凱旋門賞 血統解説❕🔥
こんばちわ!!
とうとうこの日がやってきました!笑
昨年は◎アルピ二スタが1着で◎→△→△と単勝、馬連、三連複など的中!🎯
一昨年は13番人気のトルカータータッソを含む△→▲→◎で三連複を、2020年は◎ソットサスと〇インスウープの本命対抗決着、2019年には☆ヴァルトガイストが1着で☆→◎→△、2018年には◎エネイブルで◎→▲決着と5年連続的中中🎯❕❕
私が最も自身を持っているレースの一つですので、今年も是非注目して頂けたらと思います!
それでは今回もよろしくお願いします❕🔥
注)登録馬や想定オッズがコロコロと変わっておりますので、順番がバラバラであったり、出走しない馬の記述もありますが、ご容赦ください。
〜〜ロンシャン2400m・コース解説〜〜
スタートして1000mほど続くバックストレッチ。約+10mの上り坂が続き、前半から脚を削がれる。コーナーに入ると下り坂に入り徐々に加速していくことになるが、ここでは長い直線に向け脚を溜めたい為に、各馬折り合いを付けられるかがポイントになる。
フォルスストレートを経て、500m超の直線に入る。
直線では内に仮柵を外した部分があり、インをロス無く追走した馬がそのままイン差しができるようになっている。
基本的にはラスト2F目に最速ラップが来てラスト1F目が準最速になりやすい。ラスト2F目でつけた勢いをラストまで持たせられるか。また、ラストへ向けてそういった脚を使えるように立ち回れるかどうかがポイントになる。
〜〜凱旋門賞・好走血統〜〜
✅欧州的なタフさのある血統
当然、ヨーロッパ特有の重い芝に対応できるように、また、コース解説の所で触れた『ラストまで持たせられるか』かどうかのポイントです。
具体的にはSpecialが最適。SpecialはSadler's wellsやFairy kingの母母、Nureyevの母に当たる名牝で、欧州では一般的な血統の一つです。
ロンシャンに戻ったここ5年で見ても、Special持ちは12頭が馬券に絡んでおり、特にSpecialクロスを持つエネイブル、ソットサス辺りは2年連続で馬券内に来るなど、適性の高さを見せた辺り重要なポイントの一つになる。
次に取り上げたいのは🇩🇪血統。🇩🇪血統全てではありませんが、スタミナや底力の根源でもあるHyperion色が強くタフさを補強してくれる傾向にあります。例えば一昨年の勝ち馬で昨年の3着馬トルカータータッソはSadler's wells系🇩🇪牝系種牡馬Adlerflug産駒で、3年前の2着馬インスウープも同じAdlerflug産駒。3年前の勝ち馬ヴァルトガイストは母父が🇩🇪血統のMonsunで牝系も🇩🇪生まれの一族。
遡ると2011年の勝ち馬デインドリームは🇩🇪生産馬。また、2010年の勝ち馬で種牡馬としてもシーオブクラスやクロスオブスターズと言った好走馬を輩出し活躍したSea the Stersも🇩🇪牝系出身のアーバンシーの子。即ち同じアーバンシーの子であるGalileoも同じく🇩🇪血統を内包する種牡馬。如何に重要度の高い血統であるかが分かります。
”溜めれば切れる”側面があるのもドイツ血統の特徴の一つで、そういった所もこのレースにある要素となっています。
また次点ではRibotやSharpen upなどの要素も取り上げたい。
Ribotは急坂にも耐えられるようなパワーを持つ血統で、日本では主にブライアンズタイムの母父であるGraustarkやDanehillの母父His Majestyの父で有名ですが、そのDanehill持ちも3年前の3着馬ペルシアンキングや2011年勝ち馬のデインドリームなどよく来ている印象です。
Sharpen upも同様にパワーを助長する血統。ここら辺は強く意識する必要はありませんが、やはり欧州のタフな芝に対応する意味でもパワーはあって無駄にはならないので、有ればプラスには捉えておきたい。特に3年前の例年よりタフな芝になったシチュエーションの中、マイラー種牡馬(と見ていた)のkingman産駒のペルシアンキングが3着に入ったのはこのSharpen upのクロスを持っていたのも一つの影響ではないかと思います。
まとめるとSpecial>🇩🇪ドイツ血統>Ribot・Sharpen upといった順。ラスト1Fでバテ合いが起こる訳ではありませんが、スピードを保つためにも必要になる要素と感じています。
✅柔らかい血統
これが実際にどういう血統か、というのは【大吉の血統講座Vol.1】を見てくだされば分かると思いますので、あえて詳細は省かせて頂きますが、私が言う"柔らかい"というのはあくまでも血統上の筋肉の質のようなもので"前を飲み込む力“という所を重視しています。
どういう事かと言うと、柔らかい馬と言うのは勝負所でストライドをスムーズに伸ばして加速する事ができます。つまり柔らかく無い馬に比べて相対的に脚が伸びてくる事なります。このストライドの伸びが良く言う上がりや切れ味などに繋がってくる訳です。
例として、ディープ産駒をイメージして頂きたいのですが、ディープ産駒は筋肉の柔らかさや鮮度が重要になる種牡馬ですが、早期の段階やフレッシュな状態ではしっかり上がりを使い勝ち切れる(前を飲み込み切れる)傾向にありますが、晩期や使い込んだ後では、硬くなってしまいその前を飲み込む力が失われます。結果、好上がりは使うものの、差し切るには至らないというケースを多く見たと思います。牝馬に比べて筋肉が硬い馬場にその傾向が強いのもそういった理由が絡んでるのでは無いかと思っています。
