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辻斬りが武士道を語りだす!これが『SIMPLE2000 THE武士道』だ!
申し訳ない!遅刻してしまったがゲームライターマガジン7月のフリーテーマ記事行くぞ!
現在『ゴースト オブ ツシマ』という時代劇オープンワールドゲームが好評を博している。海外製作とは思えない和の雰囲気が圧巻の作品で、対馬を馬で駆けながら蒙古相手に暴れ回っている冥人(くろうど)が大量発生中だ。
このツシマ効果で『ブシドーブレード』や『侍道』など色々な和風ゲームを思い出す人も増えており、この機に乗じて俺もとっておきの1本を紹介したいと思う。
日本にも色々な武士道ゲームがある!
ツシマだけにうつつを抜かしてる場合ではないのだ!
(ツシマを1日8時間遊んでる人間の発言)
https://note.com/kawapi/m/mf6167682c80c
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『SIMPLE2000 THE 武士道 〜辻斬り一代〜』
2003年にPS2で発売された定価2000円のアクションゲームである。
SIMPLE2000シリーズというと『THE地球防衛軍』『THEお姉チャンバラ』を筆頭にアクションの印象が強いかもしれないが、当時はまだまだテーブルゲームやスポーツが中心で、こういうゲームは非常に珍しかった。
開発担当は「ALU」。アクワイアから発売されたあの『侍』の一作目に一部関わったメーカー……だったと記憶してるんだが、既にネットに情報が残っていないので断定はできない!
こういう実績のあるメーカーを呼んできて、ノウハウを活かせるような作品を開発するというのは、SIMPLEシリーズではポピュラーなやり方だ。
『ギガンティックドライブ』のサンドロットに『THE地球防衛軍』
『チョロQ』のタムソフトに『THEレース』『THEタクシー』
『闘魂列伝』のユークスに『THEプロレス』
などなど。
数々の恋愛ADVを手掛けたヒューネックスも大活躍している。
まあ、それはそれとして、明らかにノウハウのないメーカーが作って、事故ってる作品も少なくないのがSIMPLEシリーズ七不思議!
『SIMPLE2000 THE 武士道 〜辻斬り一代〜』はタイトル通り主人公が辻斬り。盗んだ名刀で出世欲が沸き上がった主人公が、名だたる剣豪に挑んでいくというストーリー。
宮本武蔵や千葉周作、塚原卜伝といった有名人が時空を超えてそこら辺を歩いているので、片っ端から殴り込みをかけていくのだ。時をかける辻斬り。
タイトルの『THE武士道』の文字の下に「手段は選ばぬ、辻斬り一代」とか書いてあるのがすごい。武士道とは一体何なのかを問いかけてくる。
それにしてもカッコいいパッケージだぜ……。SIMPLEシリーズのパッケージイラストは平均点が非常に高い!
ゲームは1vs1が基本だが、ザコ3人相手に立ち回る戦闘もある。
相手の攻撃を弾ける返し、居合斬り、奥義などを駆使して戦うのだ。
まあ、居合斬りと居合斬り奥義が強いのでひたすらこれを当てるゲーム。
背景の作りなどは悪くないんだが、必殺技演出のショボさやカメラワークの悪さはまあ当時のSIMPLEシリーズらしいかな……!
主人公の一代は寝込みを襲ったり、酒に酔ってるところを襲ったりと子悪党感たっぷり。
柳生十兵衛を闇討ちしようとスキを伺っていたら、どんどん人気のないところに誘い込まれて「そのような露骨な殺気に、気が付かないとでも思いましたか?」って言われたり、卑怯な辻斬りらしい扱いを受けるのが楽しい。
とはいえ、主人公は口が悪くて不意打ちをするくらいで、毒を盛るとか人質を取るとか本当に卑怯なことはやらない。根は良い奴なのかもしれない。
いや、根は良い奴はそもそも刀を盗んだりしないか!
名だたる剣豪の他に塚原卜伝の弟子を100人くらい斬り捨てて辿り着いたエンディングで、唐突に武士道に覚醒してそれっぽいことを言いだす辻斬り。
勝った者が歴史を作るとはよく言ったもんだぜ!
佐々木小次郎が女性というアレンジがされてたり、他のキャラを使用して戦えるモードや、ザコ相手の100人斬りモードもあるのが特徴だが……。ゲームとしては結構地味で、もうちょっと主人公の卑怯さを前面に出した方が個性になったんじゃないかなと改めて思った。
その後のSIMPLEシリーズの和風アクションだとまず『THE合戦 関ヶ原』という無双風アクションが発売され、そこから『THEお姉チャンバラ』『THE女岡っピチ捕物長』『THE落武者』とイロモノ方面に進んでいくため、ダーティなキャラを主人公にしたシリアス路線の本作はなかなか貴重だ。
SIMPLE2000初期の和風アクションとして記憶しておいてもらいたい!
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