見出し画像

菊花賞 血統解説❕🔥


こんばちわ!!

こちらでは今週末の菊花賞の血統解説を行っていきたいと思います❕

今年からようやく京都開催に戻る。その間に、活躍している馬の血統も大きく変わった事で、このレースの傾向も変わるのか、、、と言った所も念頭に置きたいと思います❕

それでは今週もよろしくお願いします❕🔥





~~京都3000m、コース解説~~



向こう正面の3コーナー手前、ちょうど上り坂に入り始めた辺りからスタートし外回りコースを一周半します。最初のコーナーまでの距離が短い点や、スタートしてすぐに上り坂スタートという点。また全馬が初経験の距離という事もあり、基本的には先行争いは激化しにくく、内有利になりやすいです。

また、前述の初経験の距離という背景もあり終始スローで流れる事も多く、2週目3コーナー辺りから如何に長く脚を使えるかどうかと、しっかりした上がり(トップスピードの質)を求められる傾向にあり、基本的にはスタミナ豊富なステイヤータイプよりは中距離タイプで上がりもまとまってるタイプが活躍しやすいです。

また、京都最大の特徴でもある3~4角の下り坂で勢いを付けられる下り坂血統も重要になるが、その上で、勢いを付けながらも直線に備えられる器用さや機動力、操縦性も求めれる傾向にある。







〜〜菊花賞、好走血統〜〜



✅長い上がりを使える欧州血統
✅(サンデー系×欧州血統)
✅下り坂血統



下記は天皇賞・春の血統考察記事です。近いコースという事もあり、少し比較をしながら話を進めたいと思います。好走傾向の所だけでもちらっと見てもらえたら幸いです。


BOOKERS(ブッカーズ)



✅長い上がりを使える欧州血統



天皇賞・春での考察に挙げたポイント同様、この菊花賞ではステイヤー感はあまり必要無いと言いつつも、長い上がりを使うという意味でスタミナに富んだ血統を評価しておきたい。具体的にはNijinsky、トニービン、Lyphard、ノーザンテースト、Roberto、Sadler's wellsなどが挙げられます。距離経験が乏しい中での長距離戦ですので、多少のタフさはプラスになる傾向にあります。

その上で、上がりを発揮しにくい"という点からSadler's wellsやRobertoなどと言った欧州血統の中でも重く硬い部類に当たる血統(特にこの色が強い血統)を軽視したい。
現在の日本競馬で多く見られるこの血統はあまりその辺りの重過ぎる部分を感じなかったりもするので、そこまで気にする必要もないが、主張が強い場合には注視しておきたいポイントでもあります。

また、初距離経験というシチュエーションにおいてはNijinskyの血が優秀なのは抑えておきたいポイントでもある。

逆に扱いに注意したいのはハーツクライを始めとしたトニービン持ち。トニービン持ちはトモの完成の遅さから晩成傾向にあります。その晩成具合が菊花賞には間に合わない傾向にあります。
最近のこの血統は他の血統が良い具合に絡んでいるおかげもあり、早期から活躍している場合も多いが、基本的には晩成気味であるという前提を覚えて置きたい。

まとめると、Nijinsky、Lyphard、ノーザンテーストなどを特にここでは評価したい。




✅(サンデー系×欧州血統)



以前の京都開催ではディープインパクト産駒が3連勝しているように、質の高い上がりに特化しやすいサンデー系に分が上がりやすいと言える。その上で、前述した点も含めた欧州血統を持つタイプは好相性の血統と言える。




✅下り坂血統



コース解説でも触れているが、京都コース、特に外回りコースの最大の特徴は3コーナーの坂と言える。3~4コーナーの辺りは下り坂になり、直線はほぼ平坦の為に下り主体のコースとなる。そういった意味でこの勝負所の下り坂で我慢をしながら如何にスムーズに勢いを付けながら加速しつつ直線に備えられるかがポイントになってくる。

ここでスピードに乗り切れなかったり、スピードが不足して付いて行けなくなるとほぼ勝負が決まってしまう。
この下り坂を活かせるかどうか、血統的にそういった素養があるかは非常に重要になってくると言える。