2019年や2020年にエネイブルが断然人気を背負いましたが、もしエネイブルを負かすならば『エネイブルの後ろから脚を使える馬だ』と考察しましたが、それはエネイブルが前を飲み込む力を長け過ぎている為、エネイブルの前の馬は一瞬でエネイブルに掃除されてしまうと考えていた為です。現にその後ろから更に前を飲み込みに行った☆ヴァルトガイストや◎ソットサスに軍配が上がった訳です。
*とはいえ2020年に関しては筋肉の硬化などによる前を飲み込む力の劣化も感じられたわけですが、、、
このように、欧州の馬は基本的にこの前を飲み込む力に長けた柔らかい血統の馬が多い。故に、言い換えれば前を飲み込む力比べになる。そして、それがラスト2F目に絶頂になると言うのがこのレースの傾向。ここの急加速に置いてかれずに加速出来るかどうかの指針として、上記のような要素を持っているかは意識したい。
例えば、昨年の勝ち馬アルピ二スタはAlzaoやDarshaanと言った柔らかい血統が効いた血統構成をしていました。
また、一昨年の勝ち馬で昨年は3着のトルカータータッソはMill Reefのクロスを持つAdlerflugの産駒。
2020年の勝ち馬ソットサスはSpecialクロスを持ち前述のタフさを持つ馬ですが、ミスプロを5×5×5×5と4本持ち、柔らかさも助長された血統構成となっている。
同レースの連覇を果たしたエネイブルもSadler's wellsの2×3という強烈なクロスを持ちつつMill Reef(Never Bend≒Bold Reason)やHabitat、ミスプロなどの柔らかめの要素が揃っていた。
2015年の勝ち馬Golden Hornは母父がミスプロ系。また、Habitat≒Sir Ivorを持ち柔らかさのある血統となっていた。
13.14年と連覇したトレヴは母方がRiver manの2×4と濃いめのクロス持ちとこちらも柔らかさが前に出た血統だった。
などなど、上位に来る馬達はそれなりに柔らかさの面で下地がある血統をしており、理由付けとして明白な一面とも言える。
イメージが湧きにくいかもしれませんが、柔らかい血統=前を飲み込む力=切れを発揮出来る、そしてその切れ味を求められるレースになりやすい、と覚えて貰えればと思います。
〜〜出走馬血統解説〜〜
*ここでは血統評価をA〜Dで評価していきたいと思います。たまにSが出てきます。笑
基準は下記の通り。
の以上4点。加えて、そこからその他条件がついて回り、それが良い方に出そうか、悪い方に出そうか、その辺りを±を付けて評価していきたいと思います。
✅エースインパクト
血統評価:B∔
ギヨームドルナノ賞(G2)1着から臨みます。
父は欧州の名種牡馬Frankelの後継にして英チャンピオンS連覇などの実績があるCracksman、母父がDanzig系にしてGalileoなどを輩出したAllegrettaの牝系に当たるAnabaa Blueという配合。母方はBlandfordやFair Triaなどを豊富に持つ英国ルーツの牝系出身で、同牝系にはJC3着の実績もあるウィジャボード~AustraliaやIbu Beyなどがいる欧州の良血牝系出身です。
ドイツ牝系出身の名牝Allegrettaのクロスを持っており、ドイツ血統由来の重厚なスタミナやSharpen upなどの馬力も持ちつつ、Danzigを3本持つことでスピード面も助長されているバランスの良い血統構成になっています。
仏ダービー価値を含む5連勝でここへ臨みます。その2走前の仏ダービーでは、道中は後方の内で待機も、直線で外に出し残り400m辺りで追い出されると一気に加速。反応が早くトップスピードに乗るまでのスピードは優秀なものがありました。また、ストライドもしっかりと伸びており、このレースでもテーマになる前を飲み込む力という所も十分に見せたと言えるでしょう。
後にマイルG1で連続2着になる2着馬が積極的に逃げた事で欧州の競馬にしては時計もペースも速かった印象で、それが後方で構えていた同馬に合ったハマった所もあるかとは思います。
血統的には柔らかさもありますが、それ以上にDanzigの一本調子感やドイツ血統のスタミナ、底力と言った所が目立つタイプ。それだけに、血統のイメージとはややずれたような走りをして高いパフォーマンスを発揮したなと言うのが仏ダービーを見ての第一印象。
ただ、どちらにしても悪い印象は持っておらず、血統のイメージと違うと言っても良い意味で、ですし、血統的に目立っているAllegrettaを中心にしたドイツ血統もこのレースにおいてはプラスになる。
極端に重い馬場になった際にどうなるかがポイントになりそうですが、血統的にはそこまで大きくパフォーマンスが変わらなさそうと感じています。
極端に外枠を引くなどで脚が溜まらないという事が無ければ基本的には大きく凡走はしないと見ている。高めの評価を推奨したい一頭です。
✅フィードザフレイム
血統評価:A∔
ニエル賞2着から臨みます。
父はDanzig系の中でも欧州方面の柔らかさを多く持つKingman、母父がSadler's Wells系のMontjeuという配合。母方は、一族から英セントレジャーを制したルールオブローなど英クラシックでの好走馬も出ているタフな英国ルーツの牝系ですが、4代母Never So Fairを中心にした柔らかさを持っており、どちらかと言うと仏牝系味を感じる並びになっています。また、母方でSadler's Wells≒Nureyevを持っていたり、母父間でNever Bend≒Bold ReasonやSir Gaylordのクロス(5×8)など、各々関係性の深い血統が並んでおり、欧州方面のタフさや柔らかさを助長する並びになっている。
