ジャパンC　血統解説❕🔥

こんばちわ！

先週のマイルCSは最終的に本命を打った◎ソウルラッシュが4番人気1着！更に血統解説でも高評価をしたエルトンバローズが2着に好走と悪くない結果になったかと思います！

反省点はありますが、一つ良い結果になって良かったと思っております。

今週はついにジャパンカップ！海外の強豪も迎え豪華なメンバーでのレースになり非常に楽しみなレースになるだろうと感じています！
しっかりと各馬の血統を分析して行きたいと思います

それでは今週もよろしくお願い致します❕🔥

～～東京・芝2400ｍ　コース解説～～

ダービーやオークスなども行われる日本のクラシックなコースになります。スタートして1コーナーまでは350m程の距離があるため、ゆとりのある先行争いになります。

なるべく内を回ってロスを最小限に抑えたい心理が働くため縦長になりやすいのも一つの特徴です。特に近年は馬場の高速化に伴って本来緩むべき(特に3歳戦では)中盤800m区間である2コーナー〜3コーナー中間辺りでもペーズが落ちず流れる為、縦長の隊列は直線手前までキープされやすくなっています。　　

後半800mでラップが加速することが多いですが、4コーナー手前から加速していくのは中団〜後方の馬が直線で追い出しやすい位置を取りに行くために馬群がこの区間で詰まってくる為です。それに伴い前も溜めずにある程度出していくことが助長していると言えます。

直線は500m超あるため自ずと長い上がりを使えるかどうかに加えて瞬発力が問われる勝負になります。

～～ジャパンC　好走血統～～

✅トニービン持ち

✅トニービン持ち

長く脚を使える欧州血統として取り上げる事が多いトニービン。東京コースは直線が長く、トップスピードに加えて長く脚を使える能力を求められる事が多いので、トニービン持ちは優位に出やすいです。

特に、ジャパンカップは古馬混合戦で、3歳馬も完成度が高まって来た時期ですので、晩成気味の傾向があるトニービンの優位性が春先の世代限定戦であるダービーやオークス以上に出てくると言えます。

特に、このレースで２回以上好走しているリピーターや穴を開けた馬達は、トニービン持ちが多い事を強調しておきたいと思います。

🔵2021年
4着:サンレイポケット　　　10番人気
（父ジャングルポケット→トニービン系）

🔵2019年
1着:スワーヴリチャード　　3番人気
(父ハーツクライ→トニービン内包)
⇒2018年3着

🔵2017年
1着:シュヴァルグラン　　5番人気
(父ハーツクライ)
⇒2016年3着

🔵2013年
3着:トーセンジョーダン　　　11番人気
(父ジャングルポケット→トニービン系)
⇒2011年2着

🔵2011年
3着:ジャガーメイル　　　14番人気
(父ジャングルポケット)

また、昨年の2023年はトニービン持ちの1～5着決着となった。シンプルに能力上位の馬がたまたまトニービンを持っていたという見方も出来ると思いますが、昨年のような東京中距離の高速持続戦になればトニービンの重要性はより増すと見て良いと個人的には思います。

～～ジャパンC　出走馬血統解説～～

＊ここでは血統評価をA〜Dで評価していきたいと思います。たまにSが出てきます。笑
基準は下記の通り。　

①好走血統に沿っているか。
②そのレースで求められる能力に沿っているか。
③その馬が前走より血統的に条件が良くなるか。
④素質を感じる血統背景であるか。

の以上4点。加えて、そこからその他条件がついて回り、それが良い方に出そうか、悪い方に出そうか、その辺りを±を付けて評価していきたいと思います。

✅ドウデュース

血統評価：A∔

天皇賞・秋1着から臨みます。

父は晩成傾向にあるトニービン内包のハーツクライ。母父が大箱向きの追走力を持つSeattle Slewの後継に当たるVindicationという配合。母はアメリカの短距離G1を好走したダストアンドダイヤモンズという血統馬。凱旋門賞馬ダンシングブレーヴを輩出したOlmecの牝系出身で、曽祖母は父がLyphardの分、そのダンシングブレーヴに近い血統と言えます。
その、ダンシングブレーヴの柔らかさなどは無く、少し米国質なパワーやスピードに振れたタイプの並びで、それが父ハーツクライには良い方向に出る可能性があるかと思います。総じて追走力を含んだ、比較的早期から動けるタイプの溜めて良さが出るハーツクライ産駒と感じます。