具体的にはPrincely Giftを中心にしたNasrullah系。そしてKlaironや非力さのあるHabitatなどと言った辺り。
中でもこのPrincely Giftを内包しノーザンテーストを併せ持つステイゴールドやその後継達は注目出来ると言えるでしょう。

また、念頭に置きたい話しに戻るが、傾向が変わりやすい点としてはこの要素が最も大きいだろうと見ています。

今までは、欧州要素を内包するディープインパクト産駒が鉄板級で能力を発揮していた為に、この要素が強い馬達が、足りない・間に合わないという事が多々あったように思う。
ただ、ディープの時代も過ぎ、その後継達や新進気鋭の種牡馬達の時代に代替わりした事もあり、この要素を持つ馬がより目立ち始めるのでは?と思っています。
実際問題として適性が変遷する訳では無いのですが、特にこの要素を強調する価値は十分あるだろうと思います。








〜〜菊花賞、出走馬血統解説〜〜



*ここでは血統評価をA〜Dで評価していきたいと思います。たまにSが出てきます。笑
基準は下記の通り。 


①好走血統に沿っているか。
②そのレースで求められる能力に沿っているか。
③その馬が前走より血統的に条件が良くなるか。
④素質を感じる血統背景であるか。


の以上4点。加えて、そこからその他条件がついて回り、それが良い方に出そうか、悪い方に出そうか、その辺りを±を付けて評価していきたいと思います。



✅ソールオリエンス

血統評価:S


セントライト記念2着から臨みます。

父がディープインパクトの全兄ブラックタイドの後継に当たるキタサンブラック。母父がSadler's Wells系の中でも柔らかさや欧州方面の前向きさを持ち合わせるMotivatorという配合。母はスキアなので、半弟(3/4同血)にヴァンドギャルド、フォティノースらがいる血統馬です。
アウトブリードベースで更にやや重そうな字面が並んでいる配合ですが、欧州方面の前向きさがあるMotivator~Rainbow Questという並びやDanehill、Green Dancerと言った、基礎スピードのあるNorthern Dancer系を内包し重すぎない仕上がりになっている好バランスの血統構成に感じます。

今春には皐月賞を制した一頭。前走のセントライト記念では不利な外枠からのレースになってしまった。終始外を追走し後方から運びましたが、結果は同馬より前で運んだ勝ち馬を捉えきれず2着という内容でした。
勝ち馬に遅れこそ取り上がりタイムでも0.1劣ってはいますが、ラスト1Fが加速ラップでしたし、不利な外を回した分や、勝ち馬の仕上がり具合、加えて初めての高速馬場でのワンペース気味のラップになった事などを加味すれば十分に改めて力を示した内容だったと感じます。

当然ながら初の長距離戦ですが、元々折り合いにはそこまで難が無いタイプなのでそこまで苦にしないでしょうし、前走の脚の使い方を見ても血統通り(主に父キタサンブラック+Red Godという点)下り坂コースはやはり合いそうな印象を持ちました。
好走血統でも挙げたノーザンテーストやNijinskyもしっかり内包している。Sadler's wellsは”重い”と取り上げましたが、同馬が持つMotivatorに関してはスピード面を巻き込んでいる為、問題無いと判断。

正直、今年から京都に戻るのはこの馬にとってはツイていると言い切れるレベルで合っていると思います。
前走のような差し損ねはあるかもしれませんが、血統面から見た適性と上がり性能を主にした地力面はこのメンバーでは最上位だと感じます。







✅タスティエーラ

血統評価:C∔


ダービー1着から臨みます。

父はトライマイベスト系の中でもタフな血統を多く内包するサトノクラウン。母父がドイツ血統を内包するマンハッタンカフェと言う配合。カンパニーやトーセンジョーダンなどがいる晩成傾向にあるクラフティワイフの牝系出身で、やや奥手感のある配合になっています。
祖母ラインでVice Regent≒ノーザンテーストを持っていたり、母父内包のTom Rolfe、父方のMachiavellian、Miswakiなど、全体的に馬力・パワーに長けた並びになっており、タフな要素が揃っている血統構成。時計が掛かるシチュエーションや追走力を問われず長く脚を使う展開に強いタイプと言えるでしょう。