その上で、ミスプロ×Nijinskyやそれを際立てるThe Minstrel≒Nijinkyのニアリークロスなどスピードを助長する要素もしっかりと備えており、重さや柔らかさ一辺倒では無いバランスの良い血統構成と言えるでしょう。
感覚としては、このKingman産駒の代表産駒であるPersian kingとシュネルマイスターを足して2で割ったような配合です。
3走前の仏ダービーではここでも対戦予定で人気を背負うエースインパクトに負けていますが、エースインパクトは終始内で競馬できた事に対して、フィードザフレイムは勝負所とその前後では終始外追走になってしまい、その分ロスが響いた印象です。
2走前のパリ大賞でG1勝利を挙げましたが、この内容が秀逸。道中が内で構えて、勝負所では残り400m過ぎの辺りで進路を確保。ここから反応早くストライドを伸ばして差し切り勝ち。特に、稍重馬場の中で上がり3Fが約34秒フラットのフランス競馬らしい速い上がりを求めれた中での後方からの差し切りである点や、進路を見つけてからの400mは推定10秒後半‐11秒前半辺りの脚を使ってきており、改めて溜められた時のトップスピードの素晴らしさを見せる内容だったと感じます。
前走のニエル賞は先に抜け出したファンタスティックムーンを捉え切れず2着に甘んじましたが、直線で内を捌いてくるような動きをしてきており、今までとは違う形での直線の動きをしてきたのが印象的である。これは個人的には本番のオープンストレッチ解放に向けて意図的にしてきたと感じている。
ローテや経験的にも良い形で本番を迎えられると思いますし、血統的にも直線で発揮できる欧州方面の前向きさ内包しており適性は抜群。重い馬場も苦にしないでしょうしチャンスは十分な存在だろうと思います。
✅ウォームハート
血統評価:C+
ヴェルメイユ賞1着から臨みます。
父はSadler's Wells系の名種牡馬Galileo、母父がDanehillの後継に当たる豪州のFastnet Rockという配合。母方も豪州ルーツの牝系出身ではありますが、Sir CosmoやDonatello、Hyperionと言った欧州の重い血統を豊富に持っており、母父以外はあまり豪州感を感じない重めの並びと言えるでしょう。
とは言え、Tom Fool(Buckpasser)のクロスやEight Thirty等、素軽く速い血統も持ち合わせており、欧州の馬場の中でも早めの馬場や俊敏さが活きる等のシチュエーションに合うタイプと言えるでしょう。
前走のヴェルメイユ賞では内をこじ開けてくるように伸びてきており、そういった中でスッと伸びてきたのは、この血統らしい俊敏さのある脚の使い方だったように感じます。並ばれてから差し返す勝負根性も好感が持てる点です。
2走前のヨークシャーオークスでも並ばれてから強さを見せており、直線で抜け出すときの一瞬の加速と、その後抜かせない持続力と勝負根性が同馬の持ち味と言える。
このレースに対する加速のイメージとは異なる為、レース適性自体は次点レベルですが、良馬場で内枠を引くなど俊敏さを活かせるシチュエーションになればチャンスもありそうな印象です。
✅フクム
血統評価:C
KJ6世&QES1着から臨みます。
父はDanzig系の凱旋門賞馬Sea the Sters、母父がミスプロ系のKingmamboという配合。全弟には欧州最強馬の一角バーイードがおり、祖母は米国のBCフィリー&メアターフを制しているLahudoodという良血馬です。
ミスプロの3×4を持った万能さや柔らかさのある配合ですが、それ以上に母方のSadler's Wells≒NureyevやRed God≒Haloと言ったニアリークロスが目立っており、持続力や俊敏さも垣間見える血統構成になっている。どちらかと言うと小回り気味で持続力を問われるようなシチュエーションに強いタイプと言えるでしょう。
前走のKJ6世&QESは先に動いたウエストオーバーを追いかけ、直線では熾烈な叩き合い。これを僅差で制する内容でした。欧州の競馬らしく、時計が掛かる馬場と展開の中で長く脚を使い差し切る好内容でした。
ただ、例年と同じことを述べますが、イギリスのアスコットで行われる同レースは凱旋門賞で問われる適性とは大きく変わってくるのが一つのポイント。現にウエストオーバー、ルクセンブルグと言った昨年の凱旋門賞で敗れている馬が上位に来ており、ここでの好走は凱旋門賞においてはプラスにならない、むしろトップスピードの面で劣りやすくなってしまうためにマイナスにさえなってしまうというのが個人的な意見。
ロス無く立ち回れる内枠を引いた際や、更に持続力が活きやすい渋った重い馬場になって前進可能か。
✅ウエストオーバー
血統評価:C+
KJ6世&QES2着から臨みます。
父はGalileo後継のFrankel。母父がRobertoの後継であるLear Fanという配合。このLear FanがLt.Stevensを内包しており、これがSpecialの母であるThongと全兄妹の関係性になっており、馬力やRoberto×ミスプロのNashuaクロスを含めた持続力に繋がっている印象。
米国にルーツのある牝系出身だけにダート方面のスピードや前向きさ、持続力も見える血統構成になっています。