前走の天皇賞・秋は後方でじっくりと脚を溜め直線で一気に解放し差し切る内容。スローペースになり好位勢に展開が向いたレースでしたが、そういった中でレース上がりの33.7を遥かに上回る32.5という脚を使い、見た目通りに強い内容のレースだったと言えるでしょう。
2走前の宝塚記念は伸びの悪い内を突いてしまい、苦手なタフ馬場だったという事もあり、伸びを欠いてしまった。ただ、しっかりと脚を使っており、見せ場はあった好内容だったように思います。
更に3走前のドバイターフでは直線で前がスムーズに開かず、捌けずに加速が遅れてしまった所でレースが終わってしまい5着と言う内容。ここ2走はシチュエーションとして苦しかっただろうと感じます。度外視で良いだろうと判断します。

以前から申していますが、『やや前向きな速力が強く、そのスピードをラストまで無理やり溜めて濃縮してラストに発揮するというようなレース振りが同馬の基本となる。それだけに、道中でどれだけ楽に追走出来るかがポイントになると言える。』としているように、ここでも前走のように後方で溜める競馬が主軸となるだろうと思います。

そういった意味で、差し届くかどうかが同馬を精査する上でポイントになって来るだろうと思います。
前走も展開不利な上で差してきているので、展開不問で差してくる可能性もありますが、距離が延びる分ラストが鈍る可能性も考慮したい。
血統的な適性としても、字面だけ見れば本来はこのレースで言えば高速持続戦に対応しそうなタイプでマッチしていますが、そういったタイプと外れているのはここまでの走り振りから見ても明白。

血統適性はもちろん高いレベルにありますが、この馬に関してはどちらかと言うと例外的な扱いをし、能力を発揮できるかどうかにフォーカスして最後までしっかりと精査したいと思います。

✅チェルヴィニア

血統評価：B+

秋華賞1着から臨みます。

父はDanzig系の中でも欧州指向な柔らかさを持つハービンジャー、母父がキングカメハメハという配合。母がオークス2着の実績があるチェッキーノなので、半兄にはノッキングポイントがいる良血馬。更に母方を辿ると名牝ロイコンに当たるので、同牝系にはシンコウラブリイやキングストレイルなどがいる良血牝系出身です。
アウトブリードベースの配合で基礎体力も感じつつ、豊富なNorthern Dancerからくる基礎スピードや、柔らかさも感じるバランスの良い並びになっている。同父×母父からはブラストワンピースやモズカッチャン、ローシャムパークなどのG1・重賞ウィナーもいるように相性の良い配合の一つと言えるでしょう。
また、同配合の牝馬という事もあり、楽に追走出来るシチュエーションや柔らかい芝に強いタイプの血統構成に感じます。

前走の秋華賞は、道中は中団後方辺りのちょうど馬群の真ん中辺りを追走。直線では追い出しを待たされるシーンもありましたが、前が空いてからは抜群の加速性能を見せてすんなり抜け出して勝利する内容。後続はスローペースでしたし、本来は好位勢が有利な展開だったようにも思いますが、そういった中で差し切ったのはシンプルに強い内容でしたし、世代限定牝馬の中では一枚上の能力を見せたと言えるでしょう。

その秋華賞の血統解説でも触れましたが、『外回り∔距離延長になってより条件の好転が見込まれるエリザベス女王杯、もしくはジャパンCでより高く評価をしたい』としているように今回は条件好転と言えるでしょう。
状態面に関しても、前走時は余裕が残っていたように上積みが見込める。順当に評価して良いと感じます。

その上で、2走前にオークスで勝利していますし、当時に本命も打っているようにコース適性は及第点以上にあるだろうと感じます。
ただ、当時のオークスとは微妙に求められる能力が違うのが一つポイントになって来るだろうと感じます。オークスでは体力面が整っていない3歳牝馬同士のレースになる故に、展開的にも差しに向きやすいですし体力面が整っている血統が優位に立ちやすい。チェルヴィニア自身、その条件により噛み合ったのが大きいとも言える。