ダービー以来の1戦。そのダービーでは超スローペースからの瞬発力勝負になった事で、時計も遅く、世代レベルを含めたこのレースのレベル自体や同馬のレベルを疑う声もチラホラ散見されていたように感じています。こういった流れになると、馬の地力よりも序盤の位置取りや各騎手の判断力の方が問われてしまう為、馬の力が介入しにくい。そういった背景もあり、同馬の能力が正当に評価されていないようにも感じていました。

ただ、個人的には血統背景も合わせると十分評価できる内容だったように思う。
血統的には瞬発力に特化したタイプでは無く、前述もしているが比較的馬力やタフさが目立つタイプ。そういった事もあり、ダービーのようなレースではキレ負けをする可能性も十分あった。どちらかと言うと皐月賞のようなレースの方がしっくりくる。そこをカバーする乗り方をした鞍上ももちろん見事ですが、それに対応した同馬も同等に評価すべきと感じています。

タフな皐月賞と、瞬発力を求められたダービーとで両対応した事実は評価すべきですし、特に今年は例年よりもダービーと菊花賞の関係値が深いと思っている。(例年は高速持続戦になりやすいが今年は上がり特化なレースになっている分)そういった背景から、前述のソールオリエンスもそうですが評価すべきと見ています。

その上で、血統背景から見た適性は次点レベル。欧州要素は揃っていますが、本来は後半勝負向きでは無いタイプでどちらと言うと総合力で勝負するタイプ。また、馬力やパワーがある分、真価は急坂で発揮される点も含め、下り主体コースではスピード負けの(勢いに乗り切れない)懸念もあると見る。

とは言え、立ち回りの上手さを活かして様々なシチュエーションを卒なくこなす能力はしっかりと評価すべきだけに軽くは扱えない。人気3頭の中では、一枚劣る評価ですがこれまでの走りぶりから評価すべき一頭です。








✅サトノグランツ

血統評価:B∔


神戸新聞杯1着から臨みます。

父はディープインパクト後継の中でも軽いスピードと俊敏性、豊富な体力があるサトノダイヤモンド。母父がDanehillの後継でより一本調子感のあるOratorio、母はイタリアの重賞で活躍したチェリーコレクトという血統馬です。近親には弥生賞2着のワーケア、欧州オークス2冠のSae of Classがおりその他イタリアでの実績馬もいる。また重賞でも好走を見せているディープインパクト産駒のダノングレースやダイアナブライトらとは3/4同血という関係性に当たる。
Orpen≒DanehillからDanzigの一本調子感や前向きな速力を取り込んでおり追走力を助長していますが、母方の欧州方面の柔らかさによって溜める上がりの使い方も出来る印象の血統構成になっており、長く脚を使って持久力を問われるような展開に強いタイプに感じます。

前走の神戸新聞杯の内容が秀逸。鞍上の進路選択の素晴らしさも当然光りましたが、それに応えられる加速性能。具体的には、直線の加速で置いて行かれないながらも、狭い所で一瞬でトップスピードまで持っていける加速力は並みの脚力では到底できない事。素直に評価すべきだろうと判断します。

基本的に体力豊富な子が多い傾向にあるサトノダイヤモンド産駒らしい所が出ているタイプで、距離延長や下りの惰性を活かせる京都外回り自体は合う印象がありますが、そういった面を評価する上に置いてどうしてもDanehillの主張が強い点はマイナスに映ってしまう。
このDanehillという血統はスピード色が強いだけに、主張が強いと長距離戦においては顕著にマイナスになってしまう。評価する上でこの点は注意しておきたい。

追々は中距離の高速持続戦でパフォーマンスを上げて来そうにも思いますが、前走の競馬ぶりと父を主にした全体的な血統象からは評価すべき一頭に感じます






✅ファントムシーフ

血統評価:C-


神戸新聞杯3着から臨みます。

父がDanzig系の中でも欧州指向なハービンジャー。母父がSadler's wells系の中でも軽さを持ち合わせるMedaglia d'Oroという配合。奥にはDanehillとNorthern Dancer色の強い並びになっており、更にDansili=Promising Leadの2×2という強烈なインブリードを持つ。
緩くなりやすいハービンジャー産駒ですが、強烈なインブリードや主張の強いNorthern Dancerの掛け合わせによって、締め上げて軽いスピードを与えたような血統構成です。

