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感情脳と論理脳
コロナ明けのJリーグ再開後、J1でプレーするある選手の個人分析を担当していて、とても貴重な経験をさせてもらっています。
その中で気づいたことは、僕がやっていることはサッカーの個人分析ではあるのだけれど、その大前提として人と人のやり取り、そこに生まれるコミュニケーションの上に、個人分析が成り立っているということです。
伝える内容が選手のパフォーマンスに良い影響を与えるなんてことは当たり前ですが、コミュニケーションの取り方には工夫を凝らしています。
人間の脳には、感情を司る感情脳(大脳辺緑系)と、言語機能や知性、合理性論理性などを司る論理脳(大脳皮質)が存在していて、それぞれ独自の判断基準で、コミュニュケーションの内容を受け入れるかどうかを判断します。
ということコミュニケーションを取る際に、『快』と感じるか『不快』と感じるかという情緒的な側面(感情脳)と、論理的か合理的かという論理的な側面(論理脳)の2つの基準を満たすか満たさないかによって、コミュニケーションの内容の伝わり方が変わってくるということです。
例えば、ある選手へのフィードバックの際、一方的にこちらの正しいと思われるロジックを語ったとしても、選手の感情脳が『不快』になっていれば、そのロジックを受け入れることはできません。
逆も然り、いくら選手をおだてても感情脳が『快』の状態になっていても、ロジックがともなっていなければその内容はぐちゃぐちゃに丸められてゴミ箱行きです。
じゃあ僕がどのように選手とコミュニケーションを取っているかというと、基本的に僕が先に何かを伝えるということはありません。(先に伝えませんが、一応答えはポケットに忍ばせてます)
選手はプロです。
選手は必ず意図を持ってプレーしているので、その意図は伝えたいと思っているはずです。
その選手の意図を質問・対話を通して引き出し、今、選手がどんな感情を抱いていて、どのプレーに疑問や課題を抱えているのかを分析します。
意図あるプレーを言葉にしていくと自然と選手の感情脳にスイッチ入り『快』の情緒が現われます。
ここまでくれば選手は伝える内容を受け入れる状態ができているので、コミュニケーションも取りやすくなっているはずです。
論理的な対話だけでなく、相手の感情の状態も確認しながら情緒も織り交ぜ、論理的で分かりやすい対話をしたいですね。