昨年の凱旋門賞にも出走しており6着。昨年の血統解説でも述べましたが、同馬のポイントは『加速力よりも持続力に長けたタイプの血統構成』である事と、『休み明けのフレッシュな状態の方が良く、反対に一般的な欧州馬らしい使い込みの仕方をしていくと先細りになっていってしまう』事。
前者に関してはこのレースの適性としては次点以下レベルの印象を持ちますが、後者に関しては適度に間隔を空けている分、プラスに捉えても良いだろうと感じます。
また、昨年の凱旋門賞含め、ここまでのレースぶりを見ても分かるように馬群でも競馬が出来るのは、馬群が密集しやすいこのレースにおいてプラスになる。このレースで有利になりやすい内枠を引ければ存分に生かせるのは好印象です。
ただ、昨年は直前の雨で馬場こそ急激に悪くなり走れる馬が限られた物の、元々馬力はある血統の為、雨は歓迎だった事や、枠の並びや展開自体は言い訳が効かない程良かったのも事実。そういった中での6着をどう捉えるかがポイントになると思います。また、前述のフクムの所でも述べましたが、前走でこのレースとの関連性があまりないKJ6世&QESで2着と好走しているのも気になる。
地力は評価しますが、適性的に厚い信頼は出来ないと感じます。
✅セーブザラストダンス
血統評価:B‐
ヨークシャーオークス3着から臨みます。
父はSadler's Wells系の名種牡馬Galileo、母父がStorm Cat系のScat Daddyという配合。母の半兄には米国のBCターフスプリントを制したMongolian Saturdayがおり、Seattle Slew~Damascus~Alyder~Bold Rulerと続く、米国のダート血統色が強い牝系出身です。
ミスプロのクロスを持っている事や、母父がStorm Cat系である事から万能で馬場融通の広さが伺える配合になっている。ダート方面ではあるが馬力もしっかりと持っており、重い馬場にも対応できるタイプ。極限にトップスピードを求められるシチュエーションよりは時計を要する方が相対的に良さが出る血統構成と言えるでしょう。
ここまで重馬場以上時に愛オークスを含めた3勝を挙げており、良馬場で速いトップスピードを求められるよりは、万能さを活かして時計が掛かる中でのトップスピード勝負の方が高いパフォーマンスを発揮できるタイプと見て良いでしょう。
その2走前の愛オークスでは、直線で内に押し込められそうなシーンがありながらも先に抜け出した2着馬を捉える内容。加速にやや時間を要するシーンはありましたが、スピードに乗ってからの脚は優秀だったと感じます。
あまり溜めてからの加速に秀でたタイプでも無い分、速いトップスピードを求められた際はスピード負け、切れ負けをしそうな印象。そういった意味では欧州方面の前向きさを問われるこのレースでの適性自体は劣る印象を持ちます。
重い持続力を問われる馬場で前進を見込みたい。
✅コンティニュアス
血統評価:C
英セントレジャー1着から臨みます。
父はトニービンを内包するサンデー系の日本の種牡馬ハーツクライ。母父がSadler's Wells系の名種牡馬Galileoという配合。近親には欧州G1を制しているMaybe~Saxon WarriorやEven Soらがいる一族で、辿るとドクターデヴィアスやシンコウキング、スズカフェニック、更には米指向なスーヴェニアギフト~デアレガーロらがいる日本にも縁のある牝系出身です。
母母父のDanehillを中心に、Sadler's WellsやAlleged等の締め上げる血統を内包し、緩く晩成に出やすいハーツクライ産駒の弱点を緩和し、早期からも動けるようになっているタイプ。ただ、パワーや耐久性と言った重い要素が多く、本格化はやはり遅そうなタイプです。
前走は日本で言う菊花賞的な位置付けに当たる英セントレジャーを勝利。距離延長のターンで勝利を挙げる辺り、如何にも典型的なハーツクライ産駒らしいなとも感じます。
その英セントレジャーでは内を立ち回り、直線では馬群を割り早めに抜け出す。早めに突き離しそのまま押し切る内容でした。ラストは脚が少し上がり差を詰められていましたが、抜け出すときのL2Fの走りは評価すべき内容だったように感じます。
母方にDanehillは内包していますが、基本的にはパワーや耐久性、持続力と言った所に向いた重めの血統が並ぶ血統をしているだけに、直線での加速力を求められるこのレースではやや分が悪そうな印象を持つ。
日本の種牡馬の産駒だけに頑張って欲しいが、ここは厳しめの評価です。先々での完成も待ちたい所です。
✅オーギュストロダン
血統評価:C-
アイリッシュチャンピオンS1着から臨みます。
父はディープインパクト、母父がSadler's Wells系の名種牡馬Galileoで、母は英・仏・米の芝マイル~中距離G1で活躍したRhododendron、祖母も同じく欧州G1馬のHalfway To Heavenという良血馬です。同牝系には日本のオークスを勝利しているヌーヴォレコルトなどもいる一族出身です。
母方でSadler's Wells≒Nureyevを持っており、Specialらしい底力やタフさを感じつつも、Sir GaylordのクロスやSecretariat≒Sir Gaylord(Alzao≒セクレトとも取れる)、下り坂血統のAhonooraと言った所から父ディープインパクトらしいしなやかさを助長する並びになっている。
