札幌記念 血統解説❕🔥
こんばちわ!!
今週はG1と言っても差し使えないレベルの好メンバーが揃いそうなスーパーG2札幌記念!
久々に血統解説をお出しさせて頂きたいと思います
それでは今週もよろしくお願いします❕🔥
~~札幌・芝2000m コース解説~~
コーナーのポケット地点からスタート。ある程度長い距離の先行争いを行い、スピードに乗った状態でコーナーへ進入していく。また、1~2コーナーと3~4コーナーのコーナー角が緩やかスピードに乗りやすい+内外のロスが少ない故にスタート~2コーナー前後辺りまでは緩みにくいのが特徴。
向こう正面に入った辺りでペースが落ちる事が多く、この緩急に対応できるかどうかもポイントになってくる。
3~4コーナー辺りから各馬がスピードに乗っていきペースアップする為、長く脚を使う力を求められる。また、スピードに乗りやすい分、大箱向きの適性も求められる。その上洋芝特有の馬力を求められるコースになっていおり、様々な能力を求められるコースになっている。
~~札幌記念 好走血統~~
✅洋芝向きの馬力
主に馬力・パワーと言った所を助長するRibotやSharpen up、Sadler`s Wells、Vice Regentなどと言った所がこの要素に当たってくる。
後述もしますが、札幌競馬場と言うのはローカルコースの中でもスピードに乗りやすいコースレイアウトな為、馬力一辺倒ですとどうしてもスピード不足になってしまいがち。
ハービンジャー(父系DanehillがRibot系のHis Majestyを内包)やキングカメハメハ(父父がRibot系のGraustarkを内包)等の種牡馬が相性を見せるように、馬力の要素を持ちつつも主張しすぎないのがポイント。
これらの要素を持ち合わせているかどうかがある意味最低条件と言っても過言では無いと思います。
✅大箱向きの柔らかさ
札幌は基本的にコーナーが緩やかでスピードに乗りやすい。故に、イメージ以上に不器用な馬でも好走しやすく、むしろ小回りを得意としているような器用で機動力のある馬は基礎スピードや差し脚比べで劣ってしまう事が多い。
東京や阪神外回りのような大箱コースで溜めて上がりを使う事が出来るような馬がこのコースでも差し脚を伸ばしてくる事が出来るという事になり、そういった意味で柔らかさ、特に大箱向きの柔らかさの要素は重要になると言える。
具体的にはSeattle SlewやNever Bendと言ったNasrullah系から、Princequilloが活きているSir Gaylord等。それらを内包しているディープインパクト、ハービンジャーと言った馬達はこの面を満たしている為、比較的好相性の種牡馬と言えるでしょう。
~~札幌記念 出走馬血統解説~~
*ここでは血統評価をA〜Dで評価していきたいと思います。たまにSが出てきます。笑
基準は下記の通り。
の以上4点。加えて、そこからその他条件がついて回り、それが良い方に出そうか、悪い方に出そうか、その辺りを±を付けて評価していきたいと思います。
✅ジャックドール
安田記念5着から臨みます。
父はRoberto系のモーリス。母父はミスプロ系の中でも早さのあるFappiano系のUnbridled’s song。Roberto×ミスプロのNashuaクロスによってスピードの持続力が出る配合系。また、ラヴァリーノはミスプロの4×3持ち。そこに相性の良いNijinskyを持つことで柔らかく前向きなスピードが助長されたタイプ。
また、欧州G1馬のBlanchineやストーミングホーム、Musicul Chimes、Sovereign、更にドバイワールドCを連破しているサンダースノーや、主流コースの重賞で活躍したショウナンマイティやゴーフォザサミットらを輩出したA Wind Is Rising牝系出身の良血馬。広いコースで実績のある一族で、総じて大箱コースでのスピードの持続力に特化した血統構成です。