今回は体力面よりも速い脚を持続的に使う能力や、多少の機動力や持続力を要するので、オークスの時ほどは万全な体制では無いなと言うのが個人的な意見です。
ただ、それでも能力などを加味して、十分上位争いが可能な条件ではあるように感じます。人気よりは割引しつつも高めの評価を付けるべき1頭に感じます。

✅オーギュストロダン

血統評価：B‐

愛チャンピオンS2着から臨みます。

父はディープインパクト、母父がSadler's Wells系の名種牡馬Galileoで、母は英・仏・米の芝マイル～中距離G1で活躍したRhododendron、祖母も同じく欧州G1馬のHalfway To Heavenという良血馬です。同牝系には日本のオークスを勝利しているヌーヴォレコルトなどもいる一族出身です。
母方でSadler's Wells≒Nureyevを持っており、Specialらしい底力やタフさを感じつつも、Sir GaylordのクロスやSecretariat≒Sir Gaylord（Alzao≒セクレトとも取れる）、下り坂血統のAhonooraと言った所から父ディープインパクトらしいしなやかさを助長する並びになっている。

前走の愛チャンピオンSは今回も出走するシンエンペラーに先着する2着と好走。内容的にも外目を追走し、直線でもスムーズに伸びての物で無難に良い走り振りだった。
愛チャンピオンSは欧州のレース中でも比較的パワーや持久力を問われる類のレースで、やや適性外にも感じていましたが、その中で良く健闘したと感じます。

今回は初来日で、日本への馬場への適性がポイントになって来るだろうと思います。特に同馬はディープインパクト産駒という事もあり、より注目を浴びています。
個人的な意見としては、馬場適性だけを見れば、近年出走して来た海外馬の中でも上位クラスにフィットするだろうと思います。それこそここまでの好走歴を見ても、タフな欧州の馬場の中でも走りやすい比較的奇麗な馬場での好走が目立つタイプだけに、日本の馬場へ適応する下地はあるだろうと感じます。
その上で、ディープインパクト産駒の中でもやはり重さが見えるタイプだけに、極限に速いスピードであったり、自発的な加速力を求められるシチュエーションになると苦しい印象を持つ。

加えて、同馬を日本で買うならば、東京よりも京都のような起伏があって惰性を付けられるコースの方が向く印象を受ける。（まぁ実現しようが無いのでレベルの高い話にはなるのですが、、、）そういった意味でも、東京コースでは、話題性程高い評価は与えられないと感じています。

楽に追走し、後半の3.5～4F程の上がり勝負になればチャンスが見えてくるかと思いますが、かなり好走レンジが狭そうな印象を受ける。
その辺りは最後まで精査したいが、個人的なイメージで言うとあくまでも”日本の馬場に適応できる可能性が高い”というだけで人気が持ち上げられている印象を持ちますし、”東京2400mが合うかどうか”はあまり想定オッズに反映されていない印象を持つ。後者については現状懐疑的に見ている。故に、基本的には後ろ向きな評価とさせて頂きます。

✅ジャスティンパレス

血統評価：B

天皇賞・秋4着から臨みます。

父はディープインパクト。母父がNureyev系のRoyal Anthemという配合で、母パレスルーマーはTheatricalやRed Ransomなどのダート的なパワー要素を多く持ち、半兄には🇺🇸三冠レースのベルモントSを勝ったPalace Maliceや長距離重賞で活躍しているアイアンバローズがいる血統馬。
ディープ×🇺🇸血統の王道的配合で仕上がりの速さ・パワー・前向きなスピードが助長されたタイプですが、奥にRobertoやDamascusなどを抱え少し重いテイストが混じっている持久力も併せ持った血統構成。
極端な瞬発力勝負以外は対応できるようなバランスの取れた血統構成と言えます。

前走の天皇賞・秋は後方からレースを運び、直線では内を捌くように伸びて4着に食い込む内容。上がり2位の脚を使って追い込んで来ており、良い意味で同馬らしくない加速力を見せたと言えるでしょう。
2走前の宝塚記念は馬場の悪い内からのスタートになってしまい、終始内を通らざるを得ない苦しいレースになってしまった。鞍上の外に出したい意思は感じましたが、展開的に実行できず終い。同馬にフィットしにくい重い馬場だった点も含め度外視で良いだろうと判断します。