ここまでG1を4勝と申し分ない実績を上げているディープインパクト産駒。基本的には好位から抜け出す形を得意にしており、切れ味よりも基礎スピードを中心にした総合力で勝負するタイプと言える。
そういった意味では爆発的な瞬発力を求められることが多いこのレースへの適性はだいぶ劣る印象を持つ。加えて、好凡走の差が大きく、ふと大敗する可能性があるのもポイント。自身に合わないシチュエーションになった際に頑張れない傾向があるのも父らしいと感じますし、今回のような合わないシチュエーションで評価できるタイプでは無い。
BCターフへの参戦を表明しているので、恐らく出走しないと思いますが、出走した際は個人的にはバッサリ行きたい。
✅エミリーアップジョン
血統評価:B-
KJ6世&QES7着から臨みます。
父はDanzig系の凱旋門賞馬Sea the Sters、母父がSadler's Wellsの後継であるBaratheaという配合。母方はネヴァービートやHethersettらを輩出した英国ルーツの牝系出身で、近親には中距離を中心に活躍したSeal of ApprovalやHarzand、Big Dukeらがいる良血馬です。
母方でBold Reason≒Never Bendを持っていたり、Sir Gaylordの6×5を持つ等、欧州方面の柔らかさに富んだ配合をしており、基本的には大箱コースで欧州的な前向きさを発揮する事に向いたタイプの血統構成です。また、字面的には加速が遅そうな並びの血統をしている分、スムーズに加速できるシチュエーションになるかどうかもポイントになるタイプと言えるでしょう。
ここまでG1を2勝2着2回と実績を残してますが、牝馬限定G1であったり少頭数でのG1での実績とやや実力や格的には一枚劣る存在。
また、4走前の英チャンピオンズフィリーズ&メアズSを見てもそうですが、基本的にはスピードに乗るのが遅く、この辺りは血統的なイメージとも合致してくる。そういった意味ではこのレースで求められる勝負所での加速とはややずれてくる印象を持つ。
英国牝系出身らしく、もう少し持続力を求められる方向の方が同馬には合うか。血統的には悪くないものの、無理して買うほどの評価は出来ず、と言った印象。
✅ルクセンブルグ
血統評価:C-
アイリッシュチャンピオンS2着から臨みます。
父は凱旋門賞馬Montjeuの後継にして2000ギニーやエプソムダービーを制しているCamelot。母父がDanehillの後継のDanehill DancerでSharpen upなどからより、馬力を補給している。また、Danehillの3×4を持ち、奥にはBuckpasserやWild Riskと言った前向きな面を持ち合わせる血統を多く持ち、Never Bend≒Bold Reasonやミスプロなどの柔らかさも持ち合わせますが、どちらかというと馬力を活かした持続力に向いたタイプの血統構成に見えます。
昨年の凱旋門賞にも出走しており7着。当時の血統解説でも述べましたが、『血統からは持続力と馬力に秀でている様子が見受けられ、凱旋門賞で求められるような直線での加速力・前を飲み込む力という面ではやや劣るように見受ける。そういった意味で適性的には次点レベルの印象です。』としているように、血統背景からくる適性自体は評価しにくい。
また、昨年はタイトルホルダーの存在が同馬にとってプラスになるという旨についても触れましたが今年はいない。当然、他の欧州各馬にも積極的に行くような馬がいない分、同馬の持ち味は生きにくいと見る。
近況から見ても、昨年以上を見込むのは酷だと判断します。
✅ザグレイ
血統評価:D
バーデン大賞(G1)1着から臨みます。
父はミスプロ系の中でも欧州方面の柔らかさを持ち合わせるDubawiの後継に当たるZarak、母父がLyphard系のSlicklyという配合。母方を辿ると米ダートG1でも好走経験のあるBroom DanceやMisgivings、更には日本の交流重賞などでも実績のあるレイズスズランなどがいる米国ルーツの牝系出身です。
ミスプロ色が強い父とNorthern Dancer色が強い母との配合になっており、血統全体でアウトブリードに近い配合になっている。その中でもやや米国指向な前向きさが目立つ配合になっており、基本的には持続力を活かす積極的な競馬が合うタイプと言えます。
また、父Dubawi系に母父Lyphard系という字面から直線競馬の適性が高そうだなとも感じる一頭です。
春にはドバイシーマクラシックでイクイノックスとも対戦した同馬。当時は低評価を覆しての好走だったので驚いたのを覚えています。その後のサンクルー大賞やバーデン大賞を見ても、やはりジリっぽい脚を使っている印象で、前述の通り持続力を活かす方が向いている印象です。
そういった意味では直線での加速力を求められる同レースでの適性自体はだ大分劣る印象。
また、多頭数シチュエーションもマイナスに感じてしまう。
実現するか分かりませんが、いずれジャックルマロワ賞などで見てみたいです。
✅フリーウィンド
血統評価:A-
ヨークシャーオークス2着から臨みます。
父はSadler's Wells系の名種牡馬Galileo、母父がDanehillの後継であるDuke of Marmaladeという配合です。近親には日本でもタフな芝のシチュエーションで活躍していたクレッシェンドラヴがおり、母方を辿ると愛G1馬のSpace Bluesらがいる血統馬です。