前走の安田記念はキャリア初のマイル戦。同馬からすれば前半から速い追走を求められ、かつハナも取られる展開。血統的には柔らかさがある分、緩みを入れつつ持続力を発揮出来るレースに強いタイプだけに、速い追走を求められたのはイメージ以上に向かないだろうと感じていました。また、内枠で出来るレースも限られてくるなど、シチュエーションとしては厳しかったように思います。
ただそういった中で、走破時計や着差を鑑みても、自身の能力は発揮し地力を示したように思います。適距離に戻る今回は追走面が楽になる可能性も含めてしっかりと評価すべきだろうと感じます。
また、昨年のこのレースの勝ち馬でもあります。昨年はハイラップを刻んだパンサラッサがいた中でしたが、控える形で差し切り勝ちと新味も見せた。今回も同型がいるだけに兼ね合いは気になりますが、逃げに固執する必要が無いのは評価しておきたいポイントです。
血統的にも大箱向きで欧州テイストの洋芝向きの馬力があり、好走血統はしっかりと踏襲しており、実績的にも適性面は申し分無い。
極端に外枠を引き、先行しきれないような展開にならない限りにはしっかりと自分の力を発揮し好走してこれるだろうと感じます。
✅プログノーシス
QE2世C2着から臨みます。
父はディープインパクト。母父がミスプロ系の中でもパワーや持続力に富んだ字面をしているObservatoryという配合。母方にNever Bendのクロス、下り坂血統のKlaironのクロスを持ったやや欧州方面の重さを持った晩成気味のタイプに感じるディープ産駒で、Nijinskyと近い並びをしているAjdalも内包している辺り、フィエールマン感も感じる血統構成です。
また、母父Observatoryの祖母Victoria StarがVice Regentと近い血統という事もあり、(Northern Dancer+Victoriana)パワーもしっかりと感じる。
本質的には溜めを効かせ中距離で長く脚を使う事に長けたタイプだと思いますが、将来的にフィエールマンのように、後半勝負の長距離戦をこなしてもおかしくないと思います。
5歳秋を迎える中でまだキャリア10戦目と戦歴は浅い。2走前の金鯱賞時にも述べましたが、『早期の内に使い込むと良さが消えてしまいがちな典型的な晩成ディープ産駒と見ているだけにこの点には好感を持つ。ある程度間隔を空けてきているのもプラスに捉えて良いだろうと思います。』と見ているだけに前走から約4か月空けて臨む今回も臨戦としては好感が持てる。
また、その金鯱賞時に懸念として挙げた『小倉や阪神、京都のような下り主体のコースの方が良さが出そうな点。いくらパワーの素養があるとは言え、中京はフィットしにくい可能性も挙げておきたい。(まぁ杞憂で終わった訳ですが、、、)』と見ていた所もあり、オールフラットな札幌で走れるのはプラスに捉えて良いだろうと思います。
香港の馬場をこなした所からも洋芝は問題無いでしょうし、血統面の馬力要素や欧州要素も問題無い。
懸念としては初の58キロと、基本的に差しに回る脚質な為、差し届くかどうかやスムーズに差してこれるかどうかはポイントになると思いますが、血統的な適性や近走の充実度からも高評価としておきたい一頭です。
✅シャフリヤール
ドバイSC5着から臨みます。
父はディープインパクト。母は🇺🇸のダート短距離G1を制しているドバイマジェスティで全兄に皐月賞・大阪杯を制しているアルアインがいる血統馬です。母父はA.P.Indy系で、ニックス配合でもあるStorm Catとの配合と同様のSomethingroyalの牝系クロスを持つ好配合。加えてミスプロを内包するなどでNashua的な追走力を補給しつつ、Ribotから来る急坂に対応できるパワーを持つ配合です。総じて早い追走が求められる急坂コースが得意な印象ですが、同馬は全兄のアルアインに比べどちらかと言うと父の色が強いタイプ。より主流コースでの適性に向いたタイプと言えるでしょう。