近走は上位に入り切れないレースが続いていますが、展開や馬場の不向きなどが大きな要因で、同馬の評価を落とす必要は無い内容となっており、今回も力を発揮できれば上位進出のチャンスは十分あるだろうと感じています。

その上で、適性面で言うと無難に及第点と感じます。前走で苦手と見ていた瞬発力勝負で見せ場を作った点は評価出来ますが、自発的な決め手ではやや劣る分、東京の速い上がりを使うレースでは好勝負止まりになる可能性も高い。
そういった意味で、同馬本来の持ち味である機動力や持続力を活かせるよう内枠などのシチュエーションが欲しい所。抑えるべき1頭ではありますが、本命視するとなるとやや条件が狭いと個人的には感じます。

✅スターズオンアース

血統評価：A

ドバイシーマクラシック8着から臨みます。

父はキンカメ後継の良血馬ドゥラメンテ。母父がミスプロ系の中でも米クラシックへの適応を見せるSmart Strikeという配合。父、母父と共にミスプロ系同士の配合で同3×4を持つ。祖母が仏オークス馬のスタセリタで、近親にはオークス馬ソウルスターリングやシェーングランツがいる良血馬。母方を辿るとSchwarzgoldに当たるので、同牝系にはシュネルマイスターやサラキア、サリオス等がいるドイツのSファミリー出身です。
MonsunやDashing Bladeなど🇩🇪などの欧州方面の柔らかさと馬力が活きた血統構成で、タフで追走要素が薄い分ゆとりのある流れから加速するようなシチュエーションでパフォーマンスを上げるタイプと言えます。

前走のドバイシーマクラシックは中団外目を追走するも、直線では伸びずに8着。外にモタれるシーンもあり、直前での乗り替わり（ルメールJ→デットーリJ）も大きく響いたように感じます。度外視で良いだろうと判断します。
2走前の有馬記念では不利な外枠から積極果敢な先行策。鞍上の手腕もそうですが、そういったタフな展開で粘り切った同馬のタフさなども評価出来る強い内容だったと感じます。
更に3走前が昨年のジャパンC。勝ち馬イクイノックスには離されてしまいましたが、2着リバティアイランドからは0.1差に留める3着に好走。+12キロと成長分を加味しても余裕のあるシルエットに映ったと見ていますが、状態面も7～8割程度の仕上がりだったと感じます。加えて、不利な外枠を引きましたが、同馬以外は内枠の馬が独占していた中で（有力馬が内に集まった事もあるのですが）、外枠から好位を確保して3着は好内容と言える。

今回が久々になりますが、これまでも間隔を空けながら使って状態を整えて来たタイプだけに、問題無いだろうと思います。
それ以上に心配なのは、前走で初めて馬券圏外に敗れており、初の海外での競馬だった事もありメンタル面に影響がなかったかどうか。また、前走でモタれるシーンがあったのはやや気になる。（2歳～3歳初期辺りにもそんな癖があったので、、、）
当日の精神状態や、内で競馬できるかどうかなどがポイントになって来るだろうと感じます。

その上で、血統的な適性面で言うと昨年も好走しているように高いレベルにある。
特に、昨年のような高速持続戦もそうですし、速い上がりを求められるシチュエーションになっても対応できるタイプ。能力を発揮できる状態であれば好走レンジは大分広い点は評価したいポイントです。

基本的には前向きに評価したい1頭です。

✅ソールオリエンス

血統評価：B-

天皇賞・秋7着から臨みます。

父がディープインパクトの全兄ブラックタイドの後継に当たるキタサンブラック。母父がSadler's Wells系の中でも柔らかさや欧州方面の前向きさを持ち合わせるMotivatorという配合。母はスキアなので、半弟（3/4同血）にヴァンドギャルド、フォティノースらがいる血統馬です。
アウトブリードベースで更にやや重そうな字面が並んでいる配合ですが、欧州方面の前向きさがあるMotivator～Rainbow Questという並びやDanehill、Green Dancerと言った、基礎スピードのあるNorthern Dancer系を内包し重すぎない仕上がりになっている好バランスの血統構成に感じます。