Sadler's Wellsの2×3を持ったGalileo系産駒で母方にShirley Heightsを内包する牝馬と言う点は、凱旋門賞を連覇したエネイブルとも共通点のあるポイント。欧州方面の前向きさと馬力をしっかり持っており、欧州の芝レースというシチュエーションであれば多くの場面に対応できる融通性があるタイプの血統構成と言えるでしょう。
前走のヨークシャーオークスは先に抜け出したウォームハートを抜群の加速力で捉えに行くも、勝ち馬の勝負根性に屈して2着。とは言え、捉えに行くときの加速力など見所のある内容だったと言えるでしょう。
今年で5歳を迎える古豪ですが、2度の長期休養を挟んでいる事もあり、キャリアは浅くまだフレッシュな状態がキープされていると言って良い。いつかのエネイブルの考察でも述べたが、こういったMill Reef由来の柔らかさがキーになっているタイプは晩年に筋肉が硬化してしまうと良さが薄れてしまう。そういった意味でまだ鮮度が保たれていそうな点は好感が持てると言って良い。
横比較ではやや劣りそうな物の、適性や血統背景、臨戦等は魅力的。血統で買うなら一票入れるべき存在に感じます。
✅ミスターハリウッド
血統評価:B-
バーデン大賞2着から臨みます。
父がドイツの名種牡馬Adlerflugの後継にしてJCにも連続参戦の経験があるIquitos(イキートス)、母父がMontjueの後継でディープインパクトとも対戦したHurricane Runと言う配合。Sadler's Wells系同士の配合になっており、更に母母父のラインがNureyev系になっている為、Sadler's Wells≒Nureyevが3/4を占めるという並びになっている。
Special牝系らしい馬力が効いている一方でダート色の血統も随所に内包している為、基本的にはタフなシチュエーションでの加速力よりも持続力に向いたタイプの血統構成と言えます。
前走のバーデン大賞は、先に抜け出して一度は捉えられるシーンがありましたが渋とく伸びて2着を確保。ドイツ血統らしい鈍重さを見せつつも、馬力や持続力と言った同馬の良さがしっかりと出ただろうと思います。
一昨年の勝ち馬で昨年の3着馬Torquator Tassoに代表されるAdlerflugの系統産駒というドイツを代表するような血統だけに、馬力や持続力が活きそうなタフなシチュエーションになった際は一票入れておきたい。
✅エミリーディッキンソン
血統評価:D
愛セントレジャーの取り消し明けから臨みます。
父はミスプロ系の中でも欧州方面の柔らかさを持ち合わせるDubawi、母父がSadler's Wells系の凱旋門賞馬Montjueという配合。母は愛オークス馬のChicquitaと言う血統馬で、近親には欧州G1勝ち馬のMagic WandやRekindling等がいる良血馬です。
Shirley Heightsの4×6や母方のBold Reason≒Never Bendなどから欧州方面の柔らかさを助長されており、更にミスプロのクロスでより助長されている印象。一方で、硬く一本調子なDanehillなども持ち合わせる事で、揉まれずスムーズに持続的なスピードを使う事に向いたタイプとも取れる血統構成。
3歳に入ってからは長距離を主に使っており、特に重い芝でのレースで好走歴がある。今回は-800mの距離延長となる。Danzigやミスプロと言った前向きなスピードを持つタイプでもある分、血統的には短縮も対応可能なタイプではある。
ただ、G1でも好走が限界レベルでは地力的に見劣りする。また直線での加速力を求められるフランス競馬の経験値が低い事も懸念点。ここは評価しづらいと感じます。
✅プラスデュキャルゼル
血統評価:B∔
フォワ賞(G2)1着から臨みます。
母父がStorm Cat系の中でもタフな芝への適性が高いShamardalの後継にしてMachiavellianのクロスを内包するLope de Vega、母父がDanehillの後継Duke of Marmaladeという配合。母方は欧州G1馬のLillie Langtry~Minding、Empress Josephine、Tuesdayなどがいる欧州の名牝系出身です。
3/4Northern Dancer系×1/4非Northern Dancerの好形配合になっており、基礎スピードが助長されている。その上で、Bold Reason≒Never Bendと言った欧州のデフォルト的ニアリーであったりHyperionなどからくる闘争心やDamascusなどの馬力要素を豊富に持っており、欧州競馬で求められる能力をしっかりと持ち合わせる典型的な欧州の好バランス配合です。
昨年は凱旋門賞と同日に行われたオペラ賞を勝利。道中は馬群の中団後方外目を追走、他馬に囲まれて揉まれるシーンもありつつ我慢良く追走出来ていたように思います。直線では間を割りつつ、前が空いてからはスムーズにストライドが伸び加速が出来ていた。タフな馬場でスピードに乗りにくい中で、約12‐12前後の失速は幅が少ない中を差し切るラップ的にも優秀な好内容での勝利でした。
また、前走のフォワ賞も少頭数ながら、最加速地点のL2F(約10.8)地点で前を捉えてきており、トップスピードの優秀さを証明した形。
血統的にStorm Cat系の分あまりタフなイメージも無いかもしれませんが、タフさの下地はしっかりとある血統ですし、昨年のオペラ賞などのタフなシチュエーションでの実績もしっかりとある。直線での加速性能はしっかりと評価できる水準と適性にあると思いますし、十分上位進出が狙える一頭に感じます。
