次の強気相場でS&P500指数をアウトパフォームする可能性のあるグロース株3選:トゥイリオ(TWLO)、セルシウス・ホールディングス(CELH)、ルルレモン・アスレティカ(LULU)
S&P500指数は2022年6月に弱気相場入りしました。現在は、弱気相場入りした時点から5%高、2022年9月に付けた底値からは約12%高の水準にありますが、強気相場入りを宣言するために必要な20%以上の持続的上昇には遠く及びません。金利上昇を受けて投資家が保守的な投資へと向かう中、多くのグロース株が勢いを失っています。
弱気相場は通常、足元で過小評価されていて、強気相場が戻ってきたときに市場をアウトパフォームできるグロース株を購入する絶好のチャンスです。トゥイリオ、セルシウス・ホールディングス、ルルレモン・アスレティカの3銘柄は、今は人気がありませんが、次の強気相場に向けたグロース株投資としてふさわしいと思われます。
トゥイリオ
トゥイリオのクラウドベースのプラットフォームは、モバイルアプリ上の音声通話やテキストメッセージを統合的に処理します。エアビーアンドビー(ABNB)の民泊アプリでホストに連絡したり、リフト(LYFT)の配車アプリでドライバーにメッセージを送ったりしたことがある人は、トゥイリオのサービスを利用しているのです。こうした機能をトゥイリオに委託することで、アプリの開発者は時間を節約し、より多くのユーザーに届けるためにアプリを拡張し、アプリのコア機能の改善に集中することができます。
トゥイリオは2020年の時点で、2024年にかけて年率30%以上のペースで売上高が伸びると予想していました(買収の影響を除く内部成長率)。しかし、厳しいマクロ経済環境によって、見込み顧客の多くがソフトウェア支出を控えたことから、同社は2022年11月に長期ガイダンスを撤回しました。暗号資産、消費者オンデマンド、ソーシャルメディア、小売り、eコマースなどの分野でアプリの利用が減少していることも、ユーザーがトゥイリオのサービスに実際にアクセスしたときのみ発生する、利用料収入の減少につながっています。
2022年の売上高は前年比35%増(買収の影響を除くと30%増)でしたが、アナリストは、2023年は13%、2024年は16%の成長と予想しています。また、通信事業者が自社のネットワークにアクセスするために請求する通信事業者料金の上昇や、メッセージバードなどの類似プラットフォームからの価格圧力によって、粗利益率も短期的に圧迫されるとみられます。
こうした短期的課題により、株価は最高値から90%近く下落しています。株価急落に伴い、トゥイリオの2023年予想株価売上高倍率(PSR)は3倍未満となっています。従って、マクロの逆風が弱まり、トゥイリオの成長が再び加速すれば、即座に強気派が押し寄せ、バリュエーションも大幅に上昇すると考えられます。
セルシウス・ホールディングス
セルシウス・ホールディングス(以下、セルシウス)は、緑茶や生姜といった天然素材を使用した「ヘルシー」なエナジードリンクを販売しています。砂糖を使う代わりに、カフェインとアミノ酸を配合することでエネルギー補給となります。また、セルシウスは自社のエナジードリンクについて、運動の前に飲むと「代謝を促進し、体脂肪を燃焼させることが臨床的に証明されている」とアピールしています。このような独自のアプローチにより、セルシウスは、以前はレッドブルやモンスター・ビバレッジの製品が独占していたエナジードリンク市場でニッチな地位を築いています。
セルシウスの売上高は、2021年に前年比140%増、2022年も108%増と急速に伸びています。成長の背景には国内および海外での市場拡大があり、2022年8月にペプシコ(PEP)と米国内の販売に関する大型提携を結んだことも大きく寄与しています。提携の一環として、ペプシコはセルシウス株式の8.5%を取得しました。
アナリストは、セルシウスの2023年売上高が55%増の10億1,000万ドルとなり、通期ベースで黒字化すると予想しています。これはグロース投資家にとって力強いゴーサインと思われますが、株価は最高値から25%下落しており、2023年予想PSRは依然として7倍未満という低水準です。また、時価総額がわずか70億ドルであるため、ペプシコから買収のターゲットにされる可能性もあります。
投資家が保守志向を強める中、セルシウスの株価は、今後数四半期は横ばいで推移する可能性がありますが、同社が急成長を続けることができれば、強気相場が始まった時に再び火が付くかもしれません。
ルルレモン・アスレティカ
ルルレモン・アスレティカは、ハイエンドのヨガウェアやアスレジャー・アパレル市場に焦点を当てることで、ここ数年は他の多くのアパレル小売企業を上回るペースで成長しています。他のスポーツウェアブランドよりも高い価格を設定し、無料のヨガクラスやさまざまなイベントを開催することでブランドの魅力を高めてきました。ルルレモンの成長をきっかけに、ギャップ(GPS)やアバクロンビーアンドフィッチ(ANF)といった他のアパレル企業も独自のアクティブウェアブランドを立ち上げましたが、まだルルレモンの足元にも及びません。
ギャップを含む、他の多くのアパレル小売企業は以前、意欲的な長期成長目標を設定していましたが、目標にはまるで届きませんでした。しかし、ルルレモンは違います。
2019年に、ルルレモンは「Power of Three(3つの力)」と題する成長計画を打ち出しました。これは、2018年度(2019年2月期)比で、5年以内にデジタル部門売上高を2倍に、メンズ部門売上高を2倍に、そして海外部門売上高を4倍にするというものです。新型コロナウイルスの感染が拡大した時期に実店舗を一時閉店したにも関わらず、デジタル部門とメンズ部門の目標は、予定より早く2021年度に達成しました。海外部門の目標についても、終了したばかりの2022年度の決算発表で達成が報告される見通しです。
これらの成功により、ルルレモンの経営陣は2022年4月、「Power of Three x2」という新たな目標を打ち立てました。これは前の目標と数字は同じですが期間が異なり、2021年度比で、2016年度までにデジタル部門売上高を2倍に、メンズ部門売上高を2倍に、そして海外部門売上高を4倍にするというものです。インフレの影響で、粗利益率は今後数四半期にわたって圧力を受けるとみられますが、予想株価収益率(PER)は26倍と、過去の水準と比べて割安です。そのため、新たな強気相場が始まれば、ルルレモンの株価はすぐにも反発すると考えられます。
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