・ほんきゅう)
八純卦(首卦)のこと。乾為天・兌為沢・離為火・震為雷・巽為風・坎為水・艮為山・坤為地。納甲納支(装卦)の際、これらの五行を「我」として各卦に六親を配置していく。また、卦に用神が現れてなければ本宮の六親から伏神として導き出す。
本宮顕伏(ほんぐうけんふく)
本宮とは首卦(八純卦)のことだが、例えば天風姤は外卦に乾宮が現れること(顕)になり、物事の明白さが増す(乾の象意が強くなる)。また、風地観は卦に乾宮が現れておらず(伏)、物事がはっきりしないことを表す(乾の象意が弱くなる)。
無情(むじょう)
用神が動爻で応爻を生じる場合のこと。他人に興味が向く意味になるので、いくら用神が強くて発動しても凶になりやすい。発動しない場合には無情にならない。発動して応爻を生じてしまえば、他人、他所に移動してしまう、奪われてしまう暗示で出世運、金運、恋愛運、試験運なども基本的に凶。
木局(もくきょく)
いわゆる木の三合局(三合会局)。卯木が中心(帝旺)となり、亥水(木の長生)と未土(木の墓)がサポートして強力な水の五行のグループを作ること。五行易の判断では良く使う。
沐浴(もくよく)
十二運の一つ。入浴・裸・脱衣・恩恵・セクシー・潤い・光沢・なめらかの意味がある。基本的には用神にとって有利な十二支。が、金の場合は午火で剋され、土の場合は酉金で洩(漏)らされて不利。沐浴は異性運で良く使う。
遊魂卦(ゆうこんか)
火地晋・水天需・沢風大過・山雷頤・地火明夷・天水訟・風沢中孚・雷山小過の全部で八つ。遊魂なので魂がふらふらと遊びに行くという象。故に出かける・離れる・上京・さまよう・転移・幽体離脱などの意味がある。
養(よう)
十二運の一つ。赤子が母親の体内で大きくなっていく状態を表す。意味は養う・栄養・成長・出生・養子・療養・援助・不安・心配・収容・疑いなど。全部土の十二支なので、土と金以外の五行にとってはあまり有利ではない。
用神(ようじん)
吉凶判断の基準となる爻のこと。父母・官鬼・兄弟・妻財・子孫・世・応の中から選定する。占いの内容に合わせた用神を選ぶことができなければ、吉凶を正しく判断することができない。
用神多現(両現・再現)
卦に用神の六親が二つ現れることをいう。どちらを用神に選ぶか迷いやすいが、基本的には『より特徴のある派手な爻』の方を選べば良い。例えば動爻だとか、月破や空亡だとか、世爻や応爻にあるとかである。
用動化鬼(ようどうかき)
用神が発動して官鬼に変わること。官鬼はイヤなこと・災い・不吉の意味があるので、基本的には良くない。特に病気占や安否占で出れば凶になりやすい。
離宮八卦(りきゅうはっか・はっけ)
離卦を本宮とする一連の八卦のグループのこと。本卦に用神が現れていない場合には、離為火の中から六親を探し出して当てはめる。
六親(りくしん・ろくしん)
六親五類ともいう。兄弟・子孫・妻財・官鬼・父母の五つのこと。本宮の八卦の五行と卦中の爻の五行の関係で決めていく。用神はこの五つの六親と世爻と応爻の中から、選び取ることになる。例えば本宮が震宮の卦であれば、我(われ)が木の五行となるため卦中の木の爻が兄弟(同じ五行)になり、火の爻は子孫(生じる)となり、土の爻は妻財(剋する)となり、金の爻は官鬼(剋される)となり、水の爻は父母(生じられる)になる。
六獣(りくじゅう・ろくじゅう)
六神(りくじん・ろくしん)ともいう。青竜・朱雀・勾陳・螣蛇・白虎・玄武の六つを差し、爻の性質や意味を補充する役割がある。日の天干から導き出すので、目に見えるもの→表に現れている事象を表すことが多い。
六合卦(りくごうか・ろくごうか)
初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と六爻が全て相合する卦のこと。天地否・地天泰・雷地豫・火山旅・水沢節・山火賁・地雷復・沢水困の合計八つ。安定・引っ張る・くっつく・仲良し・集合・合作・会う・親戚・重なる・補充などの意味がある。基本的には悪い意味は少ないが、用神の強さや占う内容によっても異なる。結びついて離れがたい象になるので、訴訟・出産・近病・悪縁などでは、長引く・なかなか終わらないと解釈する。
六冲卦(りくちゅうか・ろくちゅうか)
初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と六爻が全て相冲する卦のこと。八純卦+天雷无妄、雷天大壮。不安定・闘争・攻撃・喧嘩・迷う・分散・入れる・狙う・別れるなどの意味があるのであまり良くないが、訴訟・出産・近病・悪縁などには吉になりやすい。
両情不睦(りょうじょうふぼく)
世爻と応爻が相冲・相剋関係で情が無く仲が悪い意味。世爻が自分、応爻が相手なので、大体の場合では不利な組み合わせだが、五行易は用神を中心に吉凶を判断するため、それだけでは凶にはならない。世爻と応爻が相合・相生関係の『賓主相投』とは逆の意味になる。
物来たりて我に就く(物来就我・ぶつらいしゅうが)
物が来るとは、物爻(妻財や目的の爻や人)が発動する意味。我に就くとは、世爻(我)が発動した物爻から剋・冲・生・合を受ける場合の用語である。よって、この場合には物を求めたり、人などを待つ場合には、大抵目的を果たすことが出来る。冲・剋・生・合の種類によって事象が現れるスピードが違う。剋が一番スピードが速く、冲がその次で、生と合は少し遅くなる傾向がある。ただし、世爻が衰弱し旺盛な物爻に冲剋を受ける場合には、害を被りやすいので注意しなければならない。
我去りて物を尋ねる(我去尋物・がきょじんぶつ)
『物来たりて我に就く』の正反対の意味。世爻が発動して用爻(物爻)を生・合・冲・剋すれば、物は逃げ去り、事の成就は成り難い。と言われているがそうでもない。冲・剋はその可能性は高くなるが、生・合はその限りではない。
絶処逢生(ぜっしょほうせい)
用神が月日の絶(十二運)に入るのは、衰弱して凶でになる。しかし動爻の生を受けたり、自ら回頭生に変われば、絶の場所で生に逢うことで、今は凶運だがこれから吉運に向かう意味になる。ただし土の『絶』は巳火になるのでその限りではない。
剋処逢生(こくしょほうせい)
用神が月建や日辰に剋されている所に動爻の生を受ける時、または動爻の剋を受け自らも動いて回頭生に化す場合には、始めは凶で後は吉なると言われているが、用神が衰弱しきっていれば、その限りではない。
去煞留恩(きょさつりゅうおん)
殺(煞)とは我を害する凶爻、恩とは我を助ける用爻のこと。つまり、用神が発動して世爻(我)に生合しながら、世爻に害する爻を同時に冲剋して助けてくれること。または、忌神を冲剋し用神と生合する働きのこと。