前走は連覇を目指したドバイSCでしたが、イクイノックスの前にほぼ何も出来ずに敗戦。いくらイクイノックス相手とは言え、物足りなさを感じたのが正直な所。
また、2走前のJCも2着に来てはいるが、スローからの速い上がりを求められるレースになった事で、地力よりも騎手の技量や判断力が問われるレースになり、個人的にはそこまで高い能力を求められたレースでは無かったように感じています。天皇賞・秋も状態面が整っていなかった所もありますが、それでもスローからの上がり勝負が苦手なジャックドールに後れを取るのは如何な物かと感じる。近走は内容不足だと個人的には感じます。
そうなるとやはり懸念として挙げられるのはディープ産駒の晩期のパフォーマンスの劣化。特にありがちな”惰性で走る”とか”前向きさが失われた”と感じている側面がまさにそうです。
以前の解説時にも触れているように、『全兄のアルアインもそうでしたが、元々早期に活躍したディープ産駒の中でも古馬になってもパフォーマンスを落とさない(落としにくい)素養を持つ馬ではありますが~』とはしていますが、上積みを見せられるかというとやはり厳しいように思います。
コース適性や血統背景から条件的には悪くないだろうと思いますが、2走前以上に厚く強力なメンバーで上積みを見せて来れるかどうかは、ハードルが高いように感じてしまいます。ここは評価を辛くしたい一頭です。
✅ダノンベルーガ
ドバイターフ2着から臨みます。
父はトニービンを内包するハーツクライに母は🇺🇸の2歳G1でも好走したコーステッドという良血馬。
母方にDanzigを持つ辺りも含め、晩成傾向にあるハーツクライ産駒の中でも早期から動けるタイプと感じます。ハーツクライ×母方に🇺🇸2歳G1好走馬+Seatlle Slewという並びはスワーヴリチャード感も感じる血統構成です。
母方のIn RealityやDomino、Businesslike≒Flaming Page(エフフォーリアなどが持つ高速持続戦向きのスピードが出るニアリークロス)などからしっかりとスピードを補給し、更にSeatlle Slewのクロスによって大箱向きの上がりを使えるタイプ。歴代で活躍してきた良いパターンのハーツクライ産駒のツボをついたような血統構成で、個人的にはとても好感が持てる一頭です。
将来的にはそれこそスワーヴリチャードのような、何なら上位互換的存在になってもおかしくない血統的な素質を持った一頭と感じています。
前走のドバイターフは直線で素晴らしい脚を使うも及ばずの2着。改めて、溜められた時の上がり性能の高さを証明する走りだったと思います。
以前から血統背景自体は高く評価をしています。早期から動けるタイプのハーツクライ産駒ですが、まだまだ未完成の印象が残る一頭です。そういった中でハイレベルな一線級の中で善戦できているのはやはり能力の高さだろうと思います。
その上で、やはりトモの不安などから来る追走力の無さや、不器用感は課題になるか。大箱向きの適性を求められるため血統的にはフィットしていると思いますが、前走のドバイに比べればコンパクトなコースになる分、やはり条件としては悪くなるように感じます。4歳を迎えて追走力などその辺りに少しでも進歩があればと思います。
差しが活きる展開・馬場で更にスムーズに回ってこれる展開で一考したいところです。
✅ウインマリリン
ドバイSC6着から臨みます。
父がRoberto系の中でも軽さを持ち合わせるスクリーンヒーロー。母父にはミスプロ系の中でも速さが目立つFusaichi Pegasusという配合、。Roberto×ミスプロのNashuaの追走力が補完されているタイプで、更にそこにBold RulerなどのNasrullahを多く含んだ追走力増し増し血統。父単体で見れば広いコースの方が適性としては向きやすいのは確かですが、母方で機動力等の父に無い要素もカバーしている安定タイプとも言われる血統構成で、比較的色んなコースや馬場をこなす適性がある血統と感じます。