前走の神戸新聞杯では逃げる形になってしまった。押し出されるような形になってしまったと見ており、意図した物では無かった印象。その分、同馬の持ち味が活きなくなってしまったかなと言う印象ではありますが、その中で僅差の3着に粘ったなら一定程度の評価は与えても良いかなとは思います。

その上で、基本的には前述の通り軽いスピードを与えたタイプの配合だけに、マイル~中距離の高速持続戦で、というイメージが強い。距離が伸びてプラスにはなりにくいと感じます。

ダービーのようなスローペースになるのは基本的に合わない事もあり、そういったペースになりやすい面でも長距離戦はフィットしにくいと感じる。前走のように、前々で運んで自分で展開を作って行ってチャンスを作れればと思います。







✅ドゥレッツァ

血統評価:B-


日本海S1着から臨みます。

父がキンカメ後継の良血馬ドゥラメンテ。母父がサンデーを通さないHalo系の中でもダート方面のパワーや前向きさに優れたMore Than Readyと言う配合。母は豪州のG1を制しているMore Than Sacredという血統馬で、Danehillから豪州らしいスピードを受け継いでいるタイプですが、牝系を辿ると欧州G1を制しているMarjuやSecond Empireらがおり、HyperionやDonetelloと言った欧州の重い血統も兼ね備えている配合
基本的にはスピード色が強い母方ではありますが、奥には底力の要素もある分そこまでスピードに傾いてない印象の血統構成になっており、バランスの良さを感じます。そういったバランスの良さから、基本的には父が活躍していた芝中距離と言うのが守備範囲になるかなとは思います。

新馬こそ3着に敗れましたが、以降は4連勝でこの舞台に。勝ち方に派手さはありませんが、堅実に脚を伸ばし古馬相手でも難なく勝利を収めてきた辺りは評価しても良いだろうと思います。
前走が菊花賞と関係値が深い新潟2200mでのレースだった事も取り上げてポイントではある。

ただ、ここまで少頭数でのレース経験が主で、あまりタフな流れでのレース経験もない。追走負荷が比較的軽いレースでの連勝と言うのは注意しておきたいポイントである。特に前走なんかは中盤以降のラップは優秀ですが、全体時計や2200mらしい流れという観点から同週の阿賀野川特別(2勝C)の方が個人的には評価出来たりする。そういった中で(騎手も併せてだろうが)上位に評価されているなら、評価の仕方は注意したいなと感じます。

適性自体は悪くないが、過度な期待は避けたいと思っております。







✅ノッキングポイント

血統評価:D∔


新潟記念1着から臨みます。

父はRoberto系のモーリス。母父がキングカメハメハという配合。母はオークス2着の実績があるチェッキーノ、祖母はハッピーパスという血統馬で近親にはコディーノやサブライムアンセム、シンコウラブリイなどがいる良血牝系です。
Sadler's Wells≒NureyevのSpecialクロスを含んだForliなど、豊富なHyperionを持ったスタミナ・底力の豊富な血統の並びをしており、母方の軽めのスピードを持続させるような血統構成になっている。

前走は新潟記念で古馬を撃破。古馬の中でもあまりレベルが高く無かったメンバー構成に加えてハンデも絡んでいたとはいえ、一定の評価はすべき結果と感じます。
その上で、前走もそうですが、以前から『あまり上がりに特化している訳でも無いタイプの血統ですがその中でも上がり最速の脚を使ってきたのは良い意味でイメージと違う走りと言える。モーリス産駒にしては大跳び気味に映るのも印象的である。』としており、この字面以上に大箱コースに対応できるのは良い面と言える。
この側面は地力を含めて、今回はプラスに出るだろうと感じます。

ただ、本来はスタミナ・底力に加えて機動力のあるタイプな分、小回り気味のコースの方が良さが出そうなタイプ。その分、血統評価は低めですし他の適性がある馬に後れを取る可能性はありますが、ここでも上位に来てなんらおかしくない存在と感じます。







