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【日記】シーシャ屋パパ、ICLを受ける

中高時代、期末テストがあるたびに「頭にUSBポートがあれば今回の試験範囲を書き込んだSSD繋げるのに」とかずっと考えてたタイプの人間です。

今となってはクラウド全盛の時代なので、Wi-Fiモジュールを装備したい。

そのどっちも今んとこ実現してないけど、このたびサイボーグに一歩近づいた。

というわけで、シーシャ屋がICL手術を受けた話。


きっかけは夜泣きとものもらい

ICLって何かって言うと、眼内コンタクトレンズ。
今の僕の目の中(正確には水晶体と虹彩の間の後房って部分)にはレンズが入っていて、いわば常時コンタクトを付けた状態になっている。

埋め込まれてるので感覚は裸眼と一緒。
20年以上続いたメガネ/コンタクト生活といったんお別れ。

ICLを受けたきっかけは、やっぱり子どもの誕生。
お昼や僕が仕事に出てる間は奥さんが娘の面倒を見てくれてるので、夜泣きは僕が担当してる。

で、娘が泣くとまずはメガネを探すことになるんだけど、これがまぁ面倒くさい。

「やったか…!?」
「…対象、再びギャン泣きを再開しました」

泣いたのでメガネを付けて抱っこ、寝たのでベビーベッドに寝かせてメガネを外して就寝。1分後にまた泣き始めたので再びメガネを…。

や っ て ら れ る か 。

ベッドサイドのメガネを取ろうとしてメガネが落下し、娘がギャン泣きしている横で必死にベッドの下に手を入れてるときは世界を呪いそうになる。

あと本職シーシャ屋さんになってから、めちゃめちゃものもらいになるようになった。

多分だけど炭の灰が原因だと思う。
去年とか右上にできて治ったと思ったら右下にできて、治ったと思ったら左上にできた。当然その後左下にもできた。

や っ て ら れ る か 。

ものもらいになるたびメガネにするのも嫌だったし、そもそも灰が飛び交う空間でコンタクトを付けてるのがものもらいを加速しているのではという気もする(医者じゃないので詳しいことはわかりません)。
ものもらいの頻度が減るかは正直わからないけど、たとえものもらいになっても裸眼をキープできるICLは魅力的。

というわけで、サイボーグになることを決めた。
(奥さんがICLを受けて羨ましかったというのもある)

ぶっちゃけいくらかかったのよ

選んだのは大手町にあるアイクリニック東京。
奥さんと同じ病院にした。

ICLは執刀する先生にランクが3つあるらしく、その一番上の「エキスパートインストラクター」なる人は日本に10人くらいしかいないらしい。

そのエキスパートインストラクターが執刀してくれて、術後検診や万一の際のレンズ抜去/交換などの無料保障期間が長めに設定されたコースで83万円(乱視なしだと73万円。)。

まー高いんだけど、僕は術前ワンデーのコンタクトを毎日つけていたので、ランニングコストを計算してみた。

メダリストの乱視用ワンデーコンタクトが90日分で大体1万2000円。
一日あたり約133円で、1年間に直すと約4万8667円。
18年目で87万6000円となり、手術代金を超える。

18年後、僕は44歳なので、多分まだしばらくコンタクトを使い続けると思う。19年目以降もコンタクト代がかかり続けるとすると、ICLとの価格差は広がり続ける。
(ICLはレンズ交換とかしない限り初期投資だけで済む)

そうなると、ICLの方が費用総額も安いし、付けたり外したりの手間がなくなるというメリットまで付いてくる。
考え方次第だけど、僕はコンタクトよりICLの方が「買い」だと思った。

術前検査を済ませ、いざ手術

ICLのように効果が持続する買い物は、早めに済ませたほうがお得。
善は急げということで、早速予約をとった。

ICLを挿れるのに十分なスペースがあるのかを調べる検査と、2回の視力検査を経ていざ手術。
僕は近視に加えて乱視も入ってるのでレンズの在庫が国内にあるかが懸念事項だったけど(製造や海外取り寄せになると3〜4ヶ月待つらしい)、運良く国内に在庫があった。