前走の天皇賞・秋は中団から運ぶも、直線ではやや加速が鈍く、ラストは伸びるも0.4差の7着まで詰めるのが精一杯という内容。ただ、同馬なりに脚は使っていますし、馬体的にも余裕残しが見えた。そこまで評価を落とす必要は無い内容に感じます。

今回は2400mに延長になりますが、延長ローテ自体はプラスになるだろうと感じます。コース適性自体も悪くは無い。
その上で、以前から申していますが楽に追走し、かつスムーズに加速できるシチュエーションが欲しいだけに大味な競馬になりがちなのは、ここではイメージ以上にマイナスになってしまうだろうと感じます。

展開や、雨が降ってなどの馬場の恩恵が欲しい所。現状では強くは推しにくい。

✅シンエンペラー

血統評価：C

凱旋門賞12着から臨みます。

父はNureyev系の中でも米国指向な前向きで軽いスピードを取り込んだSiyouni、母父がSadler’s Wells後継のGalileoという配合。母は欧州の名牝Starlet's Sisterなので、全兄には凱旋門賞を制しているSottsass、3/4同血の半姉にはBCフィリー&メアターフを制したSistercharlieがいる血統馬です。
4ラインが全てNorthern Dancer系の並びになっており、字面以上に基礎スピードを感じつつ、Sadler’s Wells≒Nureyev等から欧州らしい持続力も見える血統構成になっています。
またミスプロも豊富に持っている分、柔らかく万能で前向きな所もあり、イメージ以上にバランスの良い血統構成になっています。

前走の凱旋門賞は終始外を回される展開。内有利の様相が強いレースだっただけに苦しい展開になってしまったと感じます。もう少し見せ場が欲しかったのが本音ではありますが、度外視で良いだろうと判断します。

2走前の愛チャンピオンSでは、直線でかなり詰まってしまい、まともに追えたのはラスト2～300m程。まともに追えていれば勝ち負けに加わる可能性も十分あると感じる内容でした。その愛チャンピオンSは欧州のレース中でも比較的パワーや持久力を問われる類のレースだったと言えますが、正直同馬は適性外とも感じていた中で良く健闘したと感じます。

この舞台はダービーで3着の実績があるように、ここまで、様々なシチュエーションで走ってきていますが、やはり本質としては追走にゆとりが出て楽に脚を溜めて、長く脚を使う事に長けているタイプと言える。
そういった展開になれば上昇もありますが、基本的に速い脚を持続する事を求められると分が悪い。ここはやや適性とズレる印象が強く、積極的には評価はしにくいと感じます。

✅ゴリアット

血統評価：D∔

コンセイユドパリ賞1着から臨みます。

父はSadler's wells系の中でもドイツ牝系出身で欧州方面の柔らかさも内包するAdlerflug、母父がStorm Cat系の中でも重い芝に強いShamardalという配合。母のGouacheはアルゼンチンのG1勝ち馬という南米牝系出身の血統馬です。
父母間ではクロスが発生していないアウトブリードベースの配合で、基礎体力を感じる並びになっている。その上で、父方の重さとタフな条件下で発揮される加速力が活きており、字面の通り重いタイプの血統構成と言える。重厚な加速力を武器にしたタイプと言えるでしょう。
ただ、母の奥に米指向なスピード要素や日本競馬向きのしなやかさも内包している（主にUnfuwainやSir Gaylordなど）。過度には重さに傾いていないタイプとも言えるでしょう。

評価したいのは2走前のKG6世&QES。後の凱旋門賞勝ち馬のブルーストッキングや後にBCターフなどを勝利しているレベルスロマンス、更にはこのJCにも出走しているオーギュストロダンやルクセンブルグ、ドバイオナーなどの海外の強豪が揃って出走したレースでしたが、これらを尻目に中団から悠々と抜け出して圧勝するレース振り。
シンプルに強い内容でしたし、高い能力を有していると評価して良いだろうと感じます。

今回はもちろん初めての日本への来日で、日本の速い馬場への対応がポイントになって来るだろうと感じます。
確かに字面的には欧州血統らしい重さのある字面をしていますが、前述もしているように母の奥にスピード要素や軽めのしなやかな要素も持ち合わせているので、明らかに対応は無理というタイプにも感じていません。いきなり対応してきても個人的にはそこまで驚かない。