✅ハーツコンツェルト

血統評価:B∔


神戸新聞杯5着から臨みます。

父がトニービンを内包するハーツクライ。母父がミスプロ系の中でも速いダートへの適応力があるFappiano系のUnbridled's songという配合で、同父×母父ではスワーヴリチャードやノットゥルノ等がいる好配合です。特に母の奥にSeattle Slewを内包する辺りスワーヴリチャードとも共通点があると言って良い並びになっている。
その上で、早期からの追走力を助長するDanzigを内包していたり、ハーツクライと相性の良いNijinskyと近しい血統であるThe Minstrelを内包していたり等、スワーヴリチャードに比べれば早期の段階の完成度は高い血統と言える。大箱コースでスピードを発揮するのに向いたタイプの血統構成です。

前走の神戸新聞杯は大外枠からの発走で、終始外からの競馬になってしまった。馬場的にもコースレイアウト的にも不利な外追走では苦しかったように思いますし、そういった中で0.1差の5着は評価すべきと感じます。

その上で、距離延長自体はイーブンと言った所。前述で引き合いにだしたスワーヴリチャードっぽさを感じているように、基本的には中距離の高速持続戦向きと見ている。父単体で見れば延長は問題無いですが、仕上がりの早さを含めた母方のスピードがどこまで効いているかがポイントだろうと思います。

流れがしっかりと緩む、このレースらしい流れになればチャンスがあっても良いだろうと感じます。また、前走の敗戦で必要以上に人気が落ちるようなら一票入れておきたい








✅サヴォーナ

血統評価:D‐


神戸新聞杯2着から臨みます。

父はディープインパクト後継のキズナ。母父がDanehill系のスニッツェルという配合。祖母のラプーマは米国産馬ですが、牝系を辿ると豪州にルーツのある牝系出身で、近親には小倉2歳S2着の実績があるレオパルディナ等がいるように、スプリント寄りの基礎スピードがある牝系出身と言えます。
また、母父スニッツェルがStorm Birdを内包している事でStorm Birdのクロスを有している。このことから、父が持つStorm Cat~Secretariatと言った所が助長されており、平坦~下りの加速に強い追走力あるややスピードに向いたタイプの典型的なキズナ産駒になっている印象の血統構成です。平坦~下り主体のスピードを求められるシチュエーションが向きそうなタイプに感じます。

前走は先行し、スローペースの恩恵を受けた事もあっての2着。展開などに非常に恵まれたと個人的には感じています。(同馬を見て気付きましたが、神戸新聞杯はDanehill持ちの1~3着だったのですね)あまり過度には評価できない内容だったと感じます。

血統的にも、DanehillやStorm Birdを中心にしたNorthern Dancerの中でもスピード色の強い血統が並んでおり、牝系的にも決して長距離向きではない。2走前のようにワンペースで行けたり、前走のように前半でかなり楽をするなど、対応にはハードルの高さを感じます

下り主体のコースに替わる点はプラスと言えますが、それ以上に血統的に距離の厳しさを感じます







✅リビアングラス

血統評価:D∔


阿賀野川特別1着から臨みます。

父はディープインパクト後継のキズナ。母父がミスプロ系の中でも米ダートのクラシック路線で強さを見せるSmart Strikeの後継Curlinという配合。母は芝の中距離で2勝を挙げたディルがという血統馬です。
Storm Cat≒ロイヤルアカデミーⅡの3×3のニアリーを有しており、基本的にはNorthern Dancerの中でもスピード方面の能力が強化されている配合になっている。競り合って良さが出る要素もある分、追々ダート戦線などでの積極的な競馬で開花して行きそうな印象もある血統構成と言えます。

前走は裏菊花賞トライアルとも目される阿賀野特別を勝利。コースレイアウト上、終始過度に緩まないタフ流れでのレースになる点などが初距離になるこの菊花賞の距離延長に対応できる下地とも言えるため、関係値の深いレースになっていると言える。そういった阿賀野特別を勝利し、同週の3勝Cである日本海Sよりも早い走破時計であり、緩急があり上がりの掛かる展開を演出した上で勝ち切る辺りはよりここへ繋がってきそうな勝ち方と言える。前走のレース振りだけでも一票入れる価値はありそうです。