レンズを入れるためには瞳孔がしっかり開いている必要があるので、散瞳薬という目薬を5分間隔でさし続けて1時間。
いよいよサイボーグ手術の順番が回ってきた。

ICLの手術は局所麻酔。目薬スタイルの麻酔薬を両目にさして麻酔完了。
「本当にこれで麻酔されてるのか?」と不安になるくらいの簡単な処置。
なんとなく眼球が痺れているような感覚があったのが逆に安心要素だった。

オペ室に入るとまぁすごい。
事前に資料では見ていたけど、スターウォーズでアナキンがダース・ベイダーの漆黒のスーツを取り付けられたのと似たような光景が広がっている。
やはりこれはサイボーグ手術だ。

手術台に寝かされて執刀医の先生から挨拶を受けると、あっという間に麻酔が追加されて眼球が固定される。
角膜を小さく切開して注射のような形で折り畳まれたICLが挿入され、四隅を細い棒のようなもので虹彩の下に固定して完了。
文章にすると簡単だけど、受けてる側の主観映像は意味不明。

強烈な光がずっと照射されてるんだけど、目の乾燥を防ぐためなのか定期的に謎の液体(生理食塩水?)がぶっかけられる。
プールに潜って天井の照明を見た時のように光が滲むのを眺めながら、「あぁ、危ない薬で視界がキマってる時ってこんな感じなのかな」と考えたり考えなかったり。
その間も角膜の内側にレンズが挿入されたり棒が突っ込まれたりしてるので、触覚は目が触れられていることをビンビンに伝えているのに、麻酔のせいで全く痛みは感じない新感覚。
痛みこそないものの、「あぁこれは課金して手術時間を短く済ませられる先生にお願いした甲斐はあったな」と過去の自分を褒め称える。
両目合わせて大体4分くらいで眼球イジイジタイムは終了。

後日答え合わせする気持ちで実際の手術風景を撮影した動画をYouTubeで観たのだけど、手術前に観なくて本当に良かったと安堵。
ICLを受ける予定がある方、その手の動画を観るなら術後にすることを強くお勧めいたします。

オペ終了

そんなこんなで無事にオペは終了。
手術中は強力な消毒がなされてるそうで、目が荒れまくっているので視界は霞み、何もしなくても目が染みる。
散瞳薬で瞳孔も開きまくっているので、スマホの文字が全く読めない。

大手町から自宅のある高田馬場まで電車で帰ることはできたものの、間違って運転でもしようものなら確実に命はなかった(術後当日の運転は厳禁)。

処方された3種類の目薬を1〜2時間おきに点眼しつづげていると、その日の夜には霞は取れた。暗いところで光を見ると輪っかが沢山見える(ハローグレアって言うらしい)。

翌日、早速術後検診を受けに行く。
視力検査をしてもらうと両目とも視力1.5。

元々どちらも0.1を切っていたので、20数年ぶりの良好すぎる視界にもはや戸惑うレベル。
ハローグレアはまだ感じるけど、それ以外は普通の視界と変わりなし。
絶対に個人差あるけど、想像以上に早く目がいい人の生活を手に入れることができた。

目がいい人の生活って便利

そんなこんなで、20数年ぶりに目がいい人の生活を手に入れてしまった。

夜泣きのたびにメガネ探さなくていいのは便利すぎる。
娘からしても泣いたらほとんどタイムラグなく下僕Bがやってくるので、大変ご満悦な様子。
寝起き一発目で娘の可愛い顔が精細に見えるのも非常に良い。

コンタクトが灰で汚れる心配もなくなったので、今後シーシャ屋さんとして勤務する中でものもらいに悩むことは減る気がしている。
とはいえこれは実際に1年くらい働いてみないと結果はわからないかな。
要観察。

これを書いているうちに午前2時を回ってしまったので、そろそろベッドに行きます。
視界良好なまま就寝する生活にはまだ慣れそうもない。


【シーシャ屋ばんびえん】
高田馬場と中野に計3店舗を構えるシーシャカフェ。
毎日14:00-24:00で営業。

【つー@ばんびえん / Daiki Tsukamoto】
シーシャ屋ばんびえんスタッフ。
「知って楽しい、真似して便利」をコンセプトとした #シーシャ雑学 をTwitterで発信中。最近パパになった。

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