地力に関してはこのメンバーでも劣らないレベルにあると思いますし、馬場にさえフィットすればチャンスは十分ある存在と感じます。
海外勢のオーギュストロダンとの比較で、大きく人気が落ちるならこちらに手を出すのもありかと思います。

✅ドゥレッツァ

血統評価：A∔

英インターナショナル5着から臨みます。

父がキンカメ後継の良血馬ドゥラメンテ。母父がサンデーを通さないHalo系の中でもダート方面のパワーや前向きさに優れたMore Than Readyと言う配合。母は豪州のG1を制しているMore Than Sacredという血統馬で、Danehillから豪州らしいスピードを受け継いでいるタイプですが、牝系を辿ると欧州G1を制しているMarjuやSecond Empireらがおり、HyperionやDonetelloと言った欧州の重い血統も兼ね備えている配合。
基本的にはスピード色が強い母方ではありますが、奥には底力の要素もある分そこまでスピードに傾いてない印象の血統構成になっており、バランスの良さを感じます。そういったバランスの良さから、基本的には父が活躍していた芝中距離以上と言うのが守備範囲になるかなとは思います。

前走の英インターナショナルは、勝ち馬のシティオブトロイが逃げる中で、好位外の3～4番手辺りを追走。5着に敗れましたが、終始外を回される展開でロスも多かったように思いますし、相手も勝ち馬のシティオブトロイはもちろん、後に凱旋門賞を勝つブルーストッキングが4着というレベルの高いレースだった。また、直線で他馬に交わされながらもラストまで踏ん張り5着を確保したのは評価出来る内容だったと感じます。斤量的にも3歳馬有利のレースでしたし、個人的にはこのレースは同馬の適性に合っていなかったと見ていた。そういった中で良く健闘したと思います。

2走前の天皇賞・春は15着と敗れましたが、レース中に熱中症、更にレース後には故障も発覚した。度外視で良いだろうと思いますし、むしろ前走の海外遠征で良く立て直せたなという所を評価したいと思います。

今回は海外帰り初戦ではありますが、間隔はしっかり空いていますし、状態面が整って能力を発揮できればここでも地力で大きく劣る事は無いだろうと感じます。

その上で、適性的にも良い部類に感じる。特に昨年のように、速い脚の持続力を求められる展開になればよりチャンスがあるだろうと見ています。
それこそ、前走の英インターナショナルのような速い加速力を求められるシチュエーションだと厳しいように感じますが、あまりラップの起伏が無い後半4.5～5Fほどの持続力勝負持ち込めば都合が良いだろうと感じます。

先行馬も少ないメンバー構成だけに、先行して自分で展開を作る可能性も十分ある。人気も大きく落ちるように思いますし、ここは前向きに買いたい1頭と評価したいと思います。

✅ダノンベルーガ

血統評価：B∔

天皇賞・秋14着から臨みます。

父はトニービンを内包するハーツクライ、母父は強烈なスピードを持つIn Reality系のTizwayという配合。母は🇺🇸の2歳G1でも好走したコーステッドという良血馬です。
母方にDanzigを持つ辺りも含め、晩成傾向にあるハーツクライ産駒の中でも早期から動けるタイプと感じます。ハーツクライ×母方に🇺🇸2歳G1好走馬＋Seatlle Slewという並びはスワーヴリチャード感も感じる血統構成です。
母方のIn RealityやDomino、Businesslike≒Flaming Page（エフフォーリアなどが持つ高速持続戦向きのスピードが出るニアリークロス）などからしっかりとスピードを補給し、更にSeatlle Slewのクロスによって大箱向きの上がりを使えるタイプ。歴代で活躍してきた良いパターンのハーツクライ産駒のツボをついたような血統構成で、個人的にはとても好感が持てる一頭です。
将来的にはそれこそスワーヴリチャードのような、何なら上位互換的存在になってもおかしくない血統的な素質を持った一頭と感じています。

前走の天皇賞・秋は14着と敗れましたが、久々で状態面はあまり良くないとパドックで感じましたし、2コーナーの辺りで外の馬の斜行の影響を受け躓くシーンがあった。ポジションを下げてしまった事もそうですし、リズムが崩れたのが大きく影響をしたように感じます。
ラストも無理はさせて無いように感じましたし、致し方が無いと判断します。