一方で、血統としては米国のダート指向なスピード血統が強化されている並びになっており、距離を伸ばして良さが出るタイプには思えない側面もある。逃げて展開を作る事でパフォーマンスを上げている辺り、米国指向な一本調子感があるとも取れる。そういった面からシンプルな距離延長、長距離という舞台では評価しにくい血統と言える。

そういった中で前走の内容を評価して一票入れるのはアリな一頭と言えると思います。






✅トップナイフ

血統評価:D∔


札幌記念2着から臨みます。

父がWar Frontの後継に当たるデクラレーションオブウォー。母父がNureyev後継のスピニングワールドという配合。半弟には小回りコースの重賞で好走したステラウインドがいる。
Rahy≒Once Wed(Blushing Groom×Halo≒Drone)のニアリーに加え、父父と母父父がNorthern Dancer×Forli同士の配合とあり、欧州方面の前向きさ、特に持久力に優れた方面の前向きさが助長されており、タフ過ぎるシチュエーションを除き、タフな展開に強いタイプの血統構成になっている。加えて、豊富にNasrullahを持っており追走力にも秀でている。器用さや持久力が活きる展開に強いタイプと言えるでしょう。

前走の札幌記念はG1でも活躍する古馬を相手に2着と大健闘。仕掛け所などが上手くハマった印象もありますが、それでも他馬より早く動き出し積極的なレース運びをした中での内容なので十分評価できると言えるでしょう。
血統通り、持久力が活きる展開に持ち込めた所も効いたと言える。

その上で、やはり距離延長や速いまとまった上がりが求められる展開やコース、大箱コースはあまり向かないと言える。
やはり、前走のように積極的な競馬や機動力、持久力が活きるコンパクトなコースでこそ良さがでるタイプ。

じゃあそういった競馬をすればいいじゃん、とも思うかもしれませんが、初距離というシチュエーションでは中々そうは行かない所もある。
前走は優秀だと思いますが、血統背景からは評価しきれないと感じます。







✅ショウナンバシット

血統評価:C


神戸新聞杯7着から臨みます。

父がディープインパクト後継のシルバーステート。母父がSadler's Wells系の中でも米国指向な軽さを持ち合わせるMedaglia d’Oroという配合。祖母はアメリカの2歳G1を勝利したオーサムフェザーという良血馬で、近親には同父系のスーパーフェザーがいる。
やや晩成気味にありそうなシルバーステートの産駒ですが、米国色が強く仕上がり速い母方によって中和されている印象。父系が持つ軽さやしなやかさを引き出す形にもなっており、速い上がりも使えつつ、父特有のタフさも持ち合わせる血統構成になっています。

以前の血統解説でも述べていますが、『先々で、中距離路線で条件問わずに安定して走って来れそうな素質がある』としており、血統背景のバランスなどから来る素質は評価しておきたい。
その上で、今回のような長距離に向いているタイプかと言うと答えは否。一見すると重めに映るシルバーステート×Sadler's Wells系の配合ながら、軽さも持ち合わせる分、長距離になるのはあまり歓迎では無いだろう。父単体で言えば評価できる舞台ではありますし、あまり距離適性等は加味する必要ないとは言え、この点は強調しておきたい。

本質は中距離のタフな展開で、だろうと感じます。







✅ナイトインロンドン

血統評価:A-


神戸新聞杯11着から臨みます。

父はディープインパクト後継の中でもキセキの近親に当たりマイル前後で活躍したグレーターロンドン、母父が名ステイヤーのメジロマックイーンという配合。
アウトブリードベースで気の良さや基礎体力を感じる並びになっておりますが、現代の競馬では珍しくTourbillonの系統が4ライン上でクロスしており、字面以上に持久力を感じる配合になっている。下り坂血統を内包する所からも、惰性を付けながら徐々に加速し長く脚を使う形が向いている持久力豊富な血統構成と言えます。