✅シムカミル
血統評価:D∔
ベルリン大賞1着から臨みます。
父はミスプロ系の中でも前向きなスピードがあるGulchの系統であるTamayuz、母父にはNureyev系のPivotalという配合。Nureyevの3×4を持った馬力が強調されつつ、Never Bendのクロスから欧州方面の柔らかさも持ち合わせる。
3/4Northern Dancer+1/4非Northern Dancerという並びになっており、基礎スピードもありそうな好形の血統構成になっています。また、近親には仏オークスなどを制したサラフィナなどがいる血統馬です。父系がミスプロ系という影響もあってか、ダート(AW)での勝ち星もある万能さのあるタイプ。精神耐性の強さも見込める血統構成になっており、タフなシチュエーションや競り合いにも強いタイプと言えます。
昨年のJCにも出走している。結果は15着と大敗していますが、同レースと未勝利(デビュー戦)を除けばパーフェクト連対と言った成績を残しており、如何に馬場などが合わなかったかとも言える。ここでの敗戦は気にしなくて良いでしょう。
その上で、基本的には万能さや総合力で勝負するタイプで、突き抜けた末脚を発揮するというレースよりは、立ち回りの上手さや持続力などで上を取る方が同馬的には好ましい。
そういった意味で、直線で突き抜けた加速力を求められる同レースの適性は数段劣る印象。内枠を引いてロスなく回り、少しでも上位を狙いたいか。
✅オネスト
血統評価:B-
アイリッシュチャンピオンS7着から臨みます。
父がGalileo後継のFrankel、母父がGalileoと同じアーバンシーの産駒であるSea The Stersという配合で、アーバンシーの3×3、もしくはGalileo≒Sea The Stersを持ちます。
ドイツ牝系であるアーバンシーがクロスしていたり、HyperionやBlenheimと言った欧州の重いタフな血統を豊富に持つスタミナや持続力に富んだ血統で、徐々に加速しながら長く脚を使うシチュエーションがフィットする血統構成と言えます。
昨年の同レースにも出走し10着。その後JCにも参戦し0.7差の7着と健闘するなど日本にも馴染みのある一頭。昨年は同コースで行われるパリ大賞を勝利してからの臨戦でしたが、近走は長期休養を挟んだこともあり、順調とは言い難い。
その上で昨年も述べていますが、『欧州の中でも重めの血統だけに、地力を要するタフな馬場でも対応できる一頭と言って良い』としており、その中で実際にその能力が活きそうなシチュエーションになった昨年の同レースで結果を残せなかった事も気になる点。昨年の見立て通り、『Danehillらしい一本調子感や揉まれ弱さがある』と感じますし、適性的にも劣る印象を持ちます。
使った上積みはあるでしょうが、適性がフィットしてない以上、上位進出のハードルは高そうな印象を受けます。
✅スルーセブンシーズ
血統評価:B-
宝塚記念2着から臨みます。
父はステイゴールドの後継であるドリームジャーニー。そこに母父クロフネ、奥にSeattle Slewとダート色が並び、曽祖母のOver Allは🇺🇸ダ1400mG1であるスピナウェイSなどを勝っている🇺🇸牝系出身の血統馬です。この父×母父の配合ではザイツィンガーやジョブックコメンなどがいるように、小回りの中盤以降で長く脚を使うレースがフィットする。加えて母方のNashuaやSeattle Slewなどの追走力の豊富さや下り要素からも個人的に合うと見るのは中山コースや阪神・京都の内回り。器用さと持続力が活きるコースが合う血統構成と言えます。
前走は世界のイクイノックス相手にクビ差と迫る堂々たるレースぶり。進路次第では、、、と思わせる内容で、血統的なコース適性は抜群だった事に加えて絶好枠を引くなど恵まれた所もありますが、それでも評価すべき結果だったと思います。
父はステイゴールド系のドリームジャーニー(オルフェーヴルの全兄)という事もあり、日本調教馬がこのレースで好走する為の最低条件的な物はクリアしていると言える。宝塚記念の好走も通過儀礼的な物として好印象です。このレースで好走する下地はあると言えるでしょう。
ただ、前走が同馬にとって適性的に”向きすぎていた”事や、血統的には小回り向きなイメージが強い。それこそ、ここ最近で参戦した馬で言えば21年に参戦したクロノジェネシスのようなタイプと言える。大箱で直線が長く、実質ワンターンのこのコースにおいては、直線で使える脚が短く、前を飲み込み切れないというシーンが思い浮かぶ。
それだけに、どれだけスムーズに我慢しつつ、射程圏に入れて競馬出来るかがポイントになるか。理想は一昨年の紫苑Sのような形か。
ただ、血統的にもノーチャンスでは無い事は強調しておきたい。父を中心にした血統や、ノーザンテーストらしい勝気な精神面、コロンとした小柄めな馬体は過去のこのレースで好走してきた日本調教馬とも近しい物を感じる。個人的にも応援込みで恐らく買う一頭になると思います。
✅ベイブリッジ
血統評価:A-
セプテンバーS(G3)1着から臨みます。
父はミスプロ系の中でも欧州方面の柔らかさを持ち合わせるDubawiの後継に当たるNew Bay、母父がDanehillの後継にしてDeployの全妹に当たるShirley Valentineの子であるMultiplexという配合。