2走前のドバイターフは中団の内を立ち回り、直線でも内を捌いて伸びる内容。勝負所でやや置かれそうになるシーンはありましたが、直線でも前が開いたタイミングで速い反応を見せており、改めて安定した上がり性能を見せたと言えるでしょう。

以前は後方からの競馬になる事が多かったのですが、近走はある程度ポジションを取ってレースを進める事も可能になっている点はプラスに捉えたい。2400ｍという条件はやや長いようにも感じますが、ロス無く立ち回って上がりの脚に転化出来れば十分対応できる範囲であると感じます。

血統的な適性としても、左回りの大箱コースの速い上がりが求められるシチュエーションはフィットしている。及第点以上と判断して良いか。

後は松山Jと手が合うかどうか、、、（松山Jが悪いという訳ではありません。。。）

✅ブローザホーン

血統評価：C

京都大賞典11着から臨みます。

父はRoberto系の中でも大箱向きの素軽さを併せ持つエピファネイア、母父がノーザンテーストを内包し闘争心が目立つサンデー系のデュランダルという配合。母はマイル付近で3勝を挙げているオートクレールという血統馬です。母方を辿ると名牝Mixed Marriageを輩出したPersian Maidに当たる欧州方面の底力を取り込んだ名牝系出身です。
サンデーの3×4などの目に見えたクロスもありますが、それ以上に、豊富なHyperionからくる底力やTom Foolのクロスの素軽さとパワー、更に父系であるRobertoのスタミナ・パワー源でもあるPlucky Liegeを牝系で助長している点など、総じてスタミナやパワー、底力の面を強化されたタイプの血統構成と言えます。

前走の京都大賞典は大外からのスタートでしたが、スタートでやや後手を踏み後方からのレース、道中から勝負所に掛けても全く進んで行かず、そのまま見せ場無く、しんがり負けの大敗。
仕上がっていなかったのが大きな要因に感じますが、それにしても心配になるレベルの大敗。どれだけ立て直せるかの方向になって来る点も併せて、ここは割り引いて評価する必要があると個人的には考えています。

その上で、適性的にはやはり京都や阪神に比べると劣る印象が強く、東京の速い上がりや速い脚を持続的に使うようなレースでは能力を出し切れないと見ている。
ここでは評価しにくい。

✅プラダリア

血統評価：C‐

京都大賞典7着から臨みます。

父がディープインパクト。母父は独特なパワーを助長するVice Regent系のクロフネで奥にはミスプロ系の中でも前向きなスピードがあるForty Ninerという並びの配合。
同父×母父ではレイパパレやステファノスやアドマイヤロブソンなどがいるように、ダート的なパワーと前向きなスピードを持ちつつ馬場融通の広さを見せるタイプが多い。アウトブリードベースでしっかりとスタミナ面の下地もあるバランスの取れた血統構成です。

✅シュトルーヴェ

血統評価：C∔

宝塚記念11着から臨みます。

父がキングカメハメハ、母父がディープインパクトという配合。母が短距離を中心に活躍し、2歳時には阪神JFで5着という実績もあるアンチュラスと言う血統馬で、一族には米G1馬のワンダーレディアンエルやアモーレイなどがいるDomino血脈由来の前向きな速力を持つ米ルーツの良血牝系出身です。
母方がディープ×米国血統という相性の良い組み合わせのテンプレ的な血統（特にSir Gaylord≒Secretariat）ではありますが、それを父キンカメによってアウトブリードベースの基礎体力を助長しつつ引き出したタイプの並びと言える。
バランスが良く安定感のある血統で母方からも馬力や底力がしっかりと伝わっている。芝の主流条件などで満遍なく力を発揮できるタイプの血統構成と言えるでしょう。

前走の宝塚記念はタフな馬場や、不利な内枠が響いた印象。11着に敗れましたが度外視で良いだろうと判断します。
2走前と3走前にG2を連勝して来た。中でも2走前の目黒記念に関しては手薄なメンバー構成だったとは言え、スローペースの中で唯一後方から上がり32.9の脚を使って追い込んで来ており、全体時計は不十分ですが、斤量を背負っていた背景を鑑みれば十分評価出来る内容だったと思いますし、クロミナンスやシュヴァリエローズなどの好メンバーを相手に勝利した点も評価出来ると見ます。