昨年のこのレースでは3着に好走。特に、それ以前は精神面も含めた一時的な不調期にも陥っていた印象で、そこからの復活のきっかけを掴んだレースであったと言えるでしょう。そういった少なからず万全では無い状態で後のG1馬2頭と小差のレースならば十分評価できる内容。昨年に比べメンバーレベルは上がりますが、適性を含めた地力面はそこまで差が無いだろうと感じます。
また、実績のある右回りに戻るのも大きい。特に前走は相手も強かったとは言え久々の左回りも響いたように感じます。
なるべく内目の枠が欲しい所かとは思いますが、機動力や持続力が活きる展開になれば、ここでも十分に上位人気勢とやり合える存在だろうと見ています。
✅ヒシイグアス
大阪杯7着から臨みます。
父ハーツクライに母父はStorm Cat系のBernsteinという血統。ハーツクライのスピード源であるBupersを母方のBusandaで刺激した好相性の配合です。母のラリズは🇦🇷の牝系ですが、どちらかというとダート的な速さを持ちつつ、南米牝系らしい豊富な体力を出すタイプ。兄弟のミッキーシーガル、スミレらのダート短距離実績からもそういった面が見て取れるかと思います。
ハーツクライ×Storm Bird系という配合ではウインバリアシオンやワンダープチュック、ステラロッサなどがおり、Storm Birdからくる馬場融通の広さが特徴になる馬が多いのも一つの傾向です。
同馬はその典型例と言っても良い。基本的には速い馬場に強いタイプですが、時計が掛かるタフな馬場や展開も広く対応できると見て良いでしょう。
前走の大阪杯は外枠が響いた印象。内前有利のコースレイアウトと高速馬場というシチュエーションで、終始外を回す展開ではかなり厳しかったように思います。近い位置で競馬したダノンザキッドが3着に入っていますが、同馬は揉まれたりスムーズさを欠く事が極端にマイナスになるタイプという事もあり、外枠でもパフォーマンスを上げた稀有な例として見て良いだろうと判断。そういった意味でヒシイグアスが上位に来れなくとも致し方が無いだろうと感じます。
また、間隔を詰めた事と、それが影響しているのか馬体重の大幅減があった事も触れておきたい敗因。総じてここでの敗戦はそこまで大きくマイナスにしなくても良いだろうと判断します。
今回は約4か月間隔を空けてきており久々は歓迎。また、初の札幌コースですが、融通性のある血統背景や香港での走りを見ても十分こなせるレベルにあるだろう。極端に時計が掛かるようなシチュエーションにならなければ概ね対応できると思います。
当日の状態は精査しつつ、評価はしておきたい一頭です。
✅マテンロウレオ
天皇賞・春5着から臨みます。
父はトニービンを内包し晩成傾向にあるハーツクライ。母父にはRoberto系の中でも特に馬力のあるブライアンズタイム。母の奥には早期からの追走力を助長するDanzigを内包し、ビリーヴなどを輩出したGreat Lady Mに当たる良血牝系出身の血統馬。早期から動けるタイプのハーツクライ産駒という見方が出来る血統構成です。
前走の天皇賞・春は初の長距離戦。長距離ではより不利になりやすい外枠からのレースでしたが、徐々にポジションを上げながら立ち回る鞍上の好騎乗もあり5着に好走。今年から京都に戻り、あまりステイヤーっぽさを求められるようなレースでは無くなりましたが、それでも立ち回りの上手さや長く脚を使える点等、評価すべき点は多かったなと感じます。
元々の適距離に戻る今回は前進が期待できるだろうと思います。
ただ、血統的にはブライアンズタイムから硬さや耐久性、Danzigなどから前向きで一本調子感が助長されており、追走力もある点から基本的にはワンペース気味で立ち回りの上手さを活かせるコンパクト目なコースの方が良さが出るタイプ。