父と母が共にNever Bend≒Bold Reason(Sadler's Wells×Mill Reef)、そしてMill Reefのクロスを持ち合わせるなど、欧州方面の柔らかさが助長された配合になっている。牡馬である分、多少耐久性に向いている所もあるが基本的には大箱コースで溜めて直線で前を飲み込みに行って良さが出るタイプの血統構成と言えます。
昨年の英チャンピオンS勝ちなどの実績があり、主にイギリスで走っていましたが、今春から遠征も慣行。特に4走前にはロンシャンで行われるガネー賞でも3着と好走しており、フランス特有の加速力を求められる競馬を経験した上で好走しているのは好感が持てる。
少なくとも僅差で競ったシムカミルよりは臨戦、経験値などからベイブリッジの方が評価できるなと個人的には感じます。
元々そういった競馬に適応できる血統背景をしていただけに、一度でも経験できたのは今回に活きるだろうと思います。また、前走でポリトラックだったとは言え距離を経験できたのも大きい。ミスプロ系らしく、万能で馬場融通も広いだろうと思います。
地力では劣る存在ですが、臨戦過程や経験値、血統背景は申し分ない。パフォーマンスの大きな上昇があっても驚けない一頭です。
✅サンマルコ
血統評価:C-
フォワ賞3着から臨みます。
父は凱旋門賞馬Montjeuの後継にして2000ギニーやエプソムダービーを制しているCamelot。母父が父と同じSadler's Wells系にしてSpecialの全妹に当たるLasadellの牝系出身のSoldier Hollowで、Sadler's Wellsの3×4、ないしはNureyevとの≒で3×4・5、また、母方のThatchとSpecialなど、Special牝系の馬力が活きた配合になっています。
またシュネルマイスターやサリオス&サラキア兄妹らを輩出したドイツのSファミリー出身で、基礎体力のある一族出身。Sadler's Wells系のドイツ血統出身でNever BendクロスやNever Bend≒Bold Reasonを持ち合わせるという意味でもトルカータータッソに近い雰囲気があり、トルカータータッソをもう少しスタミナ・馬力に寄せたような血統構成です。
昨年は登録しながら出走には至らず。その後もドイツを中心に走るも、勝ち切れないレースが続いている。昨年にも述べましたが、『バーデン大賞やドイツダービーなどを見る限りはある程度の位置につけておいて早めに抜け出すスタイルが同馬の形。そういった意味では同馬のスタミナを活かす形が板に付いている印象。ここでもスタミナを活かす形に持って行きたいだろうが、加速力に秀でている訳ではない』としており、直線での加速力に秀でていない分、適性的には合わない(というか地力不足)印象。
今年のメンバー的には数少ないドイツ血統色の強い血統だけに血統的には面白いが、近況から評価しにくい。
✅シスファハン
血統評価:D
バーデン大賞6着から臨みます。
父がMill Reef系のIsfahan、母父がGrey Sovereign系のKendargentという配合で、父・母父が共にNasrullah系という並び。ドイツ調教馬ではありますが、母方を辿ると米国ルーツの牝系出身で、閉鎖的な競馬が行われることでも有名なドイツ競馬の中でも稀有な存在の一頭。
Sharpen up3本持ちである事や豊富にTeddyを持ち合わせるドイツ血統らしい重さもありますが、一方でBold RulerやRoman、Eight Thirtyなどの米国牝系らしいスピード要素も豊富に持つ並びになっており、早期から動けるスピードも兼ね備えている血統構成と言えます。
一昨年に独ダービーを勝利していますが以降はG1勝利から遠のいており、長距離へスイッチした時期もありましたがやや先細り感のある状態となっている。
好走血統ではドイツ血統の良さに触れましたが、同馬はあまりドイツ血統らしい重厚さが無く、やや例外的。スピード色も強い並びである事からここでは評価しにくい。
✅ファンタスティックムーン
血統評価:A
ニエル賞1着から臨みます。
父は凱旋門賞馬Sea the Stersの後継でドイツダービー馬のSea the Moon、母父がMontjueの後継Jukebox Juryという配合。母方はドイツ生産馬ですが、生粋のドイツ牝系出身という訳では無く、英国やフランスと言った欧州ルーツの牝系出身。ただ、馬力を合わせて助長するLomitusやNever Bend、ドイツ血統の重さの根源の一つでもあるAthanasiusのクロスを持ち合わせるなど、ドイツ血統らしさもあり、ドイツ血統内包の父によって更に助長されている。そこにBold Reason≒Never Bendの6・7≒5など欧州方面の柔らかさもしっかりと持ち合わせており、欧州の上がり勝負に対応できるタイプの血統構成と言えます。
前走のニエル賞は離して逃げる馬を見る好位でレースを進め、直線では速めに捉えて押し切る内容。いい意味でフランス競馬っぽくない展開でしたが、しっかりと勝ち切った点は評価して良いか。また、直線での加速力についても、前の馬が極端に止まっている訳では無い中で早々に捉えているので、見た目以上に好内容で優秀な加速性能を見せたと言えるでしょう。
血統的にもドイツ血統らしい重厚さを持ちつつ、欧州的な前向きさをしっかりと持っている分、加速力を求められるレースでも対応できると見受ける。適性、血統背景は共に申し分無い存在と感じます。
~~まとめ~~
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