今回は約5か月振りと久々になりますが、適性自体は及第点以上にある印象ですし、前走に比べれば条件好転と言えるでしょう。
状態一つな所がありますが、久々や前走の大敗のおかげで大きく評価が落ちるならば一票入れておきたい1頭です。

✅ファンタスティックムーン

血統評価：D

凱旋門賞9着から臨みます。

父は凱旋門賞馬Sea the Stersの後継でドイツダービー馬のSea the Moon、母父がMontjueの後継Jukebox Juryという配合。母方はドイツ生産馬ですが、生粋のドイツ牝系出身という訳では無く、英国やフランスと言った欧州ルーツの牝系出身。ただ、馬力を合わせて助長するLomitusやNever Bend、ドイツ血統の重さの根源の一つでもあるAthanasiusのクロスを持ち合わせるなど、ドイツ血統らしさもあり、ドイツ血統内包の父によって更に助長されている。
Bold Reason≒Never Bendの6・7≒5など欧州方面の柔らかさもしっかりと持ち合わせており、欧州の上がり勝負に対応できるタイプの血統構成と言えます。

前走の凱旋門賞は先行勢有利の展開になりましたが、同馬は好位からレースを運ぶも、全く見せ場無く伸びずの9着。馬場や展開を含め、シチュエーションとしてはあまり悪くなかったように感じますが、そういった中で結果を残せなかったのは評価出来ない。

果敢に日本への遠征を決めましたが、血統的には重さが目立ち、日本の速い馬場に対応するのは難しいように感じる。
地力としても海外勢の中では劣る存在に感じますし、ここでは厳しいと評価せざるを得ない。

✅カラテ

血統評価：D

毎日王冠11着から臨みます。

父はキンカメ後継でフェアリードール牝系出身の良血馬トゥザグローリー、母父は独特のパワーを伝えるVice Regent系のフレンチデピュティという配合。祖母のレイサッシュは芝で3勝を挙げており、辿るとステイゴールドなどを輩出しているダイナサッシュの牝系出身という血統馬。
母方でVice Regent≒ノーザンテーストを持っており、父方と併せても馬力面や持続力の面が目立つ並びになっており、起伏のあるラップよりも、スピードの持続力に特化し長く脚を使えるタイプの並びです。
また、Mill Reef×River manなども持ち合わせており、溜めが入っても対応出来たり、タフなシチュエーションにも強い欧州方面の柔らかさも併せ持っている血統構成です。

前走の毎日王冠は前有利の馬場と展開の中で後方からのレースになり、上がり2位の脚を使うも見せ場無しの11着という内容。展開不向きな所が大きかったとは言え、もう少し見せ場が欲しかった所で、評価しにくい内容に感じました。

近走を見る限りはやはりピークが過ぎた感が強い。左回りの大箱コースと言う条件自体は悪くないが、相手関係強化のここで上積みを見せるのはきついように感じます。
ここでは評価できない。

～～まとめ～～

✅現状の印

◎ドゥレッツァ
〇スターズオンアース
▲ドウデュース
☆ゴリアット
△ダノンベルーガ
△チェルヴィニア
△ジャスティンパレス

現状の本命は◎ドゥレッツァを挙げさせて頂きました。

もちろん状態や展開次第な所はありますが、このメンバー相手に自ら展開を作る事が出来る可能性が高い点を特に評価したい。
その上で、昨年のような高速持続戦的な走りが出来ればチャンスのある1頭に感じます。
ただ、ビュイック騎手が乗る事が決まった（11/20現在）ようですが、同騎手があまり先手を取って展開を作るタイプの騎手では無いので、今同馬に対して想定している走りにならない可能性もあるのが現状の不安点ではある。

ただ、適性面や地力を見てもこのメンバーでは高いレベルにあると思いますし、人気が落ちそうな今回は旨味もあるチャンスと見たい。

海外勢では☆ゴリアットに一番チャンスがあるとみています。地力は高いレベルにあるのは走りを見れば明白。日本の馬場に適応できるかがポイントですが、血統的には出来る素養があると判断。
東京の加速力や速い上がりを求められるシチュエーションにも対応できると判断し、人気以上に期待できるだろうと感じます。

今回は以上になります！

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