そういった意味で札幌替わりは悪くは無いですが、はっきりとした大箱向きというタイプでも無い分、特段上積みも薄そうな印象。
内枠を引くなどして立ち回りの上手さを活かせるシチュエーションで評価をしたいと思います。
✅ラーグルフ
大阪杯11着から臨みます。
父はRoberto系のモーリス。母父はFairy King系のファルブラヴで、持続力と馬力がでるSadler`s Wells×Fairy Kingのクロスを持つ配合。加えてRobertoのクロスを持つ重さのある並びをしています。
母方はBold Rulerのクロスが効いている追走力の豊富な小回り向きのタイプ。皐月賞馬ノーリーズンや欧州の名種牡馬グリーンデザートやトワイニング、ワンアンドオンリー、テーオーロイヤルなどを排出した底力のある名牝Courtly Dee系出身です。総じて、持続力や追走力を活かせるシチュエーションに強い血統構成と言えるでしょう。
前走の大阪杯は上がり2位の脚を使う物の11着に大敗。後手に回ってしまい、後方からのレースになってしまったのが最後まで響いた印象。ただ、2走前の中山記念は決して外差し有利のレース展開では無かった中で後方から外を回して2着に食い込んだ評価できる内容。改めて小回り向きの追走力や俊敏さがある点を見せてくれたと言える。
元々、内をロス無く回ってくることもできる器用さも持ち合わせている為、枠や展開によって競馬ぶりに選択肢が取れるのは一つプラスになると言って良いと思います。
その上で、母方のSeattle Slewのクロスなど、大箱向きの柔らかさも持ち合わせる血統をしており、大箱コースでもそこまで変わりないパフォーマンスを発揮出来ているのは今回プラスになると見る。むしろ丁度良い塩梅と言っても過言では無いだろうと思います。
能力的にこのメンバー相手にどこまで通じるか、展開がハマるかどうかはさておき、血統背景から見る適性は申し分無いと思います。
✅ソーヴァリアント
鳴尾記念12着から臨みます。
父はステイゴールドの後継オルフェーヴル。母父がRoberto系の中でも大箱向きの軽さと柔らかさを持つシンボリクリスエスという配合。母は桜花賞3着の実績があるソーマジックという血統馬で、半姉にはG1でも好走したマジックキャッスルや3/4同血に当たるソーグリッタリングらがいます。母方を辿るとジェンティルドンナやロジャーバローズなども輩出しているBeau Darlingに当たる良血牝系出身で、比較的大箱コースやスピードに乗りやすいシチュエーションに強い一族の出身と言えるでしょう。
その上でLt.Stevens×Thongなど、持続力を助長するタフな要素もしっかりと持ち合わせています。父や母父など、一見すると重さも感じる配合ですが、スピード要素や軽さも多く持ち合わせている並びになっており、基本的には高速馬場やスピードを発揮しやすいシチュエーションで能力を発揮するバランスの良い血統構成と言えるでしょう。
チャレンジCを連覇しているなど実績はありますし、ここ3走は1番人気を背負うなど、多くの人が認めているようにここでも地力は上位の存在。ただ、特に精神面の影響が顕著に出やすいタイプでもある為、走りぶりに安定感が無いのがネック。
元々スムーズな競馬がプラスになる牝系の出身ではありますが、それにしても揉まれたり被されたりすることでレースを止めるような形になってしまう面が強いと言えるでしょう。
そういった所をカバーして運べるかどうかが最大のポイントになると思います。条件が噛み合った時のパフォーマンスは素晴らしい物がある為、スムーズに回ってこれるかどうかで判断したいと思います。
✅トップナイフ
ダービー14着から臨みます。
父がWar Frontの後継に当たるデクラレーションオブウォー。母父がNureyev後継のスピニングワールドという配合。半弟には小回りコースの重賞で好走したステラウインドがいる。