前走の神戸新聞杯は好位の外を追走し、ラストは切れ負けのような形で失速してしまった内容。再三になるが、馬場的にもコースレイアウト的にも不利な外追走では苦しかったように思いますし、このレースの質的にもDanehill持ちが上位を独占する程スピードを求められた一戦でもあったと感じますので、持久力に秀でた同馬がスピード負けしてしまうのも致し方が無いと感じます。

純粋なスタミナ面、距離適性であればこのメンバーの中でもトップクラスの存在と感じます。それこそ、今後の長距離路線を賑わすような存在になってもおかしくないと見ています。
また、加速に惰性を要するタイプでもある分、より強く下り主体である京都コースに替わるのはプラスになると言える。

速い上がりを求められると分が悪いので、他馬より先に動き出すなどしてカバーできれば面白い存在になるかと思います。






✅ダノントルネード

血統評価:D-


日本海S8着から臨みます。

父はトニービンを内包するハーツクライ。母父がSadler's Wellsの全弟に当たるFairy Kingの系統であるManhattan Rainという配合。母のシーウィルレインは豪州の短距離G1を制している血統馬で、豪州牝系らしいスピードが出た母方です。
母父がハーツクライと相性の良いNijinskyを内包している事で、ハーツクライのスピード源も刺激されており、牝系も合わせたスピードがしっかりと出ている印象の血統構成です。中距離指向な同産駒ですが、その同産駒の中でも比較的マイルや短距離に対応する可能性のあるタイプに感じます。

同じ京都外回りの京都新聞杯では2着に好走。ただ、前走の日本海Sでは道中でこの手の血統が苦手としている被されるシチュエーションがあった物の、それでも勝負所では全く抵抗できず、内容不足に感じました。

血統的にも、父のイメージ以上にスピードが効いた配合になっている為、距離延長のシチュエーションに向いたタイプでは無い
ここで上積みを見せるイメージは個人的には沸かない。








✅マイネルラウレア

血統評価:B-


神戸新聞杯8着から臨みます。

父はステイゴールド後継のゴールドシップ。母父にはサンデーを通さないHalo系のロージズインメイという配合。母はマイネボヌールなので、半兄には中長距離重賞で活躍しているマイネルウィルトスがいる血統馬です。
こちらは父がゴールドシップに変わった事で、よりスタミナに向き、重厚に不器用になったタイプ。配合的には半兄マイネルウィルトスの父スクリーンヒーローの方がSkylarkingの牝系クロスが発生するなど優れている印象ではあります。

2走前の同じ京都外回りの京都新聞杯では上がり最速の脚を記録するも、届かず5着。脚をかなり余している(見た目以上に)感じもあった為、個人的は申し訳ないが騎乗ミスと捉えている。ここでの走りに悲観する必要は無いと感じます。
父のイメージ通り、最もフィットしているのは京都外回りコースと感じますし、純粋に京都外回り替わりをプラスに捉えたい所。

配合面ではやや不完全さの映る血統ですが、父の血統とその長所を邪魔しないような母方という組み合わせ自体は悪くない。地力では劣ると思いますが、コース替わり・距離延長と言った所はプラスに捉えても良いだろうと感じます。








✅ウインオーディン

血統評価:C+


セントライト記念6着から臨みます。

父はRoberto系のエピファネイア。母父がIn Realityを内包するフジキセキという配合。母は短距離を中心に活躍しながらクイーンSを制しているピエナビーナスという血統馬。デフォルトのごとくサンデーの3×4を持っており、同牝系には欧州の名マイラーであるKingmanや名スプリンターOasis Dreamがいる欧州ルーツの牝系出身です。
Nijinsky×Princequilloの共通点があるマルゼンスキーとCaerleonを合わせ持っており、溜めを効かせ持続的に長く脚を使う事に向いている。加えて下り坂血統も内包していることから徐々にスピードに乗るようなシチュエーションが良いタイプです。

前走のセントライト記念では上がり上位の脚で追い込むも上位とはやや離されてしまっての6着という内容。不利な外枠からのレースでしたし、この馬なりには良く伸びているなという印象です。
基本的には後方から運んでどこまでという競馬になる為、展開に左右されやすいタイプではありますが、惰性を付けてスピードに乗って行ければしっかりと脚を使える点は強みと言える。そういった意味で、下り坂で惰性を付けやすい京都外回りに替わるのはプラスになると言えるでしょう。