Rahy≒Once Wed(Blushing Groom×Halo≒Drone)のニアリーに加え、父父と母父父がNorthern Dancer×Forli同士の配合とあり、欧州方面の前向きさ、特に持久力に優れた方面の前向きさが助長されており、タフ過ぎるシチュエーションを除き、タフな展開に強いタイプの血統構成になっている。加えて、豊富にNasrullahを持っており追走力にも秀でている。器用さや持久力が活きる展開に強いタイプと言えるでしょう。
前走のダービーは上がり2位の脚を使う物の14着と大敗。1000m通過が60.4秒、マイルの通過が98秒と言った近年のダービーでは稀にみるスローペース。これを後方待機では届くはずも無いというような展開のレースでした。
そもそもハナ差2着と健闘したホープフルSでは逃げて粘っており、血統的にも持久力を活かせるそういった積極的な競馬の方が合っていると言える。ここ2戦の後方待機策は同馬の血統に合っていなかったとも感じます。
今回どういった競馬を選択するか分かりませんが、元々のスタイルでもある積極的な競馬で持久力を活かせる形に持っていければチャンスあるだろうと感じます。
✅ウインマイティー
マーメイドS2着から臨みます。
父はステイゴールド後継のゴールドシップ。母父がAlydarの後継で素軽さも併せ持つカコイーシーズという配合。母のアオバコリンは交流重賞でも好走歴のある、ダート実績のある馬。奥にはSeattle Slewの半弟馬Lomondや、RibotやTeddyなどダート方面のスピードと馬力を助長する要素を抱えた牝系出身で、一族にはヘヴンリーロマンス~アウォーディー・ラニなどがいる血統馬です。
Seattle Slewの近親馬を内包している血統馬らしく、Seattle Slewの追走力が活きる阪神内回りや下り主体コースでの好走が目立つ。それだけに平坦コースで大箱向きの柔らかさや追走力が活きやすい札幌コースは適性として悪くない印象を持ちます。
また久々の洋芝ですが、父がステイゴールド系という事もあり問題はなさそう。総じて前走ほどでは無いですが、血統背景から見た適性はしっかりとあると感じます。
ただ、有馬記念では6着に健闘していますが、やはり牝馬限定戦での戦歴が目立つ。牡馬混合戦の一線級の相手ではやはり地力で劣ると言わざるを得ない。適性面で上を取れるかどうかを精査していきたい。
✅イズジョーノキセキ
クイーンS5着から臨みます。
父はRoberto系のエピファネイア。母父にはキングカメハメハで、母方にはミスプロのクロスで、柔らかさと前向きさに富んでいる。故に同父×母父の配合からはデアリングタクトやクラヴェルやソネットフレーズなど牝馬の活躍馬が目立つことも特徴の配合です。NashuaクロスやBold Ruler系のSeattle Slewのクロス(Tee Kay≒Slew o'Goldとも)を中心にNasrullah色が強く、更にはHaloも掛かっており俊敏な動きが期待できる。総じてスピードの持続力・追走力、更にはコーナーなどから早めに動いていって前を捉える前向きさに富んだ血統構成です。
前走のクイーンSは上がり3位の脚を使うも5着。手応え良く4コーナーを回るも、追い出しが遅れてしまい脚を余していた印象です。また、57キロという牝馬にとっては酷な斤量を背負っていた事や初の洋芝なども響いただろうと思います。相手は強くなりますが、慣れが見込めて一叩きして斤量も軽くなる点から条件自体は悪くないだろうと思います。
以前から述べていますが、父のイメージ以上に内で立ち回れる点や、追走力が豊富にある分、器用な立ち回りや早い流れにもしっかりと対応できる点が同馬の強み。
展開待ちな所はありますが、内を引いて捌いて来れるようなら浮上があってもおかしくないだろうと感じます。
✅ヤマニンサルバム
函館記念11着から臨みます。
父はフジキセキの後継に当たるイスラボニータ。母父がLyphard系の中でもより柔らかさや欧州的な前向きさに富んだホワイトマズルという配合。母ヤマニンエマイユは短距離~マイルを主戦場にして6勝を挙げているG1出走経験もある馬。一族には三冠牝馬スティルインラブやオークス馬ローブデコルテ等がいる血統馬。一族全体を見回すと牝馬の方が活躍が目立つのも特徴の一つ。Domino血脈やFair Playと言ったスピード要素を豊富に持つ牝系出身なだけに、スピードが不足しがちな牝馬と相性が良いのかなと分析します。
同馬に関しては、牡馬という事も含めて本質的には短距離向きのスピードを持っている並びの血統ですが、トニービンやダンシングブレーヴなどの柔らかくタフな血統の影響で距離をこなせるタイプになっている印象の血統構成です。
血統背景通り、短距離でデビューしましたが、徐々に距離を伸ばしOP入り。基礎スピードの高さを活かした安定した先行力が武器の一つと言って良いでしょう。
ただ、重賞クラスではその先行力や追走力など含め通用していないのが現状。確かに、力を要する馬場があまり向いていないという見方もありますが、それでは洋芝コースで力を出し切れない可能性が高い。そういった面からも、ここは評価しにくいと感じます。
✅ユニコーンライオン
函館記念12着から臨みます。
父はStorm Cat系のアメリカの短距離の芝G1勝ち馬No Nay Never。母父には耐久性や柔らかさに富んだSadler`s Wells系のHigh Chaparral。半兄には仏の短距離G1を制しているThe Wow Signalがいる血統馬です。
母の奥と併せて豊富なNasrullahを抱えており、特にSecretariat≒Drumtopなどの多数のNasrullah×Princequilloを持ち、父らしい前向きなスピードと持続力と追走力に富んだ血統構成です。
3走前には豪州のクイーンエリザベスSに挑戦。初の海外に加えて59㎏の斤量、更にこのコースでは痛恨の大外枠からの発走になり、馬場もタフと同馬にとっての悪条件が揃った印象の一戦。その中で約0.7差の5着なら、だいぶ健闘したと個人的には思います。
ただ、その後の2戦が続けて2桁着順と精彩を欠いている。元々米国血統の産駒らしく好凡走の差が激しいタイプではありますが、自分の展開に持ち込んでいる中での結果であることからも、疲労が抜けてない等の状態面に課題がある可能性もある。
また強力な同型がいる事からも、楽には自分の展開に持って行けなさそうな所も懸念点に上げられる。
依然、自身の展開に持ち込んだ際は軽く扱えないでしょうが、ここでは評価しにくい一頭です。
✅アフリカンゴールド
血統評価:C-
天皇賞・春、競争中止から臨みます。
父はサンデー系の中でも欧州的なタフさ・前向きさのあるステイゴールド。母父にはミスプロの中でも強烈なスピードを持つGone Westという配合。母の奥にDanzig系のDanehillを持ち前向きなスピード要素や一本調子感を助長。米国指向・欧州方面の両面の前向きさを活かした積極的な競馬が合う血統構成と言えます。
前走の天皇賞・春は積極果敢にハナへ行くも、2週目に入る辺りで後退しそのまま競争中止。心房細動による競争中止で大事には至らず何よりという所。色々物議を醸したようですが、悪質な事象がある訳でも無いですし、やる事をやった中での物。批判が有ったりするのはお門違いと個人的には思います。
基本的には溜めながら逃げるのが同馬の形。前走のような強引目な逃げはかなりのレアケースと言っても良いか。それだけに、他の先行活力が高い同型に展開は握られるのではないかと感じます。
自身も自分で作る展開以外は脆いタイプだけに、そういった中で好走するのは厳しいと判断。
前走からの体調面もあるでしょうし、ここでは評価しにくい一頭です。
~~まとめ~~
✅現状の評価
本日は以上になります。
最後までご覧頂きありがとうございました‼️🔥