どうしても足りない感は拭えませんが、ハマれば上位進出の可能性もある一頭に感じます。








✅シーズンリッチ

血統評価:B


神戸新聞杯10着から臨みます。

父がキンカメ後継の良血馬ドゥラメンテ。母父がトニービンを内包するサンデー系のハーツクライという配合。祖母のラシャルマンテはアルゼンチンの中距離重賞を複数勝っているという血統馬。Seattle SlewやIn Reality、Forty Ninerなどのダートの速い血統が並ぶ母方ですが、母方を辿るとTourbillonやHyperionなどの地力要素がしっかりとあり、南米牝系らしい豊富な体力と高速持続戦適性が出ているタイプ。
総じて、スピードに乗りやすい大箱コースでの持続戦に強い血統構成と言えます。

今春は毎日王冠を制し、ダービーでは0.4差の7着に健闘。外からスムーズに好位を取れたことが大きくハマった所はありますが、一定程度の評価すべきでしょう。
また、前走の神戸新聞杯も不利な外からのレースになってしまい、好位を取れた物の、スピードと加速力を求められた展開で苦しくなってしまったと言える。

前述もしていますが、本来は大箱コースでの持続戦に強いタイプなだけに、近走は展開的にもフィットしてないと見ている。そういった中で、ダービー7着など見所あるところを見せているなら、地力面も含めて一定程度の評価はしておきたい。

持続力を活かせる意味合いで距離延長は歓迎と言える。積極的な立ち回りが出来れば上昇のチャンスのある一頭に感じます。







✅パクスオトマニカ

血統評価:D


レパードS15着から臨みます。

父はサンデー系の中でもダート方面の馬力を持つネオユニヴァースの後継であるヴィクトワールピサ。母父がディープインパクトという配合。母はディープラヴなので半姉には牝馬ながら菊花賞で3着に入ったディヴァインラヴがいる血統馬。
ヴィクトワールピサ産駒は牡馬だとパワー・持久力タイプに出やすい特徴があり、父父らしい所が出やすい。そういった中でも同馬に関してはHaloの俊敏さが効いており、更にその父系であるTurn-toを豊富に持ち合わせている辺り、ヴィクトワールピサ牡馬の中でも素軽さを含むタイプと感じます。

ここまで先手を取り押し切るレースを主体としており、前述で素軽さのあるタイプとは言いつつも、実績的には典型的なヴィクトワールピサ産駒っぽいと取れる。そういった意味で本質的には馬力や俊敏さに長けたタイプで、小回り気味のタイプと言えるでしょう。

前走はダート戦で度外視可能とはいえ、血統的にはダートに替わってもやれそうなところがあっただけにもう少し見せ場が欲しかった。やはり地力で劣るのだろうと感じます。
ここでの上積みは難しいと判断します。








~~まとめ~~





✅現状の評価



◎ソールオリエンス
○ハーツコンツェルト
▲サトノグランツ
✔︎タスティエーラ
☆ナイトインロンドン
☆シーズンリッチ



✅現状の見解




現状の◎はソールオリエンス。

基本的には印上位4頭を最優先で評価したい。☆の穴馬2頭は気持ち程度に添えておく。

やはり、コース適性ももちろんそうですし、血統背景から来る適性も大事ではあるが、それ以上に地力面(格)もしっかり評価したいレースでもある。そう言った意味でG1でしっかりと結果を残したり、それに準ずるパフォーマンスを見せた馬は評価したい所。

そう言った意味で、このレースにおける血統的な適性も兼ね備えている◎ソールオリエンスを最上位評価とした。

脚質が極端目なだけに取りこぼす可能性もあるが、京都外回りの坂をつかってしっかりとスピードに乗って加速してくるシーンが今から思い浮かぶ。それほどには血統とマッチしている印象です。






本日は以上になります!

最後までご覧頂きありがとうございました‼️🔥


いいなと思ったら応援しよう!

大吉@血統予想
あなたのサポートが僕の励みになります!😊😊その励みを力に変えて、役に立つ記事を作成していければと思います👍🔥